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JP2007095983A - 電気化学素子用電解液の製造方法 - Google Patents

電気化学素子用電解液の製造方法 Download PDF

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JP2007095983A
JP2007095983A JP2005283251A JP2005283251A JP2007095983A JP 2007095983 A JP2007095983 A JP 2007095983A JP 2005283251 A JP2005283251 A JP 2005283251A JP 2005283251 A JP2005283251 A JP 2005283251A JP 2007095983 A JP2007095983 A JP 2007095983A
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alkylimidazole
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ethyl
weight
mixture
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Koji Fujioka
幸治 藤岡
Yoshihiko Akazawa
慶彦 赤澤
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Abstract

【課題】電気化学素子特に電気化学キャパシタの経時的な性能劣化を飛躍的に改善しうる電解液を製造する製造方法を提供することである。
【解決手段】グリオキサール類又はそのアセタール又はそのケタール(d1)、アンモニア(d2)、アルデヒド(d3)及び一級アミン(d4)の反応生成物から、少なくとも1位及び2位にアルキル基を有するアルキルイミダゾール(a)を好ましくは蒸留により分離、精製することにより、2位が水素原子で置換されたアルキルイミダゾール(a0)の含有量を(a)と(a0)の合計重量に対して、15重量%以下にすることを特徴とする電気化学素子用電解液の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は電気化学素子用電解液の製造方法に関する。さらに詳しくは、少なくとも1位及び2位に置換基を有するアルキルイミダゾールの4級塩を主成分とする、精製された電気化学素子用電解液の製造方法に関する。
少なくとも1位及び2位に置換基を有するアルキルイミダゾールの4級塩は、電気化学素子用電解液として有用な化合物である(例えば特許文献1)。
該アルキルイミダゾールの製造方法としてはグリオキザール類、アルデヒド、一級アミン、及びアンモニアを、水性媒質中で20〜150℃の温度において一段階で反応させることを特徴とする、アルキルイミダゾールの製造法が知られている(例えば特許文献2及び3)。
特開2005-197666 特許1697394 特開2004-207451
従来の少なくとも1位及び2位に置換基を有するアルキルイミダゾールの製造方法では、2位に置換基を有さないアルキルイミダゾールである副生物が得られる場合があった。そのような副生物を含有するアルキルイミダゾールの4級塩からなる電気化学素子用電解液では、十分な性能が得られない場合があった。すなわち、本発明の目的は、2位に置換基を有さないアルキルイミダゾールである副生物の少ない、少なくとも1位及び2位に置換基を有するアルキルイミダゾールの4級塩からなる電気化学素子用電解液の製造方法を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、第1の発明、グリオキサール類又はそのアセタール又はそのケタール(d1)、アンモニア(d2)、アルデヒド(d3)及び一級アミン(d4)の反応生成物から、一般式(1)で示されるアルキルイミダゾール(a)を分離、精製することにより、一般式(3)で示されるアルキルイミダゾール(a0)の含有量を(a)と(a0)の合計重量に対して、15重量%以下にすることを特徴とする電気化学素子用電解液の製造方法;
Figure 2007095983
[式中、R、及びR2は炭素数1〜3のアルキル基であって、同じであっても異なっていてもよく、R4及びR5は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であって、同じであっても異なっていてもよい。]
Figure 2007095983
[式中、R、R4及びR5は一般式(1)と同じである。]
及び、第2の発明、グリオキサール類又はそのアセタール又はそのケタール(d1)、アンモニア(d2)、及びアルデヒド(d3)の反応生成物から一般式(2)で示されるアルキルイミダゾール(b)を分離、精製することにより、一般式(6)で示されるアルキルイミダゾール(b0)の含有量を(b)と(b0)の合計重量に対して15重量%以下にし、さらにアルキル化することで、一般式(3)で示されるアルキルイミダゾール(a0’)の含有量を一般式(1)で示されるアルキルイミダゾール(a’)と(a0’)の合計重量に対して、15重量%以下にすることを特徴とする電気化学素子用電解液の製造方法。
Figure 2007095983
[式中、R、及びR2は炭素数1〜3のアルキル基であって、同じであっても異なっていてもよく、R4及びR5は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であって、同じであっても異なっていてもよい。]
Figure 2007095983
[式中、R2、R4及びR5は一般式(1)と同じである。]
Figure 2007095983
[式中、R、R4及びR5は一般式(1)と同じである。]
Figure 2007095983
[式中、R4及びR5は一般式(1)と同じである。]
本発明の電気化学素子用電解液の製造方法で製造された電気化学素子用電解液は、耐電圧が極めて高いので、経時的な性能劣化が極めてわずかな電気化学素子を製造し得る。
先ず、第1の発明について説明する。
グリオキサール類又はそのアセタール又はそのケタール(d1)、アンモニア(d2)、アルデヒド(d3)及び一級アミン(d4)の反応生成物(e)は、上記一般式(1)で示されるアルキルイミダゾール(a)及び一般式(3)で示されるアルキルイミダゾール(a0)等を含有する混合物である。
反応生成物(e)中、(a0)の含有量は、(a)と(a0)の合計重量に対して、約16〜35重量%である。
本発明において、グリオキサール類又はそのアセタール又はそのケタール(d1)は、例えば以下の化合物が挙げられる。
(1)ジアルデヒド類
グリオキザール等。
(2)ジケトン類
ビアセチレン等。
(3)ケトアルデヒド類
メチルグリオキザール、エチルグリオキザール、プロピルグリオキザール等。
(4)アセタール、ケタール類
グリオキサール−ビス−ジメチルアセタール、グリオキサール−ビス−メチルエチルアセタール等。
これらのうち好ましいのは、グリオキサール、メチルグリオキサールである。これらを二種以上用いてもよい。
本発明においてアルデヒド類(d3)としては、例えば以下の化合物が挙げられる。
ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、イソバレルアルデヒド等。
これらのうち好ましいのは、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒドである。これらは二種以上を用いてもよい。
本発明において一級アミン類(d4)としては以下の化合物が挙げられる。
メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、シクロプロピルアミン等。
これらのうち好ましいのは、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミンである。これらを二種以上用いてもよい。
本発明においてアルキルイミダゾール(a)としては、例えば以下の化合物が挙げられる。
1−エチル−2−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−メチル−2−エチルイミダゾール、1,2,4−トリメチルイミダゾール、1,4−ジメチル−2−エチルイミダゾール、1−メチル−2−プロピルイミダゾール、1−エチル−2−プロピルイミダゾール等。これらのうち好ましいのは1−エチル−2−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1,2,4−トリメチルイミダゾールである。
本発明においてアルキルイミダゾール(a0)としては、例えば以下の化合物が挙げられる。
2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、4−メチル−2−エチルイミダゾール、2−プロピルイミダゾール、等。これらのうち好ましいのは2−メチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾールである。
グリオキサール類又はそのアセタール又はそのケタール(d1)、アンモニア(d2)、アルデヒド(d3)及び一級アミン(d4)の反応は以下の条件で行われるのが好ましい。
不活性な気体(例えば窒素等)雰囲気下で常圧又は加圧下で行うことが好ましく、常圧下で行うことがさらに好ましい。また反応はバッチ法又は連続法で行うことが好ましいが、バッチ法の方が操作性の点でさらに好ましい。反応温度は好ましくは0〜200℃、さらに好ましくは0〜150℃であり、さらに好ましくは20〜100℃である。0℃以上では反応速度が良好であり、200℃以下では反応収率が良好である。反応時間は通常1分〜100時間、好ましくは10分〜50時間、さらに好ましくは30分〜10時間である。
製造法の詳細は、例えば特開2004−207451公報に記載された方法に準拠して行うことができる。
反応生成物(e)から一般式(1)で示されるアルキルイミダゾール(a)を分離、精製する方法としては、蒸留、再結晶、溶剤により抽出する方法、シリカゲル、活性炭、活性アルミナ、特殊なモレキュラーシーブ等の吸着剤で吸着処理する方法が挙げられる。これらの方法のなかで、蒸留が好ましい。
蒸留は、好ましくは理論段数10段以上の蒸留装置を使用して,50℃〜210℃好ましくは70℃〜150℃の温度範囲で、圧力30kPa以下、好ましくは15kPaの条件で行う。
反応生成物(e)は、上記分離、精製により、精製されたアルキルイミダゾール(a)となる。
精製されたアルキルイミダゾール(a)はアルキルイミダゾール(a)とアルキルイミダゾール(a0)を含有するが、アルキルイミダゾール(a0)の含有量は(a)と(a0)の合計重量に対して好ましくは15重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下、特に好ましくは2重量%以下、極めて好ましくは1重量%以下である。
(a)、(a0)等の含有量は、例えば、ガスクロマトグラフィー(以下、GCと略記する。)で測定することができる。GCの条件は、カラム:キャピラリーカラム、キャリアーガス:ヘリウム、流速:24.5kPa(定圧)、温度:60℃から250℃まで10℃/minで昇温、検出器:FIDである(例えば、機器:型名(GC−17A)、メーカー(島津製作所)、カラム:DB−5(長さ:30m、幅:0.53mm、内経:1.5μm)メーカー(J&W Scientific社製)、検量線を用いて、(a)と(a0)の重量比を算出する。
電気化学素子用電解液の電解質成分は、一般式(4)で示されるイミダゾリウム塩(A)からなる。
Figure 2007095983
[式中、R、R2、R4及びR5は一般式(1)と同じである。R3は炭素数1〜3のアルキル基である。Xは対アニオンを示す。]
イミダゾリウム塩(A)は、アルキルイミダゾール(a)を、ジアルキル炭酸、又は塩化アルキルのようなアルキル化剤で4級化し、得られた炭酸エステル塩、又はクロロ塩を対アニオンに酸交換することにより得られる。
イミダゾリウム塩(A)は一般式(5)で示されるイミダゾリウム塩(A0)を含有する。
Figure 2007095983
[式中、R、R、R4及び、R5及びXは一般式(4)と同じである。]
イミダゾリウム塩(A0)の含有量は、(A)と(A0)の合計重量に対して、好ましくは15重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下、特に好ましくは2重量%以下、極めて好ましくは1重量%以下である。
電気化学素子用電解液は、イミダゾリウム塩(A)そのものからなるか、又は(A)を非水溶媒に溶解させて製造される。
本発明の電気化学素子用電解液の製造方法により製造される電解液は、不純物であるイミダゾリウム塩(A0)の含有量が少なく、耐電圧が極めて高いので、経時的な性能劣化が極めてわずかな電気化学素子を製造し得る。
イミダゾリウム塩(A)としては、次のカチオンからなる塩等が含まれる。
(1)1,2,3−位置換体
1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウ
ム、1−メチル−2−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1,2−ジエチル−3−メチルイミダゾリウム、1,3−ジエチル−2−メチルイミダゾリウム、1,2,3−トリエチルイミダゾリウム、1−プロピル−2,3−ジメチルイミダゾリウム及び1−イソプロピル−2,3−ジメチルイミダゾリウムなど。
(2)1,2,3,4−位置換体
1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3,4−トリメチル
イミダゾリウム、2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、1,2−ジエチ
ル−3,4−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジエチル−2,4−ジメチルイミダゾリ
ウム、1,2,3−トリエチル−4−メチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチル−
4−エチルイミダゾリウム、1,4−ジエチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、2,
4−ジエチル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,2,4−トリエチル−3−メチル
イミダゾリウム、1,3,4−トリエチル−2−メチルイミダゾリウム、1,2,3,4
−テトラエチルイミダゾリウム、1−プロピル−2,3,4−トリメチルイミダゾリウム
及び1−イソプロピル−2,3,4−トリメチルイミダゾリウムなど。
(3)1,2,3,5−位置換体
1,2,3,5−テトラメチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3,5−トリメチルイミダゾリウム、1,2−ジエチル−3,5−ジメチルイミダゾリウム、1,5−ジエチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1,2,5−トリエチル−3−メチルイミダゾリウム、1−プロピル−2,3,5−トリメチルイミダゾリウム及び1−イソプロピル−2,3,5−トリメチルイミダゾリウムなど。
(4)1,2,3,4,5−位置換体
1,2,3,4,5−ペンタメチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3,4,5−テトラメチルイミダゾリウム、2−エチル−1,3,4,5−テトラメチルイミダゾリウム、3−エチル−1,2,4,5−テトラメチルイミダゾリウム、4−エチル−1,2,3,5−テトラメチルイミダゾリウム、1,2,3,4,5−ペンタエチルイミダゾリウム、1−プロピル−2,3,4,5−テトラメチルイミダゾリウム及び1−イソプロピル−2,3,4,5−テトラメチルイミダゾリウムなど。
これらのカチオンのうち、耐電圧および溶解度の観点等から、(1)1,2,3−位置換体、(2)1,2,3,4−位置換体及び(3)1,2,3,5−位置換体であるカチオンが好ましく、さらに好ましくは(1)及び(2)である。
(1)及び(2)のうちで特に好ましいものは2位にメチル基を有するものであり、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム及び1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムがさらに好ましく、次に特に好ましくは1,2,3−トリメチルイミダゾリウム及び1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、最も好ましくは1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムである。
対アニオンX-は、PF6 -、BF4 -、AsF6 -、SbF6 -、N(RfSO32 -、C(RfSO33 -、RfSO3 -、(Rfは炭素数1〜12のフルオロアルキル基)、F-、ClO4 -、AlF4 -、AlCl4 -、TaF6 -、NbF6 -、SiF6 -、CN-又はF(HF)n -(nは1〜4の数を表す)で表されるアニオンが好ましく、さらに好ましくは、耐電圧の観点等から、PF6 -、BF4 -又はN(RfSO32 -で表されるアニオン、特に好ましくはPF6 -又はBF4 -で表されるアニオン、最も好ましくはBF4 -で表されるアニオンである。なお、N(RfSO32 -、C(RfSO33 -又はRfSO3 -で表されるアニオンに含まれるRfは、炭素数1〜12のフルオロアルキル基を表し、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル及びノナフルオロブチルなどが挙げられる。これらのうち、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル及びヘプタフルオロプロピルが好ましく、さらに好ましくはトリフルオロメチル及びペンタフルオロエチル、特に好ましくはトリフルオロメチルである。
イミダゾリウム塩(A)の好ましい例としては、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(BF4 -塩)、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート(PF6 -塩)、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート等があげられる。
イミダゾリウム塩(A0)の例としては、対応するイミダゾリウム塩(A)の2位のアルキル基を水素原子に置換したものが挙げられる。
具体的にはイミダゾリウム塩(A0)として、次のカチオンからなる塩等が含まれる。
(1)1,3−位置換体
1,3−ジメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウム及び1−イソプロピル−3−メチルイミダゾリウムなど。
(2)1,3,4−位置換体
1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、1−エチル−3,4−ジメチルイミダゾリウ
ム、3−エチル−1,4−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジエチル−4−メチルイミ
ダゾリウム、1,3−ジメチル−4−エチルイミダゾリウム、1,4−ジエチル−3−メ
チルイミダゾリウム、3,4−ジエチル−1−メチルイミダゾリウム、1,3,4−トリ
エチルイミダゾリウム、1−プロピル−3,4−ジメチルイミダゾリウム及び1−イソプ
ロピル−3,4−ジメチルイミダゾリウムなど。
(3)1,3,5−位置換体
1,3,5−トリメチルイミダゾリウム、1−エチル−3,5−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジエチル−3−メチルイミダゾリウム、1,5−ジエチル−3−メチルイミダゾリウム、1,3,5−トリエチルイミダゾリウム、1−プロピル−3,5−ジメチルイミダゾリウム及び1−イソプロピル−3,5−ジメチルイミダゾリウムなど。
(4)1,3,4,5−位置換体
1,3,4,5−テトラメチルイミダゾリウム、1−エチル−3,4,5−トリメチルイミダゾリウム、3−エチル−1,4,5−トリメチルイミダゾリウム、4−エチル−1,3,5−トリメチルイミダゾリウム、1,3,4,5−テトラエチルイミダゾリウム、1−プロピル−3,4,5−トリメチルイミダゾリウム及び1−イソプロピル−3,4,5−トリメチルイミダゾリウムなど。
イミダゾリウム塩(A)とイミダゾリウム塩(A0)の組み合わせの例としては、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレートと1,3−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレートと1,3,4−トリメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレートと1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート等があげられる。
イミダゾリウム塩(A)とイミダゾリウム塩(A0)の含有量は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により定量できる。HPLCの条件は、カラム:ポリマーコート型充填剤、移動相:リン酸緩衝液(pH2〜3)、流速:0.5ml/min、検出器:UV、温度:40℃である(例えば、機器:型名(LC−10A)、メーカー(島津製作所)、カラム:Develosil C30−UG(4.6mmφ×25cm)メーカー(野村化学)、移動相:リン酸の濃度10mmol/l、過塩素酸ナトリウムの濃度100mmol/lの水溶液、流速:0.8ml/min、検出器:UV(210nm)、注入量:20μl、カラム温度:40℃)。検量線を用いて、(A)と(A0)の重量比を算出する。
上記非水溶媒としては公知のものが使用され、イミダゾリウム塩(A)の溶解性と電気化学的安定性とを考慮して適宜選択でき、例えば、以下のものが含まれる。これらのうち2種以上を併用することも可能である。
・エーテル:炭素数4〜12の鎖状エーテル(ジエチルエーテル、メチルイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル及びトリエチレングリコールジメチルエーテル等)、及び炭素数4〜12の環状エーテル{テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、4−ブチルジオキソラン及びクラウンエーテル(1,4,7,10,13,16−ヘキサオキサシクロオクタデカン等)等}等。
・アミド:炭素数3〜6の鎖状アミド(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド及びヘキサメチルホスホリルアミド等)、及び炭素数4〜6の環状アミド(ピロリジノン、N−メチルピロリジノン及びN−ビニルピロリジノン等)。
・カルボン酸エステル:炭素数3〜8の鎖状エステル(酢酸メチル、プロピオン酸メチル及びアジピン酸ジメチル等)、及び炭素数4〜5の環状エステル(γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、β−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン及びδ−バレロラクトン等)。
・ニトリル:炭素数2〜5のニトリル(アセトニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、3−エトキシプロピオニトリル及びアクリロニトリル等)。
・カーボネート:炭素数3〜4の鎖状カーボネート(ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート及びジエチルカーボネート等)、及び炭素数3〜4の環状カーボネート(エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート及びビニレンカーボネート等)。
・スルホキシド:炭素数2〜6の鎖状スルホキシド(ジメチルスルホキシド及びジプロピルスルホキシド等)。
・スルホン:炭素数4〜6の環状スルホン(スルホラン、3−メチルスルホラン及び2,4−ジメチルスルホラン等)。
・ニトロ化合物:ニトロメタン及びニトロエタン等。
・他の環状化合物:N−メチル−2−オキサゾリジノン、3,5−ジメチル−2−オキサゾリジノン及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等。
これらのうち、カーボネート、スルホン、カルボン酸エステル及びニトリルが好ましく、さらに好ましくはカーボネート、スルホン及びニトリル、特に好ましくはエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート及びスルホラン、最も好ましくはプロピレンカーボネート及びスルホランである。これらの非水溶媒は、2種以上の混合物であってもよいが、混合物の場合、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート及びジエチルカーボネートからなる群より選ばれた少なくとも1種を主成分とすることが好ましく、さらに好ましくはプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、スルホラン、アセトニトリル、γ−ブチロラクトンからなる群より選ばれた少なくとも1種を主成分とすること、特に好ましくはプロピレンカーボネート、スルホラン、アセトニトリルからなる群より選ばれた少なくとも1種を主成分とすることである。ここで「主成分とする」とは、非水溶媒のうち、50〜99重量%、好ましくは70〜90重量%を含有することを意味する。
上記のように、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、スルホラン、アセトニトリル及びγ−ブチロラクトンからなる群より選ばれる少なくとも1種を主成分とする場合は、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート及びジエチルカーボネートからなる群より選ばれる少なくとも1種を副溶媒とすることが好ましい。副溶媒として、さらに好ましくは、ジメチルカーボネートおよびエチルメチルカーボネート、特に好ましくはジメチルカーボネートである。ここで、「副溶媒とする」とは、非水溶媒のうち、1〜50重量%、好ましくは10〜30重量%を含有することを意味する。
電解液中に占める非水溶媒の含有量(重量%)は、電解液の重量に基づいて、30〜95が好ましく、さらに好ましくは40〜90、特に好ましくは50〜85、最も好ましくは60〜80である。この範囲であると、低温での塩析出が起こりにくくなり電気化学キャパシタの経時的な性能劣化をさらに改善しうる。
電気化学素子用電解液中の含水量(ppm)は、電気化学的安定性の観点から、電解液の容量に基づいて、300以下が好ましく、さらに好ましくは100以下、特に好ましくは50以下である。この範囲であると、電気化学素子の経時的な性能低下を抑制できる。
電解液中の含水量はカールフィッシャー法(JIS K0113−1997、電量滴定方法)で測定することができる。
電解液中の水分を上記の範囲にする方法としては、あらかじめ十分に乾燥した電解質塩(A)と、あらかじめ十分に脱水した非水溶媒とを使用する方法等が挙げられる。
乾燥方法としては、減圧下加熱乾燥(例えば20Torr減圧下で150℃で加熱)して、含有されている微量の水を蒸発させて除去する方法等が挙げられる。
脱水方法としては、減圧下加熱脱水(例えば100Torrで加熱)して、含有されている微量の水を蒸発させて除去する方法、モレキュラーシーブ(ナカライテスク製、3A 1/16等)、活性アルミナ粉末などの除水剤を使用する方法等が挙げられる。
また、これらの他に、電解液を減圧下加熱脱水(例えば100Torr減圧下で100℃で加熱)して、含有されている微量の水を蒸発させて除去する方法、モレキュラーシーブ、活性アルミナ粉末などの除水剤を使用する方法等が挙げられる。これらの方法は、それぞれ単独で行ってもよいし、組み合わせて行ってもよい。これらのうち、(A)を減圧下加熱乾燥する方法、電解液にモレキュラーシーブを加える方法が好ましい。
本発明において、電気化学素子とは電気化学キャパシタ、電気化学電池、電気化学センサー等を含むものである。
次に、第2の発明について説明する。
グリオキサール類又はそのアセタール又はそのケタール(d1)、アンモニア(d2)、及びアルデヒド(d3)の反応生成物(e’)は、上記一般式(2)で示されるアルキルイミダゾール(b)及び一般式(6)で示されるアルキルイミダゾール(b0)等を含有する混合物である。
Figure 2007095983
[式中、R4及びR5は一般式(2)と同じである。]
反応生成物(e’)中、(b0)の含有量は、(b)と(b0)の合計重量に対して、約16〜35重量%である。
本発明においてアルキルイミダゾール(b)としては、例えば以下の化合物が挙げられる。
2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、4−メチル−2−エチルイミダゾール、2−プロピルイミダゾール、等。これらのうち好ましいのは2−メチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾールである。
本発明においてアルキルイミダゾール(b0)としては、例えば以下の化合物が挙げられる。
イミダゾール、4−メチルイミダゾール、4、5−ジメチルイミダゾール、等。
グリオキサール類又はそのアセタール又はそのケタール(d1)、アンモニア(d2)、及びアルデヒド(d3)の反応は以下の条件で行われるのが好ましい。
不活性な気体(例えば窒素等)雰囲気下で常圧又は加圧下で行うことが好ましく、常圧下で行うことがさらに好ましい。また反応はバッチ法又は連続法で行うことが好ましいが、バッチ法の方が操作性の点でさらに好ましい。反応温度は好ましくは0〜200℃、さらに好ましくは0〜150℃であり、さらに好ましくは20〜100℃である。0℃以上では反応速度が良好であり、200℃以下では反応収率が良好である。反応時間は通常1分〜100時間、好ましくは10分〜50時間、さらに好ましくは30分〜10時間である。
反応生成物(e’)から一般式(1)で示されるアルキルイミダゾール(b)を分離、精製する方法としては、蒸留、再結晶、溶剤により抽出する方法、シリカゲル、活性炭、活性アルミナ、特殊なモレキュラーシーブ等の吸着剤で吸着処理する方法が挙げられる。これらの方法のなかで、蒸留または再結晶が好ましい。
蒸留は、好ましくは理論段数10段以上の蒸留装置を使用して,50℃〜210℃好ましくは70℃〜150℃の温度範囲で、圧力30kPa以下、好ましくは15kPaの条件で行う。
再結晶はメタノール、エタノールなどの極性溶媒に溶かし、エーテル類の溶媒を混入することにより結晶化する。
反応生成物(e’)は、上記分離、精製により、精製されたアルキルイミダゾール(b)となる。
精製されたアルキルイミダゾール(b)は、少なくともアルキルイミダゾール(b)とイミダゾール(b0)を含有するが、イミダゾール(b0)の含有量は(b)と(b0)の合計重量に対して好ましくは15重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下、特に好ましくは2重量%以下、極めて好ましくは1重量%以下である。
次いで、精製されたアルキルイミダゾール(b)をアルキル化して、一般式(1)で示されるアルキルイミダゾール(a’)を得る。
アルキル化剤(c)としては以下の化合物(1)〜(7)が挙げられる。
(1)炭酸ジエステル
ジメチル炭酸、メチルエチル炭酸、ジエチル炭酸、メチル−i−プロピル炭酸、ジ−n−プロピル炭酸等。
(2)ハロゲン化アルキル
塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル、塩化エチル、臭化エチル、ヨウ化エチル、塩化n−プロピル、塩化イソプロピル、臭化n−プロピル、臭化イソプロピル、ヨウ化n−プロピル、ヨウ化イソプロピル等。
(3)硫酸ジエステル
硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸ジn−プロピル、硫酸ジイソプロピル等。
(4)カルボン酸エステル
ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、乳酸メチル、しゅう酸メチル、安息香酸メチル等。
(5)硝酸エステル
硝酸ジメチル、硝酸ジn−プロピル等。
(6)スルホン酸エステル
メタンスルホン酸メチル、メタンスルホン酸エチル、エタンスルホン酸メチル、エタンスルホン酸エチル、ベンゼンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸エチル、p−トルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸エチル等。
これらのうち好ましいのは、炭酸ジエステル、ハロゲン化アルキルである。
アルキル化では不活性な気体(例えば窒素等)雰囲気下で常圧又は加圧下で行うこともできる。加圧することにより反応速度が向上する。圧力は通常1×10〜1×10Pa、反応温度は通常0〜300℃、好ましくは20〜250℃であり、さらに好ましくは50〜200℃である。反応時間は通常1分〜200時間、好ましくは30分〜100時間である。
アルキルイミダゾール(a’)をさらに4級化、次いで酸交換反応して電気化学素子用電解液を得る方法は、第1の発明と同じである。
アルキルイミダゾール(a’)はアルキルイミダゾール(a)と同じ化合物である。アルキルイミダゾール(a’)中の、2位に置換基を有さないアルキルイミダゾールである副生物、及び、さらに4級化、次いで酸交換反応して得られる2位に置換基を有さない副生物の含有量は、第1の発明と同じである。
以下、実施例および比較例により本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下、特に記載のないかぎり、「部」は「重量部」を意味する。
実施例1
撹拌装置、温度計、滴下ロート、還流冷却器、及び窒素ガス導入管を取り付けた反応フラスコにエチルアミン(70%水溶液)31部とアンモニア(28%水溶液)32部の混合液を仕込み、撹拌しながら均一溶液にした。温度を45℃以下に保ちながら滴下ロートからグリオキザール(40%水溶液)69部、アセトアルデヒド(30%水溶液)71部の混合液を滴下した。グリオキザールとアセトアルデヒドの混合液の滴下は5時間かけて滴下し、滴下終了後、40℃で1時間反応させ、1−エチル−2−メチルイミダゾール(a−1)、1−エチルイミダゾール(b−1)の混合物(M−1)を得た。HPLC分析を行ったところ(a−1)と(b−1)の重量比は(80:20)であった。次に、温度80℃、常圧から徐々に5.0kPaまで減圧し脱水を行い、続いて、温度105℃、圧力1.0kPaの条件で蒸留により精製し、混合物(M−2)を得た。HPLC分析を行ったところ(a−1)と(b−1)の重量比は85:15であった。
次に、還流コンデンサ付きステンレス製のオートクレーブに得られた混合物(M−2)を100部、ジメチル炭酸135部、及びメタノール192部を仕込み均一に溶解させた。次いで、130℃まで昇温した。圧力0.8MPaで80時間反応を行った。反応物のNMR分析を行ったところ、1−エチル−2、3−ジメチルイミダゾリウムモノメチル炭酸塩と1−エチル−3−ジメチルイミダゾリウムモノメチル炭酸塩が生成していることがわった。得られた反応混合物427部をフラスコにとり、撹拌下においてホウフッ化水素酸水溶液207部(純度42重量%)を室温下約30分かけて徐々に滴下した。滴下に伴い炭酸ガスが発生した。泡の発生がおさまった後、反応液をロータリーエバポレーターに移し、溶剤を全量除去した。フラスコ内には、黄褐色透明の液状83部残った。この液をNMR分析したところ、主成分は、1−エチル−2、3−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(以下EDMIと略す)と1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(以下EMIと略す)であり、HPLC分析より、重量比は、85:15であった。得られたEDMIとEMIの混合物210gをプロピレンカーボネートに均一溶解し全体を1リットルとし本発明の電解液の調製を行った。
実施例2
実施例1で得られた1−エチル−2−メチルイミダゾール(a−1)、1−エチルイミダゾール(b−1)の混合物(M−2)をさらに、温度105℃、圧力1.0kPaの条件で蒸留により、精製することにより、(a−1)、(b−1)の混合物(M−3)を得た。HPLC分析を行ったところ(a−1)と(b−1)の重量比は90:10であった。
得られた混合物を実施例1と同様に処理すると、黄褐色透明の液状を得た。この液をNMR分析したところ、主成分は、EDMIとEMIであり、HPLC分析より、重量比は90:10であった。得られたEDMIとEMIの混合物211gをプロピレンカーボネートに均一溶解し全体を1リットルとし本発明の電解液の調製を行った。
実施例3
実施例2で得られた1−エチル−2−メチルイミダゾール(a−1)、1−エチルイミダゾール(b−1)の混合物(M−2)をさらに、温度105℃、圧力1.0kPaの条件で蒸留により、精製することにより、(a−1)、(b−1)の混合物(M−3)を得た。HPLC分析を行ったところ(a−1)と(b−1)の重量比は95:5であった。
得られた混合物を実施例1と同様に処理すると、黄褐色透明の液状を得た。この液をNMR分析したところ、主成分は、EDMIとEMIであり、HPLC分析より、重量比は95:5であった。得られたEDMIとEMIの混合物211gをプロピレンカーボネートに均一溶解し全体を1リットルとし本発明の電解液の調製を行った。
実施例4
実施例3で得られた1−エチル−2−メチルイミダゾール(a−1)、1−エチルイミダゾール(b−1)の混合物(M−3)をさらに、温度105℃、圧力1.0kPaの条件で蒸留により、精製することにより、(a−1)、(b−1)の混合物(M−4)を得た。HPLC分析を行ったところ(a−1)と(b−1)の重量比は98:2であった。
得られた混合物を実施例1と同様に処理すると、黄褐色透明の液状が残った。この液をNMR分析したところ、主成分は、EDMIとEMIであり、HPLC分析より、重量比は98:2であった。得られたEDMIとEMIの混合物212gをプロピレンカーボネートに均一溶解し全体を1リットルとし本発明の電解液の調製を行った。
実施例5
実施例4で得られた1−エチル−2−メチルイミダゾール(a−1)、1−エチルイミダゾール(b−1)の混合物(M−4)をさらに、温度105℃、圧力1.0kPaの条件で蒸留により、精製することにより、(a−1)、(b−1)の混合物(M−5)を得た。HPLC分析を行ったところ(a−1)と(b−1)の重量比は99:1であった。
得られた混合物を実施例1と同様に処理すると、黄褐色透明の液状が残った。この液をNMR分析したところ、主成分は、EDMIとEMIであり、HPLC分析より、重量比は99:1であった。得られたEDMIとEMIの混合物212gをプロピレンカーボネートに均一溶解し全体を1リットルとし本発明の電解液の調製を行った。
実施例6
実施例1で得られた、EDMIとEMIの混合物210gをスルホランに均一溶解し全体を1リットルとし本発明の電解液の調製を行った。
実施例7
実施例2で得られた、EDMIとEMIの混合物211gをスルホランに均一溶解し全体を1リットルとし本発明の電解液の調製を行った。
実施例8
実施例1で得られた、EDMIとEMIの混合物210gをプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートの混合溶媒(重量比6:4)に均一溶解し全体を1リットルとし本発明の電解液の調製を行った。
実施例9
実施例2で得られた、EDMIとEMIの混合物を211gをプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートの混合溶媒(重量比6:4)に均一溶解し全体を1リットルとし本発明の電解液の調製を行った。
実施例10
実施例1で得られた、EDMIとEMIの混合物を210gをプロピレンカーボネートとエチルメチルカーボネートの混合溶媒(重量比7:3)に均一溶解し全体を1リットルとし本発明の電解液の調製を行った。
実施例11
実施例2で得られた、EDMIとEMIの混合物を211gをプロピレンカーボネートとエチルメチルカーボネートの混合溶媒(重量比7:3)に均一溶解し全体を1リットルとし本発明の電解液の調製を行った。
実施例12
撹拌装置、温度計、滴下ロート、還流冷却器、及び窒素ガス導入管を取り付けた反応フラスコにアンモニア(28%水溶液)64部を仕込み、撹拌しながら均一溶液にした。温度を45℃以下に保ちながら滴下ロートからグリオキザール(40%水溶液)69部、アセトアルデヒド(30%水溶液)71部を滴下した。グリオキザール、アセトアルデヒドの混合物の滴下は5時間かけて滴下し、滴下終了後、40℃で1時間反応させ、2−メチルイミダゾール(b−1)、イミダゾール(b0−1)の混合物(M−1)を得た。HPLC分析を行ったところ(b−1)と(b0−1)の重量比は(80:20)であった。次に、温度120℃、常圧から徐々に2.0kPaまで減圧し揮発分を取り除いた後、水で抽出した。続いて、再結晶により精製し、混合物(M−2)を得た。これを、HPLC分析を行ったところ(a−1)と(b−1)の重量比は85:15であった。さらに、還流コンデンサ付きステンレス製のオートクレーブに得られた混合物(M−2)を100部、ジエチル炭酸215部、及びテトラヒドロフラン193部を仕込み均一に溶解させた。次いで、170℃まで昇温した。圧力0.9MPaで30時間反応を行い混合物(M−3)を得た
次に、還流コンデンサ付きステンレス製のオートクレーブに得られた混合物(M−3)を100部、ジメチル炭酸135部、及びメタノール192部を仕込み均一に溶解させた。次いで、130℃まで昇温した。圧力0.8MPaで80時間反応を行った。反応物のNMR分析を行ったところ、1−エチル−2、3−ジメチルイミダゾリウムモノメチル炭酸塩と1−エチル−3−ジメチルイミダゾリウムモノメチル炭酸塩が生成していることがわった。得られた反応混合物427部をフラスコにとり、撹拌下においてホウフッ化水素酸水溶液207部(純度42重量%)を室温下約30分かけて徐々に滴下した。滴下に伴い炭酸ガスが発生した。泡の発生がおさまった後、反応液をロータリーエバポレーターに移し、溶剤を全量除去した。フラスコ内には、黄褐色透明の液状83部残った。この液をNMR分析したところ、主成分は、1−エチル−2、3−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(以下EDMIと略す)と1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(以下EMIと略す)であり、HPLC分析より、重量比は、85:15であった。得られたEDMIとEMIの混合物210gをプロピレンカーボネートに均一溶解し全体を1リットルとし本発明の電解液の調製を行った。
比較例1
実施例1で得られた1−エチル−2−メチルイミダゾール(a−1)、1−エチルイミダゾール(b−1)の混合物(M−1)を単蒸留後、メチル化し、EDMIとEMIの混合物を得た。この混合物はHPLC分析より、重量比は80:20であった。得られたEDMIとEMIの混合物208gをプロピレンカーボネートに均一溶解し全体を1リットルとし本発明の電解液の調製を行った。
比較例2
実施例12で得られた2−メチルイミダゾール(b−1)、イミダゾール(b0−1)の混合物(M−1)を水で抽出した。その後、実施例12と同様にエチル化し、続いてメチル化することによりEDMIとEMIの混合物を得た。この混合物はHPLC分析より、重量比は80:20であった。得られたEDMIとEMIの混合物208gをプロピレンカーボネートに均一溶解し全体を1リットルとし本発明の電解液の調製を行った。
実施例1〜12、比較例1〜2で使用した電解液の不純物含量はすべて以下の水準であった。水分は10ppm以下。3級アミン塩1mmol/kg以下、BF の加水分解物は100ppm以下、硫酸及び硫酸塩は1ppm以下、グリコールは10ppm以下、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、鉛のイオン含量はすべて1ppm以下。
実施例1〜12、比較例1〜2の電解液を用いて、捲回形電気二重層コンデンサ(サイズ;φ18mm×L40mm、規格;2.3V)を作成し、この捲回形電気二重層コンデンサを使用して、電解液の耐電圧を自己放電特性(自己放電後の残存電圧)を測定することで評価した。表1に自己放電後の残存電圧を示す。
次に、自己放電特性の測定方法を説明する。室温下2.5Vで24時間充電した上記で作成した捲回型電気二重層コンデンサを室温下で50時間放置し、その後、この捲回型電気二重層コンデンサの端子間電圧を測定した。この測定で得られた24時間後の端子間電圧を残存電圧とした。残存電圧が高いほど耐電圧が高く、低いほど耐電圧が低いことになる。
前記捲回型電気二重層コンデンサを使用して、65℃、2.5Vの高温負荷試験を行い、1000時間経過後ので容量保持率を表1に示す。
容量維持率(%)=[(1000時間後の容量)/(初期の容量)]×100
次に容量測定方法を説明する。室温下で2.5Vで1時間充電した捲回形電気二重層コンデンサを、定電流負荷装置を用いて500mAで定電流放電を行い、捲回形電気二重層コンデンサの端子間電圧が1.5Vから1.0Vへ変化する間の時間より容量を算出した。容量算出方法は、Q=i×t=C×Vの関係から、C=i×Δt/ΔVとなり、本測定においてはi=0.5(A)、ΔV=1.5−1.0=0.5(V)とした。ここでQは放電電荷量(C)、iは放電電流(A)、tは放電時間(sec)、Cは容量(F)、Vは電圧(V)である。
Figure 2007095983
表1から、本発明の実施例1〜12の電解液を使用した電気二重層コンデンサは、比較例1〜2の電解液を使用した電気二重層コンデンサに比べて、自己放電後の残存電圧及び容量保持率が高い。よって本発明の電解液は電気化学キャパシタの耐電圧を高くすることができ、経時的な性能劣化を改善し、高信頼性の電気化学キャパシタを構成できる。
本発明の電気化学素子用電解液の製造方法から得られる電解液は、耐電圧に優れていることから、この電解液を用いて作成した電気化学素子特に電気化学キャパシタは従来の電気化学素子と比較して、経時的な性能劣化がごくわずかであるため、各種電子機器のメモリーバックアップ用、各種電源のバックアップ電源、太陽電池との組み合わせで使用される蓄電素子等の2次電池を代替する蓄電装置としてや大電流を必要とするモーター駆動用電源、電動工具等のパワーツール用電源、電気自動車用のパワー用電源用途に適用できる。

Claims (7)

  1. グリオキサール類又はそのアセタール又はそのケタール(d1)、アンモニア(d2)、アルデヒド(d3)及び一級アミン(d4)の反応生成物から、一般式(1)で示されるアルキルイミダゾール(a)を分離、精製することにより、一般式(3)で示されるアルキルイミダゾール(a0)の含有量を(a)と(a0)の合計重量に対して、15重量%以下にすることを特徴とする電気化学素子用電解液の製造方法。
    Figure 2007095983
    [式中、R、及びR2は炭素数1〜3のアルキル基であって、同じであっても異なっていてもよく、R4及びR5は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であって、同じであっても異なっていてもよい。]
    Figure 2007095983
    [式中、R、R4及びR5は一般式(1)と同じである。]
  2. 蒸留によりアルキルイミダゾール(a)を分離、精製する請求項1に記載の電解液の製造方法。
  3. アルキルイミダゾール(a)の4級化物を酸交換反応する請求項1又は2に記載の電解液の製造方法。
  4. グリオキサール類又はそのアセタール又はそのケタール(d1)、アンモニア(d2)、及びアルデヒド(d3)の反応生成物から一般式(2)で示されるアルキルイミダゾール(b)を分離、精製することにより、一般式(6)で示されるアルキルイミダゾール(b0)の含有量を(b)と(b0)の合計重量に対して15重量%以下にし、さらにアルキル化することで、一般式(3)で示されるアルキルイミダゾール(a0’)の含有量を一般式(1)で示されるアルキルイミダゾール(a’)と(a0’)の合計重量に対して、15重量%以下にすることを特徴とする電気化学素子用電解液の製造方法。
    Figure 2007095983
    [式中、R、及びR2は炭素数1〜3のアルキル基であって、同じであっても異なっていてもよく、R4及びR5は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であって、同じであっても異なっていてもよい。]
    Figure 2007095983
    [式中、R2、R4及びR5は一般式(1)と同じである。]
    Figure 2007095983
    [式中、R、R4及びR5は一般式(1)と同じである。]
    Figure 2007095983
    [式中、R4及びR5は一般式(1)と同じである。]
  5. 蒸留または再結晶によりアルキルイミダゾール(b)を分離、精製する請求項4に記載の電解液の製造方法。
  6. アルキルイミダゾール(a’)の4級化物を酸交換反応する請求項4又は5に記載の電解液の製造方法。
  7. アルキルイミダゾール(a)またはアルキルイミダゾール(a’)が1−エチル−2−メチルイミダゾール、1,2―ジメチルイミダゾール及び1,2,4−トリメチルイミダゾールからなる群より選ばれる少なくとも一種を含む請求項1〜6いずれか1項に記載の電解液の製造方法。
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