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JP2008205639A - 固体撮像装置及びその動作方法 - Google Patents

固体撮像装置及びその動作方法 Download PDF

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JP2008205639A JP2007036979A JP2007036979A JP2008205639A JP 2008205639 A JP2008205639 A JP 2008205639A JP 2007036979 A JP2007036979 A JP 2007036979A JP 2007036979 A JP2007036979 A JP 2007036979A JP 2008205639 A JP2008205639 A JP 2008205639A
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Abstract

【課題】常時広ダイナミックレンジに対応するだけでなく、ユーザが撮影場面に応じてダイナミックレンジを切り替えられる固体撮像装置及びその動作方法を提供する。
【解決手段】フォトダイオード、転送トランジスタ、フローティングディフュージョン、付加容量素子、容量結合トランジスタ及びリセットトランジスタを有する画素が半導体基板にアレイ状に複数個集積され、フローティングディフュージョンの容量が、フォトダイオードの容量よりも小さく、画素の出力として、全ての画素においてフォトダイオードPDに蓄積された光電荷の一部または全部をフローティングディフュージョンFDに転送して得られる第1信号S1が出力される、あるいは、全ての画素においてフォトダイオードに蓄積された光電荷の全部をフローティングディフュージョンと付加容量素子Cを結合して得られるポテンシャルに転送して得られる第2信号S1+S2が出力される構成である。
【選択図】図1

Description

本発明は固体撮像装置及びその動作方法に関し、特にCMOS型あるいはCCD型の固体撮像装置及びその動作方法に関する。
CMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)イメージセンサあるいはCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサなどの画像入力イメージセンサは、その特性向上とともに、例えばデジタルカメラやカメラ付き携帯電話などの用途で需要が拡大してきている。
上記のイメージセンサは、さらなる特性向上が望まれており、その一つがダイナミックレンジを広くすることである。
例えば、特許文献1〜4などに広ダイナミックレンジ化を実現する固体撮像装置が開示されているが、これらの固体撮像装置は高感度かつ高S/N比を維持したままで広ダイナミックレンジ化を達成することが困難であり、この課題を解決するために特許文献5に記載の固体撮像装置が開発された。
特許文献5に記載の固体撮像装置においては、各画素のフォトダイオードから溢れた光電荷をフローティングディフュージョン及び静電容量素子に蓄積する構成となっており、光電荷がフォトダイオードから溢れなかった場合にはフォトダイオード内の光電荷で、溢れた場合にはフォトダイオード内の光電荷とフォトダイオードから溢れた光電荷を合わせて、各画素の信号を得る。
しかし、特許文献5に記載の固体撮像装置において、CMOSプロセスにより製造した場合、上記のフォトダイオードから溢れた分の光電荷に対する暗電流成分が大きく、例えば要求されるレベルより3〜4桁程度も大きいという不利益があり、長時間での光電荷の蓄積に用いるには不向きとなり、これを抑制することが望まれていた。
暗電流成分の発生場所は、例えば、トランジスタのゲート直下の界面や素子分離絶縁膜の側面、あるいはシリコン表面に空乏層が触れている部分などである。
上記のような状況に鑑みて、高感度かつ高S/N比を維持しながら、暗電流成分を抑制し、広ダイナミックレンジ化を実現する固体撮像装置が開発され、特許文献6〜8に開示されている。
しかしながら、特許文献6〜8に記載の固体撮像装置のような、常時広ダイナミックレンジに対応したイメージセンサに限らず、ユーザが撮影場面に応じて対応できるダイナミックレンジを切り替えて用いることができるイメージセンサが求められていた。
特開2003−134396号公報 特開2000−165754号公報 特開2002−77737号公報 特開平5−90556号公報 特開2005−328493号公報 国際公開2005/083790号パンフレット 特開2005−328493号公報 特開2006−217410号公報
解決しようとする問題点は、常時広ダイナミックレンジに対応するだけでなく、ユーザが撮影場面に応じて対応できるダイナミックレンジを切り替えて用いることが困難である点である。
本発明の固体撮像装置は、光を受光して光電荷を生成及び蓄積するフォトダイオードと、前記フォトダイオードから光電荷を転送する転送トランジスタと、前記転送トランジスタを通じて前記光電荷が転送されるフローティングディフュージョンと、前記フローティングディフュージョンを介して前記フォトダイオードに接続して設けられ、前記転送トランジスタを通じて前記フォトダイオードから転送される光電荷を蓄積する付加容量素子と、前記フローティングディフュージョンと前記付加容量素子とを結合または分割する容量結合トランジスタと、前記付加容量素子または前記フローティングディフュージョンに接続され、前記付加容量素子及び/または前記フローティングディフュージョン内の光電荷を排出するためのリセットトランジスタとを有する画素が半導体基板にアレイ状に複数個集積されており、前記フローティングディフュージョンの容量が、前記フォトダイオードの容量よりも小さい構成であり、前記画素の出力として、全ての前記画素において前記フォトダイオードに蓄積された光電荷の一部または全部を前記フローティングディフュージョンに転送して得られる第1信号が出力される、あるいは、全ての前記画素において前記フォトダイオードに蓄積された光電荷の全部を前記フローティングディフュージョンと前記付加容量素子を結合して得られる容量に転送して得られる第2信号が出力される。
上記の本発明の固体撮像装置は、フォトダイオードと、転送トランジスタと、フローティングディフュージョンと、付加容量素子と、容量結合トランジスタと、リセットトランジスタとを有する画素が半導体基板にアレイ状に複数個集積されている。
フォトダイオードは、光を受光して光電荷を生成及び蓄積する。
転送トランジスタは、フォトダイオードから光電荷を転送する。
フローティングディフュージョンは、転送トランジスタを通じて光電荷が転送される。
付加容量素子は、フローティングディフュージョンを介してフォトダイオードに接続して設けられ、転送トランジスタを通じてフォトダイオードから転送される光電荷を蓄積する。
容量結合トランジスタは、フローティングディフュージョンと付加容量素子のポテンシャルを結合または分割する。
リセットトランジスタは、付加容量素子またはフローティングディフュージョンに接続され、付加容量素子及び/またはフローティングディフュージョン内の光電荷を排出する。
ここで、フローティングディフュージョンの容量が、フォトダイオードの容量よりも小さい構成であり、また、画素の出力として、全ての画素においてフォトダイオードに蓄積された光電荷の一部または全部をフローティングディフュージョンに転送して得られる第1信号が出力される、あるいは、全ての画素においてフォトダイオードに蓄積された光電荷の全部をフローティングディフュージョンと付加容量素子を結合して得られる容量に転送して得られる第2信号が出力される。
上記の本発明の固体撮像装置は、好適には、前記画素の出力として、前記第1信号または前記第2信号のいずれかを選択するための切り替えスイッチを有する。
上記の本発明の固体撮像装置は、好適には、前記画素の出力として、隣接する2行の前記画素の前記第1信号または前記第2信号が、同一の水平ブランキング期間内に出力される。
上記の本発明の固体撮像装置は、好適には、前記画素の出力として、1つの前記画素から前記第1信号または前記第2信号が2回読み出され、得られた2つの前記第1信号または前記第2信号が合算され、または平均が取られて出力される。
上記の本発明の固体撮像装置は、好適には、前記フローティングディフュージョンの容量と前記付加容量素子の容量の和が、前記フォトダイオードの容量以上である。
さらに好適には、前記フローティングディフュージョンの容量が、前記付加容量素子の容量より小さい。
上記の本発明の固体撮像装置は、好適には、前記付加容量素子が、前記半導体基板に形成された不純物拡散層の容量により構成されている。
上記の本発明の固体撮像装置は、好適には、前記画素が、前記フローティングディフュージョンに接続するゲート電極を有する増幅トランジスタと、前記増幅トランジスタと直列に接続された前記画素を選択するための選択トランジスタをさらに有する。
また、固体撮像装置の動作方法は、光を受光して光電荷を生成及び蓄積するフォトダイオードと、前記フォトダイオードから光電荷を転送する転送トランジスタと、前記転送トランジスタを通じて前記光電荷が転送されるフローティングディフュージョンと、前記フローティングディフュージョンを介して前記フォトダイオードに接続して設けられ、前記転送トランジスタを通じて前記フォトダイオードから転送される光電荷を蓄積する付加容量素子と、前記フローティングディフュージョンと前記付加容量素子とを結合または分割する容量結合トランジスタと、前記付加容量素子または前記フローティングディフュージョンに接続され、前記付加容量素子及び/または前記フローティングディフュージョン内の光電荷を排出するためのリセットトランジスタとを有する画素が半導体基板にアレイ状に複数個集積されており、前記フローティングディフュージョンの容量が、前記フォトダイオードの容量よりも小さい構成である固体撮像装置の動作方法であって、蓄積期間において前記フォトダイオードにおいて光を受光して生成される光電荷を前記フォトダイオードに蓄積する工程と、前記画素の出力として、前記フォトダイオードに蓄積された光電荷の一部または全部を前記フローティングディフュージョンに転送して第1信号を得る、あるいは、前記フォトダイオードに蓄積された光電荷の全部を前記フローティングディフュージョンと前記付加容量素子を結合して得られる容量に転送して第2信号を得る工程とを有し、前記画素の出力として、前記第1信号あるいは前記第2信号を得る工程において、全ての前記画素において前記第1信号と前記第2信号のいずれか一方を得る。
上記の本発明の固体撮像装置の動作方法は、光を受光して光電荷を生成及び蓄積するフォトダイオードと、フォトダイオードから光電荷を転送する転送トランジスタと、転送トランジスタを通じて光電荷が転送されるフローティングディフュージョンと、フローティングディフュージョンを介してフォトダイオードに接続して設けられ、転送トランジスタを通じてフォトダイオードから転送される光電荷を蓄積する付加容量素子と、フローティングディフュージョンと付加容量素子とを結合または分割する容量結合トランジスタと、付加容量素子またはフローティングディフュージョンに接続され、付加容量素子及び/またはフローティングディフュージョン内の光電荷を排出するためのリセットトランジスタとを有する画素が半導体基板にアレイ状に複数個集積されており、フローティングディフュージョンの容量が、フォトダイオードの容量よりも小さい構成である固体撮像装置の動作方法である。
まず、蓄積期間においてフォトダイオードにおいて光を受光して生成される光電荷をフォトダイオードに蓄積し、次に、画素の出力として、フォトダイオードに蓄積された光電荷の一部または全部をフローティングディフュージョンに転送して第1信号を得る、あるいは、フォトダイオードに蓄積された光電荷の全部をフローティングディフュージョンと付加容量素子を結合して得られる容量に転送して第2信号を得る。
ここで、画素の出力として、第1信号あるいは第2信号を得る工程において、全ての画素において第1信号と第2信号のいずれか一方を得る。
上記の本発明の固体撮像装置の動作方法は、好適には、前記画素の出力として、前記第1信号あるいは前記第2信号を得る工程において、前記第1信号または前記第2信号のいずれかを選択するための切り替えスイッチに応じて、前記第1信号あるいは前記第2信号を得る。
上記の本発明の固体撮像装置の動作方法は、好適には、前記画素の出力として、前記第1信号あるいは前記第2信号を得る工程において、隣接する2行の前記画素の前記第1信号または前記第2信号を、同一の水平ブランキング期間内に得る。
上記の本発明の固体撮像装置の動作方法は、好適には、前記画素の出力として、前記第1信号あるいは前記第2信号を得る工程において、1つの前記画素から前記第1信号または前記第2信号を2回読み出し、得られた2つの前記第1信号または前記第2信号を合算し、または平均を取る。
本発明の固体撮像装置は、画素の出力として、全ての画素において第1信号あるいは第2信号が出力されるので、常時広ダイナミックレンジに対応するだけでなく、ユーザが撮影場面に応じて対応できるダイナミックレンジを切り替えて用いることできる。
本発明の固体撮像装置の動作方法は、画素の出力として、全ての画素において第1信号あるいは第2信号を得るので、常時広ダイナミックレンジに対応するだけでなく、ユーザが撮影場面に応じて対応できるダイナミックレンジを切り替えて用いることができる。
以下、本発明の固体撮像装置及びその動作方法の実施の形態について図面を参照して説明する。
第1実施形態
本実施形態に係る固体撮像装置は、広ダイナミックレンジに対応した構成を有するCMOSイメージセンサであり、図1は1つの画素(ピクセル)PXの等価回路図である。
各画素は、光を受光して光電荷を生成及び蓄積するフォトダイオードPD、フォトダイオードPDからの光電荷を転送する転送トランジスタTr1、転送トランジスタTr1を通じて光電荷が転送されるフローティングディフュージョンFD、付加容量素子C、フローティングディフュージョンFDの容量と付加容量素子Cの容量とを結合または分割する容量結合トランジスタTr2、フローティングディフュージョンFDに接続して形成され、フローティングディフュージョンFD内の光電荷を排出するためのリセットトランジスタTr3、ゲート電極がフローティングディフュージョンFDに接続して形成され、フローティングディフュージョンFD内の光電荷を電圧信号に増幅変換する増幅トランジスタTr4(ソースフォロワSF)、及び、増幅トランジスタに直列に接続して形成され、画素を選択するための選択トランジスタTr5を有して構成されており、いわゆる5トランジスタ型のCMOSイメージセンサである。例えば、上記の5つのトランジスタはいずれもnチャネルMOSトランジスタである。
本実施形態に係るCMOSイメージセンサは、受光面において上記の構成の画素がマトリクス状に複数個集積されており、各画素において、転送トランジスタTr1、容量結合トランジスタTr2、リセットトランジスタTr3のゲート電極に、φT、φS、φRの各駆動ラインが接続され、また、選択トランジスタTr5のゲート電極には行シフトレジスタから駆動される画素選択ラインSL(φX)が接続される。また、リセットトランジスタTr3と選択トランジスタTr5の一方のソース・ドレインに所定の電圧VRが印加され、さらに、増幅トランジスタTr4の出力側ソース・ドレインに出力ラインVoutが接続され、列シフトレジスタにより制御されて電圧信号が出力される。
選択トランジスタTr5、駆動ラインφについては、画素の選択、非選択動作ができるように、フローティングディフュージョンFDの電圧を適宜な値に固定できればよいから、それらを省略することも可能である。
図2は本実施形態のCMOSイメージセンサの1画素(1ピクセル)のレイアウト図の一例である。
フォトダイオードPD、付加容量素子C及び5つのトランジスタTr1〜Tr5を図のように配置し、さらに転送トランジスタTr1(T)と容量結合トランジスタTr2(S)の間のフローティングディフュージョンFDと増幅トランジスタTr4(ソースフォロワSF)のゲートを配線W1で接続し、さらにリセットトランジスタTr3(R)と選択トランジスタTr5(X)の間の拡散層に所定の電圧VRの配線に接続して、図1に示す本実施形態の等価回路図に相当する回路を実現することができる。
このレイアウトにおいて、転送トランジスタTr1のチャネルの幅は、フォトダイオードPD側で広く、フローティングディフュージョンFD側で狭くなるように形成されている。このため、フォトダイオードからフローティングディフュージョンへの光電荷の転送を滞りなく行うことができる。一方、フローティングディフュージョンFD側で狭くすることで、フローティングディフュージョンFDの容量を小さくとることができ、フローティングディフュージョンFD中に蓄積した電荷に対する電位の変動幅を大きくとることができる。
本実施形態のCMOSイメージセンサは、上記の構成において、フローティングディフュージョンFDの容量CFDが、フォトダイオードPDの容量CPDよりも小さい構成である。即ち、下記式(1)を満たす。
好ましくは、フローティングディフュージョンFDの容量CFDと付加容量素子の容量Cの和が、フォトダイオードPDの容量CPD以上である。即ち、下記式(2)を満たす。
また、好ましくは、フローティングディフュージョンFDの容量CFDが、付加容量素子の容量Cより小さい。即ち、下記式(3)を満たす。
[数1]
FD<CPD ・・・(1)
FD+C≧CPD ・・・(2)
FD<C ・・・(3)
本実施形態においては、例えば、半導体基板に形成された不純物拡散層の容量により構成されている。付加容量素子として、絶縁膜を介して1対の電極を対向させてなる構成としなくても十分な容量を確保することができる。もちろん、絶縁膜を介して1対の電極を対向させてなる構成としてもよい。
図3は、本実施形態に係るCMOSイメージセンサの各画素の一部(フォトダイオードPD、転送トランジスタTr1、フローティングディフュージョンFD、容量結合トランジスタTr2及び付加容量素子C)における模式的断面図であり、図2中のA−A’における断面図に相当する。
例えば、n型シリコン半導体基板(n−sub)10にp型ウェル(p−well)11が形成されており、p+型分離領域12及びLOCOS法などによる素子分離絶縁膜13によって各画素及び付加容量素子C領域などが区分されている。
p型ウェル11中にn型半導体領域14が形成され、その表層にp+型半導体領域15が形成され、このpn接合により電荷転送埋め込み型のフォトダイオードPDが構成されている。
n型半導体領域14の端部においてp+型半導体領域15よりはみ出して形成された領域があり、この領域から所定の距離を離間してp型ウェル11の表層にフローティングディフュージョンFDとなるn+型半導体領域16が形成され、さらにこの領域から所定の距離を離間してp型ウェル11の表層に付加容量素子Cとなるn+型半導体領域17が形成されている。
ここで、n型半導体領域14とn+型半導体領域16に係る領域において、p型ウェル11上面に酸化シリコンなどからなるゲート絶縁膜18を介してポリシリコンなどからなるゲート電極19が形成され、n型半導体領域14とn+型半導体領域16をソース・ドレインとし、p型ウェル11の表層にチャネル形成領域を有する転送トランジスタTr1が構成されている。
また、n+型半導体領域16とn+型半導体領域17に係る領域において、p型ウェル11上面に酸化シリコンなどからなるゲート絶縁膜18を介してポリシリコンなどからなるゲート電極20が形成され、n+型半導体領域16とn+型半導体領域17をソース・ドレインとし、p型ウェル11の表層にチャネル形成領域を有する容量結合トランジスタTr2が構成されている。
また、転送トランジスタTr1、容量結合トランジスタTr2及び付加容量素子Cを被覆して、酸化シリコンなどからなる絶縁膜21が形成されており、n+型半導体領域16に達する開口部が形成され、プラグ22が埋めこまれてその上層に上層配線23が形成されている。上層配線23は、例えば不図示の領域において増幅トランジスタTr4のゲート電極(不図示)に接続されている。
また、転送トランジスタTr1のゲート電極19には駆動ラインφTが接続して設けられており、また、容量結合トランジスタTr2のゲート電極20には駆動ラインφSが接続して設けられている。
上記の他の要素であるリセットトランジスタTr3、増幅トランジスタTr4、選択トランジスタTr5、各駆動ライン(φT,φS,φR,φX)及び出力ラインoutについては、図1の等価回路図に示す構成となるように、図3に示す半導体基板10上の不図示の領域において構成されている。
次に、上記の構成の画素をアレイ状に集積したCMOSイメージセンサ全体の回路構成について説明する。
図4は本実施形態のCMOSイメージセンサの全体の回路構成を示す等価回路図である。
複数個(図面上は代表して4個)の画素PXがアレイ状に配置されており、各画素PXには行シフトレジスタSRVで制御された駆動ライン(φT,φS,φR,φX)と、電源電圧VR及びグラウンドGNDなどが接続されている。
各画素PXは列シフトレジスタSRH及び駆動ライン(φS1+N1,φN1,φS1'+S2'+N2,φN2)で制御されて、後述のようにして各画素PXから、駆動ラインφXCLRによってメモリをクリア可能に構成されたアナログメモリAMを経て、飽和前電荷信号(S1)+CFDノイズ(N1)、CFDノイズ(N1)、変調された飽和前電荷信号(S’)+変調された過飽和電荷信号(S2’)+CFD+Cノイズ(N2)及びCFD+Cノイズ(N2)の各信号がそれぞれのタイミングで各出力ラインに出力される。
図5は上記のフォトダイオードPD、転送トランジスタTr1、フローティングディフュージョンFD、容量結合トランジスタTr2及び付加容量素子Cに相当する模式的なポテンシャル図である。
フォトダイオードPDは相対的に浅いポテンシャルの容量CPDを構成し、フローティングディフュージョンFD及び付加容量素子Cは相対的に深いポテンシャルの容量(CFD、C)を構成する。
ここで、転送トランジスタTr1及び容量結合トランジスタTr2は、φTとφSによるトランジスタのon/offに応じて2準位を取りうる。
例えば、転送トランジスタTr1のoff電位としては、フォトダイオードPDからフローティングディフュージョンFDへのオーバーフローを考慮して、半導体基板に印加される電圧に対して所定の電圧αを印加する。また、例えば、容量結合トランジスタTr2のoff電位としては、所定の電圧α(=0V)を印加する。あるいは、αとαは同じ電圧を印加して同じ高さのポテンシャルとしてもよい。
図1の等価回路図と図5のポテンシャル図で説明される本実施形態のCMOSイメージセンサの広ダイナミックレンジに対応した動作方法について説明する。
図6は、on/offの2準位で示す駆動ライン(φT,φS,φR,φX)に印加する電圧と、上記の駆動ラインφXCLR、及び駆動ライン(φS1+N1,φN1,φS1'+S2'+N2,φN2)に印加する電圧を示したタイミングチャートである。
図6のタイミングチャートに従って、図5に示すポテンシャルをどのように制御するか説明する。
図7(A)〜(D)及び図8(E)〜(H)はタイミングチャートの各タイミングにおけるポテンシャル図に相当する。
まず、1つのフィールドにおける蓄積期間において光電荷QをCPDに蓄積する。
蓄積期間中図7(A)に示すようにφSとφRがonとなってCFDとCが結合して電源電圧VRが印加された状態となっており、φTがα準位となっているので、CFD+Cからなるポテンシャルには蓄積期間中にCPDから溢れた光電荷が電源電圧VRに排出される。
次に、前ラインの出力期間POPが終了する直後のタイミングで、駆動ライン(φS1+N1,φN1,φS1'+S2'+N2,φN2)とonとすると同時に、駆動ラインφXCLRをonとして、図4中に示すアナログメモリAMをクリアする。
次に、図7(B)に示すように、前ラインの出力期間POPが終了し、当該ラインの水平ブランキング期間PHBが開始する時刻Tにおいて、φXをonとし、φRをoffとする。
φRをoffとすることで、いわゆるkTCノイズがCFD+Cからなるポテンシャルに発生する。ここで、図4中のφN2をonとして、このCFD+Cのリセットレベルの信号をノイズN2として読み出す。
次に、時刻Tにおいて、図7(C)に示すように、φSをoff(α)とする。
φSをoffとすることで、CFD+CからなるポテンシャルがCFDとCのポテンシャルに分割される。ここで、図4中のφN1をonとして、このCFDのリセットレベルの信号をノイズN1として読み出す。
次に、時刻Tにおいて、図7(D)に示すように、φTをonとして、CPDに蓄積されていた光電荷Qの一部または全部をCFDに転送する。
ここで、本実施形態においては、上記のようにCFD<CPDと設計されていることから、蓄積された光電荷の全部ではCFDの容量を超えている場合がある。図7(D)においては、CPDに蓄積されていた光電荷QがCFDを超えた場合を示しており、従って光電荷Qの全部が転送されず、一部が転送されて、残部がCPDに残されたままとなる。
次に、時刻Tにおいて、図8(E)に示すように、上記のように残部がCFDに残された状態で、φTをoff(α)に戻す。これにより、光電荷QはCFDに転送された一部QAとCPDに残された残部QBとに分割される。
ここで、図4中のφS1+N1をonとし、第1信号として、CFDに転送された光電荷の一部QAに対応する信号S1を読み出す。ここで読み出される信号は、後述のように光電荷の全部がCFDを飽和させていない量であった場合に、当該画素の出力として採用されることから、この信号を飽和前電荷信号とも称する。但し、図8(E)においては、光電荷の全部ではCFDを飽和させてしまっている。
また、上記において、CFDには光電荷の一部QAとノイズN1に対応する電荷が存在しており、実際に読みだされるのはS1+N1となる。
次に、時刻Tにおいて、図8(F)に示すように、φSをonとし、さらに、φTをonとする。これにより、CFDとCが結合したポテンシャルとし、CPDに蓄積されていた光電荷Qの全部をCFD+Cに転送する。
ここで、本実施形態においては、上記のようにCFD+C≧CPDと設計されていることから、蓄積された光電荷の全部が転送されてもCFD+Cを溢れさせることなく転送できる。また、CPDのポテンシャルがCFD+Cよりも浅く、転送トランジスタの準位がCPDより深くなっているので、CPD中にあった光電荷Qを全てCFD+Cに転送する完全電荷転送を実現できる。
次に、時刻Tにおいて、図8(G)に示すように、φTをoff(α)に戻す。
ここで、図4中のφS1'+S2'+N2をonとし、第2信号として、CFD+Cに転送された光電荷の全部Qに対応する信号S1+S2を読み出す。ここで読み出される信号は、上記の飽和前電荷信号S1に対して、CFDを超えた部分の信号である過飽和電荷信号S2が足されたものとして、信号S1+S2と表記する。
但し、ここではCFD+Cノイズが乗っており、さらにCFD+Cに広がった電荷から読み取っていることから、実際に読みだされるのはS1’+S2’+N2(S1’とS2’はそれぞれCFDとCの容量比率によって縮小変調されたS1とS2の値)となる。
次に、当該ラインの水平ブランキング期間PHBが終了する時刻Tにおいて、図8(H)に示すように、φXをoff、φRをonとしてCFD+Cからなるポテンシャル内の光電荷を排出する。
この水平ブランキング期間PHBが終了する時刻Tから時刻Tまでが当該ラインの出力期間POPとなり、この期間中に上記のように出力された、飽和前電荷信号(S1)+CFDノイズ(N1)、CFDノイズ(N1)、変調された飽和前電荷信号(S’)+変調された過飽和電荷信号(S2’)+CFD+Cノイズ(N2)及びCFD+Cノイズ(N2)の各信号がそれぞれのタイミングで各出力ラインに出力される。
図7及び図8は、上記のようにCPDに蓄積されていた光電荷QがCFDを超えた場合対応しており、CPDに蓄積されていた光電荷QがCFDを超えていない場合には、以下のようにして各信号が出力される。
図9(A)〜(D)及び図10(E)〜(H)は、CPDに蓄積されていた光電荷QがCFDを超えていない場合のタイミングチャートの各タイミングにおけるポテンシャル図に相当する。
まず、1つのフィールドにおける蓄積期間において光電荷QをCPDに蓄積し、図9(A)に示すように、φXをoff、φTをoff(α)、φSをon、φRをonとし、CFD+Cからなるポテンシャル内の光電荷を排出する。
次に、前ラインの出力期間POPが終了する直後のタイミングで、図4中に示すアナログメモリAMをクリアした後、図9(B)に示すように、時刻Tにおいて、φXをonとし、φRをoffとして、CFD+Cのリセットレベルの信号をノイズN2として読み出す。
次に、時刻Tにおいて、図9(C)に示すように、φSをoff(α)とし、CFDのリセットレベルの信号をノイズN1として読み出す。
次に、時刻Tにおいて、図9(D)に示すように、φTをonとして、CPDに蓄積されていた光電荷Qの全部をCFDに転送する。上記のように、CPDに蓄積されていた光電荷QがCFDを超えていない場合を示しており、従って光電荷Qの全部がCFDに転送される。
次に、時刻Tにおいて、図10(E)に示すように、φTをoff(α)に戻し、第1信号として、CFDに転送された光電荷の全部Qに対応する飽和前電荷信号S1を読み出す。上記において、実際に読みだされるのはS1+N1となる。
次に、時刻Tにおいて、図10(F)に示すように、φSをonとし、さらに、φTをonとし、CFDとCが結合したポテンシャルとする。
次に、時刻Tにおいて、図10(G)に示すように、φTをoff(α)に戻し、第2信号として、CFD+Cに転送された光電荷の全部Qに対応する信号S1+S2を読み出す。但し、実際に読みだされるのはS1’+S2’+N2(S1’とS2’はそれぞれCFDとCの容量比率によって縮小変調されたS1とS2の値)となる。
次に、時刻Tにおいて、図10(H)に示すように、φXをoff、φRをonとし、CFD+Cからなるポテンシャル内の光電荷を排出する。
上記のようにして、CPDに蓄積されていた光電荷QがCFDを超えた場合、超えていない場合のいずれの場合にも、飽和前電荷信号(S1)+CFDノイズ(N1)、CFDノイズ(N1)、変調された飽和前電荷信号(S’)+変調された過飽和電荷信号(S2’)+CFD+Cノイズ(N2)及びCFD+Cノイズ(N2)の各信号が読み出され、各信号から、以下のようにして当該画素の出力を得る。
即ち、上記の出力から、飽和前電荷信号(S1)+CFDノイズ(N1)とCFDノイズ(N1)を差動アンプなどに入力し、差分を取ることでCFDノイズ(N1)をキャンセルし、飽和前電荷信号(S1)を得る。
一方、変調された飽和前電荷信号(S1’)+変調された過飽和電荷信号(S2’)+CFD+Cノイズ(N2)とCFD+Cノイズ(N2)を差動アンプなどに入力し、差分を取ってCFD+Cノイズ(N2)をキャンセルし、さらにアンプなどによりCFDとCの容量比率によって復元し、飽和前電荷信号(S1)と同じゲインに調整することで、飽和前電荷信号と過飽和電荷信号の和(S1+S2)を得る。
上記の変調された飽和前電荷信号(S1’)+変調された過飽和電荷信号(S2’)の復元について説明する。
1’、S2’、α(CFDからCFD+Cへの電荷分配比)は以下の数式により表される。
[数2]
1’=S1×α (4)
2’=S2×α (5)
α=CFD/(CFD+C) (6)
従って、CFDとCの値から上記式(6)よりαを求め、それを上記式(4)及び(5)に代入することで、S1+S2に復元し、別途取得されたS1と同じゲインに調整することができる。
次に、上記のように得られたS1とS1+S2のどちらか一方を選択して最終的な出力とする。
ここでは、例えば、第1信号(飽和前電荷信号S1)が、フローティングディフュージョンCFDの飽和信号以下である場合には、この第1信号を当該画素の出力とし、また、第1信号(飽和前電荷信号S1)が、フローティングディフュージョンCFDの飽和信号を超えた場合には第2信号(飽和前電荷信号S1+過飽和電荷信号S2)を前記画素の出力とする。
上記のような第1信号(飽和前電荷信号S1)と第2信号(飽和前電荷信号S1+過飽和電荷信号S2)の選択は、例えば基準電位を設定したコンパレータなどにS1を入力し、その比較結果によってセレクタなどでS1とS1+S2のいずれかを選択して出力する。
上記の構成のCMOSイメージセンサにおいて、S1とS1+S2のいずれかの出力までをCMOSイメージセンサチップ上に形成してもよく、あるいは飽和前電荷信号(S1)+CFDノイズ(N1)、CFDノイズ(N1)、変調された飽和前電荷信号(S’)+変調された過飽和電荷信号(S2’)+CFD+Cノイズ(N2)及びCFD+Cノイズ(N2)の各信号の出力までをCMOSイメージセンサチップ上に形成して差動アンプなどの回路をチップ外に配置するようにしてもよい。
図11は、本実施形態に係るCMOSイメージセンサの模式構成を示すレイアウト図である。
受光面において上記の構成の画素PXがマトリクス状に複数個集積されており、各画素PXの出力線が、図4に示すような駆動ライン(φS1+N1,φN1,φS1'+S2'+N2,φN2)によって制御され、飽和前電荷信号(S1)+CFDノイズ(N1)用の第1アナログメモリAM、CFDノイズ(N1)用の第2アナログメモリAM、変調された飽和前電荷信号(S’)+変調された過飽和電荷信号(S2’)+CFD+Cノイズ(N2)用の第3アナログメモリAM、CFD+Cノイズ(N2)用の第4アナログメモリAMを経て、S1+N1、N1、S’+S2’N2及びN2の各信号が出力され、上述のような演算処理を経て、第1信号(飽和前電荷信号S1)と第2信号(飽和前電荷信号S1+過飽和電荷信号S2)の各信号が出力される。さらに、以降の回路において、上述のようにS1がフローティングディフュージョンCFDの飽和信号以下であるか比較し、セレクタなどでS1とS1+S2のいずれかを選択して出力する。
図11のようなレイアウトにおいては、例えば、上記の第1アナログメモリAMと第2アナログメモリAMが受光面の1辺に沿って配置され、第3アナログメモリAMと第4アナログメモリAMが受光面の対向する1辺に沿って配置されている。
ここで、本実施形態のCMOSイメージセンサは、画素の出力として、全ての画素において第1信号(飽和前電荷信号S1)あるいは第2信号(飽和前電荷信号S1+過飽和電荷信号S2)を出力することができるように構成されている。
これは、例えば、CMOSイメージセンサの動作モードとして、上記の第1信号と第2信号の両信号を出力して後にいずれか一方を選択する広ダイナミックレンジモードに対して、全ての画素において第1信号(飽和前電荷信号S1)を出力する高感度モードと、全ての画素において第2信号(飽和前電荷信号S1+過飽和電荷信号S2)を出力する低感度モードが設けられ、例えばユーザが撮影場面に応じてダイナミックレンジのモードを切り替えて用いるように構成されている。例えば、広ダイナミックレンジモードと、高感度モード及び低感度モードを選択するための切り替えスイッチが設けられ、どのモードで動作させるかユーザが選択することができる。
以下に、上記の全ての画素において第1信号(飽和前電荷信号S1)を出力する高感度モードと、全ての画素において第2信号(飽和前電荷信号S1+過飽和電荷信号S2)を出力する低感度モードの動作方法について説明する。
まず、高感度モードについて説明する。
図12は、on/offの2準位で示す駆動ライン(φT,φS,φR,φX)に印加する電圧と、上記の駆動ラインφXCLR、及び駆動ライン(φS1+N1,φN1)に印加する電圧を示したタイミングチャートである。
高感度モードにおいては、第1信号S1のみを出力するので、駆動ライン(φS1'+S2'+N2,φN2)は使用しない。このため、図11に示すS’+S2’+N2用の第3アナログメモリAMとN2用の第4アナログメモリAMも使用しないので、下記の駆動のように読み出し時にクリアしなくてもよい。
図12のタイミングチャートに従って、図5に示すポテンシャルをどのように制御するか説明する。
図13(A)〜(C)及び図14(D)〜(E)はタイミングチャートの各タイミングにおけるポテンシャル図に相当する。
まず、1つのフィールドにおける蓄積期間において光電荷QをCPDに蓄積する。
蓄積期間の終了する直前に前ラインの出力期間POPが設定され、出力期間POPが開始される時刻Tにおいて、φXをoff、φTをoff(α)、φSをon、φRをonとする。
φTがα準位となっているので、蓄積期間中にCPDから溢れた光電荷はCFD側に流れてくるが、図13(A)に示すように、時刻TにおいてφSをonとしてCFDとCが結合した状態とし、φRをonとして、CFD+Cからなるポテンシャル内の光電荷を排出する。
次に、前ラインの出力期間POPが終了する直前のタイミングで、駆動ライン(φS1+N1,φN1)とonとすると同時に、駆動ラインφXCLRをonとして、図11に示すS1+N1用の第1アナログメモリAM、N1用の第2アナログメモリAMをクリアする。
次に、図13(B)に示すように、前ラインの出力期間POPが終了し、当該ラインの水平ブランキング期間PHBが開始する時刻Tにおいて、φXをonとし、φRをoff、φSをoff(α)とする。
φSをoff(α)とすることで、CFD+CからなるポテンシャルがCFDとCのポテンシャルに分割され、さらにφRをoffとすることで、いわゆるkTCノイズがCFDのポテンシャルに発生する。ここで、図4中のφN1をonとして、このCFDのリセットレベルの信号をノイズN1として読み出す。
次に、時刻Tにおいて、図13(C)に示すように、φTをonとして、CPDに蓄積されていた光電荷Qの一部または全部をCFDに転送する。
ここで、本実施形態においては、上記のようにCFD<CPDと設計されていることから、蓄積された光電荷の全部ではCFDの容量を超えている場合がある。図13(C)においては、CPDに蓄積されていた光電荷QがCFD未満である場合を示しており、光電荷Qの全部が転送された状態を示している。
次に、時刻Tにおいて、図14(D)に示すようにφTをoff(α)に戻す。
ここで、図4中のφS1+N1をonとし、第1信号として、CFDに転送された光電荷Qに対応する信号S1を読み出す。ここで、CFDには光電荷QとノイズN1に対応する電荷が存在しており、実際に読みだされるのはS1+N1となる。
次に、当該ラインの水平ブランキング期間PHBが終了する時刻Tにおいて、図14(E)に示すように、φSをonとしてCFDとCが結合したポテンシャルとし、同時にφXをoff、φRをonとしてCFD+Cからなるポテンシャル内の光電荷を排出する。
この水平ブランキング期間PHBが終了する時刻Tから時刻Tまでが当該ラインの出力期間POPとなり、この期間中に上記のように出力された、S1+N1とN1の各信号がそれぞれのタイミングで各出力ラインに出力され、上述の演算処理を経て、第1信号S1が出力される。
本実施形態のCMOSイメージセンサにおいて、上記の高感度モードでは、CPDよりも容量の小さいCFDによって信号を読み出すので高感度となるが、CPDに蓄積されていた光電荷がCFDを超えた場合には全光電荷に対応する信号は得られず、CPDに蓄積されていた光電荷QがCFD未満である場合に対応するモードとなっている。撮影対象が低照度であってユーザが高感度で撮影しようとしたときに選択することで、撮影対象に適した良好な画像を得ることができる。
次に、低感度モードについて説明する。
図15は、on/offの2準位で示す駆動ライン(φT,φS,φR,φX)に印加する電圧と、上記の駆動ラインφXCLR、及び駆動ライン(φS1'+S2'+N2,φN2)に印加する電圧を示したタイミングチャートである。
低感度モードにおいては、第2信号S1+S2のみを出力するので、駆動ライン(φS1+N1,φN1)は使用しない。このため、図11に示すS+N用の第1アナログメモリAMとN用の第2アナログメモリAMも使用しないので、下記の駆動のように読み出し時にクリアしなくてもよい。
図15のタイミングチャートに従って、図5に示すポテンシャルをどのように制御するか説明する。
図16(A)〜(C)及び図17(D)〜(E)はタイミングチャートの各タイミングにおけるポテンシャル図に相当する。
まず、1つのフィールドにおける蓄積期間において光電荷QをCPDに蓄積する。
蓄積期間の終了する直前に前ラインの出力期間POPが設定され、出力期間POPが開始される時刻Tにおいて、φXをoff、φTをoff(α)、φSをon、φRをonとする。
以降、低感度モードにおいては、φSを常時onとしてCFDとCが結合した状態とする。
φTがα準位となっているので、蓄積期間中にCPDから溢れた光電荷はCFD側に流れてくるが、図16(A)に示すように、時刻TにおいてφRをonとして、CFD+Cからなるポテンシャル内の光電荷を排出する。
次に、前ラインの出力期間POPが終了する直前のタイミングで、駆動ライン(φS1'+S2'+N2,φN2)とonとすると同時に、駆動ラインφXCLRをonとして、図11に示すS’+S2’+N2用の第3アナログメモリAMとN2用の第4アナログメモリAMをクリアする。
次に、図16(B)に示すように、前ラインの出力期間POPが終了し、当該ラインの水平ブランキング期間PHBが開始する時刻Tにおいて、φXをonとし、φRをoffとする。
φRをoffとすることで、いわゆるkTCノイズがCFD+Cのポテンシャルに発生する。ここで、図4中のφN2をonとして、このCFD+Cのリセットレベルの信号をノイズN2として読み出す。
次に、時刻Tにおいて、図16(C)に示すように、φTをonとして、CPDに蓄積されていた光電荷Qの全部をCFD+Cのポテンシャルに転送する。
ここで、本実施形態においては、上記のようにCFD+C≧CPDと設計されていることから、蓄積された光電荷の全部が転送されてもCFD+Cを溢れさせることなく転送できる。また、CPDのポテンシャルがCFD+Cよりも浅く、転送トランジスタの準位がCPDより深くなっているので、CPD中にあった光電荷Qを全てCFD+Cに転送する完全電荷転送を実現できる。
次に、時刻Tにおいて、図17(D)に示すようにφTをoff(α)に戻す。
ここで、図4中のφS1'+S2'+N2をonとし、第2信号として、CFD+Cに転送された光電荷の全部Qに対応する信号S1+S2を読み出す。但し、実際に読みだされるのはS1’+S2’+N2(S1’とS2’はそれぞれCFDとCの容量比率によって縮小変調されたS1とS2の値)となる。
次に、時刻Tにおいて、図17(E)に示すように、φXをoff、φRをonとし、CFD+Cからなるポテンシャル内の光電荷を排出する。
この水平ブランキング期間PHBが終了する時刻Tから時刻Tまでが当該ラインの出力期間POPとなり、この期間中に上記のように出力された、S1’+S2’+N2とN2の各信号がそれぞれのタイミングで各出力ラインに出力され、上述のような演算処理を経て、第2信号S1+S2が出力される。
なお、低感度モードではS1+S2のみの取り扱いとなり、S1’+S2’とS1のようにゲインの異なる信号を処理しないので、場合によってはS1’+S2’のゲイン調整は行わなくてもよい。
本実施形態のCMOSイメージセンサにおいて、上記の低感度モードでは、CPDに蓄積されていた光電荷がCFDを超えた場合に対応するモードとなっている。撮影対象が高照度であってユーザが低感度で撮影しようとしたときに選択することで、撮影対象に適した良好な画像を得ることができる。
本実施形態のCMOSイメージセンサは、フローティングディフュージョンFDの容量CFDが、フォトダイオードPDの容量CPDよりも小さい(CFD<CPD)構成であることから、容量の小さいCFDのみの信号による第1信号(飽和前電荷信号S1)を得ることで、低照度領域の信号の高感度化及び高S/N比化を実現することができる。
さらに、フローティングディフュージョンFDの容量CFDと付加容量素子の容量Cの和が、フォトダイオードPDの容量CPD以上である(CFD+C≧CPD)ことから、第2信号(飽和前電荷信号S1+過飽和電荷信号S2)を得ることで、上記の低照度領域のみならず、フォトダイオードPDの容量CPDの飽和量に相当する高照度領域まで高感度に信号を得ることができ、広ダイナミックレンジ化を実現できる。
特に、フローティングディフュージョンFDの容量CFDが、付加容量素子の容量Cより小さい(CFD<C)とすることで、低照度領域の感度をさらに高めることができる。
例えば、電子一個を検出できるようにCFDを0.4fFと設定し、CFD:Cを1:7と設定することで、CPDが3〜4fF程度の領域まで照度領域で高感度な信号を得ることができる。
また、本実施形態に係るCMOSイメージセンサでは、上記のような常時広ダイナミックレンジに対応するだけでなく、画素の出力として、全ての画素において第1信号あるいは第2信号を出力できるように構成されており、ユーザが撮影場面に応じて、第1信号を出力する高感度モードと第2信号を出力する低感度モードから対応できるダイナミックレンジを切り替えて用いることできる。
図18は、本実施形態のCMOSイメージセンサの低照度領域の高感度化及び高S/N比化を説明するためのゲインアップとノイズ特性を示す模式図であり、それぞれ横軸が入射光量Lであり、縦軸が出力OPである。
図18(A)は、従来例に相当するCMOSイメージセンサのゲインアップとノイズ特性であり、基本出力aに対して、基本フロアノイズBNのレベルまでのノイズNaがのっている。これの基本出力aに対して、出力後段に配置したアンプで低照度領域を電気的に増幅した場合、ゲインアップ出力bが得られ、ノイズNaが増幅されたノイズNbがのった信号となってしまう。
一方、図18(B)は本実施形態のCMOSイメージセンサのゲインアップとノイズ特性であり、低感度モードでは高照度まで対応できる第2信号(飽和前電荷信号S1+過飽和電荷信号S2)の出力cは得られ、高感度モードでは低照度領域を高感度化できる第1信号(飽和前電荷信号S1)の出力dが得られる。いずれの信号も、基本フロアノイズBNのレベルまでのノイズNc,Ndがのっているが、第1信号(飽和前電荷信号S1)の出力dのノイズNdはノイズNcを増幅したものではないので、低照度領域に対応する信号の高感度化及び高S/N比化を実現できる。
第2実施形態
図19は、本実施形態に係るCMOSイメージセンサの模式構成を示すレイアウト図である。
第1実施形態においては、第1アナログメモリAM〜第4アナログメモリAMが受光面近傍に配置されていたが、本実施形態では、第1アナログメモリAMと第2アナログメモリAMのみが配置されている。
第1実施形態のCMOSイメージセンサでは、高感度モードと低感度モードのほかに広ダイナミックレンジモードに対応した構成であるので、第1アナログメモリAM〜第4アナログメモリAMが必要であったが、本実施形態のCMOSイメージセンサでは高感度モードと低感度モードのみに対応した構成である。
高感度モードと低感度モードのいずれの場合で駆動する場合でも、アナログメモリはそれぞれ2系統しか使用しない。従って、高感度モードでは第1アナログメモリAMでS1+N1を扱い、第2アナログメモリAMでN1を扱い、一方、低感度モードでは第1アナログメモリAMでS1’+S2’N2を扱い、第2アナログメモリAMでN2を扱うことで、第1実施形態のCMOSイメージセンサにおける第3アナログメモリAMと第4アナログメモリAMを省略することができる。
第3実施形態
図20は、本実施形態に係るCMOSイメージセンサの模式構成を示すレイアウト図である。
本実施形態においては、第1実施形態と同様に、第1アナログメモリAM〜第4アナログメモリAMの4系統のアナログメモリが受光面近傍に配置されている。
ここで、高感度モードと低感度モードのいずれの場合で駆動する場合でも、アナログメモリはそれぞれ2系統しか使用しないことから、画素の出力として、隣接する2行の画素の第1信号または第2信号が、同一の水平ブランキング期間内に出力されるように構成することができる。
例えば、高感度モードでは、第1アナログメモリAMでn行目の画素のS1+N1(n)を、第2アナログメモリAMでn行目の画素のN1(n)をそれぞれ記憶し、演算処理を経て第1信号S1(n)を得る。また、第3アナログメモリAMでn+1行目の画素のS1+N1(n+1)を、第4アナログメモリAMでn+1行目の画素のN1(n+1)をそれぞれ記憶し、演算処理を経て第1信号S1(n+1)を得る。
回路構成は第1実施形態のCMOSイメージセンサと同様であるが、タイミングチャート上隣接するn+1行の画素のS1+N1(n+1)を読み出すタイミングで第3アナログメモリAMに接続された出力線から出力し、また、タイミングチャート上隣接するn+1行の画素のN1(n+1)を読み出すタイミングで第4アナログメモリAMに接続された出力線から出力することで、上記の信号を得ることができる。
得られた第1信号S1(n)と第1信号S1(n+1)を同一の出力期間で出力することで、読み出しにかかる時間を短縮することができる。
低感度モードでも同様であり、第1アナログメモリAMでn行目の画素のS1’+S2’N2(n)を、第2アナログメモリAMでn行目の画素のN2(n)をそれぞれ記憶し、第3アナログメモリAMでn+1行目の画素のS1’+S2’+N2(n+1)を、第4アナログメモリAMでn+1行目の画素のN2(n+1)をそれぞれ記憶して、演算処理を経て得られた第2信号S1+S2(n)と第2信号S1+S2(n+1)を同一の出力期間で出力することで、読み出しにかかる時間を短縮することができる。
本実施形態のCMOSイメージセンサの高感度モードの動作方法について説明する。
図21は、on/offの2準位で示すn行目及びn+1行目の駆動ライン(φX(n),φT(n),φX(n+1),φT(n+1),φR,φS)に印加する電圧と、上記の駆動ラインφXCLR、及び駆動ライン(φS1+N1(n),φN1(n),φS1+N1(n+1),φN1(n+1))に印加する電圧を示したタイミングチャートである。ここで、高感度モードでのφSは実線aで示している。
駆動ラインφS1+N1(n+1)とφN1(n+1)は、それぞれ、第1実施形態のφS1'+S2'+N2とφN2に相当する駆動ラインであり、読み出しタイミングによって読み出す信号がそれぞれS1+N1(n+1)とN1(n+1)となっている駆動ラインである。
まず、1つのフィールドにおける蓄積期間において光電荷QをCPDに蓄積する。
蓄積期間の終了する直前に前ラインの出力期間POPが設定され、出力期間POPが開始される時刻Tにおいて、φX(n)をoff、φT(n)をoff(α)、φX(n+1)をoff、φT(n+1)をoff(α)、φSをon、φRをonとする。
次に、前ラインの出力期間POPが終了する直前のタイミングで、駆動ライン(φS1+N1(n),φN1(n),φS1+N1(n+1),φN1(n+1))とonとすると同時に、駆動ラインφXCLRをonとして、第1アナログメモリAM〜第4アナログメモリAMをクリアする。
次に、前ラインの出力期間POPが終了し、当該ラインの水平ブランキング期間PHBが開始する時刻Tにおいて、φX(n)をonとし、φRをoff、φSをoff(α)とする。
φSをoff(α)とすることで、CFD+CからなるポテンシャルがCFDとCのポテンシャルに分割され、さらにφRをoffとすることで、いわゆるkTCノイズがCFDのポテンシャルに発生する。ここで、φN1(n)をonとして、このCFDのリセットレベルの信号をノイズN1(n)として読み出す。
次に、時刻Tにおいて、φT(n)をonとして、n行目の画素のCPDに蓄積されていた光電荷をCFDに転送し、時刻TにおいてφT(n)をoff(α)に戻す。
ここで、φS1+N1(n)をonとし、S1+N1(n)を読み出す。
次に、時刻Tにおいて、φX(n)をoffとし、次いでφXCLRをonとして、駆動ラインをクリアした上で、時刻Tにおいて、φX(n+1)をonとする。
次に、φN1(n+1)をonとして、このCFDのリセットレベルの信号をノイズN1(n+1)として読み出す。
次に、時刻Tにおいて、φT(n+1)をonとして、n+1行目の画素のCPDに蓄積されていた光電荷をCFDに転送し、時刻TにおいてφT(n+1)をoff(α)に戻す。
ここで、φS1+N1(n+1)をonとし、S1+N1(n+1)を読み出す。
次に、当該ラインの水平ブランキング期間PHBが終了する時刻Tにおいて、φSをonとしてCFDとCが結合したポテンシャルとし、同時にφX(n+1)をoff、φRをonとしてCFD+Cからなるポテンシャル内の光電荷を排出する。
この水平ブランキング期間PHBが終了する時刻Tから時刻Tまでが、n行目とn+1行目の画素の出力期間POPとなり、この期間中に上記のように出力された、S1+N1(n)とN1(n)、S1+N1(n+1)とN1(n+1)の各信号がそれぞれのタイミングで各出力ラインに出力され、上述の演算処理を経て、S1(n)とS1(n+1)が出力される。
本実施形態のCMOSイメージセンサの低感度モードの動作方法について説明する。
図21中において、一点鎖線bで示すタイミングでφSを駆動する。
このとき、駆動ライン(φS1+N1(n),φN1(n),φS1+N1(n+1),φN1(n+1))は、それぞれ駆動ライン(φS1'+S2'+N2(n),φN2(n),φS1'+S2'+N2(n+1),φN2(n+1))に相当するラインとなり、図21のタイミングチャートで駆動することで、S1’+S2’+N2(n)、N2(n)、S1’+S2’+N2(n+1)、N2(n+1)の各信号がそれぞれのタイミングで各出力ラインに出力され、上述の演算処理を経て、S1+S2(n)とS1+S2(n+1)が出力される。
本実施形態のCMOSイメージセンサでは、隣接する2行の画素の第1信号または第2信号が、同一の水平ブランキング期間内に出力される、同一の出力期間で出力することで、読み出しにかかる時間を短縮することができる。
第4実施形態
図22は、本実施形態に係るCMOSイメージセンサの模式構成を示すレイアウト図である。
本実施形態においては、第1実施形態と同様に、第1アナログメモリAM〜第4アナログメモリAMの4系統のアナログメモリが受光面近傍に配置されている。
ここで、高感度モードと低感度モードのいずれの場合で駆動する場合でも、アナログメモリはそれぞれ2系統しか使用しないことから、画素の出力として、1つの画素から第1信号または第2信号が2回読み出され、得られた2つの第1信号または第2信号が合算され、または平均が取られて出力されるように構成することができる。
例えば、高感度モードでは、第1アナログメモリAMでS1+N1を、第2アナログメモリAMでN1をそれぞれ記憶し、演算処理を経て1つめの第1信号S1-aを得る。また、第3アナログメモリAMで同じ画素のS1+N1を、第4アナログメモリAMでN1をそれぞれ記憶し、演算処理を経て2つめの第1信号S1-bを得る。
得られた2つの第1信号S1-a,S1-bは、ADコンバータADC1,ADC2でデジタル化され、例えば合算されて第1信号S1として出力される。あるいは、平均値をとってS1としてもよい。
回路構成は第1実施形態のCMOSイメージセンサと同様であるが、タイミングチャート上、S1+N1を読み出すタイミングで、同時に、あるいはタイミングをずらして、第1及び第3アナログメモリAM1,AMに接続された出力線から出力し、また、タイミングチャート上N1を読み出すタイミングで、同時に、あるいはタイミングをずらして、第2及び第4アナログメモリAM2,AMに接続された出力線から出力することで、上記の信号を得ることができる。
得られた2つの第1信号S1を同一の出力期間で出力することで、読み出しにかかる時間を短縮することができる。
本実施形態のCMOSイメージセンサの高感度モードの動作方法について説明する。
図23は、on/offの2準位で示すn行目及びn+1行目の駆動ライン(φX,φT,φR,φS)に印加する電圧と、上記の駆動ラインφXCLR、及び駆動ライン(φS1+N1-a,φN1-a,φS1+N1-b,φN1-b)に印加する電圧を示したタイミングチャートである。
駆動ラインφS1+N1-aとφN1-aは、それぞれ、第1実施形態のφS1+N1とφN1に相当する駆動ラインであり、駆動ラインφS1+N1-bとφN1-bは、それぞれ、第1実施形態のφS1'+S2'+N2とφN2に相当する駆動ラインであり、読み出しタイミングによって読み出す信号がそれぞれS1+N1とN1となっている駆動ラインである。
まず、1つのフィールドにおける蓄積期間において光電荷QをCPDに蓄積する。
蓄積期間の終了する直前に前ラインの出力期間POPが設定され、出力期間POPが開始される時刻Tにおいて、φXをoff、φTをoff(α)、φSをon、φRをonとする。
次に、前ラインの出力期間POPが終了する直前のタイミングで、駆動ライン(φS1+N1-a,φN1-a,φS1+N1-b,φN1-b)とonとすると同時に、駆動ラインφXCLRをonとして、第1アナログメモリAM〜第4アナログメモリAMをクリアする。
次に、前ラインの出力期間POPが終了し、当該ラインの水平ブランキング期間PHBが開始する時刻Tにおいて、φXをonとし、φRをoff、φSをoff(α)とする。
φSをoff(α)とすることで、CFD+CからなるポテンシャルがCFDとCのポテンシャルに分割され、さらにφRをoffとすることで、いわゆるkTCノイズがCFDのポテンシャルに発生する。ここで、φN1-aをonとして、このCFDのリセットレベルの信号をノイズN1-aとして読み出す。同時に、φN1-bをonとして、このCFDのリセットレベルの信号をノイズN1-bとして読み出す。
次に、時刻Tにおいて、φTをonとして、CPDに蓄積されていた光電荷をCFDに転送し、時刻TにおいてφTをoff(α)に戻す。
ここで、φS1+N1-aをonとし、S1+N1-aを読み出す。同時に、φS1+N1-bをonとし、S1+N1-bを読み出す。
次に、時刻Tにおいて、φXをoffと、φRをon、φSをonとしてCFD+Cからなるポテンシャル内の光電荷を排出する。
この水平ブランキング期間PHBが終了する時刻Tから時刻Tまでが出力期間POPとなり、この期間中に上記のように出力された、S1+N1-aとN1-a、S1+N1-bとN1-bがそれぞれのタイミングで各出力ラインに出力され、上述の演算処理を経て、S1-aとS1-bが出力され、さらに合算または平均がとられる。
本実施形態のCMOSイメージセンサは、低感度モードにおいても駆動可能であり、具体的にはφSを常時onとする以外は上記と同様にして駆動することができる。
本実施形態のCMOSイメージセンサは、1つの画素から2つの信号を読み出し、合算あるいは平均して画素出力を得ているので、特に低照度でのノイズ削減に寄与する。
また、上記のようにノイズN1-aとノイズN1-bを同時に読み出し、また、S1+N1-aとS1+N1-bを同時に読み出すことで駆動の高速化を実現できる。
図24は、本実施形態のCMOSイメージセンサのタイミングチャートの別の例である。
上記のようにノイズN1-aとノイズN1-bを同時ではなくタイミングをずらして読み出し、また、S1+N1-aとS1+N1-bをもタイミングずらして読み出すことで、上記の場合より若干時間がかかるが、読み出し時のノイズの混入を低減でき、高品質な信号を得ることができる。
以下、800×600画素のSVGAの場合について、上記の第1〜第4実施形態に係るCMOSイメージセンサの動作特性の水平ブランキング期間(μs)、読み出し行数(lines)、読み出し速度(fps(frame per second))について、第1実施形態で説明した広ダイナミックレンジモードでの動作特性と比較し、表1に示す。
Figure 2008205639
表1に示すように、第1実施形態の高感度/低感度モードでは、水平ブランキング期間を広ダイナミックレンジモードより半減でき、読み出し速度を向上できる。
また、第3実施形態では読み出し行数を広ダイナミックレンジモードより半減できるので、読み出し速度を倍以上にまで高速化できる。
第4実施形態では水平ブランキング期間を広ダイナミックレンジモードより短縮して、読み出し速度を向上できる。
上記のように、本実施形態に係るCMOSイメージセンサによれば、次の効果を享受できる。
(1)高感度、低感度の2つの出力を有する広ダイナミックレンジCMOSイメージセンサの機能を保ったまま、駆動回路及び駆動タイミングを変えることで、従来の4TrタイプのCMOSイメージセンサと同等の構成と画質でありながら、高感度モードと低感度モードからユーザが撮影場面に応じて対応できるダイナミックレンジを切り替えて用いることできる。
(2)デジタルスチルカメラにおいて、低感度モードをISO100、高感度モードをISO400〜800程度に設計でき、従来の4Tr型のCMOSイメージセンサと比較して高感度でのノイズが少ない高品質の画像を得ることができる。
(3)高感度モード/低感度モードではS1とS1+S2の一方しか出力しないため、広ダイナミックレンジモードと比べて駆動タイミングを簡略化でき、水平ブランキング期間の短縮、全画面読み取り時間の短縮が可能である。
本発明は上記の説明に限定されない。
例えば、フローティングディフュージョンと付加容量素子の容量比は、設計などに応じて適宜変更できる。また、付加容量素子は、絶縁膜を介して1つの電極を対向させてなる構成の素子を適用することも可能である。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことが可能である。
本発明の固体撮像装置は、デジタルカメラやカメラ付き携帯電話などに搭載されるCMOSイメージセンサやCCDイメージセンサなどの広いダイナミックレンジが望まれているイメージセンサに適用できる。
本発明の固体撮像装置の動作方法は広いダイナミックレンジが望まれているイメージセンサの動作方法に適用できる。
図1は、本発明の第1実施形態に係るCMOSイメージセンサの1つの画素(ピクセル)PXの等価回路図である。 図2は、本発明の第1実施形態に係るCMOSイメージセンサにおける1画素(1ピクセル)のレイアウト図の一例である。 図3は、本発明の第1実施形態に係るCMOSイメージセンサの各画素の一部における模式的断面図であり、図2中のA−A‘’における断面図に相当する。 図4は、本発明の第1実施形態のCMOSイメージセンサの全体の回路構成を示す等価回路図である。 図5は、本発明の第1実施形態のCMOSイメージセンサのフォトダイオード、転送トランジスタ、フローティングディフュージョン、容量結合トランジスタ及び付加容量素子に相当する模式的なポテンシャル図である。 図6は、本発明の第1実施形態において図4に対応するCMOSイメージセンサの駆動ラインに印加する電圧を、on/offの2準位で示したタイミングチャートである。 図7(A)〜(D)は、本発明の第1実施形態に係るCMOSイメージセンサのフォトダイオード〜付加容量素子に相当する模式的なポテンシャル図である。 図8(E)〜(H)は、本発明の第1実施形態に係るCMOSイメージセンサのフォトダイオード〜付加容量素子に相当する模式的なポテンシャル図である。 図9(A)〜(D)は、本発明の第1実施形態に係るCMOSイメージセンサのフォトダイオード〜付加容量素子に相当する模式的なポテンシャル図である。 図10(E)〜(H)は、本発明の第1実施形態に係るCMOSイメージセンサのフォトダイオード〜付加容量素子に相当する模式的なポテンシャル図である。 図11は、本発明の第1実施形態に係るCMOSイメージセンサの模式構成を示すレイアウト図である。 図12は、本発明の第1実施形態における高感度モードでの駆動ラインに印加する電圧を示したタイミングチャートである。 図13(A)〜(C)は、本発明の第1実施形態に係るCMOSイメージセンサのフォトダイオード〜付加容量素子に相当する模式的なポテンシャル図である。 図14(D)〜(E)は、本発明の第1実施形態に係るCMOSイメージセンサのフォトダイオード〜付加容量素子に相当する模式的なポテンシャル図である。 図15は、本発明の第1実施形態における低感度モードでの駆動ラインに印加する電圧を示したタイミングチャートである。 図16(A)〜(C)は、本発明の第1実施形態に係るCMOSイメージセンサのフォトダイオード〜付加容量素子に相当する模式的なポテンシャル図である。 図17(D)〜(E)は、本発明の第1実施形態に係るCMOSイメージセンサのフォトダイオード〜付加容量素子に相当する模式的なポテンシャル図である。 図18は、本発明の第1実施形態のCMOSイメージセンサの低照度領域の高感度化及び高S/N比化を説明するためのゲインアップとノイズ特性を示す模式図である。 図19は、本発明の第2実施形態に係るCMOSイメージセンサの模式構成を示すレイアウト図である。 図20は、本発明の第3実施形態に係るCMOSイメージセンサの模式構成を示すレイアウト図である。 図21は、本発明の第3実施形態における駆動ラインに印加する電圧を示したタイミングチャートである。 図22は、本発明の第4実施形態に係るCMOSイメージセンサの模式構成を示すレイアウト図である。 図23は、本発明の第4実施形態における駆動ラインに印加する電圧を示したタイミングチャートである。 図24は、本発明の第4実施形態における駆動ラインに印加する電圧を示したタイミングチャートである。
符号の説明
10…n型半導体基板、11…p型ウェル、12…p+型分離領域、13…素子分離絶縁膜、14…n型半導体領域、15…p+型半導体領域、16,17…n+型半導体領域、18…ゲート絶縁膜、19,20…ゲート電極、21…絶縁膜、22…プラグ、23…上層配線、24,25,26…n+型半導体領域、27…ゲート絶縁膜、28,29…ゲート電極、30…プラグ、31…上層配線、32…プラグ、33…上層配線、AM…アナログメモリ、AM…第1アナログメモリ、AM2…第2アナログメモリ、AM3…第3アナログメモリ、AM4…第4アナログメモリ、CFD,CPD…容量、C…付加容量素子、N1…CFDのリセットレベルの信号(ノイズ)、N2…CFD+Cのリセットレベルの信号(ノイズ)、Vout…出力(ライン)、PD…フォトダイオード、PX…画素、Q,QA,QB…光電荷、S1…飽和前電荷信号、S1’…変調された飽和前電荷信号、S2…過飽和電荷信号、S2’…変調された過飽和電荷信号、SL…選択ライン、SRH…列シフトレジスタ、SRV…行シフトレジスタ、T1〜T9…時刻、Tr1…転送トランジスタ、Tr2…容量結合トランジスタ、Tr3…リセットトランジスタ、Tr4…増幅トランジスタ、Tr5…選択トランジスタ、VR…電源電圧、φT,φS,φR,φX,φS1+N1,φN1,φS1'+S2'+N2,φN2,φXCLR…駆動ライン

Claims (12)

  1. 光を受光して光電荷を生成及び蓄積するフォトダイオードと、
    前記フォトダイオードから光電荷を転送する転送トランジスタと、
    前記転送トランジスタを通じて前記光電荷が転送されるフローティングディフュージョンと、
    前記フローティングディフュージョンを介して前記フォトダイオードに接続して設けられ、前記転送トランジスタを通じて前記フォトダイオードから転送される光電荷を蓄積する付加容量素子と、
    前記フローティングディフュージョンと前記付加容量素子とを結合または分割する容量結合トランジスタと、
    前記付加容量素子または前記フローティングディフュージョンに接続され、前記付加容量素子及び/または前記フローティングディフュージョン内の光電荷を排出するためのリセットトランジスタと
    を有する画素が半導体基板にアレイ状に複数個集積されており、
    前記フローティングディフュージョンの容量が、前記フォトダイオードの容量よりも小さい構成であり、
    前記画素の出力として、全ての前記画素において前記フォトダイオードに蓄積された光電荷の一部または全部を前記フローティングディフュージョンに転送して得られる第1信号が出力される、あるいは、全ての前記画素において前記フォトダイオードに蓄積された光電荷の全部を前記フローティングディフュージョンと前記付加容量素子を結合して得られる容量に転送して得られる第2信号が出力される
    固体撮像装置。
  2. 前記画素の出力として、前記第1信号または前記第2信号のいずれかを選択するための切り替えスイッチを有する
    請求項1に記載の固体撮像装置。
  3. 前記画素の出力として、隣接する2行の前記画素の前記第1信号または前記第2信号が、同一の水平ブランキング期間内に出力される
    請求項1に記載の固体撮像装置。
  4. 前記画素の出力として、1つの前記画素から前記第1信号または前記第2信号が2回読み出され、得られた2つの前記第1信号または前記第2信号が合算され、または平均が取られて出力される
    請求項1に記載の固体撮像装置。
  5. 前記フローティングディフュージョンの容量と前記付加容量素子の容量の和が、前記フォトダイオードの容量以上である
    請求項1に記載の固体撮像装置。
  6. 前記フローティングディフュージョンの容量が、前記付加容量素子の容量より小さい
    請求項5に記載の固体撮像装置。
  7. 前記付加容量素子が、前記半導体基板に形成された不純物拡散層の容量により構成されている
    請求項1に記載の固体撮像装置。
  8. 前記画素が、前記フローティングディフュージョンに接続するゲート電極を有する増幅トランジスタと、前記増幅トランジスタと直列に接続された前記画素を選択するための選択トランジスタをさらに有する
    請求項1に記載の固体撮像装置。
  9. 光を受光して光電荷を生成及び蓄積するフォトダイオードと、前記フォトダイオードから光電荷を転送する転送トランジスタと、前記転送トランジスタを通じて前記光電荷が転送されるフローティングディフュージョンと、前記フローティングディフュージョンを介して前記フォトダイオードに接続して設けられ、前記転送トランジスタを通じて前記フォトダイオードから転送される光電荷を蓄積する付加容量素子と、前記フローティングディフュージョンと前記付加容量素子とを結合または分割する容量結合トランジスタと、前記付加容量素子または前記フローティングディフュージョンに接続され、前記付加容量素子及び/または前記フローティングディフュージョン内の光電荷を排出するためのリセットトランジスタとを有する画素が半導体基板にアレイ状に複数個集積されており、前記フローティングディフュージョンの容量が、前記フォトダイオードの容量よりも小さい構成である固体撮像装置の動作方法であって、
    蓄積期間において前記フォトダイオードにおいて光を受光して生成される光電荷を前記フォトダイオードに蓄積する工程と、
    前記画素の出力として、前記フォトダイオードに蓄積された光電荷の一部または全部を前記フローティングディフュージョンに転送して第1信号を得る、あるいは、前記フォトダイオードに蓄積された光電荷の全部を前記フローティングディフュージョンと前記付加容量素子を結合して得られる容量に転送して第2信号を得る工程と
    を有し、
    前記画素の出力として、前記第1信号あるいは前記第2信号を得る工程において、全ての前記画素において前記第1信号と前記第2信号のいずれか一方を得る
    固体撮像装置の動作方法。
  10. 前記画素の出力として、前記第1信号あるいは前記第2信号を得る工程において、前記第1信号または前記第2信号のいずれかを選択するための切り替えスイッチに応じて、前記第1信号あるいは前記第2信号を得る
    請求項9に記載の固体撮像装置の動作方法。
  11. 前記画素の出力として、前記第1信号あるいは前記第2信号を得る工程において、隣接する2行の前記画素の前記第1信号または前記第2信号を、同一の水平ブランキング期間内に得る
    請求項9に記載の固体撮像装置の動作方法。
  12. 前記画素の出力として、前記第1信号あるいは前記第2信号を得る工程において、1つの前記画素から前記第1信号または前記第2信号を2回読み出し、得られた2つの前記第1信号または前記第2信号を合算し、または平均を取る
    請求項9に記載の固体撮像装置の動作方法。
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