JP6083085B2 - アンジオテンシン変換酵素阻害剤およびその用途 - Google Patents
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Description
(A1)動物性生体組織をコラーゲン除去処理することによって不溶性エラスチンを得る工程、
(A2)該不溶性エラスチンを可溶化液に溶解しエラスチン溶解可溶化液を得る工程、および、
(A3)該エラスチン溶解可溶化液を相分離操作によって2層に分離し、上層または下層から水溶性エラスチンを回収する工程、
を順次実施するという手法が例示される。
(B1)動物性生体組織を前処理する工程、
(B2)前処理された動物性生体組織を、アルカリ性溶液中に浸漬し、動物性生体組織から抽出されるコラーゲンやその他の不要タンパク質を含む溶液を除去するアルカリ抽出工程、
(B3)前記(B2)の操作を繰り返した後に、動物性生体組織残渣を溶解することにより、遊離した水溶性エラスチンを含む溶液を回収するアルカリ溶解工程、
(B4)該アルカリ溶解工程で回収された水溶性エラスチンを含有する溶液を相分離操作によって2層に分離し、上層または下層から水溶性エラスチンを回収する工程、
を順次実施するという手法が例示される。
以下ではまず、BSE等の問題のないブタの大動脈組織から高純度の水溶性エラスチンを調製し、種々の酵素を用いて高分子の水溶性エラスチンを低分子化してエラスチン由来ペプチドを得る条件検討を実施した。具体的には、酵素の種類、濃度、反応時間等を検討し、SDS−PAGE装置を用いて反応の進行状況を追跡した。次に、得られたエラスチン由来ペプチドについて、ACE阻害能の測定を実施した。
以下の手法により、特許文献1の記載を参照しつつ、ブタ大動脈組織から、水溶性エラスチンを調製した。
上記で調製したブタ大動脈組織由来の水溶性エラスチンについて、消化酵素としてエラスターゼを用いた分解反応の検討を行った。エラスターゼの濃度を0.01mg/ml、0.1mg/ml、1.0mg/mlの3種に設定し、それぞれをTris−HCl緩衝液(0.2M、pH8.8)に溶解した水溶性エラスチン(2.0mg/ml)とともに、反応温度37℃で3時間、6時間、24時間インキュベートして、分解反応を進行させた。この際、水溶性エラスチンが分解される様子をSDS−PAGE(CBB染色)により追跡した。
上記で調製したブタ大動脈組織由来の水溶性エラスチンについて、エラスターゼ以外のタンパク質分解酵素であるキモトリプシンおよびトリプシンを用いて分解反応を検討した。各酵素濃度はエラスターゼの最適濃度である0.1mg/mlとし、反応温度は37℃で、3時間、6時間、24時間後の分解の様子をエラスターゼの場合と同様にSDS−PAGEにより調べた(図3(キモトリプシン処理)および図4(トリプシン処理))。
上記で、水溶性エラスチンの分解には濃度0.1mg/ml程度のエラスターゼを用いて約37℃にて24時間程度、処理を行うことが好ましいことが示された。ここでは、最終的に水溶性エラスチン分解物のみを精製するために、Sep−Pak C−18カラム(Waters社製)を用いたエラスチン分解物の分離を実施した。試料の溶出にはA液(0.1%TFA in 5%CH3CN)およびB液(0.1%TFA in 95%CH3CN)(TFA:トリフルオロ酢酸、CH3CN:アセトニトリル)の混合率を調節して溶出を行った。その結果、B液の割合が0%の段階においては、緩衝液由来の塩のみが溶出され、B液が35%の割合において目的の分解物が溶出された。最後にB液の割合を100%に上昇させエラスターゼのみの溶出を行い、順次各々の成分を分離した。このようにして、水溶性エラスチン分解物の画分のみを精製し、溶出試料を凍結乾燥し、目的物を白色粉末で得た。また、収率は1回目の調製が水溶性エラスチン18.8mgからエラスターゼ分解物15.9mg(84.6%)、2回目の調製が45.8mgから27.7mg(60.5%)と、いずれも60〜90%の高い収率で目的物(水溶性エラスチン分解物)を得ることができた。なお、得られた水溶性エラスチン分解物の平均分子量は10,000であった。
ACE阻害活性の測定には、蛍光基質であるAbz-ε-Acp-Ala-Phe(p-NO2)-Leu-OH(渡辺化学工業)を使用した。反応は0.2M Tris−HCl(pH8.0+0.02M NaCl)緩衝液中で行い、酵素としてはウサギ(rabbit)ACE(Sigma社製)を使用した。具体的には、基質溶液(0.5ppm、2ml)に酵素(9unit、0.5ml)を加え、上記で調製した水溶性エラスチンまたは水溶性エラスチン分解物を阻害剤として(3mg、0.5ml)加えた。全ての活性測定には37℃で15分間反応を行った。
Claims (14)
- 水溶性エラスチンのエラスターゼ加水分解物を有効成分として含有し、前記エラスターゼ加水分解物の平均分子量(SDS−PAGEの泳動結果における中央値として定義される)が2,000〜20,000である、アンジオテンシン変換酵素阻害剤。
- 前記エラスターゼ加水分解物の平均分子量(SDS−PAGEの泳動結果における中央値として定義される)が5,000〜20,000である、請求項1に記載の阻害剤。
- 前記エラスターゼが膵臓エラスターゼ(EC3.4.21.36)である、請求項1または2に記載の阻害剤。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のアンジオテンシン変換酵素阻害剤を含有する、血圧降下剤。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のアンジオテンシン変換酵素阻害剤を含有し、高血圧の予防および/または治療に用いられる、医薬組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のアンジオテンシン変換酵素阻害剤を含有する、飲食品。
- 水溶性エラスチンのエラスターゼ加水分解物を有効量含有する飲食品であって、前記エラスターゼ加水分解物の平均分子量(SDS−PAGEの泳動結果における中央値として定義される)が2,000〜20,000であり、
高血圧症を予防および/または改善する機能を有し、その機能表示が付された、飲食品。 - 健康食品、機能性食品、特定保健用食品、栄養補助食品、疾病リスク低減表示が付された食品、または病者用食品である、請求項7に記載の飲食品。
- (B1)動物性生体組織を前処理する工程、
(B2)前処理された前記動物性生体組織を、アルカリ性溶液中に浸漬し、動物性生体組織から抽出されるコラーゲンおよびその他の不要タンパク質を含む溶液を除去するアルカリ抽出工程、
(B3)前記(B2)工程を繰り返した後に、動物性生体組織残渣を溶解することにより、遊離した水溶性エラスチンを含む溶液を回収するアルカリ溶解工程、
(B4)前記アルカリ溶解工程で回収された水溶性エラスチンを含有する溶液を相分離操作によって分離し、水溶性エラスチンを回収する工程、
を順次実施して、分子量1〜3万の水溶性エラスチンを得た後、
得られた分子量1〜3万の水溶性エラスチンを、w/v換算で0.001〜0.5倍の濃度のエラスターゼの存在下、20〜50℃の温度で3〜72時間インキュベートすることにより、前記水溶性エラスチンをエラスターゼにより加水分解して前記水溶性エラスチンの分解物を得る工程を含み、
オクタデシル(ODS)−シリカゲルカラムを用いたカラムクロマトグラフィ法を用いて前記分解物を精製する工程をさらに含み、
得られる水溶性エラスチン分解物の平均分子量(SDS−PAGEの泳動結果における中央値として定義される)が2,000〜20,000である、水溶性エラスチン分解物の製造方法。 - 得られる水溶性エラスチン分解物の平均分子量(SDS−PAGEの泳動結果における中央値として定義される)が5,000〜20,000である、請求項9に記載の製造方法。
- 前記エラスターゼが膵臓エラスターゼ(EC3.4.21.36)である、請求項9または10に記載の製造方法。
- 前記(B4)工程は、前記水溶性エラスチンを含有する溶液を30〜50℃に加熱することで、コアセルベーションによる相分離を生じさせ、2層に分離した上層画分の平衡液相から前記分子量1〜3万の水溶性エラスチンを回収することを含む、請求項9〜11のいずれか1項に記載の製造方法。
- A液(0.1%トリフルオロ酢酸 in 5%アセトニトリル)とB液(0.1%トリフルオロ酢酸 in 95%アセトニトリル)との混合比が80/20〜50/50(A液/B液(v/v))である溶離液によって溶出される画分から前記分解物が精製される、請求項9〜12のいずれか1項に記載の製造方法。
- 溶出された画分であって前記分解物を含むものを凍結乾燥することにより、前記分解物を粉末の形態で得る工程をさらに含む、請求項9〜13のいずれか1項に記載の製造方法。
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