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JP2010241245A - 車両用駆動力制御装置 - Google Patents

車両用駆動力制御装置 Download PDF

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JP2010241245A
JP2010241245A JP2009091497A JP2009091497A JP2010241245A JP 2010241245 A JP2010241245 A JP 2010241245A JP 2009091497 A JP2009091497 A JP 2009091497A JP 2009091497 A JP2009091497 A JP 2009091497A JP 2010241245 A JP2010241245 A JP 2010241245A
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Yohei Hareyama
陽平 晴山
Yoji Takanami
陽二 高波
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】ロードロードに釣り合う駆動力Nbを発生させるアクセルペダルの開度(釣合点A)を車両Veの走行環境に応じて設定することにより、アクセルペダルのみの操作によって車両Veの駆動力Nを制御することができる制御装置を提供する。
【解決手段】ロードロードに釣り合う駆動力Nbを発生させるアクセルペダルの開度(釣合点A)を、自車両の駆動モード、およびナビゲーションシステムもしくは車両間通信システムによって得られた道路勾配、路面摩擦係数、横風の強度、渋滞情報、コーナーの有無情報、前方車両との間隔などの走行環境に応じて設定する。したがって、アクセルペダルのみの操作によって車両Veを減速させることのできる減速領域あるいは加速することのできる加速領域を任意に設定することができるので、アクセルペダルのみの操作によって車速Vを制御することを可能にすることができる。
【選択図】図1

Description

この発明は、車両における制動力および/または駆動力を制御するための制御装置に関するものである。
車両の車速制御性を向上させるものとして、車両における要求駆動力を変化させるアクセルペダルの操作量に応じて車両の制駆動力を制御するように構成されたものが知られている。これは、1ペダルドライブシステムとも呼ばれ、例えば、アクセルペダルの操作量が所定値よりも小さい領域において、エンジンブレーキによる制動に加えてブレーキシステムによって車両の制動力を得るものである。そのため、アクセルペダルの操作量が所定値よりも小さい場合に、アクセルペダルの操作量の増大にともなって、ブレーキシステムによるブレーキ量が減少するように構成され、また、アクセルペダルの操作量が所定値以上の場合に、アクセルペダルの操作量の増大にともないブレーキシステムのブレーキ量を零にすることにより、アクセルペダルの操作量のみで運転者の意図する加減速度を得ることができるように構成されたものである。
このようなアクセルペダルの操作のみで車速を制御する装置が特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載されている発明は、アクセルペダルの操作量が第一の所定値よりも小さい場合に、その操作量の増大にともなってブレーキ量を減少させ(減速領域)、アクセルペダルの操作量が第一の所定値以上であってかつ第二の所定値以下の場合に、車速が一定(車速保持領域)となるように構成されている。そして、アクセルペダルの操作量が第二の所定値よりも大きい場合に、その操作量の増大にともなってスロットル開度を漸増するとともにブレーキ量を零にする(加速領域)ように構成されている。
また、特許文献2には、アクセルペダルの操作量が減少するほど車両の減速度が大きくなる第一の領域(減速領域)と、アクセルペダルの操作量にかかわらず車両の加減速度が一定に保たれる第二の領域(定常領域)と、アクセルペダルの操作量が増加するほど車両の加速度が大きくなる第三の領域(加速領域)とが連続的に設定され、アクセルペダルの操作量のみによって車両の制駆動力を制御するように構成された発明が記載されている。
特開2001−260713号公報 特開2006−117020号公報
上述した特許文献1および2に記載された装置によれば、アクセルペダルの操作量に応じてエンジンのスロットル開度あるいはブレーキ踏力を制御するように構成されているので、アクセルペダルのみの操作で車速を制御することができる。
しかしながら、上述したように車速を一定に保持する定常領域あるいは減速領域から加速領域への変更点はアクセルペダルの操作量によって定まっている。したがって、例えば、車両の走行環境の変化にともなって加速領域を大きく使用したい場合や、減速領域を大きく使用したいなどの場合に、その設定を変更することができない。また、言い換えれば、アクセルペダルのストローク範囲がそれぞれの領域ごとに所定の範囲に限定されるから、操作可能なアクセルペダルのストローク範囲が限定されてしまう。そのため、アクセルペダルの操作による車速の制御性が限定される虞があり、未だ改良の余地があった。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであって、加速領域あるいは減速領域を車両の走行環境に応じて適宜変更し、車速の制御性を向上することのできる車両の制駆動力制御装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、車両の位置している走行路のロードロードと前記車両の駆動力とが釣り合う釣合点が設定され、前記車両の駆動力を発生させる駆動力要求操作量が、前記ロードロードに釣り合う駆動力を発生させる駆動力要求操作量より小さい場合に減速するように制御され、前記車両の駆動力を発生させる駆動力要求操作量が、前記ロードロードに釣り合う駆動力を発生させる駆動力要求操作量より大きい場合に加速するように制御される車両用駆動力制御装置において、前記釣合点を、前記車両の前後もしくは横加速度に影響をおよぼす走行環境に応じて、前記車両の駆動力を発生させる前記駆動力要求操作量よりも相対的に高開度側もしくは相対的に低開度側に設定する釣合点設定手段を備えていることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記釣合点より大きい駆動力要求操作量あるいは小さい駆動力要求操作量に対する駆動力が、車速もしくはエンジン回転数あるいは変速比に応じて異なっていることを特徴とする車両用駆動力制御装置である。
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記釣合点を挟んだ前記駆動力要求操作量の高開度側および低開度側での駆動力要求操作量に対する駆動力の変化割合の差が所定値以下であることを特徴とする車両用駆動力制御装置である。
請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記走行環境は、自車両の駆動モード、およびナビゲーションシステムもしくは車両間通信システムによって得られた道路勾配、路面摩擦係数、横風の強度、渋滞情報、コーナーの有無情報、前方車両との間隔のいずれかを含むことを特徴とする車両用駆動力制御装置である。
請求項5の発明は、請求項1ないし4の発明において、前記駆動力要求操作量を発生させる駆動力要求操作に対する反力を発生させる反力発生機構と、前記駆動力要求操作量が前記釣合点より小さい場合に前記反力を前記釣合点より大きい場合に比較して大きく設定する反力制御手段とを更に備えていることを特徴とする車両用駆動力制御装置である。
請求項1の発明によれば、車両の位置している走行路のロードロードと駆動力とが釣り合う釣合点を、車両の前後もしくは横加速度に影響をおよぼす走行環境に応じて、車両の駆動力を発生させる駆動力要求操作量よりも相対的に高開度側もしくは相対的に低開度側に設定される。すなわち、車両の走行環境に応じて、車両の位置している走行路のロードロードと釣り合う駆動力を発生させる釣合点を異ならせて設定することができる。そのため、車両の駆動力を発生させる駆動力要求操作量の操作範囲が車両の走行環境に応じて異なり、駆動力要求操作量を操作することによる車速の制御性あるいはドライバビリティを向上させることができる。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明による効果と同様の効果に加えて、釣合点より大きい駆動力要求操作量あるいは小さい駆動力要求操作量に対する駆動力が、車速もしくはエンジン回転数あるいは変速比に応じて異なるようになっている。すなわち、釣合点より大きい駆動力要求操作量あるいは小さい駆動力要求操作量があった場合に、いわゆる車両の状態に応じて駆動力を異ならせることができる。そのため、車両の状態にあった駆動力を設定でき、車速の制御性あるいはドライバビリティを向上させることができる。
請求項3の発明によれば、請求項1の発明による効果と同様の効果に加えて、釣合点を挟んだ駆動力要求操作量の高開度側での駆動力要求操作量に対する駆動力の変化割合と、釣合点を挟んだ駆動力要求操作量の低開度側での駆動力要求操作量に対する駆動力の変化割合との差が所定値以下にさせられる。したがって、釣合点を挟んだ駆動力要求操作量の高開度側および低開度側での駆動力の変化が小さくさせられるから、釣合点を挟んだ駆動力の急変を抑制することができる。またこれにより、車速の制御性あるいはドライバビリティを向上させることができる。
請求項4の発明によれば、請求項1の発明による効果と同様の効果に加えて、釣合点は自車両の駆動モード、およびナビゲーションシステムもしくは車両間通信システムによって得られた道路勾配、路面摩擦係数、横風の強度、渋滞情報、コーナーの有無情報、前方車両との間隔のいずれかに応じて、車両の駆動力を発生させる駆動力要求操作量よりも相対的に高開度側もしくは相対的に低開度側に設定される。すなわち、車両の前後もしくは横加速度の影響をおよぼすパラメータに応じて釣合点が設定されるから、車速の制御性あるいはドライバビリティを向上させることができる。
請求項5の発明によれば、請求項1ないし4の発明による効果と同様の効果に加えて、駆動力要求操作量が釣合点より小さい場合に、駆動力要求操作に対する反力が、駆動力要求操作量が釣合点より大きい場合に比較して大きく設定される。そのため、駆動力要求操作をする場合に、いわゆるオーバーシュートを防止もしくは抑制することができ、車速の制御性あるいはドライバビリティを向上させることができる。またこれとは反対に、釣合点よりも、駆動力要求操作量が大きい場合に、駆動力要求操作に対する反力が、小さくさせられる。すなわち、釣合点を超えて駆動力要求操作量を増大する場合に、その操作に対する反力が小さくさせられる。そのため、滑らかに駆動力要求操作量を増大させることができ、車速の制御性あるいはドライバビリティを向上させることができる。
この発明に係る制御を実行した場合における駆動力の制御を模式的に示す図である。 車両の駆動モードを設定するモード設定スイッチが例えばスノーモードに選択された場合における駆動力の制御を模式的に示す図である。 ナビゲーションシステムあるいは車両間通信システムなどから入力される車両の周辺情報を示す信号に基づいて、ロードロードに釣り合う駆動力を発生させるアクセルペダルの開度(釣合点)を設定した場合における駆動力の制御を模式的に示す図である。 この発明に係る制御を車両の降坂時に適用した場合における駆動力の制御を模式的に示す図である。 釣合点を挟んだアクセルペダルの開度の相対的に高開度側および低開度側での駆動力の変化を模式的に示す図である。 この発明に係る制御をおこなう場合に、アクセルペダルの操作に対する操作反力を模式的に示す図である。 この発明で制御の対象とする車両の駆動系統および制御系統の構成例を模式的に示す図である。
つぎにこの発明を具体例を参照して説明する。図7は、この発明で制御の対象とする車両Veの駆動系統および制御系統の構成例を模式的に示す図である。図7において、この発明を適用できる車両Veは、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関(以下、エンジンと記す)1や、エンジン1と図示しない電動機とを併用したハイブリッド車両などであって、エンジン1の出力側に、例えばトルクコンバータなどの流体伝動装置を介して自動変速機構2が連結されている。そして、自動変速機構2の出力側に、例えばプロペラシャフト3およびデファレンシャル4ならびにドライブシャフト5などを介して、駆動輪6が連結されている。
エンジン1は、上述したように、例えばガソリンエンジンやディーゼルエンジンあるいはLPGエンジンなどの燃料を燃焼させて動力を出力する内燃機関であって、そのエンジン1におけるスロットル開度などの運転状態を電気的に制御できるように構成されている。なお、エンジン1には、例えば、エアコン用コンプレッサやパワーステアリング用オイルポンプあるいはオルタネータなど、直接もしくは間接的にエンジン1の出力トルクにより駆動されて作動する補機(図示せず)が連結されている。
エンジン1の出力トルクは、流体伝動装置を介して自動変速機構2に入力され、その自動変速機構2において設定される変速比γに応じて変速されて、駆動トルクとして駆動輪6へ伝達されるようになっている。
自動変速機構2は、例えばエンジン1の出力する動力を無段階に変速可能な無段変速機あるいは所定の変速比γに設定して変速する有段式の自動変速機あるいは電動機と遊星歯車機構とを組み合わせたハイブリッドトランスミッションであって、例えば油圧を電気的に制御して変速比γを変更する変速制御をおこなういわゆる電子制御式の変速機構である。また、その自動変速機構2に一体化して設けられた油圧制御装置(図示せず)を制御することにより、変速段もしくは変速比γの切り換え・変更を行うように構成されている。
そして、上述したエンジン1の運転状態、自動変速機構2の変速比γ(もしくは変速段)を変更する変速制御を実行させるための油圧制御装置の動作状態を制御する電子制御装置(ECU)7が設けられている。
この電子制御装置7は、一例として中央演算処理装置(CPU)および記憶装置(RAM,ROM)ならびに入出力インターフェースを主体とするマイクロコンピュータにより構成されていて、電子制御装置7には、例えば、エンジン1の回転数Neを検出するエンジン回転数センサ8、車速Vを検出する車輪速センサ9、車両Veの走行状態を推定するための車両Veの前後あるいは左右の加速度を検出する加速度センサ10、アクセルペダル(図示せず)の開度を検出するアクセル開度センサ11、エンジン1がアイドル回転数を維持している状態を示すアイドルスイッチ12のON/OFF信号、あるいは、車両Veの駆動モードを設定するモード設定スイッチ13のモード設定信号、ナビゲーションシステム14から取得される道路の混雑情報を含む交通情報および道路勾配ならびに車両Veの現在の位置情報などの信号、自車両Veと前方の他車両との間で走行状態などの情報を相互に通信する車両間通信システム15を備えている場合には各車両からの信号などが制御データとして入力されるようになっている。
なお、モード設定スイッチ13によって選択される駆動モードとして、例えばノーマルモード、エコノミーモード、パワーモード、スノーモード、スポーツモード、緊急避難モードなどが挙げられる。そして、選択された駆動モードに基づいて、エンジン1および自動変速機構2の制御がおこなわれる。
そして、電子制御装置7からは、エンジン1のスロットル開度および燃料噴射量などを変更する制御信号、自動変速機構2の変速比γを変更する制御信号、レーダクルーズコントロール制御用コンピュータヘの制御信号、車両間通信をおこなう他車両への信号などを出力するように構成されている。
図1は、上述したこの発明に係る制御を実行した場合における駆動力Nの制御を模式的に示している。図1において、例えば車両Veがコーナーあるいは交差点などを旋回し、車両Veに前後もしくは横加速度が生じる場合であって、横軸はアクセルペダルの開度(%)を示し、縦軸はエンジン1の駆動力Nの変化を示している。実線は、この発明における車両Veの駆動力Nの変化曲線を示し、また、図1における破線は、車両Veが位置する走行路のロードロードに釣り合う駆動力Nbを示している。その駆動力Nbは、車速Vおよび変速比γならびに駆動モードによらずに、エンジン1のスロットル開度および燃料噴射量が電気的に制御されて発生させられる。そして、この駆動力Nbは、ロードロードと釣り合う駆動力Nであるから、この駆動力Nbを維持することにより、車速Vを一定に保つことができる駆動力Nである。この破線とアクセル開度との交点がこの発明における釣合点Aを示している。
また、駆動力Nの変化曲線は、アクセルペダルの開度(%)が同じ場合には、車速Vもしくはエンジン1の回転数Neあるいは変速比γに応じて異なるようになっている。
上述したように、この発明はロードロードに釣り合う駆動力Nbを発生させるアクセルペダルの開度(%)を、すなわち釣合点Aを車両Veの走行環境に応じて相対的に高開度側もしくは低開度側に設定されるように構成されている。ここで、走行環境とは、自車両Veの駆動モード、およびナビゲーションシステム14もしくは車両間通信システム15によって得られた道路勾配、路面摩擦係数、横風の強度、渋滞情報、コーナーの有無情報、前方の他車両との間隔などを示している。
図1において、例えば車両Veがコーナーを走行しており、車両Veに生じる横加速度が相対的に小さい場合には、ロードロードに釣り合う駆動力Nbを発生させるアクセルペダルの開度(%)を、すなわち釣合点Aを相対的に低開度側に設定することができる。これとは反対に、車両Veに生じる横加速度が大きい場合には、ロードロードに釣り合う駆動力Nbを発生させるアクセルペダルの開度(%)を、すなわち釣合点Aを相対的に高開度側に設定することができる。すなわち、車両Veの位置する走行路のロードロードに釣り合う駆動力Nbを発生させるアクセルペダルの開度(%)、すなわち釣合点Aは、車両Veの走行環境に応じて適宜変更されるから、ロードロードに釣り合う駆動力Nbを発生させるアクセルペダルの開度(釣合点A)からアクセルOFF、すなわちアイドルスイッチ12がONになるまでのアクセルペダルの操作範囲(ストローク)Sを適宜異ならせることができる。言い換えれば、車両Veの駆動力Nを制御(操作)できるアクセルペダルの操作範囲(ストローク)Sを走行環境に応じて適宜設定し、かつ確保することができる。これは例えば、車両Veに生じる横加速度が大きく、加速要求よりも減速要求が増大する場合には、ロードロードに釣り合う駆動力Nbを発生させるアクセルペダルの開度(釣合点A)を相対的に高開度側に設定して、ロードロード以下つまり車両Veの減速操作をおこなうことができるアクセルペダルの操作範囲(ストローク)Sを確保して車両Veの操作性を向上させる。またこれとは反対に、車両Veがコーナーを抜けて車両Veに生じる横加速度が小さく、加速要求が減速要求よりも増大する場合は、再加速するとして、ロードロードに釣り合う駆動力Nbを発生させるアクセルペダルの開度(釣合点A)を相対的に低開度側に設定して、ロードロード以上つまり車両Veの加速操作をおこなうことができるアクセルペダルの操作範囲(ストローク)Sを確保して車両Veの操作性を向上させる。
この発明に係る制御によれば、車両Veに前後もしくは横加速度が生じ、また車両Veに生じる前後もしくは横加速度に応じてロードロードに釣り合う駆動力Nbを発生させるアクセルペダルの開度(%)、すなわち釣合点Aが設定される。そのため、例えば図1においてコーナーあるいは交差点を走行している場合に、アクセルペダルのみの操作によって車速Vを制御することを可能にすることができる。また、コーナーあるいは交差点を走行する場合に、アクセルペダルのみの操作によってスロー・イン・ファスト・アウトによる走行を可能にすることができる。
また、この発明に係る制御によれば、車両Veの駆動力Nを制御(操作)できるアクセルペダルの操作範囲(ストローク)Sを走行環境に応じて適宜設定し、確保することができる。そのため、アクセルペダルの操作のみで車両Veの加減速度の制御性を向上させることができ、また、ドライバビリティを向上させることができる。
さらにまた、この発明に係る制御装置は、釣合点Aよりも、アクセルペダルの開度(%)が相対的に高開度側あるいは低開度側の場合に、そのアクセルペダルの開度(%)に対する駆動力Nが、車速Vもしくはエンジン1の回転数Neあるいは変速比γが相対的に大きくなるほど、駆動力Nの変化量が大きくなるように構成され、車速Vもしくはエンジン1の回転数Neあるいは変速比γが相対的に小さく設定されるほど駆動力Nの変化量が小さくなるように構成されている。そのため、車両Veの状態に応じた駆動力Nを設定することができる。
図2は、車両Veの駆動モードを設定するモード設定スイッチ13が例えばスノーモードに選択された場合における駆動力Nの制御を模式的に示している。図2において、横軸はアクセルペダルの開度(%)を示し、縦軸はエンジン1の駆動力Nの変化を示している。実線は、この発明における車両Veの駆動力Nの変化曲線を示し、破線は、車両Veが位置する走行路のロードロードに釣り合う駆動力Nbを示している。その駆動力Nbは、車速Vおよび変速比γならびに駆動モードによらずに、エンジン1のスロットル開度および燃料噴射量が電気的に制御されて発生させられる。そして、この駆動力Nbは、ロードロードと釣り合う駆動力Nであるから、この駆動力Nbを維持することにより、車速Vを一定に保つことができる駆動力Nである。
車両Veのモード設定スイッチ13がスノーモードに選択されると、アクセルペダルの操作に対する車両Veの駆動力Nの変化割合は一般的に低下させられるので、ロードロードに釣り合う駆動力Nbを発生させるアクセルペダルの開度(%)、すなわち釣合点Aは相対的に高開度側に設定される。したがって、アクセルペダルの操作範囲(ストローク)Sが大きく設定されるので、アクセルペダルの操作による車速Vの制御性を向上させることができる。また、上述したようにこの発明に係る制御装置は、アクセルペダルの開度(%)に対する駆動力Nが、車速Vもしくはエンジン1の回転数Neあるいは変速比γが相対的に大きくなるほど、駆動力Nの変化量が大きくなるように構成され、車速Vもしくはエンジン1の回転数Neあるいは変速比γが相対的に小さく設定されるほど駆動力Nの変化量が小さくなるように構成されている。そのため、車両Veの状態に応じた駆動力Nを設定することができるので、急加速あるいは急減速による駆動輪6のスピンなどを防止もしくは抑制することができる。
図3は、ナビゲーションシステム14あるいは車両間通信システム15などから入力される車両Veの周辺情報を示す信号に基づいて、ロードロードに釣り合う駆動力Nbを発生させるアクセルペダルの開度(釣合点A)を設定した場合における駆動力Nの制御を模式的に示している。図3において、横軸はアクセルペダルの開度(%)を示し、縦軸はエンジン1の駆動力Nの変化を示している。実線は、この発明における車両Veの駆動力Nの変化曲線を示し、破線は、車両Veが位置する走行路のロードロードに釣り合う駆動力Nbを示している。その駆動力Nbは、車速Vおよび変速比γならびに駆動モードによらずに、エンジン1のスロットル開度および燃料噴射量が電気的に制御されて発生させられる。そして、この駆動力Nbは、ロードロードと釣り合う駆動力Nであるから、この駆動力Nbを維持することにより、車速Vを一定に保つことができる駆動力Nである。
例えばナビゲーションシステム14あるいは車両間通信システム15などから道路勾配、路面摩擦係数、渋滞情報などが入力されると、その入力される情報に基づいて、ロードロードに釣り合う駆動力Nbを発生させるアクセルペダルの開度(釣合点A)が設定される。すなわち、この発明に係る制御装置によれば、自車両Veの駆動力Nを制御(操作)できるアクセルペダルの操作範囲(ストローク)Sを自車両Veの周辺情報に応じて適宜設定し、確保することができる。そのため、アクセルペダルのみの操作によって車両Veの加速あるいは減速の制御性を向上させることができ、また、ドライバビリティを向上させることができる。
図4は、より具体的な例として、上述したこの発明に係る制御を車両Veの降坂時に適用した場合における駆動力Nの制御を模式的に示している。図4において、横軸はアクセルペダルの開度(%)を示し、縦軸はエンジン1の駆動力Nの変化を示している。実線は、この発明における車両Veの駆動力Nの変化曲線を示し、破線は、車両Veが位置する走行路のロードロードに釣り合う駆動力Nbを示している。その駆動力Nbは、車速Vおよび変速比γならびに駆動モードによらずに、エンジン1のスロットル開度および燃料噴射量が電気的に制御されて発生させられる。そして、この駆動力Nbは、ロードロードと釣り合う駆動力Nであるから、この駆動力Nbを維持することにより、車速Vを一定に保つことができる駆動力Nである。
上述したように車両Veの前後もしくは横加速度に影響をおよぼす走行環境の一例には、例えば車両Veの走行する環境が坂路であって、坂路を降坂する場合などが挙げられる。例えばナビゲーションシステム14などから道路勾配などの情報が入力されると、その入力される情報に基づいて、ロードロードに釣り合う駆動力Nbを発生させるアクセルペダルの開度(釣合点A)が設定される。
図4によれば、ロードロードに釣り合う駆動力Nbを発生させるアクセルペダルの開度(釣合点A)を相対的に高開度側に設定することにより、ロードロードに釣り合う駆動力Nbを発生させるアクセルペダルの開度(釣合点A)からアクセルOFF、すなわちアイドルスイッチ12がONになるまでのアクセルペダルの操作範囲(ストローク)Sを大きく設定することができる。すなわち、アクセルペダルの操作範囲(ストローク)Sを大きく確保できることから、アクセルペダルのみの操作による車速Vの制御性およびドライバビリティを向上させることができる。また、上述したように釣合点Aは、車両Veの駆動力Nと車両Veの位置している走行路のロードロードとが釣り合うように設定されているから、道路勾配によらずに車速Vを制御することができる。
また図示しないが、坂路を登坂する場合には上述した図4とは反対に車両Veの加速性を優先させるため、ロードロードに釣り合う駆動力Nbを発生させるアクセルペダルの開度(釣合点A)を相対的に低開度側に設定する。言い換えれば、釣合点Aよりも相対的に高開度側で操作されるアクセルペダルの操作範囲が大きくなるように設定する。そのため、釣合点Aが相対的に低開度側に設定されるから、小さいアクセルペダルの操作(開度)で釣合点Aを超え、また、車両Veを加速させることができる。そのため、道路勾配によらずに車速Vの制御性を向上させることができる。
図5は、釣合点Aを挟んだアクセルペダルの開度(%)の相対的に高開度側および低開度側での駆動力Nの変化を模式的に示している。図5において、横軸はアクセルペダルの開度(%)を示し、縦軸はエンジン1の駆動力Nの変化を示している。実線は、この発明における車両Veの駆動力Nの変化曲線を示し、点線は上述した図1ないし図3に示す制御による駆動力Nの変化曲線を示している。破線は、車両Veが位置する走行路のロードロードに釣り合う駆動力Nbを示している。その駆動力Nbは、車速Vおよび変速比γならびに駆動モードによらずに、エンジン1のスロットル開度および燃料噴射量が電気的に制御されて発生させられる。
図5において、釣合点Aを挟んだアクセルペダルの開度(%)が高開度側および低開度側でのアクセルペダルの操作に対する駆動力Nの変化割合が相対的に小さくなるようになっている。すなわち、釣合点Aを挟んだ高開度側および低開度側でのアクセルペダルの操作に対する駆動力Nの変化割合の差が予め定めた所定値以下になるように設定することにより、釣合点Aを挟んだ駆動力Nの変化が緩やかになるようになっている。なお、この所定値は、実験やシミュレーションによって予め求めることができる。
図5によれば、釣合点Aを超えてアクセルペダルを操作する場合に、駆動力Nの変化量を相対的に小さくなるように制御することによって、車両Veにおける駆動力Nの急変が防止もしくは抑制できる。また、車両Veにおける駆動力Nの急変によって車両Veが前後方向に揺すられることを防止もしくは抑制することができる。さらに、駆動力Nの急変を防止もしくは抑制することができることにより、車速Vの制御性およびドライバビリティを向上させることができる。
図6は、この発明に係る制御をおこなう場合に、アクセルペダルの操作に対する操作反力を模式的に示している。横軸はアクセルペダルの開度(%)を示し、縦軸はアクセルペダルの操作反力を示している。実線は、この発明におけるアクセルペダルの操作反力の変化を示している。
図6によれば、アクセルペダルの開度(%)が釣合点Aより小さい場合に、アクセルペダルの操作に対する操作反力が、アクセルペダルの開度(%)が釣合点Aより大きい場合に比較して大きく設定される。
例えば、釣合点Aが相対的に高開度側に設定された場合に、釣合点Aよりもアクセルペダルの開度(%)が小さい範囲では、言い換えればロードロードに釣り合う駆動力Nbを発生させるアクセルペダルの開度(釣合点A)からアクセルOFF、すなわちアイドルスイッチ12がONになるまでのアクセルペダルの操作範囲(ストローク)Sでは車速Vを調整するために微少なアクセルペダルの操作が要求される。また、アクセルペダルの開度(%)を微少に調整して車速Vを一定に保とうとする。そのため、アクセルペダルの操作反力が相対的に小さい場合には、想定するアクセルペダルの開度(%)よりもアクセルペダルを踏み込みすぎるいわゆるオーバーシュートが生じる虞がある。
そこでこの発明に係る制御装置では、釣合点Aよりもアクセルペダルの開度(%)が相対的に小さい場合に、その操作反力をアクセルペダルの開度(%)が釣合点Aより大きい場合に比較して相対的に大きく設定することにより、いわゆるオーバーシュートを防止もしくは抑制するように構成されている。また、これとは反対に、釣合点Aよりもアクセルペダルの開度(%)が大きい場合に、すなわち釣合点Aを超えるようにアクセルペダルを操作して車両Veを加速させる場合には、アクセルペダルの操作反力を従来の操作反力に設定するように構成されている。そのため、釣合点Aを超えてアクセルペダルを操作する場合には、アクセルペダルをスムーズに踏み増すことができる。このように釣合点Aを境界にしてアクセルペダルの操作反力を異ならせるように設定することにより、車速Vの制御性を向上させることができ、また、アクセルペダルの操作反力の違いから車両Veが加速もしくは減速している状態であるかを認識することを可能にすることができる。
さらにまた、アクセルペダルを戻して車両Veを減速させる場合のアクセルペダルの操作反力がアクセルペダルを踏み込んで車両Veを加速させる場合の操作反力よりも相対的に小さく設定されいる。したがって、相対的に小さい踏力によってアクセルペダルの戻し量を調整することができる。また、アクセルペダルの操作によって加速から減速に転じる場合に、微少なアクセルペダルの操作を可能にすることができ、車速Vの制御性あるいはドライバビリティを向上させることができる。
この発明に係る装置によれば、ロードロードに釣り合う駆動力Nbは、車速Vおよび変速比γならびに駆動モードによらずに、エンジン1のスロットル開度および燃料噴射量が電気的に制御されて発生させられて、その駆動力Nbを発生させるアクセルペダルの開度(釣合点A)が、自車両の駆動モード、およびナビゲーションシステムもしくは車両間通信システムによって得られた道路勾配、路面摩擦係数、横風の強度、渋滞情報、コーナーの有無情報、前方車両との間隔などの走行環境に応じて設定される。言い換えれば、ロードロードに釣り合う駆動力Nbとアクセルペダルの操作量とを切り離して制御するように構成されている。したがって、アクセルペダルのみの操作によって車両Veを減速させることのできる減速領域あるいは加速することのできる加速領域を任意に設定することができるので、アクセルペダルのみの操作によって車速Vを制御することを可能にすることができ、またドライバビリティを向上させることができる。また、釣合点Aよりも相対的に高開度側および低開度側において、アクセルペダルの開度(%)に対する駆動力Nの変化を車速Vもしくはエンジン1の回転数Neあるいは変速比γに応じて異ならせるように構成されているので、いわゆる車両Veの状態に応じた駆動力Nを発生させることができる。さらにまた、釣合点Aを境界にしてアクセルペダルの操作反力を異ならせるように設定するので、アクセルペダルの操作反力の違いにより車両Veを加速させている状態であるか否かを認識することができる。更に言えば、アクセルペダルのみの操作によって車両Veの駆動力Nを制御するいわゆる1ペダルドライブシステムとしての制御性を向上させることができる。
1…エンジン、 2…自動変速機構、 7…電子制御装置(ECU)、 9…車輪速センサ、 10…加速度センサ、 11…アクセル開度センサ、 12…アイドルスイッチ、 13…モード設定スイッチ、 14…ナビゲーションシステム、 15…車両間通信システム、 Ve…車両。

Claims (5)

  1. 車両の位置している走行路のロードロードと前記車両の駆動力とが釣り合う釣合点が設定され、前記車両の駆動力を発生させる駆動力要求操作量が、前記ロードロードに釣り合う駆動力を発生させる駆動力要求操作量より小さい場合に減速するように制御され、前記車両の駆動力を発生させる駆動力要求操作量が、前記ロードロードに釣り合う駆動力を発生させる駆動力要求操作量より大きい場合に加速するように制御される車両用駆動力制御装置において、
    前記釣合点を、前記車両の前後もしくは横加速度に影響をおよぼす走行環境に応じて、前記車両の駆動力を発生させる前記駆動力要求操作量よりも相対的に高開度側もしくは相対的に低開度側に設定する釣合点設定手段を備えている
    ことを特徴とする車両用駆動力制御装置。
  2. 前記釣合点より大きい駆動力要求操作量あるいは小さい駆動力要求操作量に対する駆動力が、車速もしくはエンジン回転数あるいは変速比に応じて異なっていることを特徴とする請求項1に記載の車両用駆動力制御装置。
  3. 前記釣合点を挟んだ前記駆動力要求操作量の高開度側および低開度側での駆動力要求操作量に対する駆動力の変化割合の差が所定値以下であることを特徴とする請求項1に記載の車両用駆動力制御装置。
  4. 前記走行環境は、自車両の駆動モード、およびナビゲーションシステムもしくは車両間通信システムによって得られた道路勾配、路面摩擦係数、横風の強度、渋滞情報、コーナーの有無情報、前方車両との間隔のいずれかを含むことを特徴とする請求項1に記載の車両用駆動力制御装置。
  5. 前記駆動力要求操作量を発生させる駆動力要求操作に対する反力を発生させる反力発生機構と、前記駆動力要求操作量が前記釣合点より小さい場合に前記反力を前記釣合点より大きい場合に比較して大きく設定する反力制御手段とを更に備えていることを特徴とする請求項1ないし4に記載の車両用駆動力制御装置。
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