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JP2008223154A - 骨盤サポート用下衣 - Google Patents

骨盤サポート用下衣 Download PDF

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JP2008223154A
JP2008223154A JP2007059197A JP2007059197A JP2008223154A JP 2008223154 A JP2008223154 A JP 2008223154A JP 2007059197 A JP2007059197 A JP 2007059197A JP 2007059197 A JP2007059197 A JP 2007059197A JP 2008223154 A JP2008223154 A JP 2008223154A
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cloth
pelvis
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patch
body side
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JP2007059197A
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English (en)
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Kaname Fukuda
要 福田
Kenji Urabe
憲二 卜部
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MARUTEN TENMAYA KK
Original Assignee
MARUTEN TENMAYA KK
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Publication date
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Abstract

【課題】 適切な締付力によって日常的に着用して骨盤の歪みを防止することができるとともに、簡易な構成によって生産コストを抑えることができる骨盤サポート用下衣を提供すること。
【解決手段】 伸縮性の身生地で構成される骨盤サポート用下衣であって、前記身生地は、少なくとも、右側の腰及び臀部を覆う右体側部と、左の腰及び臀部を覆う左体側部とが縫合されてなり、前記身生地の裏側には、骨盤を構成する各骨に対応する位置に、前記身生地より強度の高い当て布が縫着又は接着され、前記当て布は、強度の高い部分と低い部分とを有することを特徴とする骨盤サポート用下衣とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、骨盤サポート用下衣に関し、より詳しくは、骨盤を構成する各骨に対応する位置に当て布を縫着又は接着した骨盤サポート用下衣に関するものである。
身体の歪みが、血液循環を悪化したり、神経の伝達異常を引き起こしたりすることは、よく知られている。身体の歪みは、骨盤の歪みから発生することが多く、骨盤が歪むことによって背骨も歪み、全身に歪みが生じる。
その骨盤が歪む原因としては、様々なものがあるが、左右、前後の筋肉のアンバランスが主な原因とされている。
例えば、右側と左側の臀部における筋肉の張り具合や筋力が大きく異なる場合、筋肉の張り具合や筋力が大きい方側の骨盤が上方向に傾斜しやすい。また、同じ側の脚において、前面側の大腿四頭筋と背面側のハムストリング筋との張り具合や筋力が大きく異なる場合には、恥骨や坐骨が上下方向に歪みやすい。
また、筋肉のアンバランスがなくても、骨盤を支える筋力が弱くなっている場合にも、骨盤は歪みやすい。
このような骨盤の歪みは、前述のように血液循環を悪化したり、神経の伝達異常を引き起こしたりする他、筋肉の萎縮も引き起こす。その結果、風邪が治りにくくなったり、疲労がとれにくくなったり、腰痛、肩こり、背中のこり、首のこり、頭痛等の病的な症状が現れる。このような症状がなくても、又はこのような症状に加え、下半身太りになったり、O脚になったり、姿勢が悪くなったりという、プロポーションへの悪影響は必ず現れる。
骨盤の歪みが生じた場合には、腰周りにベルト状のコルセットを装着し、骨盤を締付けるようにすることで、その歪みを矯正することが行われている。このようなコルセットは、矯正用に医療用として用いられるだけでなく、予防用としても用いられている。
しかしながら、このような矯正を目的とするコルセットを予防用として着用する場合、締付力が強くて日常生活での使用にはきつ過ぎ、緩めるとベルト状であるためずれることになる。
そこで、ガードルに骨盤矯正機能を持たせたものが提案されている(下記特許文献1参照)。このガードルは、前面中央部に腹部当て布を設け、後部中央臀裂部で縫着された左右の身生地とマチ布からなり、身生地と同程度以上の伸縮性の強い帯状布を、腹部当て布の両側縁辺から斜め上方に向かって後部中央縫着部に達する上部骨盤押さえ布と、身生地より伸縮性の強い帯状布を、前記腹部当て布の略中央部を横切り斜め下方に向かって後部中央縫着部に達する下部骨盤押さえ布とを縫着している。
このガードルは、腹部を押さえこむガードル機能を有するとともに、上部骨盤と下部骨盤を有効的に緊締することができるので、違和感なく常時着用できる補整機能と矯正機能を兼ね備えている。
しかしながら、下部骨盤押さえ布は、強い伸縮性で骨盤の中、下部の仙骨、恥骨、坐骨、尾骨などを抱き込むように締め付けて、緩みがなくなり矯正及び保護ができるのではあるが、同時に臀部中央の丸みを潰してしまっている。これでは、プロポーションを悪化させてしまうことになる。
また、矯正のためには、異常な状態にある骨盤を強い伸縮力で腰周りを締付けることが有効であると考えられるが、予防のためであれば、異常な骨盤を正常に戻す程の力を加える必要はない。予防のためには、腰周りを強い伸縮力で締付けるのではなく、骨盤を構成している各骨がずれないように、各骨に合わせて伸縮力(締付力)を加えることが有効であると考えられる。
このような補整機能とともに骨盤の歪みを防止する機能を有して、日常的に着用する下衣としては、コストを抑える必要もある。そのためには、下衣の各部における生地の伸縮力等を変更するような複雑な構成にすることは避けなければならない。
実用新案登録第3102742号公報
本発明は、上述したような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、適切な締付力によって日常的に着用して骨盤の歪みを防止することができるとともに、簡易な構成によって生産コストを抑えることができる骨盤サポート用下衣を提供するものである。
請求項1に係る発明は、伸縮性の身生地で構成される骨盤サポート用下衣であって、前記身生地は、少なくとも、右側の腰及び臀部を覆う右体側部と、左の腰及び臀部を覆う左体側部とが縫合されてなり、前記身生地の裏側には、骨盤を構成する各骨に対応する位置に、前記身生地より強度の高い当て布が縫着又は接着され、前記当て布は、強度の高い部分と低い部分とを有することを特徴とする骨盤サポート用下衣に関する。
請求項2に係る発明は、前記右体側部及び左体側部は、各々右側及び左側の大腿まで覆い、前記身生地は、前記右体側部及び左体側部の間に、股部に位置するマチ部と、ウエスト部から腹部を経てマチ部手前までの逆台形状の前面中央部とが縫合されてなることを特徴とする請求項1記載の骨盤サポート用下衣に関する。
請求項3に係る発明は、前記当て布は、帯状布から裁断されて前記身生地に縫着又は接着され、該帯状布は、長さ方向に沿った一方側が高い強度で、他方側が低い強度で編まれて形成され、又はこれらの高い強度及び低い強度で編まれた部分が長さ方向直角方向に繰返されて形成され、前記当て布は、強度の高低をサポートする位置に合わせて前記帯状布から裁断されていることを特徴とする請求項1又は2記載の骨盤サポート用下衣に関する。
請求項4に係る発明は、前記身生地は、薄手かつ裁断箇所がほつれない布地であり、前記左体側部及び右体側部によって夫々構成される左右の裾部、及び、前記ウエスト部のうち少なくとも一方が、前記身生地が裁断されただけで一切加工が施されず、切りっぱなし状態であることを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載の骨盤サポート用下衣に関する。
請求項1に係る発明によれば、伸縮性で、右側の腰及び臀部を覆う右体側部と、左の腰及び臀部を覆う左体側部とが縫合された身生地の裏側に、骨盤を構成する各骨に対応する位置に、身生地より強度が高く、強度の高い部分と低い部分を有する当て布を縫着又は接着したので、均一な強度の身生地に縫着又は接着するだけで、縫着又は接着部分を異なる強度に高めることができ、
各骨を支える筋肉がある位置に応じて締付力を変えて適度に締付けることによって、筋肉をサポートし、ひいてはその筋肉が支える骨をサポートすることができる。よって、簡易な構成で生産コストを抑えることが可能となる。
また、当て布において、2つの強度部分が連続していることによって、境目部分では、中間の強度部分も生じ、当て布内において自然に締付力が変化するので違和感がなく、強度が異なる2枚の当て布を縫着又は接着する場合のように、引きつりが生じるというような違和感もない。
請求項2に係る発明によれば、左右体側部は大腿まで夫々覆い、身生地は左右体側部の間に、股部に位置するマチ部と、ウエスト部から腹部を経てマチ部手前までの逆台形状の前面中央部とを縫合したので、大腿骨を支える筋肉もサポートすることによって結果として骨盤をサポートすることができるとともに、身生地が立体的に身体に沿うようにして、快適な着心地を提供することができる。
請求項3に係る発明によれば、当て布は、長さ方向に沿った一方側が高い強度で、他方側が低い強度で編まれて形成され、又はこれらの高い強度及び低い強度で編まれた部分が長さ方向直角方向に繰返されて形成された帯状布から、強度の高低をサポートする位置に合わせて裁断し、身生地に縫着又は接着したので、簡易に構成した帯状布から身生地に縫着又は接着する位置に応じた強度部分で裁断して縫着又は接着するだけで、縫着又は接着する位置に応じて下衣の強度を高めることができる。
請求項4に係る発明によれば、身生地は、薄手かつ裁断箇所がほつれない布地で、左右体側部によって夫々構成される左右の裾部、及び、ウエスト部のうち少なくとも一方が、身生地が裁断されただけで一切加工が施されない切りっぱなし状態としたので、装着時の違和感がより軽減され、見た目にも美しくなるとともに、縫製工程を省いてさらに生産コストを低減することができる。
以下、本発明に係る骨盤サポート用下衣の好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、骨盤を構成する各骨の状態を説明するための模式図である。
骨盤(31)は、大腿骨(32)と脊柱(33)との間で体を支えるため、強固に一体化した一群の骨であり、仙骨(34)と、左右一対の腸骨(35)、恥骨(36)及び坐骨(37)との計7つの骨が環状に結合して構成されている。
仙骨(34)は、左右の腸骨(35)の結合部にあり、脊柱(33)の下端の骨でもある。仙骨(34)は、腸骨(35)と滑面関節によって面と面が擦れあうように接続している。接続部分の滑りよさが骨盤のしなやかさを決定する上で重要な役割を担っている。滑りが悪いと、骨が直接衝撃を受け、椎間板が潰れたりすることもある。
腸骨(35)は、臀部の立体感を作っている骨であり、ぞうの耳のような形をしている。恥骨(36)は、腸骨(35)の前結合部にある小さい骨である。尾骨(38)は、仙骨(34)の先端についており、俗に尾てい骨という。
腸骨(35)、恥骨(36)及び坐骨(37)は合わせて寛骨と呼ばれ、これらの結合部が大腿骨(32)との関節になっている。仙骨(34)と左右の腸骨(35)は仙腸関節で結合されている。
この仙腸関節がずれることによって、骨盤の歪みが起こる。仙腸関節がずれると、仙骨(34)と腸骨(35)のバランスが悪くなり、仙骨(34)の上に乗っている脊柱(33)が前後又は左右に傾く。そして、この悪くなったバランスを整えるために、背中の上部や首の付近で二次的な歪みが起こる。
仙腸関節は、脊柱(33)全体を支える土台部分であるため、仙腸関節のずれは全身に影響を及ぼす。仙腸関節がずれて骨盤が歪む原因としては、左右、前後の筋肉のアンバランスや、骨盤を支える筋力が弱いことが挙げられる。
従って、仙腸関節がずれないようにするには、筋肉のバランスをとったり、骨盤を支える筋肉を補強することが考えられる。本発明に係る骨盤サポート用下衣は、このような骨盤を支える筋肉を補強する。
図2は、本発明に係る骨盤サポート用下衣の構成の一例を示し、(a)は正面図であり、(b)は背面図である。
骨盤サポート用下衣(1)は、伸縮性の身生地で構成される。この身生地は、右側の腰、臀部及び大腿を覆う右体側部(2)と、左の腰、臀部及び大腿を覆う左体側部(3)と、左右の体側部(2,3)の間の股部に位置するマチ部(4)と、ウエスト部から腹部を経てマチ部(4)手前までの逆台形状の前面中央部(5)とが縫合されてなる。
身生地の裏側には、骨盤を構成する各骨に対応する位置に、身生地より強度の高い当て布(6)が縫着又は接着されている。
当て布(6)は、図示例では、上部(6a)、左右の中部(6b)及び左右の下部(6c)の計5箇所に縫着又は接着されるものからなる。
上部当て布(6a)は、腰周り全体に仙骨(34)及び腸骨(35)に対応する位置に縫着又は接着されている。中部当て布(6b)は、正面側の仙骨(34)及び腸骨(35)並びに背面側の坐骨(37)及び恥骨(36)に対応する位置に縫着又は接着されている。下部当て布(6c)は、大腿部に巻きつくように、左右の体側部(2,3)の身生地が股下で縫合されているところで縫着又は接着され、正面側の縫着(接着)部下端が、背面側の縫着(接着)部上端とほぼ一致するように、正面内側から外側を経て背面内側へ徐々に下方で縫着又は接着されている。
このように当て布(6a〜6c)は、骨盤を構成する各骨に対応する位置に縫着又は接着されているが、各骨に対応する位置とは、必ずしも各骨が位置するところというわけではなく、各骨を支える筋肉がある位置も含む。このような筋肉がある位置を適度に締付けることによって、筋肉をサポートし、ひいてはその筋肉が支える骨をサポートすることになる。
これらの当て布(6a〜6c)は、身生地より強度が高く、身生地の裏側に縫着又は接着することで、縫着又は接着された部分の締付力を高めている。
また、上部当て布(6a)及び中部当て布(6b)は、強度の高い部分と低い部分とを有する。なお、下部当て布(6c)は、強度の高い部分だけで構成されている。この強度は、締付力のことをいい、伸縮力の高低には直接関係しない。薄いメッシュ地等は伸縮力が高くてかなり伸びても締付力は殆んどないものも存在する。逆に厚手のメッシュ地で伸縮力が低くてあまり伸びなくても締付力が高いものも存在する。
図示例では、上部当て布(6a)は、締付力の高い上部高強度部(6a)と低い上部低強度部(6a)とを有し、中部当て布(6b)は、締付力の高い中部高強度部(6b)と低い中部低強度部(6b)とを有する。
上部高強度部(6a)は、強めの締付力でウエスト部に近い腰周りを締め付け、仙骨(34)及び腸骨(35)による仙腸関節の歪み防止に大きく貢献している。これに対し、上部低強度部(6a)は控えめな締付力で下腹部側の腰周りを締めるので、背面側では臀部中央にかかるが、その丸みを潰すことなく、適度に締めることができる。
中部高強度部(6b)は、正面側の仙骨(34)の一部及び下側の腸骨(35)並びに背面側の坐骨(37)及び恥骨(36)を締め付け、主に骨盤の下側部分をサポートし、この下側部分での歪み防止に貢献している。なお、中部高強度部(6b)では直接各骨を締め付けているのではなく、これらの骨を支える筋肉を締め付けることによって、間接的にこれらの骨を締め付けている。
なお、背面側において、臀部の下底を締めることにもなり、臀部を持上げる効果を奏し、一般的な補整下衣が有する補整機能も備えていることになる。
下部当て布(6c)は、強度の高低が異なる部分を有しないが、全体として大腿の周囲を締めることによって、大腿骨を支える筋肉を締め、間接的に大腿骨や骨盤をサポートしている。ただし、この場合、大腿の周囲全体ではなく、垂直方向の中央付近だけを締めているので、筋肉に対して直接サポートするだけでなく、筋肉を適度に締めて緊張を促し、下衣の装着者自ら筋肉を引き締めることも伴って、骨盤を支える筋肉が締まり、結果として骨盤をサポートすることになっている。
このような当て布(6a〜6c)としては、例えば帯状布から裁断したものを用いることができる。
図3は、上部当て布を帯状布から裁断する様子を示す状態図である。
上部当て布を裁断するための上部当て布用帯状布(8)は、長さ方向に沿った一方側(図示例では上側)の高い強度に編まれた高強度部(8a)と、他方側(図示例では下側)の低い強度に編まれた低強度部(8b)とからなる。この高強度部(8a)に上部高強度部(6a)が位置し、低強度部(8b)に上部低強度部(6a)が位置するように、上部当て布(6a)を裁断する。
上部高強度部(6a)及び下部低強度部(6a)が必要とする上下幅に夫々合わせて、高強度部(8a)及び低強度部(8b)の幅を設定すれば、無駄なく上部当て布用帯状布(8)から上部当て布(6a)を裁断することができる。
なお、上部当て布用帯状布(8)は、長手方向及びその直角方向に布目があるので、上部当て布(6a)の両端付近では、バイアス状に裁断されることになる。このバイアス状の部分によって、背面側において下部低強度部(6a)を臀部の丸みに沿う方向に縫着又は接着することができる。
図4は、中部当て布を帯状布から裁断する様子を示す状態図であり、(a)は左体側部に縫着又は接着する中部当て布を裁断する状態であり、(b)は右体側部に縫着又は接着する中部当て布を裁断する状態である。
中部当て布(6b)を裁断するための中部当て布用帯状布(9)は、上部当て布用帯状布(8)とは反対に、長さ方向に沿った一方側(下側)の高い強度に編まれた高強度部(9a)と、他方側(上側)の低い強度に編まれた低強度部(9b)とからなる。この高強度部(9a)に下部高強度部(6b)が位置し、低強度部(9b)に上部低強度部(6b)が位置するように、中部当て布(6b)を裁断する。
なお、図示例では、(a)及び(b)において各々左体側部及び右体側部に縫着又は接着する中部当て布(6b)を別々に裁断する様子を示したが、中部当て布用帯状布(9)の表裏が問題とならない場合には、左体側部及び右体側部のうちいずれか一方側に縫着又は接着する中部当て布(6b)を裁断し、他方側にも利用することができる。
このように上部当て布(6a)及び中部当て布(6b)において、夫々高強度部(6a,6b)と低強度部(6a,6b)の2つの強度部分に分かれているので、均一な強度の身生地に縫着又は接着するだけで、縫着(接着)部分を異なる強度に高めることができる。
これらの当て布(6)は、2つの強度部分に分けて簡易に構成した帯状布(8,9)から、身生地に縫着又は接着する位置に応じた強度部分で裁断して縫着又は接着するだけで、縫着又は接着する位置に応じて下衣の強度を高めることができる。
さらに、その2つの強度部分が連続していることによって、境目部分では、中間の強度部分も生じ、上部当て布(6a)内において自然に締付力が変化する。従って、締付力の変化による違和感がなく、強度が異なる2枚の当て布を縫着又は接着する場合のように、引きつりが生じるというような違和感もない。
図3及び図4では、上部当て布用帯状布(8)及び中部当て布用帯状布(9)は、その長さ方向に直角な方向に、各々上部当て布(6a)及び中部当て布(6b)を1つだけ裁断できる幅のものを例示したが、複数裁断できる幅の帯状布を作成するようにしてもよい。
その帯状布は、長さ方向に直角な方向に、高強度部と低強度部とが交互に存在するように編んで作成する。なお、例えば上部当て布(6a)を、図3の状態のものと、これを上下反対にしたものを交互に配置するように裁断する場合には、1つ目の上部当て布(6a)のための低強度部(8b)の次に、2つ目の上部当て布(6a)のための低強度部(8b)を配置する。これによれば、高強度部(8a)と低強度部(8b)との編み変えを少なくすることができるとともに、上下反対にして詰めることができ、少なくとも低強度部(8b)の編み幅を狭くすることができる。
図5(a)は下部当て布を帯状布から裁断する様子を示す状態図であり、(b)は装着状態の下衣に縫着又は接着した水平及び垂直方向のまま下部当て布を取外して展開した様子を示す状態図である。
下部当て布(6c)についても、下部当て布を裁断するための下部当て布用帯状布(10)を作成し、これから裁断するようにしてもよい。
ただし、下部当て布(6c)は、上部当て布(6a)及び中部当て布(6b)とは異なり、強度が均一に編まれているので、上部と下部が異なる強度に編まれた帯状布から裁断する必要はない。従って、一般的な幅広の布から裁断してもかまわない。
下部当て布(6c)は、(b)に示す紙面上の水平及び垂直方向が、装着した下衣に縫着又は接着されているときの水平及び垂直方向となる。従って、(a)のように裁断した場合には、下部当て布(6c)の布目はバイアスで下衣に縫着又は接着されることになる。バイアスの場合、伸縮力が高くなるので、バイアスで下部当て布(6c)を下衣に縫着又は接着した場合には、動きやすくなる。
ここで、身生地には、均一な強度の布地を採用しても、当て布(6)内において強度が異なる部分を有する当て布(6)を縫着又は接着するだけで、縫着又は接着部分を異なる強度に高めることができ、簡易な構成でコストを抑えることができる。即ち、当て布を縫着又は接着せず、各骨に対応する部分で身生地の強度を変更すれば、本骨盤サポート用下衣(1)と同様の効果を奏することができるが、各部分に応じて身生地を作成するには労力及びコストがかかりすぎる。
本骨盤サポート用下衣(1)によれば、同一の均一な強度の布地からなる左右体側部(2,3)、マチ部(4)及び前面中央部(5)を縫合し、強度の異なる部分を有する当て布を縫着又は接着するだけで、簡易な構成によって生産コストを抑えて作成することができる。
なお、前面中央部(5)は、左右の体側部(2,3)及びマチ部(4)と同じ強度の身生地を、これらと同様1枚のみ使用しているが、複数枚重ねたり、当て布(6)をしてもよい。若干作業工程が増えるが、腹部の補整力を加え、一般的な補整下衣の機能を加えることができる。
一方で、前面中央部(5)やマチ部(4)は、身生地が立体的に身体に沿うようにして、快適な着心地を提供することができるので、設けることが好ましいが、必須構成要素ではなく、設けないようにしてもよい。その場合には、より簡易な構成にすることができる。
また、身生地には、日常的に装着可能なように、薄手の生地であって、締付力が強すぎない布地を用いることが好ましく、裁断箇所がほつれない布地を使用することが好ましく、左右の裾部やウエスト部には、一切加工を施さず、切りっぱなし状態にすることができる。図示例では、左右の裾部を切りっぱなし状態にしている。これによって、装着時の違和感がより軽減され、見た目にも美しくなるとともに、縫製工程を省いてさらに生産コストを低減することができる。
身生地としては、例えば、高融着ポリウレタン弾性繊維と、少なくとも1種類の非弾性糸(例えば、木綿、麻、絹等の天然繊維、レーヨン、キュプラ、ポリノジック等の再生繊維、アセテート等の半再生繊維、ナイロン、ポリエステル、アクリル等の合成繊維)とを含み、乾熱又は湿熱セットによって、高融着ポリウレタン弾性繊維を相互に、又は、高融着ポリウレタン弾性繊維と非弾性糸との交差部を、熱融着させてなるポリウレタン弾性繊維混用織編物を用いることができる。
当て布の素材としては、ポリウレタン弾性繊維と、少なくとも1種類の前記非弾性糸とで編まれたラッセル経編地を例示することができる。
本発明に係る一例の骨盤サポート用下衣(1)では、仙腸関節の歪み防止に貢献する上部当て布(6a)に加え、主に骨盤の下側部分での歪み防止に貢献する中部当て布(6b)や、間接的に骨盤をサポートする下部当て布(6c)によって、骨盤を構成する各骨を支える筋肉や、その骨をサポートし、骨盤の歪みを防止する。
従って、骨盤サポート用下衣(1)は、下部当て布(6c)を縫着又は接着していることが好ましいが、上部及び中部当て布(6a,6b)と比較すると骨盤の歪み防止への貢献度は低いので、縫着又は接着していなくてもよい。
よって、骨盤サポート用下衣としては、図2に示したような3分丈や5分丈のものに限らず、大腿部を覆わないショート丈のものであってもよい。
図6は、本発明に係る骨盤サポート用下衣の構成の別の例を示し、(a)は正面図であり、(b)は背面図である。
本別の例の骨盤サポート用下衣(11)は、大腿を覆う部分がないことを除いて、上述の一例の骨盤サポート用下衣(1)と同じ構成である。大腿を覆う部分がないので、下部当て布(6c)は縫着又は接着されないが、上部及び中部当て布(6a,6b)は、骨盤サポート用下衣(1)と同様に作成されて縫着又は接着されている。
従って、本骨盤サポート用下衣(11)によれば、骨盤サポート用下衣(1)による効果から、下部当て布(6c)による骨盤の歪み防止効果を差し引いた効果が得られる。この下部当て布(6c)による骨盤の歪み防止効果は、上部当て布(6a)及び下部当て布(6b)による効果と比較すると低いので、本ショートタイプの骨盤サポート用下衣(11)によっても、3分丈等の丈長の骨盤サポート用下衣(1)と同様の骨盤歪み防止効果を奏することができる。
本発明は、日常的に装着して骨盤の歪みを防止する下衣に対して好適に利用されるものである。
骨盤を構成する各骨の状態を説明するための模式図である。 本発明に係る骨盤サポート用下衣の構成の一例を示し、(a)は正面図であり、(b)は背面図である。 上部当て布を帯状布から裁断する様子を示す状態図である。 中部当て布を帯状布から裁断する様子を示す状態図であり、(a)は左体側部に縫着又は接着する中部当て布を裁断する状態であり、(b)は右体側部に縫着又は接着する中部当て布を裁断する状態である。 図5(a)は下部当て布を帯状布から裁断する様子を示す状態図であり、(b)は装着状態の下衣に縫着又は接着した水平及び垂直方向のまま下部当て布を取外して展開した様子を示す状態図である。 本発明に係る骨盤サポート用下衣の構成の別の例を示し、(a)は正面図であり、(b)は背面図である。
符号の説明
1,11 骨盤サポート用下衣
2 右体側部
3 左体側部
4 マチ部
5 ウエスト部
6 当て布
6a 上部当て布
6a 上部高強度部
6a 下部低強度部
6b 中部当て布
6b 下部高強度部
6b 上部低強度部
6c 下部当て布

Claims (4)

  1. 伸縮性の身生地で構成される骨盤サポート用下衣であって、
    前記身生地は、少なくとも、右側の腰及び臀部を覆う右体側部と、左の腰及び臀部を覆う左体側部とが縫合されてなり、
    前記身生地の裏側には、骨盤を構成する各骨に対応する位置に、前記身生地より強度が高い当て布が縫着又は接着され、
    前記当て布は、強度の高い部分と低い部分とを有することを特徴とする骨盤サポート用下衣。
  2. 前記右体側部及び左体側部は、各々右側及び左側の大腿まで覆い、
    前記身生地は、前記右体側部及び左体側部の間に、股部に位置するマチ部と、ウエスト部から腹部を経てマチ部手前までの逆台形状の前面中央部とが縫合されてなることを特徴とする請求項1記載の骨盤サポート用下衣。
  3. 前記当て布は、帯状布から裁断されて前記身生地に縫着又は接着され、
    該帯状布は、長さ方向に沿った一方側が高い強度で、他方側が低い強度で編まれて形成され、又はこれらの高い強度及び低い強度で編まれた部分が長さ方向直角方向に繰返されて形成され、
    前記当て布は、強度の高低をサポートする位置に合わせて前記帯状布から裁断されていることを特徴とする請求項1又は2記載の骨盤サポート用下衣。
  4. 前記身生地は、薄手かつ裁断箇所がほつれない布地であり、
    前記左体側部及び右体側部によって夫々構成される左右の裾部、及び、前記ウエスト部のうち少なくとも一方が、前記身生地が裁断されただけで一切加工が施されず、切りっぱなし状態であることを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載の骨盤サポート用下衣。
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