(1)パウチ容器
本発明は、少なくとも一端に開放部が形成されたパウチ本体の前記開放部に熱可塑性樹脂からなる充填口部材を接合してなるパウチ容器であって、前記パウチ本体は、積層フィルムからなり、前記充填口部材は、中空の筒状部と、前記中空を密封する初期開封フィルムとを有し、前記パウチ本体の開放部の内層と前記筒状部の外周とが接合されたことを特徴とする、パウチ容器である。パウチ本体の開放部に接合された充填口部材の筒状部を介して液密にパウチ本体と接合させることができ、筒状部を介してパウチを把持することができ、前記中空を密封する初期開封フィルムによってガスバリア性を確保することができる。
本発明に係るパウチ容器Aの好適な一例を図1(a)、(b)に示す。図1(b)に示すように、パウチ本体(1)に接合される充填口部材(2)は中空(21)の筒状部(22)からなり、前記パウチ本体(1)の開放部の内層と前記筒状部(22)の外周とに接合される。本発明では、前記充填口部材(2)は、中空(21)の筒状部(22)と、前記中空を密封する初期開封フィルム(P)とを有することを特徴とするが、図1(a)に示すように、パウチ容器の使用前において、前記充填口部材(2)の中空(21)に、初期開封シール(P)によって内容物を密封することを目的とするものである。パウチ容器Aの使用時に初期開封シール(P)を除去すれば、図1(b)に示すように、前記充填口部材(2)に中空(21)の開口が形成される。したがって、本発明で使用する充填口部材において「中空」とは、内容物を充填し、および注出するなどのパウチ容器の使用時に中空が確保されることを意味するものである。
なお、図1(a)には、充填口部材(2)の筒状部(22)の上端にフランジ(23)が配設され、前記初期開封シール(P)がフランジ(23)に連設して配設される態様を示す。フランジ(23)を介して初期開封シール(P)を容易に配設することができ、かつ前記フランジ(23)などの連結部を介して、後記する中空の注出口部(3)を装着することができ、更に、該注出口部(3)の上部に、蓋部(4)を取り付けることができる。例えば、図9(a)に、パウチ本体(1)に充填口部材(2)が接合され、前記充填口部材(2)の筒状部(22)の上端に形成された連結部としての外ネジ(25)を介して中空の注出口部(3)が装着され、更に、該注出口部(3)の上部に、蓋部(4)が取り付けられた態様を図9(b)に示す。
なお、本発明において、パウチ本体の開放部と充填口部材との接合は、前記パウチ本体の開放部の内層と前記筒状部の外周とが接合されるものであれば、その方法に制限はなく、これらの材質によって適宜選択することができる。例えば、パウチ本体と充填口部材とを熱融着によって接合する方法、接着剤を介して接合する方法など、これらの材質やパウチ容器の形状、パウチ容器に収納する内容物の種類その他に応じて、適宜選択することができる。
本発明のパウチ容器(A)は、充填口部材(2)を構成する筒状部(22)が所定の幅を有するため、パウチ本体(1)の外方から筒状部(22)を把持し、図6に示すように、傾斜させても安定して内容物を注ぎ出すことができ、パウチ容器Aのハンドリング性に優れる。
また、本発明では、図22に例示するように、前記充填口部材(2)の筒状部(22)の形状をテーパー形状とすることにより、この充填口部材(2)を接合したパウチ容器Aを、図24(b)に示すように、側面視、容器下方にかけて広がるテーパー形状とすることができる。パウチ容器Aの底部(14)の面積が増大するため、内容物が減少した場合であってもパウチ容器Aが折れ曲ることなく、優れた胴部保型性、自立安定性を確保することができる。さらには、図26に例示するように、前記充填口部材(2)が、底面視、舟形形状を有する場合には、パウチ本体(1)の開放部と前記充填口部材(2)との接合性をより高めることが可能である。得られたパウチ容器の外観を図28に例示する。
本発明のパウチ容器Aは、前記充填口部材(2)の中空の筒状部を介して内容物を充填することが可能である。この中空の筒状部(22)は、例えば、液体や粘体、さらには固形物や粉末などの内容物の種類によって適した形状を選択することができる。なお、前記注出口部(3)も、同様に内容物の種類によって適した注出口部を有する注出口部(3)を選択することができる。
また、本発明のパウチ容器は、パウチ本体を積層フィルムで構成されるものであるが、パウチ本体(1)の形状によって自立しうる。なお、本発明において「パウチ容器の自立性」とは、パウチ容器に空気を充填し、前記充填口部材がパウチ容器上方にあり、パウチ底面がパウチ容器下方にあるように静置しうる性質を意味する。本発明のパウチ容器は、使用によって内容物が減容した場合でもパウチ本体にシワなどが発生せず意匠性に優れ、かつ内容物がない状態でも自立性を有するため、容器として従来の成型ボトルやガラス瓶を用いる必要がない。また、パウチ本体を構成する積層フィルムは柔軟性に富むため、従来の成型ボトルやガラス瓶等のボトルに比べて内容物充填前および使用後に減容性、廃棄性を向上することができ、環境に配慮したパウチ容器となっている。
本発明のパウチ容器が、内容物が充填された状態で自立性を有し、かつ内容物が消費され減容した場合でも自立しうる場合には、例えば、サラダドレッシングやマヨネーズなどの食料品、シャンプーや洗剤、漂白剤などの医薬部外品を内容物として充填して使用する態様に優れる。
以下に、本発明のパウチ容器Aを構成するパウチ本体(1)、充填口部材(2)、注出口部(3)、蓋部(4)について詳細に説明する。
(2)パウチ本体
本発明のパウチ本体は、積層フィルムからなる袋状容器である。積層フィルムとしては、熱可塑性樹脂からなる充填口部材と接合可能であれば特に制限はないが、熱融着によって相互に接合できるものであることが好ましい。充填口部材を熱融着によって容易に接合することができ、製造が容易だからである。また、用途によってガスバリア性を担保する目的で、いずれかの層にアルミニウム箔などのガスバリア性層を積層した積層フィルムであってもよい。
前記パウチ本体を構成する部材としては、充填する内容物の種類や充填後の加熱処理の有無など使用条件に応じて適するものを適宜、選択することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレートなどを基材フィルムとし、これにポリアミドフィルムやポリオレフィンフィルムなどを中間フィルムとして積層し、更に最内層にヒートシール性フィルムなどを積層した積層フィルムなどを例示することができる。更に、アルミニウム箔やシリカやアルミナ蒸着フィルムを積層してもよい。具体的には、以下の積層フィルムを好適に使用することができる。
(1)ONフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(2)ONフィルム/接着剤/一軸延伸HDPEフィルム/接着剤/L・LDPEフィル ム(シーラント層)
(3)ONフィルム/接着剤/一軸延伸PPフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(4)ONフィルム/接着剤/一軸延伸PPフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(5)ONフィルム(シリカ蒸着層)/接着剤/一軸延伸HDPEフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(6)ONフィルム/アンカーコート層/共押し出しコート層(HDPE層/L・LDPE層)(シーラント層はL・LDPE層)
(6)ONフィルム/アンカーコート層/共押し出しコート層(HDPE層/LDPE層)/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(7)PETフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/ONフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(8)PETフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/ONフィルム/接着剤/CPPフィルム(シーラント層)
(9)PETフィルム/接着剤/ONフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(10)PETフィルム/接着剤/ONフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/CPPフィルム(シーラント層)
(11)PETフィルム/接着剤/EVOHフィルム/接着剤/ONフィルム/接着剤/CPPフィルム(シーラント層)
(12)PETフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/ONフィルム/接着剤/PEフィルム
(13)PETフィルム/接着剤/ONフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/PEフィルム
(14)PETフィルム/接着剤/EVOHフィルム/接着剤/ONフィルム/接着剤/PEフィルム
(15)PETフィルム/接着剤/一軸延伸PPフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/PPフィルム
(16)PETフィルム(シリカまたはアルミナ蒸着層)/接着剤/ONフィルム/接着剤/LLDPE、
(17)PETフィルム(シリカまたはアルミナ蒸着層)/接着剤/ONフィルム/接着剤/PP、
(18)PETフィルム/接着剤/ONフィルム(シリカまたはアルミナ蒸着層)/接着剤/LLDPE、
(19)PETフィルム/接着剤/ONフィルム(シリカまたはアルミナ蒸着層)/接着剤/PPなどがある。
なお、上記において、ONフィルムは2軸延伸ナイロンフィルム、L・LDPEは直鎖状低密度ポリエチレン、HDPEは高密度ポリエチレン、LDPEは低密度ポリエチレン、PPフィルムはポリプロピレンフィルム、PETフィルムは2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、EVOHフィルムはエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物フィルム、CPPフィルムは無延伸ポリプロピレンフィルムである。また、アンカーコートは、押し出しコーティングで樹脂を積層する際、接着性を向上させるために基材フィルム側に予めコーティングされるものである。また、前記の積層フィルムの構成において、ONフィルム、PETフィルムは、基材フィルムとしてパウチに機械的強度や印刷適性を付与することができ、一軸延伸HDPEフィルム、一軸延伸PPフィルムは、その延伸方向がパウチを開口させる際の引き裂き方向と一致するように用いることにより、引き裂きの方向性を一層安定化させることができる。また、アルミニウム箔、シリカ蒸着層、EVOHフィルムなどによって、ガスバリヤー性が付与される。
また、シーラント層としては、L・LDPEフィルムとCPPフィルムの2種類の例を挙げたが、L・LDPEフィルムは、ヒートシールの安定性や耐内容物性、例えば界面活性剤に対する耐ストレスクラッキング性などに優れ、CPPフィルムは、耐熱性、低臭性に優れており、これらの性能を必要とする場合に好適に使用される。
シーラント層として、上記のほかに、エチレン・αオレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、ポリエステル系樹脂などを適宜選択して使用することができる。特に、エチレン・αオレフィン共重合体でメタロセン系触媒を用いて重合したものは、分子量分布の幅が狭く、共重合比も安定しているため、低温ヒートシール性や、熱間シール性に優れており、ガセットパウチ、スタンディングパウチなどヒートシール部にフィルムの重なりの差による段差のあるパウチのシーラント層にはシール抜けによるピンホールの発生を防止できる点で適する。更に、該共重合体にオレフィン系エラストマーをブレンドしたものを用いることにより、シーラント層の熱流動性が改善され、前記段差によるピンホールの発生も一層効果的に防止することができる。
パウチ本体(1)は、充填口部材(2)を接合するための開放部を有する袋状容器であればその形状には特に限定はなく、広く各種の袋状容器に適用することができる。
例えば、図3(a)に例示するように、角に丸みを設けた長方形の2枚の胴部シート(1a、1b)の両端及び底部を熱融着して胴側シール部(12)、底面シール部(13)を形成し、上端に開放部(11)を形成したものを好適に使用することができる。
本発明で使用するパウチ本体を構成する積層フィルムとしては、上記に限定されるものでなく、更に不織布層や紙基材層などを積層したものであってもよい。
一方、パウチ本体(1)に充填口部材(2)を接合してなるパウチ容器に自立性を担保するためには、パウチ本体が自立性を有することが好ましい。なお、本発明において、「パウチ本体の自立性」とは、パウチ本体に空気を充填した場合、前記充填口部材の装着個所がパウチ本体上方にあり、パウチ底面がパウチ本体下方にあるように静置しうる性質を意味する。
例えば、図27(a)に例示するように、長方形の2枚の胴部シート(1a、1b)の底部に折込シート(1c)を挿入し、前記胴部シート(1a、1b)の両端を熱融着して胴側シール部(12)、底面シール部(13)を形成するよう前記胴部シート(1a、1b)の下端と折込シート(1c)とを相互に熱融着して、胴部と底部とを形成し、角に丸みを設けた袋状容器を好適に使用することができる。なお、このような袋状容器は、底部を折込シート(1c)で構成するものであり、底部の全周に亘って底面シール部(13)が形成されるが、本発明で使用するパウチ本体はこれに限定されるものではない。
例えば、図5に示すように、長方形のシートを折り畳んで胴部と底部とを構成し、胴部の左右両端をシールし、および底部(14)の両端を斜めにシールし、角に丸みを設けた袋状容器であってもよい。胴部と底部を貼り合せたシール部(B1,B2)の強度によって胴部にシワや窪みの発生を防止することができ、パウチ本体の自立性を担保することができる。なお、図5では、底部(14)とパウチ胴部との斜めシールを、2段のシール部(B1、B2)で構成しているが、2段に限定するものではなく、1段でも、3段以上でも、または曲線で構成してもよい。斜めシール部を構成することでパウチ本体に内容物を充填した後にも胴部のシワや窪みの発生を防止し、パウチの安定した膨らみと、優れた自立性とを奏することができる。
なお、図27では、底部が胴部と別個に調整された別個の折込シートであるため、底部の全周に亘って底面シール部(13)が形成されたが、図5では1枚のシールを折り込んで底面を形成しているため、底面の一部にのみ底面シール部(B1、B2)が4隅に形成されている点で相違する。本発明では、いずれも好適に使用することができる。また、上記は、いずれもパウチ本体の胴側部に折込部のない形状であるが、自立性を有すれば、両側に折込部を有するガゼット袋であってもよい。
また、図27では、長方形のシートで胴部を構成する態様を示したが、本発明で使用するパウチ本体は、下端が長辺、上端が短辺の台形のシート2枚で胴部を構成してもよい。例えば、図36に示すように、上端(開放部)の内周よりも下端(底部)の内周が長い場合には、充填口部材を接合した後のパウチ容器の底部面積を大きく確保することができるため、パウチ本体ならびにパウチ容器の自立安定性を向上させることができる。
なお、パウチ本体において、充填口部材を接合する開放部は、パウチ容器を自立させた際にパウチ本体の上端になるように形成されることが好ましいが、これに限定されるものではない。本発明のパウチ容器は自立安定性に優れるが、たとえ倒立させた場合でも、胴部保形性に優れる利点がある。
さらに、本発明で使用するパウチ本体は、自立性の如何にかかわらず、公知の袋状容器、その他に適用することができる。
例えば、図43に示すように、長方形のシートを折り畳んで胴部と底部とを構成し、前記シートの最内層を熱融着して胴側シール部(12)および底面シール部(13)を形成した袋状容器であってもよい。パウチ容器の底部の左右に、前後2枚の胴側シール部(12)による底面(14)が形成され、胴部にシワや窪みの発生を防止することができ、かつパウチ本体の自立性を担保することができる。なお、更に、下端の角に丸みを形成したシートを使用して製袋したパウチ本体(1)を図47に例示する。
更に、本発明で使用するパウチ本体は、少なくとも一端に開放部が形成されているが、前記開放部は、充填口部材(2)を接合する個所のみ開放されている場合に限定されず、上記図3に示すように、パウチ本体(1)の上端の全範囲が開放されていてもよい。充填口部材(2)の接合時に合せて開放部の残りの部分もシールすることができるからである。
(3)充填口部材
本発明で使用する充填口部材は、少なくとも中空の筒状部し、前記中空を密封する初期開封フィルムとを有するものであればよい。初期開放フィルムによってガスバリア性を確保することができ、かつ筒状部をパウチ本体の開放部に接合することで、該充填口部材から内容物を注出することができ、かつ中空の筒状部を介してパウチ容器を把持することができるからである。また、本発明のパウチ容器は、前記充填口部材の中空の筒状部を介して内容物を充填し、または内容物を取り出すことができる。したがって、本発明で使用する充填口部材において「中空」とは、内容物を充填し、および注出するなどのパウチ容器の使用時に中空が確保されることを意味し、使用前において初期開封フィルムが形成されるものであっても、初期開封フィルムを除去して中空を確保できればよい。
前記筒状部の形状は、中空(21)であれば特に制限はなく、外周は、円筒状、楕円筒状、角柱状、不定形状のいずれであってもよい。ただし、筒状部を介してパウチ本体の開放部と接合させるため、筒状部は接合可能な平面又は曲面を有することが好ましい。よって、例えば、図2(a)、(b)に示すように、中空(21)の筒状部(22)が円筒状からなるものが好ましい。
本発明では、初期開封フィルム(P)は、前記充填口部材(2)の前記中空を密封しうる個所に形成されればいずれであってもよいが、好ましくは、パウチ本体(1)と接合した際に、パウチ本体との接合部か前記筒状部(22)の上端部である。パウチ本体(1)は、前記したように層構成によってガスバリア性を担保することができるが、充填口部材(2)は、熱可塑性樹脂からなるためガスバリア性の確保が容易でない。このため、酸素などが充填口部材(2)からパウチ容器内に混入し、内容物を劣化させる恐れがある。そこで本発明では、パウチ本体(1)から突出する充填口部材(2)におけるガスバリア性を確保するため、パウチ本体(1)と充填口部材(2)との接合個所の前記筒状部(22)の内側や前記接合個所の直上に初期開封フィルム(P)を形成することで、パウチ本体(1)のガスバリア性と相まって、パウチ容器のガスバリア性を確保することにしたものである。これにより、充填口部材(2)からの酸素等の侵入を防ぎ、耐透過性、品質保持性を向上させることができる。
また、本発明で使用する充填口部材は、筒状部(22)の上端に後記する注出口部や蓋部との連結部を有していてもよい。このような連結部によって、注出口部や蓋部を、脱着可能に装着することができるからである。このような連結部としては、例えば、螺合による連結の際の外ネジや内ネジ、嵌合のための凹部と凸部、ヒンジ構造などが例示できる。
また、更に、パウチ本体への装着を容易に行うため、位置合わせ用の突起やフランジなどが形成されていてもよい。また、初期開封シールを形成する際の基台としてフランジが配設されるものであってもよい。
例えば図2に示す充填口部材(2)は、筒状部(22)の上端にフランジ(23)を有し、前記連結フランジ(23)に初期開封シール(P)を形成させる基台とすることができ、填口部材(2)の中空部を密封して、ガスバリア性に優れるパウチ容器Aとすることができる。なお、前記フランジ(23)は、パウチ本体(1)に挿入および接合する際の位置決めフランジとしても機能させることができる。
本発明のパウチ容器は、図3(a)に示すように、積層フィルムからなる胴部の左右両端および底部を熱融着して胴側シール部(12)および底面シール部(13)を形成し、上端に開放部(11)を有するパウチ本体(1)に、前記図2に示す中空(21)を有する充填口部材(2)を、その筒状部(22)を接合して製造することができる。この際、図3(b)に示すように、充填口部材(2)のフランジ(23)の下端とパウチ本体(1)の開放部(11)の上端と一致させることで簡便に挿入個所の位置合わせを行うことができる。次いで、前記パウチ本体の開放部(11)の内層と前記筒状部(22)の外周とを接合する。これによって、図4(a)に示すように、パウチ本体(1)に中空(21)が形成された状態で充填口部材(2)を接合することができる。
本発明のパウチ容器に内容物を充填する場合には、この状態で、前記充填口部材(2)の中空(21)から内容物をパウチ本体(1)へと充填すればよい。その後、充填口部材(2)の前記筒状部(22)内、または図4(b)に示すようにフランジ(23)の上端に初期開封シール(P)を形成し、本発明のパウチ容器Aを製造することができる。なお、初期密封シールは、例えば熱融着性シールを筒状部(22)の内側や上端に被覆し、加熱によって筒状部(22)に気密に接着して形成することができる。
上記趣旨より、パウチ本体(1)と筒状部(22)との接合部上端と、初期開封フィルム(P)との距離(Lp)は、0〜15mm、より好ましくは0〜5mm、特に好ましくは0〜3mmである。なお、本発明では、初期開封フィルム(P)が、パウチ本体(1)と筒状部(22)との接合部上端にある場合(Lp=0)の他、それより下方の筒状部(22)内に存在する場合であってもよい。
本発明のパウチ容器は、使用前は、初期開封フィルム(P)によって内容物の保存性を高めることができ、初期開封フィルム(P)を開封し、充填口部材(2)から簡便に内容物を取り出すことができる。
本発明では、図7に示すように、平面視した前記充填口部材の筒状部は、底面視した前記筒状部の内接円の直径(φ)に対する比(h/φ)が、0.15〜2.5、より好ましくは0.2〜2.0、特に好ましくは0.3〜1.5である高さ(h)を有することが好ましい。上記範囲であれば、パウチ本体(1)の開放部への接合を液密に行うことができ、かつ筒状部を介してパウチ容器を容易に把持することができるからである。また、底面視した前記筒状部の内接円の直径(φ)とは、前記筒状部(22)が下方に広がるテーパー形状の場合には、筒状部の下端部を構成する最も広い外周線となる。
本発明では、底面視した前記充填口部材の筒状部(22)の外周長さに対する前記パウチ本体の上端部の開口幅は、1.6〜15倍、より好ましくは2.0〜7.5倍、特に好ましくは2.8〜5.0倍である。この範囲で、パウチ容器の自立安定性に優れ、かつ後記する各種形状の注出口部を充填口部材に装着することができる。
本発明では、底面視した前記充填口部材の筒状部(22)の外周線に内接する円の直径(φ)は、13〜45mm、より好ましくは20〜40mm、より好ましくは25〜35mmである。この範囲であれば、充填口部材(2)の大きな中空(21)から、直接、内容物をパウチ本体(1)へと充填することができる。更に、図6に示すように、筒状部(22)を把持することができ、取り扱い性を向上させることができる。なお、前記「中空」の直径は、前記底面視した前記充填口部材の筒状部(22)の外周線に内接する円の直径(φ)から肉厚を差し引いたものとなるが、上記範囲であれば、製造されたパウチ容器に内容物を充填する際に、充填口部材の筒状部(22)に充填ノズルを直接挿入することができ、これによって充填口部材(2)の内側に内容物が付着することを回避することができる。
この把持性を確保するため、本発明で使用する充填口部材(2)は、平面視した前記筒状部(22)の前記高さ(h)が、10mm以上であることが好ましく、より好ましくは15mm以上、より好ましくは15〜25mmである。なお、筒状部(22)の高さ(h)が上記範囲であり、開放部(11)と筒状部(22)との接合が可能であれば、前記パウチ本体(1)の前記開放部(11)における筒状部(22)との接合幅には限定がない。従って、筒状部(22)の高さ(h)よりも開放部(11)の接合幅のほうが狭くてもよい。いずれにしても、前記充填口部材(2)と前記パウチ本体(1)との接合によって液密が確保され、かつ筒状部(22)の前記高さ(h)によってパウチ容器Aの外方から把持することができ、優れたハンドリング性が確保され、さらに、充填性、自立安定性が確保されるからである。
前記したように、本発明で使用する充填口部材(2)は、中空(21)の筒状部(22)と初期開封フィルムとを有し、更に、後述する注出口部(3)や蓋部(4)を連設しうる連結部を有することができる。図7(a)、(b)に、充填口部材(2)の筒状部(22)の上端にフランジ(23)が形成され、フランジ(23)端部から上方に向かって外ネジ(25)が形成される態様を示す。フランジ(23)および外ネジ(25)が連結部に相当する。図8(a)、(b)に示すように、充填口部材(2)の前記外ネジ(25)と、後記する注出口部(3)に形成した内ネジ(36)とをそれぞれ螺合させ、前記充填口部材(2)に注出口部(3)を取り付けることができる。
また、図11(a)、(b)に示すように、筒状部(22)の上端にフランジ(23)が形成され、フランジ(23)端部から上方に向かって内ネジ(27)を形成し、連結部とすることができる。図12(a)、(b)に示すように、充填口部材(2)の前記内ネジ(27)と、後記する注出口部(3)に形成した外ネジ(35)とを螺合させ、前記充填口部材(2)に注出口部(3)を取り付けることができる。
本発明において、前記充填口部材の筒状部(22)は、テーパー形状であってもよい。このような態様を図22に示す。図22(a)は充填口部材の斜視図であり、図22(b)はその部分断面図である。図22(b)に示すように、筒状部(22)の外周がテーパー形状であれば、パウチ本体の開放部にパウチ容器の下方に向かって広がるテーパー形状となるように接合することで、パウチ本体(1)も下方にかけて広がる形状とすることができる。このため、パウチ容器Aの底部(14)の面積を大きく確保することができ、パウチ容器Aの胴部保型性を向上することができ、パウチ本体が自立性を有する場合には、パウチ容器の自立安定性をさらに向上することができる。このパウチ容器は、パウチ本体が積層フィルムからなるため、従来のブローボトルやガラス瓶などの容器に比べ、減容性、廃棄性、環境性に優れる。
このような充填口部材(2)を用いて、図23(a)に示すように、前記充填口部材(2)のフランジ(23)と、自立可能なパウチ本体(1)の開放部(11)とが接する位置まで、前記筒状部(22)を挿入し、図23(b)に示すように、パウチ本体の上部をシールすると共に前記充填口部材(2)の筒状部(22)をテーパー形状に沿ってパウチ本体と接合させる。
充填口部材(2)を介して内容物をパウチ本体(1)へ充填すると、パウチ容器Aの底部(14)が前記テーパー形状に従って膨らみ、パウチ容器Aの自立安定性をより高めることができる。初期開封シール(P)をして得られたパウチ容器Aの外観斜視図を図24(a)に示し、図24(b)に、前記パウチ容器Aの側面斜視図を示す。図24(b)に示すように、パウチ本体(1)の側面形状が、下方にかけて広がる略ハの字のテーパー形状を形成するため自立安定性に優れ、かつ胴部の保型性にも優れる。さらには、前記筒状部(22)が、下方にかけて外方へと開いたテーパー形状であるため、筒状部(22)を介して把持する際にも、パウチ容器Aを安定して把持することができる。
このように、本発明では、前記テーパー形状の筒状部(22)を有する充填口部材を使用して、パウチ容器Aの形状を、前記充填口部材接合部から底部に向かって広がるテーパー形状に成形しうる。なお、本発明において、パウチ容器における「充填口部材接合部から底部に向かって広がるテーパー形状」とは、本発明のパウチ容器を自立させた場合に、側面視、充填口部材接合部から底部に向かって広がるテーパー形状であることを意味する。本発明では、前記筒状部(22)のテーパー形状と、パウチ容器Aのテーパー形状とは以下の関係を有することが好ましい。
図25に、パウチ容器に内容物を充填した際の平面図(a)、側面図(b)を示す。なお、図25(a)において、L1は充填口部材(2)の下端部分における水平線、L2はパウチ本体(1)の内容物を充填しうる最下端の水平線である。
図25(b)に示すように、本発明のパウチ容器を自立させて側面から観察した場合に、筒状部(22)の外周の傾斜角θ1と、パウチ本体(1)の表面の鉛直方向に対する傾斜角θ2とが、−5°≦(θ2−θ1)≦5°となるように成形する。(θ2−θ1)が5°を超える場合および−5°を下回る場合には、胴部保型性や意匠性が低下する恐れがあり好ましくない。上記範囲で、パウチ本体(1)の折れ曲りを防止することが可能であり、かつ優れた意匠性を確保することができる。なお、本発明において充填口部材(2)の筒状部(22)外周の「傾斜角θ1」とは、図25(b)に示す充填口部材(2)の外周のフランジ(23)下端をA点、前記A点から鉛直に下ろした線と前記L1との交点をB点、前記円筒部の外周線と前記L1との交点をC点とすると、直線ABと直線ACとのなす角である。また、パウチ本体の「傾斜角θ2」とは、前記C点から鉛直に下ろした線と前記L2との交点をD点、パウチ本体の外周線と前記L2との交点をE点とした場合に、直線CDと直線CEとのなす角である。なお、−5°≦(θ2−θ1)<0°とは、0°<θ1−θ2≦5°を意味する。
本発明では、−1°≦(θ2−θ1)≦1°の場合には、パウチ本体(1)の折れ曲りを強固に防止することが可能であり、さらに優れた胴部保型性および意匠性を奏することが可能である。なお、前記筒状部(22)の外周の傾斜角θ1は、1〜10°であることが望ましく、これにより優れた胴部保形性、自立安定性を奏することが可能である。
本発明では、前記テーパー形状の筒状部(22)を有する充填口部材を使用して、パウチ容器の形状を、前記充填口部材接合部から底部に向かって広がるテーパー形状に成形しうるが、このような充填口部材に使用に限定されず、前記パウチ容器を前記前記充填口部材接合部から底部に向かって広がるテーパー形状に成形してもよい。いずれであっても、パウチ容器が下方にかけて広がるテーパー形状を有することで、パウチ本体(1)の底部(14)が大きな面積を確保でき、内容物が減少した場合であっても、パウチ本体(1)が折れ曲ることなく、優れた胴部保型性、自立安定性を有するパウチ容器Aを提供しうるからである。さらには、パウチ容器Aが倒立した場合でも、パウチ本体(1)がしぼむことなく、パウチ本体の形状を維持した状態で安定して倒立させることが可能である。
また、本発明で使用する充填口部材(2)は、底面視、舟形形状を有するものであってもよい。これにより、前記パウチ本体(1)と前記充填口部材(2)との接合性をさらに高めることができる。
図26に底面視、舟形形状の充填口部材の斜視図(a)、その一部断面図(b)、側面斜視図を示す。図26に示すように、充填口部材(2)の筒状部(22)の両側に、緩やかに外方へと開いた曲線形状からなる羽根部(26)が形成される。この羽根部(26)は、筒状部(22)の下方に向かって裾広がりのテーパー形状をなしており、このため、前記充填口部材(2)は、底面視、略舟形形状をなすとともに、前記充填口部材(2)の前記筒状部(22)は、側面視、テーパー形状をなしている。テーパー形状と羽根部(26)の形成により、パウチ本体(1)と充填口部材(2)とはさらに強固に接合することができる。
この充填口部材(2)は、図27(a)に示すように、充填口部材(2)のフランジ部(23)と、パウチ本体(1)の開放部(11)とが接する位置まで挿入するとともに、図27(b)に示すように、滑らかな曲線形状からなる羽根部(26)に沿って、パウチ本体(1)の上部をシールし、併せて前記筒状部(22)を接合することにより、本発明のパウチ容器Aを形成することができる。
このパウチ容器Aは、図28(a)に示すように、充填口部材(2)の大きな中空(21)から、内容物をパウチ本体(1)へと充填することができ、内容物の充填に伴いパウチ本体(1)の底部(14)が膨らむ。
このパウチ容器Aは、図28(b)の側面図に示すように、パウチ本体(1)の側面形状が下方にかけて広がるテーパー形状で自立安定性に優れるとともに、優れた胴部保型性を有する。また、充填口部材(2)の羽根部(26)を介して、パウチ本体(1)が強固に接合されるため、充填口部材(2)とパウチ本体(1)とが容易に剥離してしまうことがない。このパウチ容器は、初期開封シール(P)を有するため、充填口部材(2)からの酸素等の侵入を回避して、品質保持性に優れる。
なお、前記充填口部材(2)は、充填口部材の筒状部が、底面視、舟形形状を有するものであれば、筒状部(22)がテーパー形状である場合に限定されるものではない。図26と相違して、羽根部(26)を含む筒状部(22)が略方形である充填口部材の斜視図を図29(a)に、その部分断面図を図29(b)に、側面斜視図を図29(c)に示す。図29に示すように、この充填口部材(2)は、外方へと開いた形状を有する筒状部(22)と、該筒状部の側面に形成された曲線形状からなる羽根部(26)とを有するが、正面視および側面視、略直方体形状をなしている。
滑らかな曲線形状からなる羽根部(26)に沿って、パウチ本体(1)の上部をシールし、および充填口部材(22)を接合すると、パウチ本体(1)と充填口部材(2)とが液密にさらに強固に接合される。得られたパウチ容器Aの斜視図および側面斜視図を図30(a)、(b)に示す。
図30に示すように、本発明のパウチ容器Aは、前記充填口部材(2)の前記筒状部(22)の羽根部(26)によってパウチ本体(1)と充填口部材(2)との接合が強固になされると共に、筒状部(22)のテーパーの程度が低いため、筒状部(22)を介して行う把持が容易であり、優れた充填性、ハンドリング性を確保することができる。すなわち、前記充填口部材(2)が底面視、舟形形状であるため前記パウチ本体(1)と前記充填口部材(2)との接合性が向上し、充填口部材(2)とパウチ本体(1)とが容易に剥離してしまうことのない、パウチ容器となる。なお、このパウチ容器Aは、胴部保型性、自立安定性にも優れる。
なお、前記したように、本発明で使用しうるパウチ本体(1)の形状は、パウチ本体を構成する胴部の上端に形成される前記開放部と下端(底部)との内周が異なるものであってもよい。開放部の内周が底部の内周よりも短いパウチ本体(1)に、図26に示す充填口部材(2)を接合した態様を図31に示す。図31(a)(b)では、パウチ本体(1)の胴部の両側に形成される2つの胴側シール部(12)のなす角が鋭角であり、このためパウチ容器が、前記充填口部材(2)から底部(14)に向かって広がるテーパー形状となり、パウチ容器Aの重心がより下方に移動するため、自立安定性および胴部保型性が向上し、また、パウチ容器の意匠性が向上する。
他の態様として、前記充填口部材(2)の筒状部(22)が下方にかけて広がるテーパー形状であり、底面視、充填口部材の筒状部が、底面視、舟形形状を有する充填口部材(2)を図32に示す。前記筒状部(22)には、舟形形状をなすように2つの羽根部(26)が形成されている。この充填口部材(2)は、筒状部(22)の上端にフランジ(23)が形成され、前記フランジ(23)の上方に注出口部(3)と螺合しうる外ネジ(25)が形成され、内ネジを有する適宜形状の注出口部(3)と脱着可能に連結することができる。なお、羽根部(26)の突出部分がフランジ(23)の外径内に収まるため、耐透過性をさらに向上することが可能である。
この充填口部材(2)に、初期開封シール(P)と、前記充填口部材(2)に装着しうる注出口部(3)および蓋部(4)との構成図を図33に示す。図33では、充填口部材(2)の筒状部(22)の内側に端部(D)が形成され、この段部(D)に初期開封シール(P)が形成される態様を示す。段部(D)により初期開封シール(P)の形成を容易にし、パウチ容器の酸素ガス、炭酸ガス、水蒸気等の透過を遮断する耐透過性を、容易に向上させることができる。
なお、図32と相違して、前記羽根部(26)がフランジ(23)から突出する態様であってもよい。これを図34に示す。図35(a)、(b)に示すように、このような充填口部材(2)の外ネジ(25)に注出口部(3)に形成した内ネジ(36)を螺合させ、脱着可能に連結することができる。充填口部材(2)の筒状部(22)に初期開封シール(P)が形成され、前記外ネジ(25)と螺合しうる注出口部(3)には細口ノズル(31)が配設され、かつヒンジHを介して蓋部(4)が連設されている。注出口部(3)に形成された細口ノズル(31)と対応する蓋部(4)内側には、突起部(4a)が形成され、前記細口ノズル(31)と嵌合することで内容物が細口ノズル(31)に固着することを防止することができる。この態様によれば、内容物を少量ずつ注ぎだすことが容易であり、かつ初期開封シール(P)によって、酸素ガス、炭酸ガス、水蒸気等の透過を遮断する耐透過性を向上することができる。次いで、これらをパウチ本体に接合した態様を図36(a)(b)に示す。
本発明で使用する充填口部材(2)は、熱可塑性樹脂からなるものであれば、その種類は問わない。ただし、熱融着性樹脂であれば、熱融着によって前記したパウチ本体(1)へ接合することができ、有利である。このような熱融着性樹脂としては、加圧加熱殺菌、耐熱性などに優れる点で、ポリプロピレン、中密度または高密度ポリエチレン、ポリエステル、ポリカーボネートなどを射出成形して形成したものであることが好ましい。
(4)注出口部
本発明では、前記充填口部材に中空の注出口部を連結して使用することができる。本発明で使用する注出口部は、内容物を注出するためのノズル部を有する。注出口部は、前記充填口部材(2)との連結部を有するものであってもよく、さらに、後記する蓋部との連結部を有していてもよい。これにより、充填口部材への装着や、蓋部の脱着を容易に行うことができる。
前記連結部としては、例えば、螺合による連結の際の外ネジや内ネジ、嵌合のための凹部と凸部、ヒンジ構造などが例示できる。前記充填口部に形成した連結部や後記する蓋部の構造に応じて適宜選択することができる。本発明では、前記充填口部材(2)に注出口部(3)を連結することで、内容物の注出性を向上することができる。
本発明で使用する注出口部に形成するノズル部の形状は、内容物を容器外へ取り出すことができれば特に限定はなく、たとえば、図8に示すような細口のノズル部(31)や、図17に示すような、薄肉で外方へと開いたラッパ形状のノズル部(31)を例示することができる。前記充填口部材(2)の大きな中空(21)に対して、ノズル部(31)の開口が前記中空(21)よりも細ければ、安定して適量の内容物を注ぎだすことができ、パウチ容器Aの充填性のみならず注出性をも向上させることができる。また、外方へ広がるラッパ形状であれば、液体等の内容物を注ぐ際に液切れがよく、内容物がノズルの外側部分へと付着することを効果的に防止することができるからである。
また、連結部としては、例えば、前記充填口部材(2)の連結部が、前記したフランジ(23)やフランジに延設される外ネジ(25)や内ネジ(27)などである場合には、注出口部(3)にフランジ(23)に対応する凹部や外ネジ(25)に対応する内ネジ、前記内ネジ(27)に対応する外ネジなどとすることができる。また、注出口部(3)には、後記する蓋部(4)を配設することができるため、蓋部(4)との連結部を有していてもよい。
注出口部(3)の一例として、ノズル部(31)が細口ノズルであり、前記充填口部材(2)との連結部が内ネジ(36)であり、蓋部(4)との連結部が環状の凸部(42)である注出口部(3)を図8(a)、(b)に示す。注出口部(3)の下端部内周には、充填口部材(2)の外ネジ(25)と螺合しうる内ネジ(36)が形成され、前記充填口部材(2)との連結部となっている。また、注出口部(3)の上端部外周には、蓋部(4)を連設するための凹部(32)が形成されている。同図に示される蓋部(4)の下端部には、凸部(42)が形成され、前記注出口部(3)の凹部(32)と嵌合して蓋部(4)を着脱自在に装着することができる。
なお、図8(a)は、充填口部材(2)の筒状部(22)、初期開封シール(P)、注出口部(3)および蓋部(4)の相互の関係を示したものであり、図8(b)はこれらを連結した際の部分断面斜視図である。
図9(a)に示すように、前記充填口部材(2)を、パウチ本体(1)へと接合し、充填口部材(2)の筒状部(22)からパウチ本体(1)に内容物を充填し、ついで筒状部(22)の中空(21)を初期開封シール(P)で密封し、充填口部材(2)の外ネジ(25)に注出口部(3)の内ネジ(27)を螺合させて注出口部(3)を装着し、さらに注出口部(3)の前記凹部(32)と蓋部(4)の前記凸部(42)とを嵌合させて蓋部(4)をかぶせ、本発明のパウチ容器Aを製造することができる。この態様によれば、初期開封シール(P)の未開封時はガスバリア性に優れ、開封後は内容物の注ぎだしが容易なパウチ容器とすることができる。蓋部(4)をはずしたパウチ容器Aの外観斜視図を図9(b)に示す。
本発明のパウチ容器Aは、初期開封シール(P)によって充填口部材(2)の筒状部(22)が密封されており、充填口部材(2)から酸素等が浸入することを防ぐことができ、耐透過性、品質保持性に優れる。
このパウチ容器Aは、図10(a)に示すように、前記充填口部材(2)に螺合された前記注出口部(3)を取り外して、充填口部材(2)に形成された初期開封シール(P)を除去することができる。次いで、取り外した注出口部(3)を充填口部材(2)へと螺合する。パウチ容器Aの使用時には、図10(b)に示すように蓋部(4)を取り外し、注出口部(3)のノズル部(31)から適量の内容物を注出する。本発明のパウチ容器は、内容物の保存性に優れ、かつ把持性のみならず注出性にも優れる。
同様にして、充填口部材(2)に注出口部(3)との連結部として内ネジ(27)が形成され、注出口部(3)に外ネジ(35)が形成される態様を図12(a)に示す。前記充填口部材(2)のフランジ(23)に初期開封シール(P)が形成され、充填口部材(2)の内ネジ(27)と注出口部(3)の外ネジ(35)とが螺合し、注出口部(3)にと蓋部(4)を連結し、図12(b)に示すように、これらを一体に結合させることができる。
図12に示す充填口部材(2)、注出口部(3)、蓋部(4)を使用し、図13(a)に示すように、パウチ本体(1)に充填口部材(2)を接合し、充填口部材(2)のフランジ(23)に初期開封シール(P)を形成し、さらに前記注出口部(3)および前記蓋部(4)を前記充填口部材(2)へと取り付けると、図13(b)に示す本発明のパウチ容器Aを製造することができる。
このパウチ容器Aは、図14(a)に示すように、充填口部材(2)から、前記注出口部(3)と前記蓋部(4)とを同時に取り外し、初期開封シール(P)を除去した後に再び、充填口部材(2)に前記注出口部(3)と蓋部(4)とを取り付けることができる。図14(b)に示すように、パウチ容器Aの使用時には、蓋部(4)のみを取り外し、注出口部(3)のノズル部(31)から、適量の内容物を注出することができる。
一方、注出口部(3)のノズル部(31)が薄肉で外方に広がるラッパ形状である一例を図17(a)、(b)で説明する。注出口部(3)の下端部には、充填口部材(2)の内ネジ(27)と螺合しうる外ネジ(35)が形成され、前記充填口部材(2)との連結部となっている。また、前記ノズル(31)の外周に外ネジ(37)が形成され、蓋部(4)との連結部となっている。蓋部(4)には、前記外ネジ(37)と螺合しうる内ネジ(45)が形成されている。なお、図17(a)は、充填口部材(2)の筒状部(22)、初期開封シール(P)、注出口部(3)および蓋部(4)の相互の関係を示したものであり、図17(b)はこれらを連結した際の部分断面斜視図である。
図18に示すように、前記充填口部材(2)を、パウチ本体(1)へと接合し、充填口部材(2)の筒状部(22)からパウチ本体(1)に内容物を充填し、ついで筒状部(22)の中空(21)を初期開封シール(P)で密封し、充填口部材(2)の内ネジ(27)に注出口部(3)の外ネジ(25)を螺合させて注出口部(3)を装着し、さらに注出口部(3)と蓋部(4)とを螺合させて蓋部(4)をかぶせ、本発明のパウチ容器Aを製造することができる。この態様によれば、初期開封シール(P)の未開封時はガスバリア性に優れ、開封後は内容物の注ぎだしが容易なパウチ容器とすることができる。蓋部(4)をはずしたパウチ容器Aの外観斜視図を図18(b)に示す。
本発明のパウチ容器Aは、初期開封シール(P)によって充填口部材(2)の筒状部(22)が密封されており、充填口部材(2)から酸素等が浸入することを防ぐことができ、耐透過性、品質保持性に優れる。
本発明では、充填口部材(2)と注出口部(3)とを別体とすることで、充填性に優れる充填口部材剤(2)と、内容物に応じた注出性に優れる注出口部(3)とをそれぞれ別個に選択して装着することができ、使用形態に応じて最も好適な態様を広く選択することができる利点がある。
一方、本発明で使用する充填口部材(2)は、その上端に中空の注出口部(3)が着脱不可に一体に連結されたものであってもよい。このような注出口部(3)は、単に充填口部材(2)の上端に連設されたノズル部(31)であってもよい。充填口部材(2)に形成されたノズル部(31)を介して、スムースかつ安定して内容物を充填することが可能であり、一体に連設されているため、使用時において充填口部材(2)と注出口部(3)との連設部から液漏れを生ずることなく、内容物を安定して適量注ぎだすことが可能である。
この一例としては、図15(a)に示すように、充填口部材(2)のフランジ(23)に延設してラッパ形状のノズル部(31)が一体に成形された態様を例示することができる。なお、ノズル部(31)の外周には、蓋部(4)の内周に形成された内ネジ(45)と螺合するための外ネジ(25)が連結部として形成されている。充填口部材(2)の外周に形成された外ネジ(25)と、蓋部(4)の内周に形成された内ネジ(45)とを螺合すると、図15(b)に示すように、蓋部(4)が装着された充填口部材(2)を形成することができる。
この充填口部材(2)をパウチ本体(1)へ接合してなるパウチ容器Aを、図16(a)に示す。このパウチ容器Aの使用時には、図16(b)に示すように、充填口部材(2)に取り付けた蓋部(4)を取り外し、充填口部材(2)に形成した初期開封シール(P)を除去することで直接内容物を注出することができる。
このように、前記充填口部材(2)と前記注出口部(3)とが着脱不可に一体をなす充填口部材(2)は、充填口部材(2)に形成されたノズル部(31)を用いて、スムースかつ安定して内容物を充填することができ、有利である。
更に、前記注出口部(3)の一例としては、図20(a)、(b)に示すように、注出口部(3)のノズル部(31)の下端に逆止弁gを設けた、逆止弁付き注出口部(3)であってもよい。内容物が整髪料などの粘性を有する液体である場合であっても、所望量の内容物を簡単かつ確実に注出することが可能であり、液切れがよく、さらなる使用性を向上したパウチ容器Aを提供することが可能である。
また、注出口部(3)のノズル部(31)の下端に逆止弁gが形成され、かつ充填口部材(2)の筒状部(22)がテーパー形状で、かつ舟形形状をなす羽根部(26)を有する態様を、図37に示す。前記充填口部材(2)の筒状部(22)が、下方にかけて広がるテーパー形状であるため、これをパウチ本体(1)に接合すると、パウチ本体(1)の正面および背面が下方にかけて広がる形状をなして、パウチ容器の胴部保型性および自立安定性を向上することができる。さらには、パウチ本体(1)の左右側面のシール形状を、充填口部材(2)の羽根部(26)の傾斜に合わせた、テーパーを有する胴部シール(12)とすることにより、図38に示すようにパウチ本体(1)の自立安定性をさらに向上させることが可能である。
すなわち、図39(a)に示すように、平面視、充填口部材(2)の羽根部(26)の傾斜角θ3と、パウチ本体(1)のテーパーを有する胴側シール部(12)の傾斜角θ4とが等しくなるように形成することにより、パウチ本体(1)の胴側シール部(12)が、充填口部材(2)の羽根部(26)の傾斜に合わせて下方にかけて広がる(θ3=θ4)。
また、パウチ容器Aは、前記したように筒状部(22)の外周の傾斜角θ1とパウチ本体(1)の表面の鉛直方向に対する傾斜角θ2とが等しくてもよく(θ1=θ2)、パウチ本体(1)の胴側シール部(12)、表面および背面が、下方にかけて広がる形状となる。
これにより、パウチ容器Aの胴部保型性ならびに自立安定性がさらに向上する。さらには、パウチ容器Aを倒立させた状態であっても、パウチ本体(1)の強固な胴部保型性により、図40(a)(b)に示すように、パウチ本体(1)がしぼむことなく、パウチ容器Aを安定して倒立させることが可能である。さらには、前記蓋部(4)の天面を広い円盤形状とすることで、倒立時の安定性をさらに向上させることができる。
更に、図33と相違して、充填口部材(2)に形成したフランジ(23)の更に上方に、初期開封シールを形成してもよい。この態様を図41(a)、(b)に示す。このように、初期開封シール(P)とノズル部(31)とがより近い位置にある場合であっても、酸素ガス、炭酸ガス、水蒸気等の透過を遮断する耐透過性を付与することができる。
一方、図33と相違して、充填口部材(2)の筒状部(22)の最下端に初期開封シールを形成してもよい。この態様を図42(a)、(b)に示す。なお、図42(a)では、充填口部材(2)の前記筒状部(22)の下端部分に内方へと突出した内フランジDが形成されており、図42(b)に示すように、この内フランジDの上面縁へと初期開封シール(P)が形成されている。フランジDによって初期開封シールを容易に形成することができる。
このように、充填口部材(2)の筒状部(22)の最下端に初期開封シールを形成する場合には、図43(a)、(b)に示すように、初期開封シールがパウチ本体(1)に挿入および接合されるため、よりガスバリア性を高く維持することができる。
なお、前記蓋部(4)としては、図44(a)(b)に示すように、注出口部(3)と蓋部(4)とをヒンジHを介して一体に連結することができ、ヒンジを介してワンタッチで開閉することが可能な使用性の高いパウチ容器Aを提供することが可能である。
さらに前記パウチ本体(1)は、図45に示すように、パウチ本体(1)の底部(14)が自立可能な底部(14)であって、特に、底部(14)のフィルムとパウチ本体(1)のフィルムとが1枚のシートからなる1ピースパウチであってもよく、パウチ容器Aを好適に自立させることが可能であるばかりでなく、パウチ本体(1)への印刷自由度が向上する効果がある。
さらに、前記注出口部(3)の別の例としては、図46(a)(b)に示すように、初期開封シールが充填口部材の最下端に形成され、注出口部(3)のノズル部(31)が、注出口部(3)の最下端から形成される態様であってもよい。これにより、ノズル部(31)の内側の容積を減らすことが可能である。このような注出口部(3)を使用したパウチ容器を図47に示す。図47(a)に示すように、パウチ容器Aの開封使用中において、外気に近い箇所における内容物劣化の進行を防ぐことができる。さらに、初期開封シール(P)が、パウチ本体(1)の内部に位置するため、パウチ容器Aの耐透過性をさらに向上することが可能である。
また、パウチ本体(1)の底部分のフィルムが、パウチ本体(1)のフィルムと連続した1枚のシートからなる1ピースパウチであって、特に、底部分の左右のヒートシール部分Vを斜めにカットした斜めシール部分Vを形成することで、パウチ容器Aの意匠性を向上することが可能である。さらには、図47(b)に示すように、蓋部(4)の天面を幅広な円盤形状の天面とすることにより、安定してパウチ容器Aを逆さに置くことが可能である。
さらに、図46と相違して、蓋部(4)がヒンジによって注出口部(3)に連結する態様を図48(a)(b)に示す。ヒンジにより、ワンタッチで蓋部(4)の開閉操作な使用性の高いパウチ容器を提供することが可能である。
また、パウチ本体(1)は、図49(a)(b)に示すように、底部(14)の左右のヒートシール部分Vを斜めにカットした斜めシール部分Vを形成することで、パウチ容器Aの意匠性を向上するとともに、さらには、図49(b)に示すように、ヒンジ蓋部(4)の天面部分を幅広な円盤形状の天面として、安定してパウチ容器Aを逆さに置くことが可能な構成としてもよい。
本発明で使用する注出口部(3)も、充填口部材と同様に熱可塑性樹脂であることが好ましい。成形が容易だからである。熱可塑性樹脂としては、加圧加熱殺菌、耐熱性などに優れる点で、ポリプロピレン、中密度または高密度ポリエチレン、ポリエステル、ポリカーボネートなどを射出成形して形成したものであることが好ましい。また、充填口部材と着脱不可に一体に成形する場合には、充填口部材と同じ材質が使用される。
(5)蓋部
本発明のパウチ容器は、前記充填口部材または前記注出口部に、それらの中空の上端を被覆する蓋部が装着されたものであることが好ましい。本発明で使用する蓋部は、少なくとも充填口部材または前記注出口部を被覆する被覆部を有する。更に、前記充填口部材(2)や注出口部(3)との連結部を有するものであってもよい。これにより、充填口部材や注出口部への装着を容易に行うことができる。このような連結部としては、例えば、螺合による連結の際の外ネジや内ネジ、嵌合のための凹部と凸部、ヒンジ構造などが例示できる。前記充填口部や注出口部に形成した連結部の構造に応じて適宜選択することができる。
図8に、前記充填口部材(2)と、前記注出口部(3)と、その上端を被覆して閉封するための蓋部(4)を示す。図8に示す蓋部は、冖型の被覆部と、その下端に形成された凸部(42)とからなり、注出口部(3)の上端部外周に形成された蓋部(4)を連設するための凹部(32)と嵌合し、注出口部(3)と蓋部(4)とを着脱自在に装着させることができる。
なお、蓋部(4)の形状は、充填口部材(2)や注出口部(3)の上端を被覆して閉封することができれば、その形状に限定はなく、前記注出口部(3)の形状や内容物の種類などに応じて適宜選択することができる。たとえば、図8に示す蓋部(4)は、前記注出口部(3)に形成された細口ノズル(31)と対応する蓋部(4)内側に突起部(4a)が形成され、前記細口ノズル(31)と嵌合することで内容物が細口ノズル(31)に固着することを防止することができる。
さらに、本発明のパウチ容器Aは、図19(a)(b)に示すように、注出口部(3)と蓋部(4)とを屈曲自在なヒンジHを介して一体に形成してもよく、ワンタッチで蓋部(4)を開封可能に構成しても良い。これにより、パウチ容器Aの使用性をさらに向上することが可能である。
また、蓋部(4)の天面が平板であれば、図21(a)に示すように、蓋部(4)の天面を用いてパウチ容器Aを逆さに置いてパウチ容器Aを自立させることができる。内容物が蓋部(4)へと移動するため、粘性度の高い内容物を用いる際に、パウチ容器Aの内容物を取り出しやすくすることができる。
このように、本発明のパウチ容器Aは、パウチAの耐透過性を向上して、内容物の品質保持性を向上したパウチ容器Aを提供することが可能であり、さらには、パウチ容器Aの注出性、充填性、ハンドリング性、使用性を向上した新しい形態のパウチ容器Aを提供することが可能である。
なお、本発明で使用する蓋部(4)も、充填口部材などと同様に熱可塑性樹脂であることが好ましい。成形が容易だからである。熱可塑性樹脂としては、加圧加熱殺菌、耐熱性などに優れる点で、ポリプロピレン、中密度または高密度ポリエチレン、ポリエステル、ポリカーボネートなどを射出成形して形成したものであることが好ましい。また、充填口部材と着脱不可に一体に成形する場合には、充填口部材と同じ材質が使用される。
以上のように、本発明のパウチ容器Aは、少なくとも一端に開放部が形成されたパウチ本体の前記開放部に熱可塑性樹脂からなる充填口部材を接合してなるパウチ容器であって、前記パウチ本体は、積層フィルムからなり、前記充填口部材は、中空の筒状部と、前記中空を密封する初期開封フィルムとを有し、前記パウチ本体の開放部の内層と前記筒状部の外周とが接合されたことを特徴とする。初期開封シールにより、耐透過性を向上させ、かつ筒状部によってパウチ容器の把持性およびハンドリング性を向上させることができる。これにより、内容物の品質保持性を向上した新しい形態のパウチ容器Aを提供することが可能である。
また、パウチ本体(1)の底部(14)が自立可能な形状を有するスタンドパウチとし、前記充填口部材(2)の前記筒状部(22)が下方にかけて広がるテーパー形状を有することにより、前記パウチ本体(1)が下方にかけて広がるテーパー形状をなして、前記パウチ本体(1)の胴部保型性および自立安定性を向上することが可能である。さらには、前記充填口部材(2)の前記筒状部(22)が、底面視において、舟形形状を有することにより、前記パウチ本体(1)と前記充填口部材(2)との接合性を高めることが可能である。
さらには、前記充填口部材(2)および前記注出口部(3)、前記パウチ容器Aに様々な工夫を講じることにより、パウチ容器Aの注出性、充填性、ハンドリング性、使用性を向上した新しい形態のパウチ容器Aを提供することが可能である。