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JP2005060652A - ヨウ素安定化組成物 - Google Patents

ヨウ素安定化組成物 Download PDF

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啓二 寺尾
Daisuke Nakada
大介 中田
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Cyclochem Kk
CycloChem Co Ltd
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Abstract

【課題】 ヨウ素の揮散を抑制した安定なヨウ素安定化組成物
【解決手段】 ヨウ素、ヨウ素包接体またはヨウ素複合体とαシクロデキストリンまたはその誘導体との組成物。ヨウ素源としては、βシクロデキストリン-ヨウ素包接体、
ヨウ素複合体としてはポリビニルピロリドン-ヨウ素複合体等がある。この組成物の水溶液はヨウ素の揮散抑制によってヨウ素独特の臭気やヨウ素の容器への沈着、染色を防ぎ、ヨウ素の殺菌効果を長時間維持することができる。医薬、食品分野において殺菌剤等として利用できる。
【選択図】 なし


Description

本発明は、αシクロデキストリン(以下、αCDという)又はその誘導体よりなるヨウ素水溶性安定化剤に関する。
また、本発明は、αCD又はその誘導体を添加したヨウ素、ヨウ素包接体又はヨウ素複合体組成物に関する。さらに、本発明は、αCD又はその誘導体とヨウ素、ヨウ素包接体又はヨウ素複合体とを含有し、そのまま製品として利用可能なヨウ素濃度を有する水溶液に関する。本発明のαCD添加ヨウ素含有組成物はヨウ素の揮散を抑制しヨウ素を安定に保持することができ、医薬、食品等の分野で利用することができる。
ヨウ素は強い抗菌力と広い抗菌スペクトルを有する天然の抗菌剤として知られている。ヨウ素は人体に安全で、強い抗菌抗黴作用を有することから食品、医薬等に利用される。
ヨウ素系合成抗菌剤は抗菌力が強く、広範囲の抗菌スペクトルを有し、従来から防腐抗菌剤、殺ウイルス剤等として広く利用されている。これらの抗菌剤に共通する特徴は、ヨウ素原子を分子内に組み込み、その分子から抗菌活性を示す濃度のヨウ素分子そのものを重合体や界面活性剤などの単体に複合体として組み込んだ様々なヨードホール製剤も人体に対して比較的安全であることから、殺菌、消毒剤などに利用されている。しかし、これらのヨウ素製剤は、一方で、昇華性が高く、室温で容易に揮散する性質がある。
そして、ヨウ素の揮散は独特な臭気の発生や着色の原因となり、また強い酸化力のために周囲を腐蝕するという問題を有する。従ってヨウ素の抗菌抗黴作用を産業上有効に利用するにあたり、ヨウ素の揮散を抑制することが不可欠である。
ヨウ素の揮散を抑制する方法として、ヨウ素を有機化合物に化学的に結合させて安定化する方法が挙げられる。このヨウ素結合有機化合物は、ヨウ素が化学変化をして有機化合物に結合するため、ヨウ素の揮散が強く抑制されるが、ヨウ素の化学変化により、抗菌抗黴作用、人体への安全性が低下し、利用方法が制限される。
また、ヨウ素を高分子化合物からなる包接体に取り込み、安定化する方法が挙げられる。ヨウ素包接体(ヨウ素包接高分子化合物)は、ヨウ素が変化することなく、揮散を抑制することができる。従って、人体への安全性を維持し、抗菌抗黴剤として、食品、医薬等への利用も可能である。
ヨウ素包接体の代表的なものとして、βシクロデキストリン-ヨウ素包接体(以下、βCD-Iと記す)が挙げられる(特許文献1)。
βCD-Iはヨウ素本来の細菌、黴、酵母、ウイルス、その他微生物等に幅広い抗菌スペクトルを維持し、微生物に対する作用部位が多岐に及ぶため、該剤に対する耐性が形成されない。効果は低温でもほとんど低下せず、塩素系殺菌剤のように有機物による殺菌力の低下も起こりにくく、酸性化による有毒ガスの発生も起こらない。毒性が低く、皮膚や粘膜に対する刺激性がないことから殺菌力を備え、毒性の少ない含嗽剤として利用されている
固体のβCD-Iは化学的および物理的に安定であり、取扱いが安易である。しかし、低水溶性であり、ヨウ素濃度が0.02重量%(以下、重量%を%という))以上溶解できない。
一方で、0.02%以下のヨウ素水溶液ではヨウ素の遊離が促進されるため、βCD−I水溶液を安定した状態で保存することが難しい。
またメチル化CD−I(以下、MCD−Iという)は高水溶性であるが、4〜5%以下の濃度の水溶液ではヨウ素の遊離が促進されるため、ヨウ素濃度が6%程度の高濃度で保存することが必要である。
また、ヨウ素を利用した医薬品の代表的なものとしてイソジン(明治製菓社)が挙げられる。これは高分子化合物であるポリビニルピロリドン(PVP)にヨウ素を結合させたポリビニルピロリドン-ヨウ素複合体(以下、PVP-Iと記す)である。
イソジンもヨウ素が0.7%の濃度で保存され、使用時に15〜30倍(0.05〜0.02%程度)に濃度が希釈される。抗菌抗黴に用いられるヨウ素溶液は、使用方法にみられるように、0.05〜0.02%程度の低濃度で用いられることが多く、ヨウ素の遊離が促進され、効果が低下するため、高濃度で保存することが必要となる。従って使用時に希釈が必須となる。
カーテンやじゅうたんなど、室内の消臭剤として販売されている「ファブリーズ(P&G社)」はβシクロデキストリン誘導体溶液からなる。含有されるβシクロデキストリン誘導体が室内に存在する有機物を包接することで、消臭効果を発揮する。このような市販の製品にヨウ素を安定して加えることが可能となれば、窒素、硫酸系の消臭も可能となり、さらに抗菌抗黴作用を有する消臭剤として、有用性を高めることができる。
このような製品にヨウ素を加える場合、希釈等を必要とせず、そのまま製品として使用できる濃度でヨウ素を安定に維持できるヨウ素溶液を得ることが必要である。ヨウ素を安定に維持し、抗菌抗黴作用があり、かつ人体への安全性が高く、使用にあたり希釈等を必要としない低濃度シクロデキストリン-ヨウ素包接体水溶液は産業上有用性が高く、食品、医療など様々な分野において開発が望まれている。
特許第1340842号公報
本発明は、このような状況下でなされたものであって、その解決しようとする課題は人体に安全で、抗菌抗黴作用があり、ヨウ素の安定性の高いヨウ素含有組成物および使用にあたり希釈等を必要としない低濃度でヨウ素の安定性を維持しているその組成物の水溶液を提供することである。
本発明者らは、このような課題を解決するために、ヨウ素、ヨウ素包接体又はヨウ素複合体に種々の化合物を添加し、その抗菌抗黴作用及び安定化を検討したところ、αCD又はその誘導体を添加すると、その抗菌抗黴作用を変化させることなくこれらのヨウ素含有化合物のヨウ素を安定に維持することができることを見いだした。特にこの作用は従来ヨウ素製剤が使用されるにあたり、希釈等を必要としない低濃度においてもヨウ素包接体を安定に維持できることを見出して本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、αCD又はその誘導体よりなるヨウ素水溶液の安定化剤に関する。
また、本発明は、ヨウ素、ヨウ素包接体又はヨウ素複合体にαCD又はその誘導体を添加したヨウ素の安定な組成物に関する。
さらに、本発明は、ヨウ素、ヨウ素包接体又はヨウ素複合体とαCD又はその誘導体を含有してなる、ヨウ素が安定に維持されているヨウ素含有組成物水溶液に関する。
本発明におけるヨウ素源としては、ヨウ素、βCD-I, PVP-I等が用いられる。ヨウ素源としては、これらのヨウ素、ヨウ素包接体、ヨウ素複合体に限られるものではない。しかし、特に、βCD-Iが望ましい。
αCDの誘導体としては、アルキル化αCD、特にメチル化αCD(以下、MαCDと記す)が望ましい。
また、トリメチル化αCD、アセチル化αCD、トリアセチル化αCD、ヒドロキシプロピルαCD、グルコシルαCD、マルトシルαCD及びモノクロロトリアジノ化αCD等も例示することができる。
また、ヨウ素濃度としてMCD−Iでは6%以下、特にβCD−Iにおいては0.02〜0.001%程度の、従来、殺菌剤、殺黴剤として用いられる程度の濃度が望ましい。
さらに、本発明におけるαCDまたはその誘導体のヨウ素、ヨウ素包接体又はヨウ素複合体の水溶液への添加量は0.1〜1.0%が適当であるが、ヨウ素の濃度によって添加量を増減する。
本発明によると、αCDまたはその誘導体によってヨウ素、ヨウ素包接体あるいはヨウ素複合体の水溶液中のヨウ素の揮散を抑制し、抗菌抗黴作用を低下させることなくヨウ素を有効に利用することができる。また、ヨウ素の揮散抑制により、独特の臭気やヨウ素の容器への沈着による染色を防ぐことができる。従って、医療器具の消毒や食品工場、家庭における殺菌等、医療や食品の分野等に幅広く用いることが可能となる。
βCD-Iは工業的に量産可能なヨウ素包接体であり、粉末状態ではヨウ素が有する揮発性などの問題点がすばらしく改善される。
しかし、βCD-Iを0.1%水溶液とすると、ヨウ素の安定性を維持することが難しく、数時間でヨウ素が揮散してしまう。そこで本発明者らは、工業的に生産したβCD-Iを低濃度水溶液としたものに、αCD、MαCD、トリメチル化αCD、アセチル化αCD、トリアセチル化αCD、ヒドロキシプロピルαCD、グルコシルαCD、マルトシルαCD及びモノクロロトリアジノ化αCD、メチル化βCD(以下、MβCDと記す)、γCD、マルトシルシクロデキストリン(商品名:イソエリート、(株)横浜国際バイオ研究所(以下、マル
トシルCDと記す))、プルラン、デンプンなどを加え、ヨウ素の揮散が抑制されるかを試験した。
その結果、αCD、MαCD、その他のαCD誘導体、マルトシルCD、デンプンにおいてヨウ素の揮散が抑制されることが確認された。なかでもαCD、MαCDは低濃度(0.2%以上)の添加で十分な抑制効果を有し、1%以上の添加が必要となるマルトシルCD、デンプンよりも有効であった。
αCD、MαCD、マルトシルCD、デンプンがβCD-I水溶液中のヨウ素の揮散抑制効果を有することは次の試験例で証明された。
試験例1
ヨウ素包接体または複合体水溶液中の経過時間ごとのヨウ素の残存率
(1) βCD-I水溶液中のヨウ素の揮散
βCD-I(日宝化学株式会社)0.1%水溶液(ヨウ素濃度:0.02%)を4つ用意し、0分、3時間、24時間、48時間放置した。それぞれの放置時間後にチオ硫酸ナトリウム水溶液で滴定した。
経過時間ごとのヨウ素残存率は3時間後にはすでに50%に低下し、24時間後までにはすべてのヨウ素が水溶液中から大気中へと揮発していた。よって、βCD-I水溶液は、ヨウ素を安定に保つことができないことを確認した。結果を図1に示した。
(2) PVP-I希釈水溶液中のヨウ素の揮散
PVP-I水溶液を希釈し、ヨウ素濃度を0.02%とした水溶液をビーカーに入れ、サランラップで密封し室温で静置した。ヨウ素が水溶液から遊離するとサランラップに吸着し、黄色く着色する。10日後ビーカーにかぶせたサランラップが着色され、PVP-I水溶液からヨウ素が揮発していた。よって、PVP-I水溶液は、ヨウ素を安定に保つことができないことを確認した。
試験例2
A.各種化合物添加におけるβCD-I水溶液中のヨウ素の揮散抑制効果
(1) シクロデキストリンのヨウ素の揮散抑制効果
βCD-I 0.1%水溶液(ヨウ素濃度:0.02%)にαCD、MαCD、βCD、MβCD、γCDをそれぞれ0.1%もしくは0.5%加え、サランラップで密封し室温で静置した。2日後βCD、MβCD、γCDを加えたビーカーのサランラップが着色され、ヨウ素の揮発が確認された。一方、αCD、MαCDを加えたビーカーのサランラップは着色されなかった。よって、αCDとMαCDはヨウ素の揮発抑制に有効である。
(2) その他の化合物のヨウ素の揮散抑制効果
βCD-I 0.1%水溶液(ヨウ素濃度:0.02%)にマルトシルCD、デンプン、PVP、プルランなどの各種化合物をそれぞれ0〜10%添加し、3〜5日サランラップで密封し室温で静置した。各水溶液からのヨウ素の遊離を確認したところ、マルトシルCD、プルランおよびPVPは3〜4日後にサランラップの着色が見られた。よって、これらの包接体は、ヨウ素の揮発抑制に効果的ではなかった。一方、デンプンはサランラップに着色が起こらず、ヨウ素の揮散抑制に有効である。
これらの試験の結果、βCD-I 0.1%水溶液(ヨウ素濃度:0.02%)に対し、マルトシルCD、デンプンは1%以上、αCDおよびMαCDは0.2%以上の添加でヨウ素の揮散抑制効果を示し、さらにαCDおよびMαCDは0.5%以上の添加で十分なヨウ素の揮散抑制効果を有することが確認した。
また、MCD-I (日宝化学株式会社)水溶液(ヨウ素濃度:0.02%)に対しても、マルトシルCD、デンプンは2%以上、αCDおよびMαCDは0.2%以上の添加でヨウ素の揮散抑制効果を示し、さらにαCD、MαCDの添加で十分なヨウ素の拡散抑制効果を有することが確認された。この結果を表1に示す。
表中◎は非常に効果的を、○は効果的を示す。また、△はわずかな効果ありを、×は効果なしを示す。
(3) その他のαCD誘導体のヨウ素の揮散抑制効果
トリメチル化αCD、アセチル化αCD、トリアセチル化αCD、ヒドロキシプロピルαCD、グルコシルαCD、マルトシルαCD及びモノクロロトリアジノ化αCDのヨウ素揮発抑制効果について検討した。その結果これらの化合物にも試験例1のαCDと同様に0.2%以上の添加で効果が認められた。
B.αCD添加βCD-I 水溶液中の経過時間ごとのヨウ素の残存率
βCD-I 0.1%水溶液(ヨウ素濃度:0.02%)に0、0.1、0.2、0.5、1.0%のαCDをそれぞれ添加し、サランラップで密封し、室温で静置した。時間を追って、それぞれチオ硫酸ナトリウム水溶液で滴定し、ヨウ素の残存率を調べた。この結果を図2に示す。
αCDを精製βCD-Iに添加するαCD添加βCD-Iの作製
(1) βCD-Iの作製(飽和水溶液法)
ヨウ素1.2gとヨウ化カリウム800mgを水20mlに加えてヨウ素を水に溶解させた後、5gのβCDを加え、液温を80℃に加温して30分撹拌する。撹拌後、1日放置すると茶褐色のヨウ素-βCD包接体が沈澱する。ろ過、水洗を繰り返して余分のヨウ素とヨウ化カリウムを除去した後、乾燥し、ヨウ素-βCD包接体(βCD-I)の粉末を得た。
(2) βCD-IへのαCDの添加 このヨウ素-βCD-I包接体に水を加えてβCD-I 0.1%水溶液(ヨウ素濃度:0.02%)とした。このβCD-I 0.1%水溶液中にαCDが0.2%以上になるよう添加した。
試験例3
αCD添加によるβCD-I水溶液の金属酸化防止効果
αCDを0%、1%添加したβCD-I 0.1%水溶液(ヨウ素濃度:0.02%)にステンレスとアルミプレートをそれぞれ1日間浸し、酸化状態を調べた。それぞれの金属はαCD無添加の水溶液では表面が白く曇って錆を生じ、αCDを1%添加した水溶液では金属表面は変化はなく、このような錆を生じなかった。これはβCD-I水溶液からαCD添加によりヨウ素の遊離が抑制され、ヨウ素による金属の酸化が防止されたことを示す。MCD−Iについても同様の結果が得られた。
試験例4
αCD添加によるβCD-I水溶液のプラスチック着色阻害
αCDを0%、0.5%添加したβCD-I 0.1%水溶液(ヨウ素濃度:0.02%)をプラスチックボトルに入れ、容器および内蓋の着色を比較した。αCDを0.5%添加したβCD-I水溶液を入れたボトルは無添加のボトルに比較したまったく着色されないことが確認された。この結果を図3に示した。
αCD添加βCD-I利用方法
(1) ヨウ素入抗菌消臭スプレー
ヨウ素入抗菌消臭スプレーにおいては、αCD水溶液(0.5〜1%程度)中にヨウ素またはヨウ素(MCD-I)を自由に混和することで、安定なヨウ素水溶液を調製することが可能である。ヨウ素濃度は200ppm以下であることが好ましいが、それ以上でもαCDを増量することでヨウ素の遊離を抑えることが可能である。
次の成分からなるヨウ素入り抗菌消臭スプレーを作成した。
ヨウ素10
MCD-I 6 0.05ml
CAVAMAX(α−シクロデキストリン、ワッカー社、以下同じ) W6 1.5g
CAVAMAX W7M 1.5g
上記成分を水に溶かし、全量を300mlとする。
有効ヨウ素濃度:10ppm
ヨウ素200
MCD-I 6 1.0ml
CAVAMAX W6 1.5g
CAVAMAX W7M 1.5g
上記成分を水に溶かし、全量を300mlとする。
有効ヨウ素濃度:200ppm
(2) 安定化ヨウ素水溶液粉末
次の組成のβCD-I粉末とCAVAMAX W6粉末をあらかじめ混合して安定化ヨウ素粉末組成物を調製する。それを水に溶かして全量を1Lとすることで、有効ヨウ素濃度が200ppmの安定なヨウ素水溶液を容易に調製することが可能となる。
ヨウ素粉末組成物
βCD-I粉末 1.0g
CAVAMAX W6 5.0g
PVP-Iの安定化
PVP-Iはポビドンヨードとして殺菌、うがい薬として広く用いられており、PVP-Iを7%(有効ヨウ素量0.7%)含む濃縮液がうがい薬として市販されている。これを実際にうがいに使う際には、15〜30倍に希釈して使用されている。しかし、この希釈した濃度では、ヨウ素は安定に存在できず遊離する。このPVP-I希釈水溶液に、αCD-Iを0、0.1、0.2、0.5、1%添加しサランラップで密栓し、40℃で一週間放置したところ、0%では濃い着色が確認され、0.1%でもごくわずかに着色が確認されたが0.2%以上ではその着色はまったく確認されず、ヨウ素の遊離が効果的に抑制された。
βCD-I水溶液中の経過時間ごとのヨウ素の残存率を示す。(試験例1A) αCD添加βCD-I水溶液中の経過時間ごとのヨウ素の残存率を示す。(試験例1B) αCD添加によるβCD-I水溶液のプラスチックの着色阻害を示す。(試験例4)

Claims (5)

  1. αシクロデキストリン又はその誘導体よりなるヨウ素水溶液安定化剤。
  2. αシクロデキストリンの誘導体が、メチル化αシクロデキストリン、トリメチル化αシクロデキストリン、アセチル化αシクロデキストリン、トリアセチル化αシクロデキストリン、ヒドロキシプロピルαシクロデキストリン、グルコシルαシクロデキストリン、マルトシルαシクロデキストリン及びモノクロロトリアジノ化αシクロデキストリンよりなる群から選択される少なくとも1種の化合物である請求項1に記載されるヨウ素水溶液安定化剤。
  3. ヨウ素、ヨウ素包接体又はヨウ素複合体にαシクロデキストリン又はその誘導体を添加してなるヨウ素が安定化されているヨウ素含有組成物。
  4. ヨウ素、ヨウ素包接体又はヨウ素複合体に、αシクロデキストリン又はその誘導体を添加することを特徴とするヨウ素含有組成物のヨウ素安定化法。
  5. ヨウ素、ヨウ素包接体又はヨウ素複合体と、αシクロデキストリン又はその誘導体を含有してなる、ヨウ素が安定に維持されているヨウ素含有組成物水溶液。
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