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JP2007008965A - 育毛剤 - Google Patents

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卓夫 小菅
Makoto Fukushima
信 福島
Mitsuo Kawai
充夫 河合
Katsuo Matsumoto
克夫 松本
Yasutomo Nishimori
康友 西森
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Abstract

【課題】薬理作用を有する物質の体内分布や生体利用度を改善する手段を提供すること。
【解決手段】津液作用を有する生薬のエッセンスと、ミノキシジルとを組み合わせてなる育毛剤であって、前記生薬が、センナ、アロエ、イクリニン、ケンゴシ、カンスイ、ゲンカ、タイゲキ、ショウリク、ゾクズイシ、テイレキシ、ウキュウコンピ、ブクリョウ、チョレイ、インチンコウ、モクボウイ、カンボウイ、ヨクイニン、トウカニン、ツウヤク、クバク、ジフシ、ヘンチク、セキイ、シャゼンシ、トウキシ、ヒカイ、キンセンソウ、セキショウズ、ハンペンレイ、ギョクマイシュ、サンザシ、バクガ、ケイナイキン、ライフクシ、マオウ、シソヨウ、ケイガイ、ボウフウ、コウジュ、ゴボウシ、フヘイ、モクゾク、セキナントウ、ウコン、コトウニク、シャジン、テンモンドウ、バクモンドウ、ギョクチク、ヒャクゴウ、ソウキセイ、ショウブ、バクガイシ、及びゴオウから選ばれる、育毛剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、育毛剤に関する。
漢方の思想には、気、血、水の概念があり、これらのバランスを保つことにより正常な生命生活が営まれるとされている。このうち水の概念は、汗や尿などの水分を介する代謝系を表すものであり、津液はこの代謝系を活性化する概念である。この様な津液の働きを改善する生薬としては、攻下薬、潤下薬、峻下薬、利水薬、消導薬、解表薬、去風湿薬、活血薬、補陽薬、補陰薬、芳香開窮薬、化痰止咳薬、芳香開窮薬等に分類されるものが相当し、具体的には、次に示すものが挙げられる。これらの生薬を摂取することにより、水分代謝を高め、汗、尿、各種消化液の分泌が盛んになり、人体の不要物が対外に運び出される作用が高まることは既に知られている。しかしながら、これら津液改善剤と各種の薬効を有する物質との相互作用については何も知られていないのが現状である。
(津液作用を改善する生薬)ダイオウ、センナ、アロエ、イクリニン、ケンゴシ、カンスイ、ゲンカ、タイゲキ、ショウリク、ゾクズイシ、テイレキシ、ウキュウコンピ、ブクリョウ、チョレイ、インチンコウ、モクボウイ、カンボウイ、ヨクイニン、トウカニン、ツウヤク、クバク、ジフシ、ヘンチク、セキイ、シャゼンシ、トウキシ、ヒカイ、キンセンソウ、セキショウズ、ハンペンレイ、ギョクマイシュ、サンザシ、バクガ、ケイナイキン、ライフクシ、マオウ、シソヨウ、ケイガイ、ボウフウ、コウジュ、ゴボウシ、フヘイ、モクゾク、セキナントウ、ウコン、コトウニク、シャジン、テンモンドウ、バクモンドウ、ギョクチク、ヒャクゴウ、ソウキセイ、ショウブ、バクガイシ、ゴオウ
一方、各種薬理作用を有する物質を治療などに用いる場合特に留意されるべきことは、これら薬理作用を有する物質の体内に於ける分布や生体利用度がどの様であるかを知ることである。これは、多くの薬物に於いて生体内分布や生体利用度は決して良いとは言えない場合が多く、期待した効果がその薬物投与から得られない場合が少ないからである。即ち、これら薬理作用を有する物質の体内分布や生体利用度を改善することにより、薬理作用を向上することができるため、この様な方法の登場が待ち望まれていた。
更に、特定の成分を経口投与することにより、経皮投与された薬理作用を有する物質の経皮吸収や体内への分布が改善される様な話は全く知られていない。
本発明は、かかる状況を踏まえて為されたものであり、薬理作用を有する物質の体内分布や生体利用度を改善する手段を提供することを課題とする。
本発明者らは、かかる状況に鑑みて、薬理作用を有する物質の体内分布や生体利用度を改善する手段を求め、鋭意研究を重ねた結果、津液作用を有する生薬のエッセンスにその様な作用を見いだし、発明を完成させるに至った。以下、本発明について発明の実施の形態を中心に詳細に説明を加える。
(1)本発明で使用する津液作用を有する生薬本発明で使用される生薬は、漢方の分類に於いて、攻下薬、潤下薬、峻下薬、利水薬、消導薬、解表薬、去風湿薬、活血薬、補陽薬、補陰薬、芳香開窮薬、化痰止咳薬、芳香開窮薬に分類されるものであり、これらのものは津液作用を改善することが知られている。具体的な生薬としては、ダイオウ、センナ、
アロエ、イクリニン、ケンゴシ、カンスイ、ゲンカ、タイゲキ、ショウリク、ゾクズイシ、テイレキシ、ウキュウコンピ、ブクリョウ、チョレイ、インチンコウ、モクボウイ、カンボウイ、ヨクイニン、トウカニン、ツウヤク、クバク、ジフシ、ヘンチク、セキイ、シャゼンシ、トウキシ、ヒカイ、キンセンソウ、セキショウズ、ハンペンレイ、ギョクマイシュ、サンザシ、バクガ、ケイナイキン、ライフクシ、マオウ、シソヨウ、ケイガイ、ボウフウ、コウジュ、ゴボウシ、フヘイ、モクゾク、セキナントウ、ウコン、コトウニク、シャジン、テンモンドウ、バクモンドウ、ギョクチク、ヒャクゴウ、ソウキセイ、ショウブ、バクガイシ、ゴオウ等が挙げられる。本発明では、これら生薬を原体のまま使用することも可能であるし、抽出物やその溶媒除去物、更にはその分画精製物として使用することも可能である。本発明に於けるエッセンスとはこれらの総称を意味する。特に好ましいものは溶媒抽出物乃至はその溶媒除去物である。抽出物は、生薬又はその粉砕などした加工物に1〜10倍量の溶媒を加え、沸点付近の温度であれば数時間、室温であれば数日間浸漬することによって得ることができる。使用する溶媒としては、極性溶媒が好ましく、例えば、水、エタノールやプロピレングリコール等のアルコール類、酢酸エチルや蟻酸メチルなどのエステル類、ジエチルエーテルやテトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトンやメチルエチルケトン等のケトン類、塩化メチレンやクロロホルム等のハロゲン化炭化水素から選ばれる1種乃至は2種以上が好ましく例示できる。特に好ましいのは水抽出物乃至はその溶媒除去物である。本発明に於いては、これらの生薬類は経口投与される。この投与により、経口とは異なった経路で投与された薬理活性物質の生体内への吸収、疾患部位への到達が改善され、当該薬理活性物質の生体利用率を高めることができる。本発明のこれら薬理活性物質の分布改善剤である津液作用を有する生薬のエッセンスの好ましい投与量は、成人一人一日当たり、10〜20000gを一回乃至は数回に分けて投与するのが好適である。投与は、薬理活性物質の投与に先立って行われるのが好ましく、タイミングとしては、薬理活性物質投与の1時間〜30分前に行うのが好ましい。又、特に注目すべきは、血液の影響の少ない皮膚からの薬理活性物質の吸収と疾患部位への到達を改善することである。即ち、これは血液による新陳代謝、吸収、排泄に大きな期待ができない皮膚に於いては、漢方に言う津液作用がこの作用を代って担っているためである。尚、本発明の薬理活性物質の分布改善剤は、賦形剤、結合剤、被覆剤、滑沢剤、糖衣剤、崩壊剤、増量剤、矯味矯臭剤、乳化・可溶化・分散剤、安定剤、pH調整剤、等張剤等の任意成分と共に製剤化して使用することも可能である。
(2)本発明で使用される薬理活性物質本発明で使用されうる薬理活性物質としては、上記津液作用を有する生薬と異なる投与経路で投与される、生理活性を有する物質であれば特段の限定なく使用することが可能であり、例えば、医薬品であれば、注射、坐剤、皮膚外用等の経路で投与される、催眠・鎮静薬、解熱・鎮痛薬、興奮・覚醒薬、鎮暈薬、精神神経用薬、鎮ケイ薬、抗ヒスタミン剤、アレルギー疾患用薬、循環器用薬、呼吸器用薬、抗潰瘍剤、下剤、ホルモン剤、抗真菌剤、ビタミン、抗生物質、抗炎症剤、抗悪性腫瘍剤等が例示でき、化粧料などでは美白成分、シワ改善成分、美肌成分、育毛成分、血行促進成分、くすみ改善成分、化粧崩れ防止成分等が例示できる。これらは、上記本発明の薬理活性物質の分布改善が存在していると、皮膚からの取込や、疾患部位への到達が改善され、その生体利用率が向上する。これら薬理活性を有する物質は、通常の用例に従って投与すればよい。
本発明によれば、薬理作用を有する物質の体内分布や生体利用度を改善する手段を提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明がこれら実施例にのみ限定を受けないことは言うまでもない。
<実施例1>
津液作用を有する次の生薬のそれぞれ1Kgに水5lを加え、3時間煮沸した。これを濾過して不溶物を除去し、凍結乾燥し本発明の薬理活性物質の分布改善剤を得た。このものを100mg/Kgのドーズで0.1mlの生理食塩水に溶解させて、予め除毛したICRマウス(1群3匹)に経口投与し、その投与後30分に除毛部位に1mgのミノキシジルをエタノール100μlに溶かして経皮投与した。対照群は本発明の薬理活性物質の分布改善剤の生理食塩水溶液の替わりに0.1mlの生理食塩水を投与した。投与後2週間に、毛の生え具合を++:対照群に比し非常に多い、+:対照群に比し多い、±:対照群に比しやや多い、−:対照群と同じかそれ以下の基準で観察・判定した。結果を表1に示す。これより、本発明の薬理活性物質の分布改善剤により、育毛料であるミノキシジルの育毛効果が増強していることがわかる。
Figure 2007008965
<実施例2>
津液作用を有する次の生薬のそれぞれ1Kgに水5lを加え、3時間煮沸した。これを濾過して不溶物を除去し、凍結乾燥し本発明の薬理活性物質の分布改善剤を得た。このものを100mg/Kgのドーズで0.1mlの生理食塩水に溶解させて、予め10日前にエーリッヒの腹水癌を104個を0.1mlの生理食塩水に分散し、背部皮内に投与し、癌を移植しておいたICRマウス(1群3匹)に経口投与し、その投与後30分にアドリアマイシン10mg/Kgを静脈内投与した。対照群は本発明の薬理活性物質の分布改善剤の生理食塩水溶液の替わりに0.1mlの生理食塩水を経口投与した。投与後2週間に、癌の大きさを計測し、++:対照群に比して非常に小さい、+:対照群に比し小さい、±:対照群に比しやや小さい、対照群と同じかそれ以上の基準で判定した。結果を表2に示す。これより、本発明の薬理活性物質の分布改善剤により、抗癌剤であるアドリアマイシンの抗癌効果が増強していることがわかる。
Figure 2007008965
<実施例3>
ウィスター系雄性ラットのフットパッドにカラゲニン浮腫(1群3匹)を作成し、上記薬理活性物質の分布改善剤を100mg/Kgのドーズで0.1mlの生理食塩水に溶解させ、経口投与した。対照群は生理食塩水のみを投与した。このカラゲニン浮腫ラットに、ワセリン中にインドメタシンを1重量%練り込んだ軟膏を塗布し、その24時間後に浮腫の大きさを次の基準で判定した。++:対照群に比べて著しく浮腫が小さい、+:対照群に比べて浮腫が明らかに小さい、±:対照群に比しやや浮腫が小さい、−:対照群と浮腫の大きさが同じか乃至は大きい、の基準で判定した。結果を表3に示す。この表より、本発明の薬理活性物質の分布改善剤の投与により、インドメタシンの抗炎症作用が増強していることがわかる。
Figure 2007008965
<実施例4>
色黒に悩む21〜34歳の20人の女性パネラーを対象に、下記の化粧水の色黒改善について使用テストを行った。パネラーは無作為に2群に分け、1群には化粧水使用30分前に猪苓の水抽出物の凍結乾燥品0.5gを服用してもらい、他の1群は化粧水のみを使用してもらった。化粧水を3カ月使用した後、色黒の改善を、++:著しく改善した、+:明確に改善した、±:やや改善した、−:改善しないか改悪した、の基準でアンケートに答えてもらった。結果を出現例数として、表4に示す。これより、本発明の薬理活性物質の分布改善剤である、猪苓のエッセンスを服用した群の方が優れた色黒改善効果を示していることがわかる。
Figure 2007008965

Claims (5)

  1. 津液作用を有する生薬のエッセンスと、ミノキシジルとを組み合わせてなる育毛剤であって、前記生薬が、センナ、アロエ、イクリニン、ケンゴシ、カンスイ、ゲンカ、タイゲキ、ショウリク、ゾクズイシ、テイレキシ、ウキュウコンピ、ブクリョウ、チョレイ、インチンコウ、モクボウイ、カンボウイ、ヨクイニン、トウカニン、ツウヤク、クバク、ジフシ、ヘンチク、セキイ、シャゼンシ、トウキシ、ヒカイ、キンセンソウ、セキショウズ、ハンペンレイ、ギョクマイシュ、サンザシ、バクガ、ケイナイキン、ライフクシ、マオウ、シソヨウ、ケイガイ、ボウフウ、コウジュ、ゴボウシ、フヘイ、モクゾク、セキナントウ、ウコン、コトウニク、シャジン、テンモンドウ、バクモンドウ、ギョクチク、ヒャクゴウ、ソウキセイ、ショウブ、バクガイシ、及びゴオウから選ばれる、育毛剤。
  2. 前記生薬が、ゾクズイシ、ブクリョウ、チョレイ、ゴボウシ、シャジン、ゴオウ、カンボウイ、トウキシ、セキショウズ、マオウ、コウジュ、及びフヘイから選ばれる、請求項1に記載の育毛剤。
  3. 前記生薬が、ゾクズイシ、ブクリョウ、チョレイ、ゴボウシ、シャジン、及びゴオウから選ばれる、請求項1に記載の育毛剤。
  4. 前記生薬が、ブクリョウである、請求項1に記載の育毛剤。
  5. 前記ミノキシジルが経皮投与経路により、前記津液作用を有する生薬のエッセンスが経口投与経路により投与されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の育毛剤。
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