JPH10330403A - 新規包接体、その用途及び樹脂組成物 - Google Patents
新規包接体、その用途及び樹脂組成物Info
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- JPH10330403A JPH10330403A JP19907697A JP19907697A JPH10330403A JP H10330403 A JPH10330403 A JP H10330403A JP 19907697 A JP19907697 A JP 19907697A JP 19907697 A JP19907697 A JP 19907697A JP H10330403 A JPH10330403 A JP H10330403A
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- iodine
- benzimidazole
- thiazolyl
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 抗菌・防カビ活性が長期にわたって持続さ
れ、且つ熱安定性等に優れたヨードホールと2−(4−
チァゾリル)−ベンズイミダゾールとの混合物の包接体
及びそれを用いた抗菌・防カビ剤の提供、更には、これ
を熱可塑性樹脂に配合してなる抗菌・防カビ性に優れた
抗菌・防カビ性樹脂組成物樹脂組成物を提供するにあ
る。 【解決手段】 シクロデキストリンをホスト分子として
ヨードホールと2−(4−チァゾリル)−ベンズイミダ
ゾールとの混合物をゲスト分子として含んで成り且つ少
なとも0.005%のヨードホールと0.005%の2
−(4−チァゾリル)−ベンズイミダゾールを含有する
ことを特徴とする抗菌・防カビ剤及びそれを用いた樹脂
組成物。
れ、且つ熱安定性等に優れたヨードホールと2−(4−
チァゾリル)−ベンズイミダゾールとの混合物の包接体
及びそれを用いた抗菌・防カビ剤の提供、更には、これ
を熱可塑性樹脂に配合してなる抗菌・防カビ性に優れた
抗菌・防カビ性樹脂組成物樹脂組成物を提供するにあ
る。 【解決手段】 シクロデキストリンをホスト分子として
ヨードホールと2−(4−チァゾリル)−ベンズイミダ
ゾールとの混合物をゲスト分子として含んで成り且つ少
なとも0.005%のヨードホールと0.005%の2
−(4−チァゾリル)−ベンズイミダゾールを含有する
ことを特徴とする抗菌・防カビ剤及びそれを用いた樹脂
組成物。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なヨードホールと
2−(4−チァゾリル)−ベンズイミダゾールとの混合
物包接体、その用途に関するもので、より詳細にはヨー
ドホールと2−(4−チァゾリル)−ベンズイミダゾー
ルとの混合物をシクロデキストリン中に組みこんで成
り、ヨードホールが持つ抗菌性と2−(4−チァゾリ
ル)−ベンズイミダゾールが持つ防カビ性との両方の特
性を兼ね備え、且つ安全性の高い新規包接体に関する。
本発明は更にこの包接体を含有する樹脂組成物にも関す
る。
2−(4−チァゾリル)−ベンズイミダゾールとの混合
物包接体、その用途に関するもので、より詳細にはヨー
ドホールと2−(4−チァゾリル)−ベンズイミダゾー
ルとの混合物をシクロデキストリン中に組みこんで成
り、ヨードホールが持つ抗菌性と2−(4−チァゾリ
ル)−ベンズイミダゾールが持つ防カビ性との両方の特
性を兼ね備え、且つ安全性の高い新規包接体に関する。
本発明は更にこの包接体を含有する樹脂組成物にも関す
る。
【0002】
【従来の技術】ヨウ素系抗菌剤は抗菌力が強く、広範囲
の抗菌スペクトルを有し、しかも人体に対しても比較的
安全であり、従来から消毒剤として広く使用されてい
る。例えば、理容、美容業界のハサミ、カミソリ、バリ
カン等の金属器具の消毒等の用途に、布、紙、合成樹脂
シート等の柔軟性材料にヨウ素を含浸、内填させたもの
が消毒防錆布として使用され、更に活性炭、ゼオライ
ト、ケイ藻土、ケイ酸カルシウム等の担体にヨウ素を担
持、吸蔵させたものは空気浄化、脱臭、防菌、殺ウイル
ス等の用途に使用されている。一方、2−(4−チァゾ
リル)−ベンズイミダゾールは一般にチァベンダゾール
またはTBZと呼ばれ,オレンジ,リンゴ,ナシ等の果
実の防カビ剤として主要諸国で幅広く使用されている。
また化学的にも安定であり,耐熱性にも優れているので
ペイト,プラスチックス,接着剤,電装品,テント等幅
広い分野での防カビ剤として使用されている。
の抗菌スペクトルを有し、しかも人体に対しても比較的
安全であり、従来から消毒剤として広く使用されてい
る。例えば、理容、美容業界のハサミ、カミソリ、バリ
カン等の金属器具の消毒等の用途に、布、紙、合成樹脂
シート等の柔軟性材料にヨウ素を含浸、内填させたもの
が消毒防錆布として使用され、更に活性炭、ゼオライ
ト、ケイ藻土、ケイ酸カルシウム等の担体にヨウ素を担
持、吸蔵させたものは空気浄化、脱臭、防菌、殺ウイル
ス等の用途に使用されている。一方、2−(4−チァゾ
リル)−ベンズイミダゾールは一般にチァベンダゾール
またはTBZと呼ばれ,オレンジ,リンゴ,ナシ等の果
実の防カビ剤として主要諸国で幅広く使用されている。
また化学的にも安定であり,耐熱性にも優れているので
ペイト,プラスチックス,接着剤,電装品,テント等幅
広い分野での防カビ剤として使用されている。
【0003】最近、シクロデキストリン(CyD)に防
虫剤、防黴剤、芳香剤等を包接させ、これを熱可塑性重
合体等に配合して、上記各薬剤の作用とその持続性とを
成型品に付与することが行われている(特開昭61−2
7010号公報、特開昭61−65805号公報、特開
昭61−152765号公報、特開平6−248194
号公報)。
虫剤、防黴剤、芳香剤等を包接させ、これを熱可塑性重
合体等に配合して、上記各薬剤の作用とその持続性とを
成型品に付与することが行われている(特開昭61−2
7010号公報、特開昭61−65805号公報、特開
昭61−152765号公報、特開平6−248194
号公報)。
【0004】更に、シクロデキストリンを用いたヨウ素
の包接体も既に知られており香粧会誌第8巻第2号(1
984)には、β−シクロデキストリン・ヨウ素(CD
I)を含むうがい剤の殺菌効果が記載されている。
の包接体も既に知られており香粧会誌第8巻第2号(1
984)には、β−シクロデキストリン・ヨウ素(CD
I)を含むうがい剤の殺菌効果が記載されている。
【0005】また、熱可塑性樹脂に抗菌性を付与する方
法としては銀、銅、亜鉛、金、白金等の金属イオンを無
機珪素化合物に担持させた抗菌剤、例えば抗菌性ゼオラ
イトのような無機物質を熱可塑性樹脂に添加、混練する
方法が知られている。
法としては銀、銅、亜鉛、金、白金等の金属イオンを無
機珪素化合物に担持させた抗菌剤、例えば抗菌性ゼオラ
イトのような無機物質を熱可塑性樹脂に添加、混練する
方法が知られている。
【0006】一方、ヒノキチオールまたはカラシオイル
のシクロデキストリン包接化合物を熱可塑性樹脂に添
加、混練して抗菌性等を付与する方法として、特開平4
−359028公報、特開平4−325069号公報、
特開平3−16726号公報の明細書に提案されている
ものがある。
のシクロデキストリン包接化合物を熱可塑性樹脂に添
加、混練して抗菌性等を付与する方法として、特開平4
−359028公報、特開平4−325069号公報、
特開平3−16726号公報の明細書に提案されている
ものがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ヨウ素は、抗菌力が強
く、広範囲の抗菌スペクトルを有し、しかも安全性に優
れているという利点があるが、防カビ性が弱く、特に低
濃度域では、黒コウジカビ(Aspergillusn
iger)等に対する防カビ効果が少ないという欠点が
ある。一方、2−(4−チァゾリル)−ベンズイミダゾ
ールでは防カビ性が非常に優れており広範囲のカビ類に
低濃度で有効であることが確認されており、しかも食品
添加物として認可され安全衛生面でも非常に優れている
という利点がある。しかし、2−(4−チァゾリル)−
ベンズイミダゾールは細菌に対する抗菌力が殆どないと
いう欠点がある。また2−(4−チァゾリル)−ベンズ
イミダゾールを熱可塑性樹脂に添加、混練し、成形加工
すると2−(4−チァゾリル)−ベンズイミダゾールが
成形品の表面にブリードアウトし白化するという欠点が
ある。更に2−(4−チァゾリル)−ベンズイミダゾー
ルは水に溶解しない(水に対する溶解度0.03mg/
ml)ため、水溶性組成物には使い難い等の問題があ
る。
く、広範囲の抗菌スペクトルを有し、しかも安全性に優
れているという利点があるが、防カビ性が弱く、特に低
濃度域では、黒コウジカビ(Aspergillusn
iger)等に対する防カビ効果が少ないという欠点が
ある。一方、2−(4−チァゾリル)−ベンズイミダゾ
ールでは防カビ性が非常に優れており広範囲のカビ類に
低濃度で有効であることが確認されており、しかも食品
添加物として認可され安全衛生面でも非常に優れている
という利点がある。しかし、2−(4−チァゾリル)−
ベンズイミダゾールは細菌に対する抗菌力が殆どないと
いう欠点がある。また2−(4−チァゾリル)−ベンズ
イミダゾールを熱可塑性樹脂に添加、混練し、成形加工
すると2−(4−チァゾリル)−ベンズイミダゾールが
成形品の表面にブリードアウトし白化するという欠点が
ある。更に2−(4−チァゾリル)−ベンズイミダゾー
ルは水に溶解しない(水に対する溶解度0.03mg/
ml)ため、水溶性組成物には使い難い等の問題があ
る。
【0008】銀ゼオライトのような金属無機系抗菌剤を
熱可塑性樹脂に添加、混練した抗菌性樹脂組成物では細
菌に対する抗菌力があるが、防カビ効果が弱いという欠
点がある。また安全性の点でも問題がある。
熱可塑性樹脂に添加、混練した抗菌性樹脂組成物では細
菌に対する抗菌力があるが、防カビ効果が弱いという欠
点がある。また安全性の点でも問題がある。
【0009】ヒノキチオール、カラシオイルのシクロデ
キストリン包接化合物を熱可塑性樹脂に添加、混練した
抗菌性樹脂組成物は抗菌効果は優れているが、臭いがあ
り、また抗菌力の安定性、持続性等で問題がある。上記
の如く、従来の抗菌、防カビ剤では抗菌性が優れている
が、防カビ性が劣る等一長一短があり、多様化するマー
ケットニーズを十分に満足させることは困難である。そ
こで、本発明者は安全性が高くて、抗菌性が非常に優れ
ているヨウ素系抗菌剤及び防カビ性に非常に優れている
2−(4−チァゾリル)−ベンズイミダゾールに着目、
ヨウ素系抗菌剤と2−(4−チァゾリル)−ベンズイミ
ダゾールを一体化することによって、抗菌、防カビ両方
の特性を有する抗菌・防カビ剤について鋭意研究を行っ
た。ヨウ素系抗菌剤、2−(4−チァゾリル)−ベンズ
イミダゾールともに微粉末で、そのまま混合することが
可能であるが、両者の粒子の大きさ、嵩比重差等により
均一に混合することは難しく、また混合しても分離しや
すいため実用には供し得ない。また、ヨウ素系抗菌剤は
水溶性であるが、2−(4−チァゾリル)−ベンズイミ
ダゾールは水には殆ど溶解せず、有機溶剤に対しても溶
解性が悪く、そのままでは溶液状態での混合はできな
い。尚、2−(4−チァゾリル)−ベンズイミダゾール
の乳化液が開発されており、この乳化液と水に溶解させ
たヨウ素系抗菌剤とを混合しても、相溶性、安定性に問
題があり、従来の技術ではヨウ素系抗菌剤と2−(4−
チァゾリル)−ベンズイミダゾールとの混合、一体化が
困難であった。そこで、本発明者はヨウ素系抗菌剤と2
−(4−チァゾリル)−ベンズイミダゾールとをシクロ
デキストリンでの包接体とすることによって一体化する
ことを着想した。これにより、ヨウ素系抗菌剤と2−
(4−チァゾリル)−ベンズイミダゾールとの混合物を
任意の割合でシクロデキストリンの中に組み込むことが
可能となり、ヨウ素系抗菌剤,2−(4−チァゾリル)
−ベンズイミダゾールそれぞれの特性を長期間持続し、
更に熱可塑性樹脂に添加、混練してもブリードアウトせ
ず、水や油に対して分散性を有することを確認し本発明
を完成するに至った。
キストリン包接化合物を熱可塑性樹脂に添加、混練した
抗菌性樹脂組成物は抗菌効果は優れているが、臭いがあ
り、また抗菌力の安定性、持続性等で問題がある。上記
の如く、従来の抗菌、防カビ剤では抗菌性が優れている
が、防カビ性が劣る等一長一短があり、多様化するマー
ケットニーズを十分に満足させることは困難である。そ
こで、本発明者は安全性が高くて、抗菌性が非常に優れ
ているヨウ素系抗菌剤及び防カビ性に非常に優れている
2−(4−チァゾリル)−ベンズイミダゾールに着目、
ヨウ素系抗菌剤と2−(4−チァゾリル)−ベンズイミ
ダゾールを一体化することによって、抗菌、防カビ両方
の特性を有する抗菌・防カビ剤について鋭意研究を行っ
た。ヨウ素系抗菌剤、2−(4−チァゾリル)−ベンズ
イミダゾールともに微粉末で、そのまま混合することが
可能であるが、両者の粒子の大きさ、嵩比重差等により
均一に混合することは難しく、また混合しても分離しや
すいため実用には供し得ない。また、ヨウ素系抗菌剤は
水溶性であるが、2−(4−チァゾリル)−ベンズイミ
ダゾールは水には殆ど溶解せず、有機溶剤に対しても溶
解性が悪く、そのままでは溶液状態での混合はできな
い。尚、2−(4−チァゾリル)−ベンズイミダゾール
の乳化液が開発されており、この乳化液と水に溶解させ
たヨウ素系抗菌剤とを混合しても、相溶性、安定性に問
題があり、従来の技術ではヨウ素系抗菌剤と2−(4−
チァゾリル)−ベンズイミダゾールとの混合、一体化が
困難であった。そこで、本発明者はヨウ素系抗菌剤と2
−(4−チァゾリル)−ベンズイミダゾールとをシクロ
デキストリンでの包接体とすることによって一体化する
ことを着想した。これにより、ヨウ素系抗菌剤と2−
(4−チァゾリル)−ベンズイミダゾールとの混合物を
任意の割合でシクロデキストリンの中に組み込むことが
可能となり、ヨウ素系抗菌剤,2−(4−チァゾリル)
−ベンズイミダゾールそれぞれの特性を長期間持続し、
更に熱可塑性樹脂に添加、混練してもブリードアウトせ
ず、水や油に対して分散性を有することを確認し本発明
を完成するに至った。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、シクロ
デキストリンをホスト分子として、ヨードホールと2−
(4−チァゾリル)−ベンズイミダゾールとの混合物を
ゲスト分子として含んで成る包接体が堤供される。
デキストリンをホスト分子として、ヨードホールと2−
(4−チァゾリル)−ベンズイミダゾールとの混合物を
ゲスト分子として含んで成る包接体が堤供される。
【0011】本発明によれば、シクロデキストリンをホ
スト分子として、ヨードホールと2−(4−チァゾリ
ル)−ベンズイミダゾールとの混合物をゲスト分子とし
て含んで成り、且つ少なくとも0.005%のヨードホ
ールと0.005%の2−(4−チァゾリル)−ベンズ
イミダゾールを含有することを特徴とする抗菌・防カビ
剤が提供される。
スト分子として、ヨードホールと2−(4−チァゾリ
ル)−ベンズイミダゾールとの混合物をゲスト分子とし
て含んで成り、且つ少なくとも0.005%のヨードホ
ールと0.005%の2−(4−チァゾリル)−ベンズ
イミダゾールを含有することを特徴とする抗菌・防カビ
剤が提供される。
【0012】本発明において 1.ヨードホールが8〜13重量%の有効ヨウ素量を有
するポビドンヨードであること 2.ヨードホールと2−(4−チァゾリル)−ベンズイ
ミダゾールとが99:1〜1:99の重量比で存在する
こと 3.シクロデキストリンがα型、β型、γ型のシクロデ
キストリンまたはマルトシルシクロデキストリンである
こと 4.シクロデキストリンと、ヨードホールと2−(4−
チァゾリル)−ベンズイミダゾールとの混合物とが9
5:5〜50:50,特に90:10〜60:40の重
量比で存在することが望ましい。
するポビドンヨードであること 2.ヨードホールと2−(4−チァゾリル)−ベンズイ
ミダゾールとが99:1〜1:99の重量比で存在する
こと 3.シクロデキストリンがα型、β型、γ型のシクロデ
キストリンまたはマルトシルシクロデキストリンである
こと 4.シクロデキストリンと、ヨードホールと2−(4−
チァゾリル)−ベンズイミダゾールとの混合物とが9
5:5〜50:50,特に90:10〜60:40の重
量比で存在することが望ましい。
【0013】本発明によれば、熱可塑性樹脂と、シクロ
デキストリンをホスト分子として、ヨードホールと2−
(4−チァゾリル)−ベンズイミダゾールとの混合物を
ゲスト分子として含んで成り、且つ少なくとも0.00
5%のヨードホールと0.005%の2−(4−チァゾ
リル)−ベンズイミダゾールを含有する抗菌・防カビ剤
とから成ることを特徴とする抗菌・防カビ性樹脂組成物
が提供される。
デキストリンをホスト分子として、ヨードホールと2−
(4−チァゾリル)−ベンズイミダゾールとの混合物を
ゲスト分子として含んで成り、且つ少なくとも0.00
5%のヨードホールと0.005%の2−(4−チァゾ
リル)−ベンズイミダゾールを含有する抗菌・防カビ剤
とから成ることを特徴とする抗菌・防カビ性樹脂組成物
が提供される。
【0014】本発明の樹脂組成物において、熱可塑性樹
脂100重量部当たり前期抗菌・防カビ剤を0.1〜3
0重量部、特に1〜15重量部の量で含有させるのがよ
い。本発明の樹脂組成物は、成形体の少なくとも表面に
存在するように任意の成形方法で樹脂成形体に成形で
き、これにより成形体に抗菌・防カビ性を付与すること
ができる。
脂100重量部当たり前期抗菌・防カビ剤を0.1〜3
0重量部、特に1〜15重量部の量で含有させるのがよ
い。本発明の樹脂組成物は、成形体の少なくとも表面に
存在するように任意の成形方法で樹脂成形体に成形で
き、これにより成形体に抗菌・防カビ性を付与すること
ができる。
【0015】
【発明の実施形態】一般に、ある分子Aが他の分子Bを
内部に取り組み、包接体を形成するとき、分子Aをホス
ト分子、分子Bをゲスト分子と呼ぶ。本発明では、ホス
ト分子としてシクロデキストリンを選択し、ゲスト分子
として、ヨードホールと2−(4−チァゾリル)−ベン
ズイミダゾールとの混合物を選択し、これらを組み合わ
せて包接体とする。これにより、ヨードホールが持つ優
れた抗菌性と2−(4−チァゾリル)−ベンズイミダゾ
ールが持つ優れた防カビ性との両方の特性を保持しなが
ら、熱可塑性樹脂に添加してもフリードアウトせず、水
や油に対する分散性を向上させ、尚且つ抗菌性及び防カ
ビ性の持続性を向上させることができる。
内部に取り組み、包接体を形成するとき、分子Aをホス
ト分子、分子Bをゲスト分子と呼ぶ。本発明では、ホス
ト分子としてシクロデキストリンを選択し、ゲスト分子
として、ヨードホールと2−(4−チァゾリル)−ベン
ズイミダゾールとの混合物を選択し、これらを組み合わ
せて包接体とする。これにより、ヨードホールが持つ優
れた抗菌性と2−(4−チァゾリル)−ベンズイミダゾ
ールが持つ優れた防カビ性との両方の特性を保持しなが
ら、熱可塑性樹脂に添加してもフリードアウトせず、水
や油に対する分散性を向上させ、尚且つ抗菌性及び防カ
ビ性の持続性を向上させることができる。
【0016】2−(4−チァゾリル)−ベンズイミダゾ
ールは水に入れると殆ど溶解または分散せず水の表面に
浮き分離する。それに対して2−(4−チァゾリル)−
ベンズイミダゾールをシクロデキシトリンに包接させた
ものは水に対する分散性が非常に改善され、低濃度から
高濃度まで任意の割合で分散が可能となり、且つ安定化
させることができる。
ールは水に入れると殆ど溶解または分散せず水の表面に
浮き分離する。それに対して2−(4−チァゾリル)−
ベンズイミダゾールをシクロデキシトリンに包接させた
ものは水に対する分散性が非常に改善され、低濃度から
高濃度まで任意の割合で分散が可能となり、且つ安定化
させることができる。
【0017】ヨードホールは抗菌性が非常に優れている
が、防カビ性が弱く、特に黒コウジカビ等に対しては低
濃度域では効果が少ない。このヨードホールと2−(4
−チァゾリル)−ベンズイミダゾールとの混合物をシク
ロデキストリンに包接させたものは、低濃度域でヨード
ホールが持つ優れた抗菌性と2−(4−チァゾリル)−
ベンズイミダゾールが持つ優れた防カビ性との両方の特
性を兼ね備え持ち、更にヨードホールと2−(4−チァ
ゾリル)−ベンズイミダゾールとの混合物そのものでは
水に分散させても互いに相溶せず分離してしまうのが、
包接体とすることによって両者が一体化され、しかも熱
可塑性樹脂に添加してもブリードアウトせず、また水や
油に対しても任意の割合で分散し、安定化するという驚
くべき結果を示している。
が、防カビ性が弱く、特に黒コウジカビ等に対しては低
濃度域では効果が少ない。このヨードホールと2−(4
−チァゾリル)−ベンズイミダゾールとの混合物をシク
ロデキストリンに包接させたものは、低濃度域でヨード
ホールが持つ優れた抗菌性と2−(4−チァゾリル)−
ベンズイミダゾールが持つ優れた防カビ性との両方の特
性を兼ね備え持ち、更にヨードホールと2−(4−チァ
ゾリル)−ベンズイミダゾールとの混合物そのものでは
水に分散させても互いに相溶せず分離してしまうのが、
包接体とすることによって両者が一体化され、しかも熱
可塑性樹脂に添加してもブリードアウトせず、また水や
油に対しても任意の割合で分散し、安定化するという驚
くべき結果を示している。
【0018】ヨードホールの代表例であるポビドンヨー
ドと2−(4−チァゾリル)−ベンズイミダゾールとの
混合物そのものをポリエチレン樹脂に配合した場合、分
散性が悪く、また成形加工製品の表面にポビドンヨード
および2−(4−チァゾリル)−ベンズイミダゾールが
ブリードアウトし、白濁したり、ベトつき等の問題が発
生するが、ポビドンヨードと2−(4−チァゾリル)−
ベンズイミダゾールとの混合物をシクロデキストリンに
包接させたものをポリエチレン樹脂に配合すると、分散
性が向上し、更に得られた樹脂成形体ではポビドンヨー
ドおよび2−(4−チァゾリル)−ベンズイミダゾール
のブリードアウトは認められず、抗菌試験の結果では、
優れた抗菌・防カビ性と長期にわたる抗菌作用の持続性
を示すものである。
ドと2−(4−チァゾリル)−ベンズイミダゾールとの
混合物そのものをポリエチレン樹脂に配合した場合、分
散性が悪く、また成形加工製品の表面にポビドンヨード
および2−(4−チァゾリル)−ベンズイミダゾールが
ブリードアウトし、白濁したり、ベトつき等の問題が発
生するが、ポビドンヨードと2−(4−チァゾリル)−
ベンズイミダゾールとの混合物をシクロデキストリンに
包接させたものをポリエチレン樹脂に配合すると、分散
性が向上し、更に得られた樹脂成形体ではポビドンヨー
ドおよび2−(4−チァゾリル)−ベンズイミダゾール
のブリードアウトは認められず、抗菌試験の結果では、
優れた抗菌・防カビ性と長期にわたる抗菌作用の持続性
を示すものである。
【0019】シクロデキシトリンは、グルコースがα−
1,4結合で環状に結合した分子式が(C6H
10O5)nで表される非還元性のオリゴ糖であり、グ
ルコースが環状に結合したドーナツ状の分子となってお
り、その中心孔の中に種々の分子が入り得るようになっ
ている。
1,4結合で環状に結合した分子式が(C6H
10O5)nで表される非還元性のオリゴ糖であり、グ
ルコースが環状に結合したドーナツ状の分子となってお
り、その中心孔の中に種々の分子が入り得るようになっ
ている。
【0020】グルコースの結合数nが6、7及び8のも
のがそれぞれα−、β−及びγ−シクロデキシトリンと
して知られており、空孔の直径はこの順序で大きくなっ
ており、これを示すと次の通りとなる。 種 類 グルコース単位の数 空孔径(オングストローム) α 6 4.5 β 7 6.0 γ 8 8.5
のがそれぞれα−、β−及びγ−シクロデキシトリンと
して知られており、空孔の直径はこの順序で大きくなっ
ており、これを示すと次の通りとなる。 種 類 グルコース単位の数 空孔径(オングストローム) α 6 4.5 β 7 6.0 γ 8 8.5
【0021】シクロデキストリンは、円錐台形の形状を
有しており、狭い方の口にグルコース単位の1級水酸基
が位置しており、広い方の口に2級水酸基が位置してい
て、水になじみやすい構造となっていると共に、両方の
水酸基で挟まれているシクロデキストリンの壁が水をは
じく疎水性の壁となっている。
有しており、狭い方の口にグルコース単位の1級水酸基
が位置しており、広い方の口に2級水酸基が位置してい
て、水になじみやすい構造となっていると共に、両方の
水酸基で挟まれているシクロデキストリンの壁が水をは
じく疎水性の壁となっている。
【0022】本発明において、シクロデキストリンとし
ては、前に述べたものがいずれも使用され、α型、β
型、或いはγ型のシクロデキストリンが単独で或いは2
種以上の組み合わせで使用される。
ては、前に述べたものがいずれも使用され、α型、β
型、或いはγ型のシクロデキストリンが単独で或いは2
種以上の組み合わせで使用される。
【0023】シクロデキストリンの誘導体も各種知られ
てあり、これらの誘導体も勿論本発明の目的に使用でき
る。これらの誘導体としては、分岐シクロデキストリン
や修飾シクロデキストリン、更にはシクロデキストリン
ポリマー等が挙げられる。
てあり、これらの誘導体も勿論本発明の目的に使用でき
る。これらの誘導体としては、分岐シクロデキストリン
や修飾シクロデキストリン、更にはシクロデキストリン
ポリマー等が挙げられる。
【0024】本発明において、ヨードホールとしては、
それ自体公知の任意のヨードホール製剤が使用され、こ
のヨードホールは殺菌作用を有するが、ヨウ素に固有の
不快臭を有しない複合体から成っている。この複合体で
は、重合体や界面活性剤から成る担体にヨウ素がコンプ
レックスの形で組み込まれている。
それ自体公知の任意のヨードホール製剤が使用され、こ
のヨードホールは殺菌作用を有するが、ヨウ素に固有の
不快臭を有しない複合体から成っている。この複合体で
は、重合体や界面活性剤から成る担体にヨウ素がコンプ
レックスの形で組み込まれている。
【0025】ヨードホール製剤の具体的なものとして
は、ポビドンヨード(ポリビニルピロリドン・ヨウ素錯
体)、ヨウ素・アルキルポリエーテルアルコール錯体
(G.S.I.)、ポリエトキシポリプロポキシポリエ
トキシエタノール・ヨウ素錯体(Iocline)、ノ
ニルフェノキシポリエトキシエタノール・ヨウ素錯体、
ポリオキシエチレン付加植物油・ヨウ素錯体、ポリオキ
シエチレン付加脂肪酸・ヨウ素錯体、ポリオキシエチレ
ン付加脂肪アルコール・ヨウ素錯体、脂肪酸アミド・ヨ
ウ素錯体、第4級有機アンモニウム・ヨウ素錯体等が挙
げられるが、ポビドンヨードが好適である。
は、ポビドンヨード(ポリビニルピロリドン・ヨウ素錯
体)、ヨウ素・アルキルポリエーテルアルコール錯体
(G.S.I.)、ポリエトキシポリプロポキシポリエ
トキシエタノール・ヨウ素錯体(Iocline)、ノ
ニルフェノキシポリエトキシエタノール・ヨウ素錯体、
ポリオキシエチレン付加植物油・ヨウ素錯体、ポリオキ
シエチレン付加脂肪酸・ヨウ素錯体、ポリオキシエチレ
ン付加脂肪アルコール・ヨウ素錯体、脂肪酸アミド・ヨ
ウ素錯体、第4級有機アンモニウム・ヨウ素錯体等が挙
げられるが、ポビドンヨードが好適である。
【0026】ポビドンヨードが8〜13重量%の有効ヨ
ウ素を有するものが、抗菌性やその持続性の点で有利で
あり、有効ヨウ素量が上記範囲よりも少ないものでは、
抗菌性が不十分であり、、一方上記範囲よりも多いもの
では安定性が低かったり、臭いの点で不満足である。
ウ素を有するものが、抗菌性やその持続性の点で有利で
あり、有効ヨウ素量が上記範囲よりも少ないものでは、
抗菌性が不十分であり、、一方上記範囲よりも多いもの
では安定性が低かったり、臭いの点で不満足である。
【0027】本発明において、2−(4−チァゾリル)
−ベンズイミダゾールとは化学式C10H7N3Sで表
され、チァベンダゾールまたはTBZとして知られ、広
範囲のカビ類に低濃度で有効であることが確認されてい
るものである。その上、2−(4−チァゾリル)−ベン
ズイミダゾールは安全性が高く、厚生省令で食品添加物
として許可されているのを始め、FDA,EPA等で同
様の許可を受けている。
−ベンズイミダゾールとは化学式C10H7N3Sで表
され、チァベンダゾールまたはTBZとして知られ、広
範囲のカビ類に低濃度で有効であることが確認されてい
るものである。その上、2−(4−チァゾリル)−ベン
ズイミダゾールは安全性が高く、厚生省令で食品添加物
として許可されているのを始め、FDA,EPA等で同
様の許可を受けている。
【0028】本発明において、ヨードホールと2−(4
−チァゾリル)−ベンズイミダゾールとの混合比率は特
に限定はないが99:1〜1:99、特に90:10〜
10:90とするのが望ましい。この混合比率は抗菌性
と防カビ性との要求度合いに応じて選定する。例えば防
カビ性をより重視するときは2−(4−チァゾリル)−
ベンズイミダゾールの比率を多くすればよい。
−チァゾリル)−ベンズイミダゾールとの混合比率は特
に限定はないが99:1〜1:99、特に90:10〜
10:90とするのが望ましい。この混合比率は抗菌性
と防カビ性との要求度合いに応じて選定する。例えば防
カビ性をより重視するときは2−(4−チァゾリル)−
ベンズイミダゾールの比率を多くすればよい。
【0029】
【包接体及びその製法】本発明の包接体は、シクロデキ
シトリンと、ヨードホールと2−(4−チァゾリル)−
ベンズイミダゾールとの混合物とを水の存在下に接触さ
せることにより、容易に行われる。一般に、シクロデキ
シトリン及びヨードホール・2−(4−チァゾリル)−
ベンズイミダゾールを水溶液中で緊密に混合し、包接を
行うことが推奨される。ヨードホールと2−(4−チァ
ゾリル)−ベンズイミダゾールとの混合物をシクロデキ
シトリンで包接するときは、ヨードホール水溶液中に、
2−(4−チァゾリル)−ベンズイミダゾールとシクロ
デキシトリンとを混合した乳化液として加え均一に混合
し、包接することが望ましい。
シトリンと、ヨードホールと2−(4−チァゾリル)−
ベンズイミダゾールとの混合物とを水の存在下に接触さ
せることにより、容易に行われる。一般に、シクロデキ
シトリン及びヨードホール・2−(4−チァゾリル)−
ベンズイミダゾールを水溶液中で緊密に混合し、包接を
行うことが推奨される。ヨードホールと2−(4−チァ
ゾリル)−ベンズイミダゾールとの混合物をシクロデキ
シトリンで包接するときは、ヨードホール水溶液中に、
2−(4−チァゾリル)−ベンズイミダゾールとシクロ
デキシトリンとを混合した乳化液として加え均一に混合
し、包接することが望ましい。
【0030】包接処理は、一般に常温で行うことが好ま
しく、ホモジナイザー等の混合機を用いて均一な撹拌を
行いながら、処理を行うのがよい。
しく、ホモジナイザー等の混合機を用いて均一な撹拌を
行いながら、処理を行うのがよい。
【0031】シクロデキシトリンと、ヨードホールと2
−(4−チァゾリル)−ベンズイミダゾールとの混合物
とが95:5〜50:50、特に90:10〜60:4
0の重量比で混合するのが好ましく、ヨードホールと2
−(4−チァゾリル)−ベンズイミダゾールとの混合物
の量が上記範囲よりも多いと、最終包接体の水に対する
分散性が低下する傾向があり、一方上記範囲よりも少な
いと、最終包接体の抗菌・防カビ作用が上記範囲にある
ものよりも低下する傾向がある。
−(4−チァゾリル)−ベンズイミダゾールとの混合物
とが95:5〜50:50、特に90:10〜60:4
0の重量比で混合するのが好ましく、ヨードホールと2
−(4−チァゾリル)−ベンズイミダゾールとの混合物
の量が上記範囲よりも多いと、最終包接体の水に対する
分散性が低下する傾向があり、一方上記範囲よりも少な
いと、最終包接体の抗菌・防カビ作用が上記範囲にある
ものよりも低下する傾向がある。
【0032】得られた包接体を含む溶液は、これを乾燥
して包接体の粉粒体とすることができる。乾燥には、ス
プレードライヤーによる乾燥や、凍結乾燥等を用いるこ
とができる。本発明の包接体は、スプレー乾燥時に13
0℃程度の加熱を受けても、ヨードホールの有効ヨウ素
量および2−(4−チァゾリル)−ベンズイミダゾール
の有効成分が実質的に低下することなく、製造が容易で
あり、抗菌及び防カビ効果が持続されるという利点を与
える。
して包接体の粉粒体とすることができる。乾燥には、ス
プレードライヤーによる乾燥や、凍結乾燥等を用いるこ
とができる。本発明の包接体は、スプレー乾燥時に13
0℃程度の加熱を受けても、ヨードホールの有効ヨウ素
量および2−(4−チァゾリル)−ベンズイミダゾール
の有効成分が実質的に低下することなく、製造が容易で
あり、抗菌及び防カビ効果が持続されるという利点を与
える。
【0033】[抗菌・防カビ剤]本発明による抗菌・防
カビ剤は、ヨードホールと2−(4−チァゾリル)−ベ
ンズイミダゾールが均一に混合された状態でシクロデキ
ストリン中に組み込まれた包接体として一体化されてお
り、以下のような特性を有している。 1)ヨードホールが持つ優れた抗菌性と2−(4−チァ
ゾリル)−ベンズイミダゾールが持つ優れた防カビ性の
両方の特性を兼ね備えている。 2)抗菌・防カビ剤の有効成分(有効ヨウ素、イミダゾ
ール)が徐放性であり、抗菌・防カビ効果が長期間持続
する。 3)熱可塑性樹脂に配合した場合,均一に分散し、ブリ
ードアウトせず、少量の添加量で優れた抗菌・防カビ性
が付与される。 4)水や油に対する分散性が良好であり、溶液状として
各種素材に添加また塗布することによって抗菌・防カビ
性を付与することが可能である。
カビ剤は、ヨードホールと2−(4−チァゾリル)−ベ
ンズイミダゾールが均一に混合された状態でシクロデキ
ストリン中に組み込まれた包接体として一体化されてお
り、以下のような特性を有している。 1)ヨードホールが持つ優れた抗菌性と2−(4−チァ
ゾリル)−ベンズイミダゾールが持つ優れた防カビ性の
両方の特性を兼ね備えている。 2)抗菌・防カビ剤の有効成分(有効ヨウ素、イミダゾ
ール)が徐放性であり、抗菌・防カビ効果が長期間持続
する。 3)熱可塑性樹脂に配合した場合,均一に分散し、ブリ
ードアウトせず、少量の添加量で優れた抗菌・防カビ性
が付与される。 4)水や油に対する分散性が良好であり、溶液状として
各種素材に添加また塗布することによって抗菌・防カビ
性を付与することが可能である。
【0034】本発明による抗菌・防カビ剤は包接体とな
っているが抗菌効果はヨードホールおよび2−(4−チ
ァゾリル)−ベンズイミダゾール自体と同様の効果を有
する。
っているが抗菌効果はヨードホールおよび2−(4−チ
ァゾリル)−ベンズイミダゾール自体と同様の効果を有
する。
【0035】ポビドンヨードおよび2−(4−チァゾリ
ル)−ベンズイミダゾールを例に公知のデーターを参照
すると、 細菌種:S.aureus,S.faecalis,
E.coli,k.pneumoniae,S,mar
cescens,P.mirabilis,P.aer
uginosa,に対して、抗菌効果(0.01%水溶
液、1分、死滅)があり、 真菌種:C.albicans−typeA,−B,
C.tropicalis,C.stellatiod
ea,C.guilliermondii,C.par
apsolosis,C.krusei,T.glab
rata,Cr.neoformans,に対して、抗
菌効果(0.005%水溶液、5分、死滅)があり、 ウィルス:単純ヘルペス、ヒト免疫不全(HIV),コ
クサッキー、エコー、インフルエンザに対して、抗ウィ
ルス、効果(0.1−0.02%水溶液、15〜60
秒、ウィルス感染価10−2.8〜10−1)がある。 更に、上記以外の細菌種(グラム陰性菌、グラム陽性
菌、抗酸菌、眞菌、ウィルス、原生動物)に対しても、
抗菌作用を示す。また、2−(4−チァゾリル)−ベン
ズイミダゾールのAspergillusniger,
Aspergillusoryzae,Chaetom
iumglobosum,Trichoderma v
iride,Aspergillus terreu
s,等の菌種に対する最小発育阻止濃度は25ppm以
下である。
ル)−ベンズイミダゾールを例に公知のデーターを参照
すると、 細菌種:S.aureus,S.faecalis,
E.coli,k.pneumoniae,S,mar
cescens,P.mirabilis,P.aer
uginosa,に対して、抗菌効果(0.01%水溶
液、1分、死滅)があり、 真菌種:C.albicans−typeA,−B,
C.tropicalis,C.stellatiod
ea,C.guilliermondii,C.par
apsolosis,C.krusei,T.glab
rata,Cr.neoformans,に対して、抗
菌効果(0.005%水溶液、5分、死滅)があり、 ウィルス:単純ヘルペス、ヒト免疫不全(HIV),コ
クサッキー、エコー、インフルエンザに対して、抗ウィ
ルス、効果(0.1−0.02%水溶液、15〜60
秒、ウィルス感染価10−2.8〜10−1)がある。 更に、上記以外の細菌種(グラム陰性菌、グラム陽性
菌、抗酸菌、眞菌、ウィルス、原生動物)に対しても、
抗菌作用を示す。また、2−(4−チァゾリル)−ベン
ズイミダゾールのAspergillusniger,
Aspergillusoryzae,Chaetom
iumglobosum,Trichoderma v
iride,Aspergillus terreu
s,等の菌種に対する最小発育阻止濃度は25ppm以
下である。
【0035】本発明の抗菌・防カビ剤は粉体、粒体、成
形体或いは液体等の任意の形で、抗菌・防カビ性が要求
される用途に使用することができる。
形体或いは液体等の任意の形で、抗菌・防カビ性が要求
される用途に使用することができる。
【0036】抗菌・防カビ剤の必要な量は、要求される
抗菌作用或いは防カビ作用の程度によっても相違するが
一般に0.005〜3%、特に0.01〜2%の有効成
分(有効ヨウ素、2−(4−チァゾリル)−ベンズイミ
ダゾール)量を供給するようなものであればよい。
抗菌作用或いは防カビ作用の程度によっても相違するが
一般に0.005〜3%、特に0.01〜2%の有効成
分(有効ヨウ素、2−(4−チァゾリル)−ベンズイミ
ダゾール)量を供給するようなものであればよい。
【0037】[熱可塑性樹脂組成物]本発明の別の態様
によれば、熱可塑性樹脂或いはエラストマーに、前記包
接体を配合して成る熱可塑性樹脂組成物が提供され、こ
れにより抗菌・防カビ性の熱可塑性樹脂成形品が得られ
る。
によれば、熱可塑性樹脂或いはエラストマーに、前記包
接体を配合して成る熱可塑性樹脂組成物が提供され、こ
れにより抗菌・防カビ性の熱可塑性樹脂成形品が得られ
る。
【0038】熱可塑性樹脂としては、メタロセン触媒を
使用して合成した樹脂はもちろんのこと、例えば低密度
ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1
−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン或いはエチレ
ン、ピロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテ
ン等のα−オレフィン同士のランダム或いはブロック共
重合体等のポリオレフィン、エチレン・酢酸ビニル共重
合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、エチレン
・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニル化合物共重合
体、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合
体、ABS、α−メチルスチレン・スチレン共重合体等
のスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、塩化ビニル、塩化ビニリデン共重合体、ポリアクリ
ル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等の化合物、ナイ
ロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン
11、ナイロン12等のポリアミド、ポリエチレンテレ
フタレート等の熱可塑性ポリエステル、ポリカーボネイ
ト、ポリフェニリンオキサイド等或いはそれらの混合物
のいずれの樹脂でもよい。勿論、生分解性樹脂を用いる
ことにより、環境に優しい樹脂成形品を提供することも
できる。
使用して合成した樹脂はもちろんのこと、例えば低密度
ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1
−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン或いはエチレ
ン、ピロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテ
ン等のα−オレフィン同士のランダム或いはブロック共
重合体等のポリオレフィン、エチレン・酢酸ビニル共重
合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、エチレン
・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニル化合物共重合
体、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合
体、ABS、α−メチルスチレン・スチレン共重合体等
のスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、塩化ビニル、塩化ビニリデン共重合体、ポリアクリ
ル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等の化合物、ナイ
ロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン
11、ナイロン12等のポリアミド、ポリエチレンテレ
フタレート等の熱可塑性ポリエステル、ポリカーボネイ
ト、ポリフェニリンオキサイド等或いはそれらの混合物
のいずれの樹脂でもよい。勿論、生分解性樹脂を用いる
ことにより、環境に優しい樹脂成形品を提供することも
できる。
【0039】エラストマー重合体としては、例えばニト
リル−ブタジエンゴム(NBR)、スチレン−ブタジエ
ンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ポリブ
タジエン(BR)、ポリイソプレン(IIB)、エチレ
ン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、ポリウレタ
ン、シリコーンゴム、アクリルゴム等;熱可塑性エラス
トマー、例えばスチレン−ブタジエン−スチレンブロッ
ク共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック
共重合体、水素化スチレン−イソプレン−スチレンブロ
ック共重合体等が挙げられる。これらの中でも、炭化水
素系エラストマー、特にEPRやEPDMは好適なもの
である。勿論、これらは2種以上のブレンド物の形で使
用することもできる。
リル−ブタジエンゴム(NBR)、スチレン−ブタジエ
ンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ポリブ
タジエン(BR)、ポリイソプレン(IIB)、エチレ
ン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、ポリウレタ
ン、シリコーンゴム、アクリルゴム等;熱可塑性エラス
トマー、例えばスチレン−ブタジエン−スチレンブロッ
ク共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック
共重合体、水素化スチレン−イソプレン−スチレンブロ
ック共重合体等が挙げられる。これらの中でも、炭化水
素系エラストマー、特にEPRやEPDMは好適なもの
である。勿論、これらは2種以上のブレンド物の形で使
用することもできる。
【0040】熱可塑性樹脂エラストマー100重量部当
たり、前記包接体を0.1〜30重量部配合する事が好
ましく、これにより抗菌・防カビ性を有する熱可塑性樹
脂成形品を得ることができる。熱可塑性樹脂にヨードホ
ールと2−(4−チァゾリル)−ベンズイミダゾールと
の混合物0.01〜20重量部を直接混練することもで
きるが分散性が悪く、添加量が多くなるとブリードを起
こす。これに対して、本発明の包接体を配合すると、樹
脂中への分散性が良好であり、多量に添加してもブリー
ドが起こらず、ヨードホールの熱劣化も抑制され、この
熱可塑性樹脂組成物の成形品は、種々の特性に優れてい
る。
たり、前記包接体を0.1〜30重量部配合する事が好
ましく、これにより抗菌・防カビ性を有する熱可塑性樹
脂成形品を得ることができる。熱可塑性樹脂にヨードホ
ールと2−(4−チァゾリル)−ベンズイミダゾールと
の混合物0.01〜20重量部を直接混練することもで
きるが分散性が悪く、添加量が多くなるとブリードを起
こす。これに対して、本発明の包接体を配合すると、樹
脂中への分散性が良好であり、多量に添加してもブリー
ドが起こらず、ヨードホールの熱劣化も抑制され、この
熱可塑性樹脂組成物の成形品は、種々の特性に優れてい
る。
【0041】熱可塑性樹脂への包接体の配合には、いわ
ゆるドライブレンドやメルトブレンド方式を採用でき、
更に包接体を比較的高濃度で含有するマスターバッチを
作成して、未配合の樹脂にブレンドする方法を採用する
こともできる。
ゆるドライブレンドやメルトブレンド方式を採用でき、
更に包接体を比較的高濃度で含有するマスターバッチを
作成して、未配合の樹脂にブレンドする方法を採用する
こともできる。
【0042】混練は、樹脂が融溶する温度で、比較的低
温で行うのが望ましく、200℃以下の温度が好まし
い。混練を比較的低温で行うために、可塑剤、分散剤を
用いるのが好ましく、いわゆる塩化ビニール樹脂等のプ
ラスチゾルを用いることができる。
温で行うのが望ましく、200℃以下の温度が好まし
い。混練を比較的低温で行うために、可塑剤、分散剤を
用いるのが好ましく、いわゆる塩化ビニール樹脂等のプ
ラスチゾルを用いることができる。
【0043】熱可塑性樹脂組成物の成形には、押出成形
によるフィルム、シート、パイプ、繊維、ネット等の成
形、ブロー成形によるタンク、容器等の成形、射出成形
による各種ハウジング、建材、機械部品等の成形、カレ
ンダー成形によるシートの成形等が用いられ、成形され
た成形品は優れた抗菌・防カビ性を有している。勿論、
共押出、或いは共射出等により、表面層のみが包接体が
配合されている積層体から成る熱可塑性樹脂成形品とす
る事も出来る。
によるフィルム、シート、パイプ、繊維、ネット等の成
形、ブロー成形によるタンク、容器等の成形、射出成形
による各種ハウジング、建材、機械部品等の成形、カレ
ンダー成形によるシートの成形等が用いられ、成形され
た成形品は優れた抗菌・防カビ性を有している。勿論、
共押出、或いは共射出等により、表面層のみが包接体が
配合されている積層体から成る熱可塑性樹脂成形品とす
る事も出来る。
【0044】本発明の包接体を、それ自体公知の塗料中
に配合して、抗菌・防カビ剤塗料ないし被覆組成物とす
ることもできる。塗料としては、樹脂の種類から、ニト
ロセルロース塗料、アルキット樹脂塗料、アミノアルキ
ッド塗料、ビニル樹脂塗料、アクリル樹脂塗料、エポキ
シ樹脂塗料、ポリエステル樹脂塗料、塩化ゴム系塗料の
他に、フェノール系レジン、変性フェノール系レジン、
アルキト系レジン、ビニリ系レジン、石油レジン、エポ
キシ系レジン、ポリエステル系レジン、スチレン系レジ
ン、シリコーン系レジン、塩素化物系レジン、ウレタン
系レジン、ポリアミド系レジン、ポリイミド系レジン、
フッ素系レジン等の1種或いは2種以上を含有する塗料
が挙げられる。
に配合して、抗菌・防カビ剤塗料ないし被覆組成物とす
ることもできる。塗料としては、樹脂の種類から、ニト
ロセルロース塗料、アルキット樹脂塗料、アミノアルキ
ッド塗料、ビニル樹脂塗料、アクリル樹脂塗料、エポキ
シ樹脂塗料、ポリエステル樹脂塗料、塩化ゴム系塗料の
他に、フェノール系レジン、変性フェノール系レジン、
アルキト系レジン、ビニリ系レジン、石油レジン、エポ
キシ系レジン、ポリエステル系レジン、スチレン系レジ
ン、シリコーン系レジン、塩素化物系レジン、ウレタン
系レジン、ポリアミド系レジン、ポリイミド系レジン、
フッ素系レジン等の1種或いは2種以上を含有する塗料
が挙げられる。
【0045】また、塗料は、その用い方によって、溶剤
型塗料、水性塗料、紫外線硬化型塗料、粉体塗料等の任
意の物であってよい。塗料乃至被覆材中の包接体の濃度
は、熱可塑性樹脂組成物のそれに準じてよい。
型塗料、水性塗料、紫外線硬化型塗料、粉体塗料等の任
意の物であってよい。塗料乃至被覆材中の包接体の濃度
は、熱可塑性樹脂組成物のそれに準じてよい。
【0046】
【実施例】本発明を以下、実施例により更に詳しく説明
するが、本発明の範囲はこれに限定されるものではな
い。
するが、本発明の範囲はこれに限定されるものではな
い。
【0047】(有効ヨウ素量測定)含ヨウ素化合物形成
体の消毒、殺菌効果はヨウ素(I2)自体であり、従っ
て当該供試体の内、有効ヨウ素量(ヨウ素分子自体)を
下記の方法で評価する必要がある。有効ヨウ素量は、
1.0gの試料粉末を水30mlに懸濁させ、0.00
5Nチオ硫酸ナトリウム液でのヨウ素−デンプン反応滴
定で試料粉末中の有効ヨウ素量(AI)%を定量した。
(日本薬局方に準拠)
体の消毒、殺菌効果はヨウ素(I2)自体であり、従っ
て当該供試体の内、有効ヨウ素量(ヨウ素分子自体)を
下記の方法で評価する必要がある。有効ヨウ素量は、
1.0gの試料粉末を水30mlに懸濁させ、0.00
5Nチオ硫酸ナトリウム液でのヨウ素−デンプン反応滴
定で試料粉末中の有効ヨウ素量(AI)%を定量した。
(日本薬局方に準拠)
【0048】(熱安定性測定)試料粉末を150℃に加
熱し、加熱時間15、30、45、60分での有効ヨウ
素の保持率を測定した。[2−(4−チャゾリル)−ベ
ンズイミダゾールの耐熱性が300℃以上であるため、
本発明品の熱安定性はヨウ素化合物の熱安定性で評価し
た。]
熱し、加熱時間15、30、45、60分での有効ヨウ
素の保持率を測定した。[2−(4−チャゾリル)−ベ
ンズイミダゾールの耐熱性が300℃以上であるため、
本発明品の熱安定性はヨウ素化合物の熱安定性で評価し
た。]
【0049】(溶液安定性測定)各試料の有効ヨウ素量
が0.05%となるように水溶液とし、37℃にて2週
間放置し、有効ヨウ素保持率を比較する。有効ヨウ素量
の測定は水溶液サンプル25mlに対して0.005N
のチオ硫酸ナトリウムでのヨウ素−デンプン反応滴定に
より行う。尚、後述する試料2と3はヨウ素−デンプン
反応を示さないため、水溶液サンプル自体の色の消失を
もって滴定終点とした。
が0.05%となるように水溶液とし、37℃にて2週
間放置し、有効ヨウ素保持率を比較する。有効ヨウ素量
の測定は水溶液サンプル25mlに対して0.005N
のチオ硫酸ナトリウムでのヨウ素−デンプン反応滴定に
より行う。尚、後述する試料2と3はヨウ素−デンプン
反応を示さないため、水溶液サンプル自体の色の消失を
もって滴定終点とした。
【0050】(有効ヨウ素量を指標とした有機物質に対
する安定性測定)各試料が有効ヨウ素量0.1%又は
0.05%となるように水に溶解し、ゼラチンを0.5
%分加えて懸濁液とし、室温にて1時間振とう又は2日
間放置後、ゼラチンを瀘過し、有効ヨウ素量の測定は、
水溶液サンプル25mlに対して0.005Nのチオ硫
酸ナトリウムでのヨウ素−デンプン反応滴定により行
う。尚、後述する試料2と3はヨウ素−デンプン反応を
示さないため、水溶液サンプル自体の色の消失をもって
滴定終点とした。また試料3はゼラチンと接すると微粒
子のまま溶出するのでゼラチン沈殿後の上澄液の部分を
25ml分取して定量した。
する安定性測定)各試料が有効ヨウ素量0.1%又は
0.05%となるように水に溶解し、ゼラチンを0.5
%分加えて懸濁液とし、室温にて1時間振とう又は2日
間放置後、ゼラチンを瀘過し、有効ヨウ素量の測定は、
水溶液サンプル25mlに対して0.005Nのチオ硫
酸ナトリウムでのヨウ素−デンプン反応滴定により行
う。尚、後述する試料2と3はヨウ素−デンプン反応を
示さないため、水溶液サンプル自体の色の消失をもって
滴定終点とした。また試料3はゼラチンと接すると微粒
子のまま溶出するのでゼラチン沈殿後の上澄液の部分を
25ml分取して定量した。
【0051】(抗菌活性を指標とした有機物質に対する
安定性測定)各試料の10%水溶液に有機物として馬血
清をそれぞれ5%,10%,20%となるように添加し
試料溶液を得る、1時間放置後、抗菌活性を測定した。
比較対象としてポビドンヨード(ポリビニルピロリドン
・ヨウ素錯体)の1%水溶液を同様に処理した物を使用
した。有機物質による抗菌活性の失活の度合いは下記の
試験による菌の増殖防止帯幅の減少率(%)で表す。
安定性測定)各試料の10%水溶液に有機物として馬血
清をそれぞれ5%,10%,20%となるように添加し
試料溶液を得る、1時間放置後、抗菌活性を測定した。
比較対象としてポビドンヨード(ポリビニルピロリドン
・ヨウ素錯体)の1%水溶液を同様に処理した物を使用
した。有機物質による抗菌活性の失活の度合いは下記の
試験による菌の増殖防止帯幅の減少率(%)で表す。
【0052】(抗菌活性測定) 1)包接体の抗菌活性:減菌シャーレ(90mmφ)に
下記検定用寒天倍地を流し込み凝固後、全面に試験菌を
塗抹したものの中心にステンレスカップ(8mmφ)を
置き、試料(包接体)の水溶液0.2mlをカップ内に
加え、37℃で2日間培養後、菌の増殖阻止帯の形成を
観察した。 検定用寒天倍地:ペフトン 1g/L KH2PO4 3g/L NaCl 4g/L agar 15g/L pH 6.0 試験菌:Eschenchia coli Staphylococcus aureus(MRSA) また、上記被検菌を所定濃度懸濁した下記PBS5ml
に包接体0.5g添加し、25℃、24時間静置後、残
存生菌数を測定した。生菌数の測定は、被検液に等量の
1%チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、存在するヨウ素
の不活化処理を行った後、常法に従って票準寒天倍地を
使用し、培養後生じたコロニー数より算出した。 2)抗菌・防カビ性樹脂組成物の抗菌活性:ドロップ法
で測定した。4×4cmに切断した試験検体を減菌シャ
ーレ中央付近に置き、試験検体上に試験検体と同サイズ
に切断し、乾熱減菌(120℃、3時間)吸収紙をの
せ、下記試験菌液1.0mlを吸収紙上に接種し、24
時間、28±2℃に調節した恒温槽内で培養し、生菌数
の増減を下記計測法で計測した。 試験菌液:E.coli,MRSAを肉汁培養液(肉エ
キス5.0g,ペプトン10.0g,塩化ナトリウム
5.0gを1000ml蒸留水に溶解させた後、121
℃,15minのオートクレーブで減菌したもの)中で
培養させ、生理食塩水を用いて、約10個/mlに調整
したもの。 生菌数計測:前記試験液を生理食塩水を用いて、10,
102〜104倍まで順次希釈し、シャーレに1mlず
つ分注した後、肉汁寒天倍地を加えよく撹拌、放置し、
倍地が固化した後、シャーレを倒置して、28±2℃に
調整した恒温槽に入れ、2日間培養した。培養後育成し
た菌のコロニー数を数えて生菌数を求めた。
下記検定用寒天倍地を流し込み凝固後、全面に試験菌を
塗抹したものの中心にステンレスカップ(8mmφ)を
置き、試料(包接体)の水溶液0.2mlをカップ内に
加え、37℃で2日間培養後、菌の増殖阻止帯の形成を
観察した。 検定用寒天倍地:ペフトン 1g/L KH2PO4 3g/L NaCl 4g/L agar 15g/L pH 6.0 試験菌:Eschenchia coli Staphylococcus aureus(MRSA) また、上記被検菌を所定濃度懸濁した下記PBS5ml
に包接体0.5g添加し、25℃、24時間静置後、残
存生菌数を測定した。生菌数の測定は、被検液に等量の
1%チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、存在するヨウ素
の不活化処理を行った後、常法に従って票準寒天倍地を
使用し、培養後生じたコロニー数より算出した。 2)抗菌・防カビ性樹脂組成物の抗菌活性:ドロップ法
で測定した。4×4cmに切断した試験検体を減菌シャ
ーレ中央付近に置き、試験検体上に試験検体と同サイズ
に切断し、乾熱減菌(120℃、3時間)吸収紙をの
せ、下記試験菌液1.0mlを吸収紙上に接種し、24
時間、28±2℃に調節した恒温槽内で培養し、生菌数
の増減を下記計測法で計測した。 試験菌液:E.coli,MRSAを肉汁培養液(肉エ
キス5.0g,ペプトン10.0g,塩化ナトリウム
5.0gを1000ml蒸留水に溶解させた後、121
℃,15minのオートクレーブで減菌したもの)中で
培養させ、生理食塩水を用いて、約10個/mlに調整
したもの。 生菌数計測:前記試験液を生理食塩水を用いて、10,
102〜104倍まで順次希釈し、シャーレに1mlず
つ分注した後、肉汁寒天倍地を加えよく撹拌、放置し、
倍地が固化した後、シャーレを倒置して、28±2℃に
調整した恒温槽に入れ、2日間培養した。培養後育成し
た菌のコロニー数を数えて生菌数を求めた。
【0053】(カビ抵抗性測定) 1)包接体のカビ抵抗:PDA法に準じて測定した。減
菌シャーレに下記ポテトデキストロース寒天倍地20m
lを流し込み凝固させた。下記胞子懸濁液0.3mlを
倍地全面に塗抹し乾燥させた後、その中心にステンレス
カップを置き、試験液0.2mlをカップ内に加え、3
0℃,1週間培養後菌の増殖防止帯の形成を観察した。 胞子懸濁液:下記被検菌の胞子を水30mlに1白金耳
それぞれ懸濁し、減菌瀘紙で瀘過したものを胞子懸濁液
とした。 検 菌 抹:Aspergillus niger Penicillium citrinum 2)抗菌・防カビ性樹脂組成物のカビ抵抗 ISO 846 1978(E)B法に準じて測定し
た。試験検体を下記無機塩平板倍地の中央に張り付け、
下記混合胞子懸濁液を倍地面と試験片との面に均一に1
mlまきかけ、蓋をして28±2℃に調整した恒温槽に
入れ4週間培養した。2週間後、4週間後にカビの発育
状態を下記判定基準に基づいて判定した。 無機塩平板倍地: 硫酸ナトリウム2.0g リン酸一カリウム0.7g リン酸二カリウム0.3g 硫酸マグネシウム7水和物0.5g 塩化カリウム0.5g 硫酸第一鉄7水和物0.01g ブドウ糖30.0g 寒天20.0g 水 1000ml 混合胞子懸濁液:下記組成液を三角フラスコに100m
l採り、オートクレーブで殺菌する。次に以下の試験菌
の胞子を一白金耳ずつ採り、これに加えて胞子を十分に
分散させた。内容物を乾熱減菌した瀘紙で瀘過し、別の
フラスコに受けた。 組 成 液: 硫酸ナトリウム2.0g リン酸一カリウム0.7g リン酸二カリウム0.3g 硫酸マグネシウム7水和物0.5g 塩化カリウ0.5g 硫酸第一鉄7水和物0.01g ブドウ糖30.0g 水 1000ml 試 験 菌 :Aspergillus niger Chaetomium globosum Paecilomyces variotii Penicillium funiculosum Trichoderma viride カビ抵抗性判定基準 0:50倍の実態顕微鏡で観察して、試料表面にカビの
生育が認められない。 1:試料表面に肉眼で観察して、カビの生育が認められ
ない。 2:試料表面の25%以下で、カビの生育が認められ
る。 3:試料表面の25%以上50%未満で、カビの生育が
認められる。 4:試料表面の50%以上100%未満で、カビの生育
が認められる。 5:カビの育成が試料表面を完全に覆い尽くしている。
菌シャーレに下記ポテトデキストロース寒天倍地20m
lを流し込み凝固させた。下記胞子懸濁液0.3mlを
倍地全面に塗抹し乾燥させた後、その中心にステンレス
カップを置き、試験液0.2mlをカップ内に加え、3
0℃,1週間培養後菌の増殖防止帯の形成を観察した。 胞子懸濁液:下記被検菌の胞子を水30mlに1白金耳
それぞれ懸濁し、減菌瀘紙で瀘過したものを胞子懸濁液
とした。 検 菌 抹:Aspergillus niger Penicillium citrinum 2)抗菌・防カビ性樹脂組成物のカビ抵抗 ISO 846 1978(E)B法に準じて測定し
た。試験検体を下記無機塩平板倍地の中央に張り付け、
下記混合胞子懸濁液を倍地面と試験片との面に均一に1
mlまきかけ、蓋をして28±2℃に調整した恒温槽に
入れ4週間培養した。2週間後、4週間後にカビの発育
状態を下記判定基準に基づいて判定した。 無機塩平板倍地: 硫酸ナトリウム2.0g リン酸一カリウム0.7g リン酸二カリウム0.3g 硫酸マグネシウム7水和物0.5g 塩化カリウム0.5g 硫酸第一鉄7水和物0.01g ブドウ糖30.0g 寒天20.0g 水 1000ml 混合胞子懸濁液:下記組成液を三角フラスコに100m
l採り、オートクレーブで殺菌する。次に以下の試験菌
の胞子を一白金耳ずつ採り、これに加えて胞子を十分に
分散させた。内容物を乾熱減菌した瀘紙で瀘過し、別の
フラスコに受けた。 組 成 液: 硫酸ナトリウム2.0g リン酸一カリウム0.7g リン酸二カリウム0.3g 硫酸マグネシウム7水和物0.5g 塩化カリウ0.5g 硫酸第一鉄7水和物0.01g ブドウ糖30.0g 水 1000ml 試 験 菌 :Aspergillus niger Chaetomium globosum Paecilomyces variotii Penicillium funiculosum Trichoderma viride カビ抵抗性判定基準 0:50倍の実態顕微鏡で観察して、試料表面にカビの
生育が認められない。 1:試料表面に肉眼で観察して、カビの生育が認められ
ない。 2:試料表面の25%以下で、カビの生育が認められ
る。 3:試料表面の25%以上50%未満で、カビの生育が
認められる。 4:試料表面の50%以上100%未満で、カビの生育
が認められる。 5:カビの育成が試料表面を完全に覆い尽くしている。
【0054】(分散性及びプリード発生状況測定)低密
度ポリエチレン樹脂に試料10重量%を添加し、ブラベ
ンダーを用いて150℃、5分間混練し、厚さ0.5m
mのシートを得る。各試料シート中に分散不良となって
いるスポットの量及びブリードアウトの有無を目視にて
以下の様に評価した。
度ポリエチレン樹脂に試料10重量%を添加し、ブラベ
ンダーを用いて150℃、5分間混練し、厚さ0.5m
mのシートを得る。各試料シート中に分散不良となって
いるスポットの量及びブリードアウトの有無を目視にて
以下の様に評価した。
【0055】〔実施例1〕10%エタノール水溶液70
gにポビドンヨード(日宝化学株式会社製、有効ヨウ素
量11.4%のポリビニルピロリドン−ヨウ素錯体)3
0gを溶解し、ポビドンヨード濃度30%溶液を得た。
一方、水170g中にβ−シクロデキストリン(塩水港
精糖株式会社製β−100)140gと2−(4−チァ
ゾリル)−ベンズイミダゾール(米国メルク社製、チア
ベンダゾール)30gを入れホモジナイザーで5,00
0rpmの高速撹拌を10分間行い、β−シクロデキス
トリン/2−(4−チァゾリル)−ベンズイミダゾール
混合乳化液を得た。次いで、ポビドンヨード濃度30%
溶液と前記β−シクロデキストリン/2−(4−チァゾ
リル)−ベンズイミダゾール混合乳化液とをホモジナイ
ザーを使用し、室温で回転数1,000rpm、撹拌時
間10分の条件下で包接乳化物を得た。得られた乳化物
を入り口温度200℃、出口温度90℃のディスクタイ
プのスプレードライヤーで乾燥し、β−シクロデキスト
リン70%/ポビドンード15%/2−(4−チァゾリ
ル)−ベンズイミダゾール15%の包接物乾燥粉末(試
料1)を得た。この試料の有効ヨウ素量と熱安定性を表
1に示す。また、溶液安定性、有機物質に対する安定性
を表2〜6に示す。更に、抗菌、防カビ性を表7に示
す。
gにポビドンヨード(日宝化学株式会社製、有効ヨウ素
量11.4%のポリビニルピロリドン−ヨウ素錯体)3
0gを溶解し、ポビドンヨード濃度30%溶液を得た。
一方、水170g中にβ−シクロデキストリン(塩水港
精糖株式会社製β−100)140gと2−(4−チァ
ゾリル)−ベンズイミダゾール(米国メルク社製、チア
ベンダゾール)30gを入れホモジナイザーで5,00
0rpmの高速撹拌を10分間行い、β−シクロデキス
トリン/2−(4−チァゾリル)−ベンズイミダゾール
混合乳化液を得た。次いで、ポビドンヨード濃度30%
溶液と前記β−シクロデキストリン/2−(4−チァゾ
リル)−ベンズイミダゾール混合乳化液とをホモジナイ
ザーを使用し、室温で回転数1,000rpm、撹拌時
間10分の条件下で包接乳化物を得た。得られた乳化物
を入り口温度200℃、出口温度90℃のディスクタイ
プのスプレードライヤーで乾燥し、β−シクロデキスト
リン70%/ポビドンード15%/2−(4−チァゾリ
ル)−ベンズイミダゾール15%の包接物乾燥粉末(試
料1)を得た。この試料の有効ヨウ素量と熱安定性を表
1に示す。また、溶液安定性、有機物質に対する安定性
を表2〜6に示す。更に、抗菌、防カビ性を表7に示
す。
【0056】〔実施例2〕実施例1における、β−シク
ロデキストリンをマルトシルシクロデキストリン(塩水
港精糖社製、イソエリートP)としたことを除き、実施
例1の操作を繰り返し、マルトシルシクロデキストリン
70%/ポビドンヨード15%/2−(4−チァゾリ
ル)−ベンズイミダゾール15%の包接物乾燥粉末(試
料2)を得た。この試料の溶液安定性、有機物質に対す
る安定性を表2〜6に示す。更に、抗菌、防カビ性を表
7に示す。
ロデキストリンをマルトシルシクロデキストリン(塩水
港精糖社製、イソエリートP)としたことを除き、実施
例1の操作を繰り返し、マルトシルシクロデキストリン
70%/ポビドンヨード15%/2−(4−チァゾリ
ル)−ベンズイミダゾール15%の包接物乾燥粉末(試
料2)を得た。この試料の溶液安定性、有機物質に対す
る安定性を表2〜6に示す。更に、抗菌、防カビ性を表
7に示す。
【0057】〔実施例3〕実施例1におけるβ−シクロ
デキストリンをα、β、γの混合シクロデキストリン
(塩水港精糖社製K−100:αが70%以上)とした
ことを除き、実施例1の操作を繰り返し、シクロデキス
トリンK−10070%/ポビドンヨード15%/2−
(4−チァゾリル)−ベンズイミダゾール15%の包接
物乾燥粉末(試料3)を得た。この試料の溶液安定性、
有機物質に対する安定性を表2、4、5及び6に示す。
デキストリンをα、β、γの混合シクロデキストリン
(塩水港精糖社製K−100:αが70%以上)とした
ことを除き、実施例1の操作を繰り返し、シクロデキス
トリンK−10070%/ポビドンヨード15%/2−
(4−チァゾリル)−ベンズイミダゾール15%の包接
物乾燥粉末(試料3)を得た。この試料の溶液安定性、
有機物質に対する安定性を表2、4、5及び6に示す。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】
【表4】
【0062】
【表5】
【0063】
【表6】
【0064】
【表7】
【0065】〔実施例4〕実施例1で得られた、ポビド
ンヨード濃度15%/2−(4−チァゾリル)−ベンズ
イミダゾール15%混合物のβ−シクロデキストリン包
接体(試料1)2.0重量%を低密度ポリエチレン(日
本ユニカー株式会社製「NUC−8160」:メルトイ
ンデックス2.4g/10分、密度0.923g/m
l)に添加し、2リットルのテスト用バンバリーミキサ
ーで150℃、5分間混練し、コンパウンドを作成し
た。次にこのコンパウンドから成形温度170℃で厚さ
0.05mmのインフレーションフィルムを作成し、抗
菌活性測定、カビ抵抗性測定を行った。その結果を表8
に示す。
ンヨード濃度15%/2−(4−チァゾリル)−ベンズ
イミダゾール15%混合物のβ−シクロデキストリン包
接体(試料1)2.0重量%を低密度ポリエチレン(日
本ユニカー株式会社製「NUC−8160」:メルトイ
ンデックス2.4g/10分、密度0.923g/m
l)に添加し、2リットルのテスト用バンバリーミキサ
ーで150℃、5分間混練し、コンパウンドを作成し
た。次にこのコンパウンドから成形温度170℃で厚さ
0.05mmのインフレーションフィルムを作成し、抗
菌活性測定、カビ抵抗性測定を行った。その結果を表8
に示す。
【0066】〔実施例5〕実施例1で得られたポビドン
ヨード濃度15%/2−(4−チァゾリル)−ベンズイ
ミダゾール15%混合物のβ−シクロデキストリン包接
体、20重量%と低密度ポリエチレン(日本ユニカー株
式会社製「NUC−8008」:メルトインデックス
4.5g/10分、密度0.918g/ml)80重量
%とを混合、2リットルのテスト用バンバリーミキサー
で、150℃、10分間混練し、ポビドンヨード濃度
3.0%/2−〔4−(チァゾリル)−ベンズイミダゾ
ール濃度3.0%のマスターバッチを得た。このマスタ
ーバッチ6.0重量%(ポビドンヨード、1,800p
pm、2−〔4−(チァゾリル)−ベンズイミダゾール
1,800ppm)を実施例4記載の低密度ポリエチレ
ンに添加し、成形温度170℃で厚さ0.05mmのイ
ンフレーションフィルムを作成し、抗菌活性測定、カビ
抵抗性測定を行った。その結果を表8に示す。
ヨード濃度15%/2−(4−チァゾリル)−ベンズイ
ミダゾール15%混合物のβ−シクロデキストリン包接
体、20重量%と低密度ポリエチレン(日本ユニカー株
式会社製「NUC−8008」:メルトインデックス
4.5g/10分、密度0.918g/ml)80重量
%とを混合、2リットルのテスト用バンバリーミキサー
で、150℃、10分間混練し、ポビドンヨード濃度
3.0%/2−〔4−(チァゾリル)−ベンズイミダゾ
ール濃度3.0%のマスターバッチを得た。このマスタ
ーバッチ6.0重量%(ポビドンヨード、1,800p
pm、2−〔4−(チァゾリル)−ベンズイミダゾール
1,800ppm)を実施例4記載の低密度ポリエチレ
ンに添加し、成形温度170℃で厚さ0.05mmのイ
ンフレーションフィルムを作成し、抗菌活性測定、カビ
抵抗性測定を行った。その結果を表8に示す。
【0067】(比較例1)実施例4における包接体(試
料1)を除いた低密度ポリエチレン(NUC−816
0)を使用。実施例4と同じ成形条件で0.05mmの
インフレーションフィルムを作成し、抗菌活性測定、カ
ビ抵抗性測定を行った。その結果を表8に示す。
料1)を除いた低密度ポリエチレン(NUC−816
0)を使用。実施例4と同じ成形条件で0.05mmの
インフレーションフィルムを作成し、抗菌活性測定、カ
ビ抵抗性測定を行った。その結果を表8に示す。
【0068】
【表8】
【0069】〔実施例6〕試料1、2、3に用いたのと
同等の粒度を有するポビドンヨードと2−(4−チァゾ
リル)−ベンズイミダゾールとが1:1の割合で混合し
たもの10重量部を実施例4と同様に低密度ポリエチレ
ン(NUC−8160)90重量部に分散させ0.5m
mのシートを得る。(シート試料5)。シート試料1、
2、3、5の分散性及びブリードアウトの目視による評
価試験を行いその結果を表9に示す。
同等の粒度を有するポビドンヨードと2−(4−チァゾ
リル)−ベンズイミダゾールとが1:1の割合で混合し
たもの10重量部を実施例4と同様に低密度ポリエチレ
ン(NUC−8160)90重量部に分散させ0.5m
mのシートを得る。(シート試料5)。シート試料1、
2、3、5の分散性及びブリードアウトの目視による評
価試験を行いその結果を表9に示す。
【0070】
【表9】
【発明の効果】本発明によれば、ホスト分子としてシク
ロデキストリンを選択し、ゲスト分子としてヨードボー
ルと2−(4−チァゾリル)−ベンズイミダゾールとの
混合物を選択し、これらを組み合わせて包接体とする。
これにより、ヨードホールが持つ抗菌性と2−(4−チ
ァゾリル)−ベンズイミダゾールが持つ防カビ性との両
方の特性を兼ね備え、且つ安全性の高い包接体を提供す
る。 また、この包接体を熱可塑性樹脂に混練配合して
なる抗菌・防カビ性樹脂組成物等を提供する。ヨードホ
ールと2−(4−チァゾリル)−ベンズイミダゾールと
の混合物をシクロデキストリンで包接することにより、
ヨードホールと2−(4−チァゾリル)−ベンズイミダ
ゾールとを一体化することが可能と成り、両方の特性、
即ち優れた抗菌・防カビ性を有する抗菌・防カビ剤が得
られる。本発明による抗菌・防カビ剤は包接体であるた
め熱安定性及び抗菌・防カビ作用の持続性が優れ、且つ
水や油等に対する分散性をも向上させることができる。
また、本発明の抗菌・防カビ剤は熱可塑性樹脂等への分
散性が良好であり、成形品の表面へのブリードが抑制さ
れる特性を有し、抗菌・防カビ作用の持続性および熱安
定性の優れた抗菌・防カビ性樹脂組成物を安価に製造で
き、また、抗菌・防カビ性の優れた各種成形品を容易に
加工することができる。更に、本発明品は水や油に対し
優れた分散性を有し、しかも水溶性樹脂との相溶性が極
めて優れており、抗菌・防カビ性の優れた塗料、接着
剤、インキ等を容易に製造することができる。
ロデキストリンを選択し、ゲスト分子としてヨードボー
ルと2−(4−チァゾリル)−ベンズイミダゾールとの
混合物を選択し、これらを組み合わせて包接体とする。
これにより、ヨードホールが持つ抗菌性と2−(4−チ
ァゾリル)−ベンズイミダゾールが持つ防カビ性との両
方の特性を兼ね備え、且つ安全性の高い包接体を提供す
る。 また、この包接体を熱可塑性樹脂に混練配合して
なる抗菌・防カビ性樹脂組成物等を提供する。ヨードホ
ールと2−(4−チァゾリル)−ベンズイミダゾールと
の混合物をシクロデキストリンで包接することにより、
ヨードホールと2−(4−チァゾリル)−ベンズイミダ
ゾールとを一体化することが可能と成り、両方の特性、
即ち優れた抗菌・防カビ性を有する抗菌・防カビ剤が得
られる。本発明による抗菌・防カビ剤は包接体であるた
め熱安定性及び抗菌・防カビ作用の持続性が優れ、且つ
水や油等に対する分散性をも向上させることができる。
また、本発明の抗菌・防カビ剤は熱可塑性樹脂等への分
散性が良好であり、成形品の表面へのブリードが抑制さ
れる特性を有し、抗菌・防カビ作用の持続性および熱安
定性の優れた抗菌・防カビ性樹脂組成物を安価に製造で
き、また、抗菌・防カビ性の優れた各種成形品を容易に
加工することができる。更に、本発明品は水や油に対し
優れた分散性を有し、しかも水溶性樹脂との相溶性が極
めて優れており、抗菌・防カビ性の優れた塗料、接着
剤、インキ等を容易に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 八十治 神奈川県横浜市港南区東永谷1丁目8番12 号
Claims (9)
- 【請求項1】 シクロデキストリンをホスト分子とし
て、ヨードホールと2−(4−チァゾリル)−ベンズイ
ミダゾールとの混合物をゲスト分子として含んでなる包
接体。 - 【請求項2】 シクロデキストリンをホスト分子とし
て、ヨードホールと2−(4−チァゾリル)−ベンズイ
ミダゾールとの混合物をゲスト分子として含んでなり、
且つ少なくとも0.005%のヨードホールと0.00
5%の2−(4−チァゾリル)−ベンズイミダゾールと
を含有することを特徴とする抗菌・防カビ剤。 - 【請求項3】 ヨードホールが8〜13重量%の有効ヨ
ウ素量を有するポビドンヨードである請求項1または2
記載の抗菌・防カビ剤。 - 【請求項4】 ヨードホールと2−(4−チァゾリル)
−ベンズイミダゾールとが99:1〜1:99の重量比
で存在する請求項1〜3のいずれかに記載の抗菌・防カ
ビ剤。 - 【請求項5】 シクロデキストリンがα型,β型,或い
はγ型のシクロデキストリンまたはマルトシルシクロデ
キストリンである請求項1〜4のいずれかに記載の抗菌
・防カビ剤。 - 【請求項6】 シクロデキストリンと、ヨードホールと
2−(4−チァゾリル)−ベンズイミダゾールの混合物
とが95:5〜50:50の重量比で存在する請求項1
〜5のいずれかに記載の抗菌・防カビ剤。 - 【請求項7】 熱可塑性樹脂と、シクロデキストリンを
ホスト分子として、ヨードホールと2−(4−チァゾリ
ル)−ベンズイミダゾールとの混合物をゲスト分子とし
て含んでなり、且つ少なくとも0.005%のヨードホ
ールと0.005%の2−(4−チァゾリル)−ベンズ
イミダゾールを含有する抗菌・防カビ剤とから成ること
を特徴とする抗菌・防カビ性樹脂組成物。 - 【請求項8】 熱可塑性樹脂100重量部当たり前期抗
菌・防カビ剤を0.1〜30重量部含有する請求項7記
載の樹脂組成物。 - 【請求項9】 成形体の少なくとも表面が請求項7また
は8記載の樹脂組成物から成形されていることを特徴と
する樹脂成形体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19907697A JPH10330403A (ja) | 1997-06-04 | 1997-06-04 | 新規包接体、その用途及び樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19907697A JPH10330403A (ja) | 1997-06-04 | 1997-06-04 | 新規包接体、その用途及び樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10330403A true JPH10330403A (ja) | 1998-12-15 |
Family
ID=16401715
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19907697A Pending JPH10330403A (ja) | 1997-06-04 | 1997-06-04 | 新規包接体、その用途及び樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10330403A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2005060652A (ja) * | 2003-07-31 | 2005-03-10 | Cyclochem:Kk | ヨウ素安定化組成物 |
JP2005154602A (ja) * | 2003-11-26 | 2005-06-16 | Lintec Corp | 抗菌性粘着製品 |
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JP2010215925A (ja) * | 2010-06-21 | 2010-09-30 | Lintec Corp | 抗菌性粘着製品 |
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-
1997
- 1997-06-04 JP JP19907697A patent/JPH10330403A/ja active Pending
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