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JP2006172264A5 - - Google Patents

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半導体集積回路装置および信号処理システム
本発明は、微細化が進展するに伴って増大するMOSトランジスタのリーク電流を抑制し待機電流を低下させ低消費電力を実現する半導体回路装置に関する。
半導体プロセスの微細化加工技術は継続的に開発が行われている。一般的に、MOSトランジスタのゲート長が65nm以下になると、ショートチャネル効果によるMOSトランジスタのリーク電流が増大する。半導体回路装置の消費電流は、回路動作によるスイッチングや充放電による動的な成分と、リーク電流による静的な成分を足し合わせた値になる。65nm以上の半導体プロセス技術においては、微細化によるMOSトランジスタの閾値電圧の低下により電源電圧を低下させることで動的な成分の消費電力が低下し、全体の消費電力も低下していた。しかし、前に述べたように65nm以下になるとMOSトランジスタのリーク電流が増大し、全体の消費電力に対して静的な成分が支配的に、さらには全体の消費電力が増加することが言われている。
リーク電流を抑制する手段としては、電源電圧のさらに低下させる、またはMOSトランジスタのソースまたは基板に電圧をバイアスすることができる。しかしながら、電源電圧をさらに低下させるとMOSトランジスタの駆動能力が低下するため、回路の動作速度が速くならない。そこで、特許文献1記載の発明では、高速性と低消費電力性の2点を両立した半導体回路装置を提案している。
特許文献1の代表の構成図を図6と、制御フローを図7に示す。図6にあるとおり、プロセッサ、動作モード制御部、バイアス切り替え回路で構成されている。プロセッサにはリーク電流を抑制する待機モードに移行、または高速に動作できる通常モードに復帰するそれぞれの命令を持っており、これらの命令がプロセッサ上で稼動しているプログラムによって実行されると、動作モード制御部に要求された各モードに移行処理が行われる。動作モード制御部は直ちに、バイアス切り替え装置にバイアス電圧の変更を指示し、バイアス切替え装置は出力するバイアス電圧を変更する。バイアス電圧を切り替えると、バイアスされるMOSトランジスタのソース、または基板の配線に含まれる寄生容量を充放電する時間が必要である。このソース、または基板の充放電、つまりバイアス電圧の安定化時間を見越した時間を動作モード制御部に内蔵しているタイマーで時間管理を行い、動作モード制御部はプロセッサに対して電圧バイアスが完了する所定の時間までプロセッサの停止、実行を制御する(図7)。よって、特許文献1記載の発明では、ソース、または基板にバイアス電圧を印加したリーク電流抑制モードと、バイアス電圧を印加せず回路が通常の速度で動作する通常モードの両立をプロセッサの命令によって実現している。
特開2004−96073号公報(図1、図4)
しかしながら、前記従来の構成では、リーク電流抑制する待機モードから通常モードへの移行の間では、ソース、または基板の充放電時間が必要である。つまり、従来例では待機モード解除の命令が発行されてから一定時間の間、タイマーが管理する時間でプロセッサが停止状態となるため、システム全体として応答速度が低下することになる。
よって、従来例ではモード遷移を適用する場面としては、システムをある程度の期間停止させるようなケースを想定しており、システムの稼動中、例えば、画像や音声の処理中にモード遷移処理を発行することは可能であるが、画像、音声処理は時間的に連続して実行されるため、システムの応答性が問題となってくる。
システムの応答性を改善する取り組みとしては、バイアスをかける回路規模を小さくすることで対応可能であるが、微細化が進む今日の半導体プロセス技術においては搭載できる回路素子数の増大や、またますます複雑化するアプリケーションに対応するために回路、及びメモリサイズ容量は増加する傾向になり、バイアスの充放電時間を短縮することは難しくなってきている。
本発明は、このバイアス時間によってシステムの応答性、メモリデバイスにおいてはランダムアクセス性を改善し、かつリーク電流を抑制し低消費電力化を行うことができる半導体集積回路を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の半導体集積回路装置は、バイアス電圧の充放電動作を動作要求信号が入力される前に完了させるようにバイアス電圧の印加動作を制御するバイアス制御回路を搭載している。
従来技術においては、ソース・基板の電位を放電する必要があり、放電が完了するまで回路動作の開始を待つ必要があった。本発明では、画像処理の垂直、水平信号のようなタイミングが決定している処理を行う場合において、回路動作が開始される前にソース、または基板電圧を放電(バイアスを非印加)、またはアクセスが完了すると直ちに充電(バイアスを印加)を実施することができる。
本発明のバイアス制御回路によれば、充放電の時間を隠蔽することができ、回路動作の開始時間への影響を与えず、バイアス電圧を用いたリーク電流の抑制し低消費電力化を実現しつつ、システムやランダムアクセスの応答性能が低下させない半導体回路装置を実現することができる。
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における構成図である。図1において、回路ブロック101は、今回ソース線または基板線にバイアス電圧を印加して待機モード時にリーク電流を抑制する対象のブロックである。回路ブロック101には、構成する全MOSトランジスタのソース線、または基板線をまとめたバイアス電圧入力端子102を備える。一般的にリーク電流を抑制するためには、NチャンネルMOSトランジスタの場合は、基板は−0.6V程度、一方、PチャンネルMOSトランジスタの場合は、基板に電源電圧となるため供給する電源電圧より高い電圧を、バイアス電圧出力回路107より出力する。このバイアス電圧出力回路107を制御するのが、バイアス電圧制御回路103である。バイアス電圧制御回路103は、回路ブロック101のバイアス電圧の充放電時間の情報を規定したタイミング設定104を入力し、この情報とカウンタ105を用いて外部から入力される動作要求信号106を起点としてバイアス制御信号を生成する。
図2を用いて詳細の動作を説明する。まず、各信号の仕様について説明する。動作要求信号201がLowの場合は回路ブロック101にアクセスをしない、つまりバイアス圧を印加し、Highの場合はアクセスを要求する区間でバイアス電圧の印加を行わない。カウンタ値は、動作要求信号の立ち下がりのタイミングを開始としてカウンタ値をリセットしてクロック信号に同期してカウントアップする。バイアス制御信号がLowの場合はバイアスを行わない(通常モード)の区間で、Highの場合はバイアス電圧を印加する区間(待機モード)の区間を表す。バイアス電圧は、ここの説明ではNチャンネルMOSトランジスタの基板へのバイアス電圧制御を例として説明するため、バイアス印加時(待機モード)は0.6V、バイアス非印加時(通常モード)は0Vである。
図2(a)は、システム起動後、1回目の動作要求信号がアサートされた場合のタイミングチャート図である。図2(b)は、2回目以降の動作要求信号アサートされた場合のタイミングチャート図である。システム起動直後は、バイアス電圧は0Vで通常モードである。1回目の動作要求信号がネゲートされると、動作要求信号の立ち下がりタイミングでカウンタ値がカウントアップされる。また、同タイミングでバイアス制御信号がHighとなりバイアス電圧が出力され通常モードから待機モードに遷移する。
次に、動作要求信号のアサートが2回目以降について、図2(b)を使って説明する。カウンタ値は、直前にアサートされた動作要求信号の立ち下がりからカウントアップ続けている。ここで、タイミング設定情報104に、バイアス制御信号をネゲートするカウンタ値nを設定してある。この値nは、次の動作要求信号がアサートされるカウンタ値(n+3)から、バイアス電圧を放電するのに必要な時間(カウンタ値:3)を確保したカウンタ値を設定する。バイアス制御回路103はカウンタ値がnになると、バイアス制御信号をネゲートして、バイアス電圧の放電(0V遷移)を開始し、動作要求信号がアサートされるまでに放電を完了することが可能とあり、放電時間を隠蔽することができる。
以上のように、図5に示すように、周辺デバイスに、カメラやLCDのような固定周期でデータ転送が必要なビデオ系のデバイスや、CPUで周期的にかならず起こるようなアプリケーションプログラムを動作させる場合、それぞれの周辺デバイス、CPUから個々に動作要求信号501を半導体集積回路502に入力することで複数の動画像圧縮・伸張処理装置や、音声の信号処理装置など、周期的に繰り発生し、かつデータの取りこぼしが許されないアプリケーションに適用することができる。
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2における構成図である。図3の回路ブロック、バイアス出力回路、バイアス制御回路は、図1と同様の回路装置である。図3の特徴としては、バイアス制御信号を生成するタイミングは周期タイマー301で出力したタイマー信号302を使用する。図4に周期タイマーを用いた場合のタイミングチャートを示す。図4中のタイミング信号以外の動作要求信号、バイアス制御信号、バイアス電圧は、図2の仕様と同じとして説明する。図4(a)は、システム起動後、1回目の動作要求信号がアサートされた場合のタイミングチャート図である。図4(b)は、2回目以降の動作要求信号アサートされた場合のタイミングチャート図である。システム起動直後は、バイアス電圧は0Vで通常モードである。1回目の動作要求信号がネゲートされると、動作要求信号の立ち下がりタイミングでタイマーが動作し、タイマー信号がアサートされる。また、同タイミングでバイアス制御信号がHighとなりバイアス電圧が出力され通常モードから待機モードに遷移する。
次に、動作要求信号のアサートが2回目以降について、図4(b)を使って説明する。タイマー信号は、直前にアサートされた動作要求信号の立ち下がりから時間tの間アサートされている。時間tを過ぎると、タイマー信号は立ち下がる。タイマー信号の立ち下がりに同期してバイアス制御信号もLowになりバイアス電圧が放電され、待機モードから通常モードに遷移し、回路ブロックが動作可能となる。ここで、時間tの設定値は、動作要求信号がアサートされる周期Tからバイアス電圧の放電時間wを引いた値(t=T−w)とする。これにより、動作要求信号がアサートされるまでに放電を完了することが可能となり、実施の形態1と同様に放電時間を隠蔽することができる。
本発明にかかる半導体集積回路装置は、システムの応答性、ランダムアクセス性の機能維持しつつ、リーク電流を抑制した回路制御技術を有し、高性能で低消費電力が求められる携帯機器向けのLSI等として有用である。またSRAM等の半導体メモリへの用途にも応用できる。
本発明の実施の形態1における半導体記憶装置の構成図 本発明の実施の形態1における半導体記憶装置のタイミングチャート 本発明の実施の形態2における半導体記憶装置の構成図 本発明の実施の形態2における半導体記憶装置のタイミングチャート 本発明の実施の形態1,2における信号処理システムの構成図 従来技術の構成図 従来技術のフローチャート
符号の説明
101 回路ブロック
102 バイアス電圧入力端子
103 バイアス電圧制御回路
105 カウンタ回路
106 動作要求信号
107 バイアス電圧出力回路
301 周期タイマー
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