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JP2004269422A - 免疫賦活用組成物 - Google Patents

免疫賦活用組成物 Download PDF

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agaricus
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Yukinaga Matsuura
幸永 松浦
Akira Nakatsuma
章 中妻
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Yamada Bee Farm Corp
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Yamada Bee Farm Corp
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Abstract

【課題】新規で安全性の高い免疫賦活用組成物の開発を目的とする。
【解決手段】本発明によれば、酵素処理ローヤルゼリーと免疫賦活作用を有する茸を有効成分として含有する免疫賦活用組成物、ならびに該組成物からなる免疫賦活用の食品及び医薬品が提供される。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、免疫賦活用組成物に関するものであり、さらに詳しくは、酵素処理ローヤルゼリーと免疫賦活作用を有する茸を有効成分として含有する免疫賦活用組成物、ならびに該組成物からなる免疫賦活用の食品及び医薬品に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
「王乳」の名でも知られるローヤルゼリーは、メスの働き蜂から分泌され、女王蜂の食餌となる乳白色の物質で、タンパク質、炭水化物、脂質などから構成され、成長促進作用や延命効果など多くの生理活性を有することが知られている。
このため、ローヤルゼリーは食品に多く利用されているが、液状食品に添加すると、その溶解性が劣るために、白濁あるいは沈澱を生じ、外観上好ましくないのみならず、高濃度のローヤルゼリーを使用することができないという問題があった。
そこで、酵素によって難分解性タンパク質を分解し、溶解安定性、体内吸収性、低アレルゲン性を高めた酵素処理ローヤルゼリーが、近年開発されている(特許文献1及び2)。
【0003】
一方、ローヤルゼリーは、単独でのみならず、目的に応じて他の健康食品成分との組み合わせでも使用されている。
例えば、特許文献3及び4は、ローヤルゼリーとアガリクス・ブラゼイ・ムリル(Agaricus blazei Murill、以下アガリクスと略)のような茸類の組合わせからなる抗腫瘍活性食品等を記載している。
しかし、ここで使用されるローヤルゼリーは、酵素処理物ではない。また、酵素処理ローヤルゼリーとアガリクスとの組合わせが、個々を単独で使用するよりも優れた免疫賦活作用を有することも、知られていない。
【0004】
【特許文献1】
特許第2623044号公報
【特許文献2】
特開2002−112715号公報
【特許文献3】
特開平11−127338号公報
【特許文献4】
特開2002−229号公報
【0005】
【課題を解決するための手段】
このような状況下、本発明者らは、酵素処理ローヤルゼリーをアガリクスと組合わせて用いると、それらを単独で用いた場合や、未酵素処理ローヤルゼリーをアガリクスと組合わせた場合よりも優れた免疫賦活作用が得られることを見出した。
したがって、本発明によれば、酵素処理ローヤルゼリーと免疫賦活作用を有する茸を有効成分として含有する免疫賦活用組成物、ならびに該組成物からなる免疫賦活用の食品及び医薬品が提供される。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明において、酵素処理ローヤルゼリーは、ローヤルゼリーを酵素処理したものであればよく、酵素処理したローヤルゼリーそのもの、又は酵素処理ローヤルゼリーをタンパク変性処理、例えば熱処理に付して酵素を除去し、必要に応じてこれを乾燥粉末化、例えば凍結乾燥したものなど、いずれの形態も含まれる。
酵素は、ローヤルゼリーを分解できる酵素であればよく、1種又は任意の2種以上を組合わせて用いることができる。
そのような酵素として、タンパク質分解酵素、糖分解酵素、リパーゼなどの種々の酵素が挙げられるが、ローヤルゼリーを十分に分解するには、ペプシン、トリプシン、キモトリプシン、パンクレアチン、アスペルギロペプチダーゼAのようなタンパク質分解酵素、又はセルラーゼ、グルコシダーゼ、ガラクトシダーゼ、マンノシダーゼのような糖分解酵素とタンパク質分解酵素との組合わせであることが好ましい。
【0007】
酵素処理は、使用する酵素それぞれに応じて一般的な方法で行うことができ、例えばローヤルゼリーに対して0.1〜3.0重量%の酵素を加え、20〜60℃、好ましくは35〜55℃で30分〜24時間、好ましくは2〜5時間処理することにより、酵素処理ローヤルゼリーを得ることができる。
また、複数種の酵素を使用する際、酵素の処理条件が類似している場合には、ひとつの条件で複数種の酵素を同時に処理して、また処理条件が異なる場合にはそれぞれの酵素に適した条件下で逐次的に酵素処理を行って、ローヤルゼリーを酵素処理することができる。
【0008】
免疫賦活作用を有する茸とは、β−グルカンを主体とする多糖類等やその他の低分子化合物を含有し、免疫賦活作用を有することが知られている茸を意味する。具体的にはアガリクス、ハナビラタケ、マイタケ、メシマコブ、霊芝、ヤマブシタケ、カワラタケ、シイタケ、冬虫夏草、ヒラタケ、スエヒロタケ、チャーガ、ブナシメジ、エノキタケ、ハタケシメジ、ブナハリタケ、ツクリタケなどを挙げることができる。これらのうち、アガリクス、マイタケ、メシマコブ、霊芝、ヤマブシタケ、冬虫夏草、チャーガが好ましく、アガリクスが特に好ましい。
【0009】
これらの茸は、1種又は任意の2種以上であってもよく、その種類によって、子実体または菌糸体などの部分が適宜用いられ、例えばアガリクスでは子実体、菌糸体の部分がそれぞれ単独で、あるいは組み合わせて用いられる。
茸の形態としては、天然の形態の茸、乾燥茸、茸の粉砕物、茸からの抽出物またはその合成品などが挙げられる。例えば、アガリクスでは、乾燥したアガリクスの粉砕物、又は熱水抽出による抽出液を用いることができ、抽出液は必要に応じて凍結乾燥などにより乾燥粉末化されていてもよい。
【0010】
本発明者の行った試験によれば、酵素処理ローヤルゼリーとアガリクスの熱水抽出液を組合わせると、相乗作用により、酵素処理ローヤルゼリー、アガリクスまたは未酵素処理ローヤルゼリーの単独、あるいは未酵素処理ローヤルゼリーとアガリクスの組合わせのいずれよりも優れた免疫賦活作用が得られる。
したがって、酵素処理ローヤルゼリーとアガリクスのような免疫賦活作用を有する茸を、1:1000〜1000:1の割合、好ましくは1:100〜100:1の割合で組合わせた本発明の組成物は、それ自体で、又は当該分野で公知の賦形剤を用いて、常法により液体製剤又は固体製剤に製剤化して用いられる。
【0011】
液体製剤としては液剤、シロップ剤など、固体製剤としては散剤、顆粒剤、錠剤、チュアブル剤、トローチ剤などの経口投与用形態が挙げられる。
液体製剤を製造する際には、賦形剤として、水、グリセリン、プロピレングリコール、単シロップ、エタノール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトールなどを用いることができる。
また、固体製剤を製造する際には、賦形剤として、例えば、乳糖、ショ糖、ブドウ糖、コーンスターチ、ゼラチン、澱粉、デキストリン、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、合成ならびに天然のケイ酸アルミニウム、酸化マグネシウム、乾燥水酸化アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、重炭酸ナトリウム、乾燥酵母などを用いることができる。
【0012】
さらに、本発明の組成物には、所望によりクエン酸、リン酸、リンゴ酸又はそれらの塩類などの安定化剤;スクラロース、アセスルファムカリウムなどの高甘味度甘味料や、ショ糖、果糖、はちみつなどの甘味剤;アルコール類、グリセリンなどの防腐剤;希釈剤、緩衝剤、着香剤及び着色剤のような通常の添加剤が加えられてもよい。
このようにして製造される本発明の組成物は、それ自体を食品及び医薬品として使用できるが、これらの組成物を、食品及び医薬品の原料、中間製品もしくは最終製品に混合又は噴霧等することにより、免疫賦活用の食品及び医薬品とすることもできる。
【0013】
ここで、食品としては、通常の食品のほか、通常の食品より積極的な意味での保健、健康維持・増進等を目的とする食品、例えば健康食品、機能性食品、栄養補助食品、サプリメント又は特定保健用食品などが含まれる。
通常の食品としては、例えば、以下のようなものが挙げられる:飲料類(コーヒー、ジュース、茶飲料のような清涼飲料、乳飲料、乳酸菌飲料、ヨーグルト飲料、炭酸飲料、日本酒、洋酒、果実酒、はちみつ酒のような酒);スプレッド類(カスタードクリームなど);ペースト類(フルーツペーストなど);洋菓子類(チョコレート、ドーナツ、パイ、シュークリーム、ガム、ゼリー、キャンデー、クッキー、ケーキ、プリン);和菓子類(大福、餅、饅頭、カステラ、あんみつ、羊羹);氷菓類(アイスクリーム、アイスキャンデー、シャーベット);加工品類(カレー、牛丼、雑炊、味噌汁、スープ、ミートソース、パスタ、漬物、ジャム、はちみつ、プロポリス);調味料類(ドレッシング、ふりかけ、旨味調味料、スープの素)。
【0014】
また、健康食品、医薬品などとしては、素錠、糖衣錠、顆粒、粉末、ハードカプセル、ソフトカプセル、チュアブル錠、シロップなどの形態のものが挙げられる。
本発明の免疫賦活用組成物を健康食品、医薬品などとして使用する場合、体重60kgの成人に対して、酵素処理ローヤルゼリーを一日当たり例えば生換算で100〜10,000mg、好ましくは300〜3,000mgの量で用いることが好ましい。
また、食品としての使用時には、食品の味や外観に悪影響を及ぼさない量で用いることが好ましい。
しかしながら、これらの用量は、組成物を服用する人の健康状態、投与方法及び他の剤との組み合わせなど、種々の因子により変動し得る。
【0015】
【実施例】
以下、実施例及び試験例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1:
ローヤルゼリー3gを脱イオン水30mlに溶解し、ボルテックスで攪拌後、攪拌液に20%塩酸を加えてpHを1.2に調整した。次いで、試料に対して0.4重量%となるように、ペプシン(ブタ胃粘膜由来、ナカライテスク社製)12mgを加え、37℃でインキュベートした。
4時間後、得られた液体に20%水酸化ナトリウム溶液を加えてpHを6.8に調整した後、凍結乾燥させ、ペプシン分解ローヤルゼリーを得た。
【0016】
アガリクスは、子実体の乾物を粉砕したものを80℃のお湯で30分間加熱し、1500rpm、5分間、20℃で遠心した上清をそのままあるいは、適宜凍結乾燥して用いた。
得られたペプシン分解ローヤルゼリーとアガリクス抽出物を含む以下の6成分を水に溶解させ、全量100mlのドリンク剤を得た。
ペプシン分解ローヤルゼリー 0.7g
アガリクス抽出物 0.3g
レモン果汁 20ml
プロプリス 0.3g
ビタミンC 0.2g
はちみつ 13g
【0017】
実施例2:
実施例1のペプシン分解ローヤルゼリー 0.7g
実施例1のアガリクス抽出物 0.3g
醤油 2.5g
酢 2.0g
サラダ油 2.5g
味噌 0.1g
はちみつ 1.0g
野菜エキス 1.4g
旨味調味料 0.5g
香辛料 適量
上記の各成分を常法にしたがい十分に混合し、計11.0gのドレッシングを得た。
【0018】
実施例3:
実施例1のペプシン分解ローヤルゼリー 13mg
実施例1のアガリクス抽出物 7mg
水あめ 600mg
砂糖 5000mg
上記の各成分を常法にしたがい混合し、飴1個を得た。
【0019】
実施例4:
実施例1と同様にして、試料に対して0.4重量%のペプシンと0.2重量%のトリプシン(ウシ脾臓由来、ベーリンガーマンハイム社製)6mgを加え、37℃でインキュベートした。
4時間後、インキュベートした溶液を98℃で15分間加熱処理し、得られた溶液を凍結乾燥して、ペプシン・トリプシン分解ローヤルゼリーを得た。
得られたペプシン・トリプシン分解ローヤルゼリーを含む下記の各粉末を均一に混合し、60メッシュのふるいにかけ、総量250mgの粉末を1号ゼラチンカプセルに入れて、カプセル剤を得た。
【0020】
ペプシン・トリプシン分解ローヤルゼリー 50mg
実施例1のアガリクス抽出物 20mg
乳糖 103mg
トウモロコシ澱粉 75mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
【0021】
実施例5:
ローヤルゼリー10gに脱イオン水10mlを加え、均一になるまで、ボルテックスで攪拌した。これにアスペルギロペプチダーゼAを1.0重量%とβ−マンノシダーゼを0.2重量%となるよう同時に添加し、50℃で1時間インキュベートした。
さらに、80℃で30分間加熱処理して酵素を失活させるとともに殺菌処理し、アスペルギロペプチダーゼA・β−マンノシダーゼ分解ローヤルゼリーを得た。
【0022】
アスペルギロペプチダーゼA・β−マンノシダーゼ
分解ローヤルゼリー 100mg
実施例1のアガリクス抽出物 50mg
微晶質セルロース 50mg
トウモロコシ澱粉 75mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
【0023】
アスペルギロペプチダーゼA・β−マンノシダーゼ分解ローヤルゼリーと実施例1のアガリクス抽出物に微晶質セルロースを混合して凍結乾燥した後、トウモロコシ澱粉の一部を混合し、常法により粒状化した。
得られた粒状物をふるいにかけ、残りのトウモロコシ澱粉とステアリン酸マグネシウムを加えて混合した。次いで、得られた粒状物を打錠機により250mgの錠剤とした。
【0024】
試験例:
特開平11−174053号に記載される免疫能測定方法に従い、ローヤルゼリーとその酵素処理物、また、これらとアガリクスとの組合わせについて、リンパ球の癌細胞に対する細胞障害活性(NK活性)を測定し、これらの免疫賦活作用を比較した。
1. 測定方法
ローヤルゼリー、実施例1で調製されたペプシン分解ローヤルゼリー及びアガリクス抽出物を培養液(組成:RPMI液体培地+10%ウシ胎児血清)に溶解し、0.20μmのフィルターで滅菌した後、それぞれについて以下の濃度を有する試験群を設定した:
群1) ローヤルゼリー 100ng/ml
群2) 酵素処理ローヤルゼリー 100ng/ml
群3) アガリクス抽出物1ng/ml
群4) ローヤルゼリー 100ng/ml + アガリクス抽出物1ng/ml
群5) 酵素処理ローヤルゼリー 100ng/ml + アガリクス抽出物1ng/ml
【0025】
被験者4人(男性2人、女性2人)の血液から採取したリンパ球に、上記の各群の試験液を等量で添加後、一昼夜37℃で培養して、リンパ球を活性化した。
次に、リンパ球とユーロピウム(Eu)で標識した癌細胞(骨髄性白血病細胞株K562細胞)を5:1の割合で混合した。
一定時間培養後、癌細胞が受けた傷害の程度をEuの溶出量により定量し、以下の式により、NK活性を求めた:
【0026】
【式1】
Figure 2004269422
人為的に癌細胞を全て破壊した時に遊離するEu量
** リンパ球無添加時に遊離するバックグラウンドのEu量
【0027】
また、リンパ球のみのNK活性と免疫賦活効果が知られているピシバニールのNK活性をコントロールとし、リンパ球のみのNK活性を100%として、各試験群のNK活性増加率を4人の被験者の平均値として算出した。
【0028】
2. 結果
【表1】
Figure 2004269422
【0029】
未酵素処理ローヤルゼリーと酵素処理ローヤルゼリーは、単独では免疫賦活作用に有意な差がない。しかし、これらをアガリクスと組合わせると、未酵素処理ローヤルゼリーとの組合せよりも、酵素処理ローヤルゼリーとの組合わせで著しく高い免疫賦活作用が得られることが示された。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、酵素処理ローヤルゼリーと免疫賦活作用を有する茸とを有効成分として含む組成物を用いることにより、それらを個々に使用した場合に比べて相乗的に優れた免疫賦活効果を得ることができる。

Claims (5)

  1. 酵素処理ローヤルゼリーと免疫賦活作用を有する茸を有効成分として含有する、免疫賦活用組成物。
  2. 酵素処理ローヤルゼリーが、タンパク質分解酵素で処理されたローヤルゼリーである請求項1に記載の組成物。
  3. 酵素処理ローヤルゼリーが、タンパク質分解酵素と糖分解酵素で処理されたローヤルゼリーである請求項1に記載の組成物。
  4. 免疫賦活作用を有する茸が、アガリクス、マイタケ、メシマコブ、霊芝、ヤマブシタケ、冬虫夏草及びチャーガからなる群から選択される請求項1〜3のいずれか1つに記載の組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の組成物からなる、免疫賦活用の食品及び医薬品。
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