JP2004114315A - 液滴吐出ヘッド、インクカートリッジ及びインクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】流路基板1と樹脂部材からなるノズル板4とを重ねて接合し、複数のノズル5が連通する吐出室6、吐出室6に流体抵抗部7を介して連通する共通液室8を形成して、共通液室8の壁面をノズル板4で形成し、共通液室容積を各吐出室容積の20倍以下になるように形成した。
【選択図】 図3
Description
【産業上の利用分野】
本発明は液滴吐出ヘッド及びインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開2001−277524号公報
【特許文献2】特開2002−019109号公報
【0003】
プリンタ、ファクシミリ、複写装置等の画像記録装置或いは画像形成装置として用いるインクジェット記録装置において使用する液滴吐出ヘッドであるインクジェットヘッドとしては、一般に、外部からインクを共通液室に供給し、共通液室から各吐出室(液室、流路、加圧液室、加圧室、個別液室ともいう)に供給して、この吐出室内にインクにエネルギー発生手段(圧力発生手段)によってエネルギーを加えることにより、ノズルからインク滴を吐出する。
【0004】
このようなインクジェットヘッドにあっては、吐出室内で与えられてエネルギーは、共通液室に圧力波として伝わり、その圧力波は共通液室を介して周辺の吐出室に影響を与え、特に、複数のノズルから同時にインク滴を吐出させる場合に、各吐出室からの圧力波が共通液室で干渉を起こし、インク滴吐出の不安定あるいは吐出不良を引き起こすことがある。
【0005】
そこで、従来のインクジェットヘッドにおいては、
【特許文献1】や
【特許文献2】に開示されているように、共通液室に弾性変形する弾性変形部を有する板状部材を設けてダンパー機構を構成し、共通液室内の圧力波を減衰させるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のインクジェットヘッドのように、共通液室に圧力を吸収するダンパー機構を設けると、ヘッドの組み立て工程が複雑で長くなり、ヘッド自体も大きくなってしまうという課題がある。
【0007】
また、共通液室にダンパー機能を設けない場合は、共通液室の容積を大きくして、圧力波を減衰させるという方法があるが、共通液室に取られる体積によってヘッドが大きくなってしまい、また、共通液室の容積を大きくすると、巻き込んだ気泡を排出しづらくなるという問題も生じる。気泡を排出しづらいので、回復動作の機構も大型になり、回復のために使用するインクの量も多くなってしまうという課題も生じる。
【0008】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で、吐出不良がなく、気泡排出も容易に行える液滴吐出ヘッド、ヘッド一体型のインクカートリッジ、及びこれらの液滴吐出ヘッド又はインクカートリッジを搭載したインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明に係る液滴吐出ヘッドは、共通液室の容積が、この共通液室に通じる各吐出室の容積の20倍以下であり、かつ共通液室の壁面を構成するノズル板が樹脂部材である構成としたものである。
【0010】
ここで、ノズル板の少なくとも共通液室の壁となっている部分が、ヤング率をE〔N/m3〕、厚さをh〔m〕としたとき、0.00001〔N〕≦Eh3≦0.0006〔N〕を満たすことが好ましい。また、ノズル板の厚さが10μm以上40μm以下であることが好ましい。さらに、ノズル板のヤング率が2E10〔N/m3〕以下であることが好ましい。
【0011】
本発明に係るインクカートリッジは、本発明に係る液滴吐出ヘッドとこのヘッドにインクを供給するインクタンクを一体化したものである。
【0012】
本発明に係るインクジェット記録装置は、本発明に係る液滴吐出ヘッド又はインクカートリッジを備えているものである。
【0013】
【実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。先ず、本発明に係る液滴吐出ヘッドとしてのインクジェットヘッドの第1実施形態について図1乃至図5を参照して説明する。なお、図1は同ヘッドの分解斜視説明図、図2は同ヘッドのノズル板を透過状態で示す平面説明図、図3は同ヘッドの振動板長手方向に沿う模式的断面説明図、図4は同ヘッドの振動板短手方向に沿う模式的断面説明図である。
【0014】
このインクジェットヘッドは、第1基板である流路基板1と、この流路基板1の下側に設けた第2基板である電極基板3と、流路基板1の上側に設けた第三基板であるノズル板4とを重ねて接合した積層構造体であり、これらにより、複数のノズル5が連通する吐出室6、吐出室6に流体抵抗部7を介して連通する共通液室8などを形成している。
【0015】
流路基板1には、吐出室6及びこの吐出室6の底部となる壁面を形成する振動板10、各吐出室6を隔てる隔壁11を形成する凹部、共通液室8を形成する凹部などを形成している。また、共通液室8はその容積が各吐出室6の容積の20倍以下になるように形成している。
【0016】
この流路基板1は、(110)面方位の単結晶シリコン基板(シリコンウエハ)に振動板となる厚み(深さ)に高濃度不純物であるボロンを拡散し、この高濃度ボロンドープ層をエッチングストップ層として異方性エッチングを行うことにより、吐出室6となる凹部等を形成するときに所望の厚さの振動板10を得たものである。なお、高濃度P型不純物としては、ボロンの他、ガリウム、アルミニウム等も用いることができる。
【0017】
また、振動板10を形成する方法としては、P型基板に振動板となるN型層、あるいはN型基板に振動板となるP型層を形成し電気化学エッチングによりエッチングを停止して振動板を形成する方法、SOI基板を用いて酸化膜層でエッチングを停止する方法、あるいは時間を制御してエッチングを終了する方法などでもよい。
【0018】
電極基板3には、凹部14を形成して、この凹部14の底面に振動板10に所定のギャップ16を置いて対向する電極15を形成し、この電極15と振動板10によって、振動板10を静電力で変形させて吐出室6の内容積を変化させるアクチュエータ部を構成している。この電極基板3の接合によってギャップを構成すると共に、各振動板10に対応する各々の位置に電極15が配置される。
【0019】
また、この電極基板3には、共通液室8に外部からインクを供給するための貫通穴であるインク供給口9が設けられている。そして、流路基板1の共通液室8にはインク供給口9に対応する部分に貫通穴9aが形成されている。
【0020】
この電極基板3の電極15上には振動板10との接触によって電極15が破損するのを防止するため、例えば0.1μm厚のSiO2などの絶縁層17を成膜している。なお、電極15を電極基板3の端部付近まで延設して外部駆動回路と接続手段を介して接続するための電極パッド部15aを形成している。
【0021】
この電極基板3は、ガラス基板、又は表面に熱酸化膜3aを形成した単結晶シリコン基板上に、HF水溶液などでエッチングにより凹部14を形成し、この凹部14に窒化チタンなどの高耐熱性を有する電極材料をスパッタ、CVD、蒸着などの成膜技術で所望の厚さに成膜し、その後、フォトレジストを形成してエッチングすることにより、凹部14にのみ電極15を形成したものである。この電極基板3と流路基板1とは陽極接合、直接接合などのプロセスで接合している。
【0022】
ここで、電極15は、シリコン基板にエッチングで形成した深さ0.4μmの凹部14内に窒化チタンを0.1μmの厚さにスパッタし形成し、その上にSiO2スパッタ膜を0.1μm厚みで絶縁層17として形成している。したがって、このヘッドにおいては、電極基板3と流路基板1とを接合した後のエアギャップ16の長さ(振動板10と絶縁層17表面との間隔)は、0.2μmとなっている。
【0023】
また、ノズル板4にはノズル5、液体抵抗部7となる溝を形成し、吐出面には撥水処理を施している。このノズル板4はポリイミドなどの樹脂部材で形成し、流路基板1に接着剤にて接合している。このノズル板4は共通液室8の壁面を構成している。
【0024】
このヘッドにおいては、振動板10を共通電極に接続し、電極パッド15aに、例えばリード線をボンディングして、図示しないドライバが接続され、インクジェットヘッドが駆動可能となる。
【0025】
また、インク供給口9にインク供給管を接着して接続することにより、共通液室8、吐出室6等は、インクタンク(不図示)からインク供給口9を通して供給されたインクが充填されることが可能となる。なお、使用されるインクは、水、アルコール、トルエン等の主溶媒にエチレングリコール等の界面活性剤と、染料または顔料とを溶解または分散させることにより調製される。さらに、インクジェットヘッドにヒーター等を付設すれば、ホットメルトインクも使用できる。
【0026】
そこで、電極15に対して、ドライバにより、例えば、正の電圧パルスを印加して電極15の表面が正の電位に帯電すると、対応する振動板10の下面は負の電位に帯電する。したがって、振動板10は静電気力によって吸引されて個別電極15との間隔が狭まる方向へ撓む。このとき、振動板10が撓むことにより、インクが共通液室8から流体抵抗7を経由して吐出室6に供給される。
【0027】
次に、電極15へ印加している電圧パルスをオフにし、蓄えられている電荷を放電すると、振動板10は元の位置に復元する。この復元動作によって、吐出室6の内圧が急激に上昇して、ノズル5からインク液滴が記録紙(不図示)に向けて吐出される。
【0028】
そこで、このようなヘッドにおける共通液室構成とノズル板との関係について図5以降をも参照して説明する。
まず、ノズル板4として厚さ30μmのSUS板を用いて、流路基板1及び電極基板3の構成を図5及び図6に示すように変更した(なお、対応する部分には図1ないし図4と同一の符号を付している。)上で、インクを供給するためのフレーム部材20を共通液室8に接続し、共通液室8の大きさを変えてインク吐出実験を行った。
【0029】
ここで、吐出室6は150dpiの密度で128ビット配列した。初めに配列の中心のビットを駆動し徐々に両側に駆動ビット数を増やしていき、最終的に128全ビットを駆動したときの吐出不良の生じたビット数を評価した。なお、駆動周波数は16kHzでおこなった。
【0030】
この評価結果を図7に示している。共通液室/吐出室容積比は共通液室容積とその共通液室に通じる吐出室の容積の総和の比である。吐出室とは圧力発生手段の面積の上方にある液の体積とし、図6においてドットで塗りつぶした部分の容積である。
【0031】
この図7に示す結果によれば、共通液室容積が吐出室容積の20倍を超えると、吐出不良が生じないことがわかる。20倍以下では共通液室で圧力波が干渉しそれが各吐出室に影響を与えており、20倍を超えると共通液室で圧力波が減衰し吐出不良を起こさなくなる。
【0032】
次に、ノズル板4を厚さ30μmのポリイミドのノズル板に変えて同様の実験を行った。なお、ノズル5はレーザー加工により形成した。このときの結果を図8に示している。
【0033】
この図8に示すように、ノズル板4をポリイミドにしたことにより、著しく吐出不良が低減できる。これは、共通液室8の壁の一つが剛性の小さなポリイミドのノズル板4となっているので、その部分が共通液室8内の圧力波を減衰させるダンパーとして働くことによって、吐出不良が減少したものと考えられる。
【0034】
このように、ノズル板に剛性の小さな部材を用いて共通液室の壁とすることによって、共通液室の容積が小さくても、吐出不良が起こらないようにすることができる。
【0035】
そこで、前述した図1ないし図4に示すインクジェットヘッドにおいてノズル板4にポリイミドを用いることで、図8と同様の結果が得られ、共通液室8が小さくても、つまり、共通液室容積が吐出室容積の20倍以下である場合においても、吐出不良が生じないヘッドを得ることができた。よって、共通液室に特別にダンパー機構を設けることなく、共通液室の圧力波を減衰させ、吐出不良を防止することができる。
【0036】
ここで、このときノズル板のヤング率をE〔N/m3〕、厚さをh〔m〕としたとき、
0.00001〔N〕≦Eh3≦0.0006〔N〕
の関係を満たすことが好ましい。
【0037】
Eh3が0.00001(N)未満では、吐出室6の一つの壁を構成するノズル板4の剛性が小さく吐出エネルギーが吸収され、吐出効率が低下する、また、0.0006(N)を越えると、ノズル板4の剛性が大きくなり、ダンパー効果が十分に得られない。
【0038】
また、ノズル板4の厚さは微小なノズルを開けることから、40μm以下が好ましく、ピンホールなどの不良なく、歩留まり良く製造するには10μm以上が好ましい。その条件下で、ヤング率は20GPa(2E10〔N/m3〕)以下であることが好ましい。
【0039】
なお、上記実施形態では、ノズル板にポリイミドを用いたが、その他にポリアミド、フッ素系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、PPS、PETなどの樹脂を用いることができる。
【0040】
次に、第2実施形態について図9及び図10を参照して説明する。なお、図9は同実施形態に係るヘッドの分解斜視説明図、図10は同ヘッドの振動板長手方向に沿う断面説明図である。
【0041】
このインクジェットヘッドは、流路板21と、流路板21の下側に設けた振動板22と、流路板21の上側に設けたポリイミドなどの樹脂部材からなるノズル板24とを積層接合して、レーザー加工により形成した複数のノズル25がノズル連通路26aを介して連通する吐出室26、吐出室26に流体抵抗部27を介して連通する共通液室8などを形成している。
【0042】
このヘッドでは、吐出室容積は振動板22上に位置する部分でドットで塗りつぶした領域(図10参照)となる。また、共通液室28はその容積が各吐出室26の容積の20倍以下になるように形成している。
【0043】
そして、振動板22の外面にはセラミックス基板などのベース基板31上に接合した圧電素子32の一端部を接合している。
【0044】
また、振動板22の外周部でベース基板31の外周側にはフレーム部材33を接合し、このフレーム部材33に外部から共通液室28にインクを供給するインク供給穴29を形成し、振動板22にはインク供給穴29に対応するインク供給口29aを形成している。
【0045】
なお、流路板21は(110)面方位のシリコン基板を用い、KOH、TMAHなどのアルカリ液による異方性エッチングによって、吐出室26を形成している。また、ICPとアルカリ液による異方性エッチングの併用により貫通口であるノズル連通路26a及び共通液室28を形成する貫通部を形成している。ノズル板24を接合することにより共通液室28の上面が密閉され、樹脂部材によるノズル板24が共通液室28の1つの壁面を構成する。また、振動板22は電鋳によって作製したニッケル板を用いた。
【0046】
このヘッドにおいては、圧電素子32にドライバICを接続し、電圧を印加することにより、圧電素子32が変位し振動板22を変形させる。それによって、吐出室26内のインクにエネルギーを与えノズル連通路26aを介してノズル25からインク滴を吐出する。
【0047】
本実施形態においても、共通液室28の壁を形成するノズル板24がダンパーとして作用し、共通液室内の圧力波を減衰させ、吐出不良を防止することができる。
【0048】
次に、第3実施形態について図11を参照して説明する。なお、同図は同ヘッドの振動板長手方向に沿う断面説明図である。
このヘッドでは、流路板21の上面にも溝部を形成することによって流路36を構成し、流路板22の両面でインクが流れるようにした。吐出室容積は振動板22上に位置する部分でドットで塗りつぶした領域となる。なお、その他の構成は第2実施形態と同様である。
【0049】
このヘッドでは、インクの流量を大きくすることによって高周波数駆動が可能となり、また共通液室のインク淀み部分がないので気泡の排出性がより向上する。
【0050】
次に、第4実施形態について図12及び図13を参照して説明する。なお、図12は同実施形態に係るヘッドの分解斜視説明図、図13は同ヘッドの振動板長手方向に沿う断面説明図である。
このヘッドの吐出原理は前記第1実施形態のヘッドと同様である。このヘッドは、流路板41と、静電アクチュエータ基板42と、ポリイミドなどの樹脂部材からなるノズル板44とを重ねて接合した積層構造体であり、これらにより、複数のノズル45がノズル連通路46aを介して連通する吐出室46、吐出室46に流体抵抗部47を介して連通する共通液室48、ノズル板44側の流路56などを形成している。
【0051】
このヘッドでは、吐出室容積は後述する振動板上に位置する部分でドットで塗りつぶした領域となり、また、共通液室28はその容積が各吐出室26の容積の20倍以下になるように形成している。
【0052】
静電アクチュエータ基板42は、ベース基板51に形成した絶縁膜51a上に、ポリシリコンからなる振動板52、振動板52に所定のギャップ53を置いて対向するポリシリコンからなる電極54を形成し、振動板52を静電力で変位させて吐出室46の内容積を変化させるアクチュエータ部を構成している。なお、ギャップ53は、振動板50と電極54の間の犠牲層をエッチング除去することにより形成している。
【0053】
そして、この静電アクチュエータ基板42には共通液室48に外部からインクを供給するための貫通穴であるインク供給口49を形成している。
【0054】
なお、電極54上と振動板52のどちらか一方あるいは両方には電極54と振動板52との接触によってショートするのを防止するため、例えば0.1μm厚のSiO2などの絶縁層(図示せず)を成膜している。また、電極54をベース基板51の端部付近まで延設して外部駆動回路と接続手段を介して接続するための電極パッド部54aをアルミで形成している。
【0055】
この静電アクチュエータ基板42は、振動板50と電極54の間のギャップ53を犠牲層のエッチングにより形成している。電極54をベース基板51の端部付近まで延設して外部駆動回路と接続手段を介して接続するための電極パッド部54aをアルミで形成している。
【0056】
本実施形態においても、共通液室48の壁を形成するノズル板44がダンパーとして作用し、共通液室内の圧力波を減衰させ、吐出不良を防止することができる。
【0057】
なお、上記各実施形態においては、基板上面に設けたノズル孔からインク液滴を吐出させるサイドシュータタイプとしたが、インク液滴を基板の端部に設けたノズル孔から吐出させるエッジシュータタイプとすることもできる。
【0058】
次に、本発明に係るインクカートリッジについて図14を参照して説明する。このインクカートリッジ200は、ノズル孔201等を有する上記各実施形態のいずれかのインクジェットヘッド202と、このインクジェットヘッド202に対してインクを供給するインクタンク203とを一体化したものである。
【0059】
このように本発明に係る液滴吐出ヘッドであるインクジェットヘッドとインクタンクとを一体化することにより、特別なダンパー機構を設けることもなく、共通液室の容量を大きく必要もなく、吐出不良を防止できるヘッドを一体化できるので、小型、低コスト化を図れ、また、信頼性が向上する。
【0060】
次に、本発明に係るインクジェット記録装置の一例について図15及び図16を参照して説明する。なお、図15は同記録装置の斜視説明図、図16は同記録装置の機構部の側面説明図である。
【0061】
このインクジェット記録装置は、記録装置本体211の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ、キャリッジに搭載した本発明に係るインクジェットヘッドからなる記録ヘッド、記録ヘッドへインクを供給するインクカートリッジ等で構成される印字機構部212等を収納し、装置本体211の下方部には前方側から多数枚の用紙213を積載可能な給紙カセット(或いは給紙トレイでもよい。)214を抜き差し自在に装着することができ、また、用紙213を手差しで給紙するための手差しトレイ215を開倒することができ、給紙カセット214或いは手差しトレイ215から給送される用紙213を取り込み、印字機構部212によって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ216に排紙する。
【0062】
印字機構部212は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド221と従ガイドロッド222とでキャリッジ223を主走査方向(図16で紙面垂直方向)に摺動自在に保持し、このキャリッジ223にはイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する本発明に係る液滴吐出ヘッドであるインクジェットヘッドからなるヘッド224を複数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。またキャリッジ223にはヘッド224に各色のインクを供給するための各インクカートリッジ225を交換可能に装着している。なお、上述した本発明に係るインクカートリッジを搭載するようにすることもできる。
【0063】
インクカートリッジ225は上方に大気と連通する大気口、下方にはインクジェットヘッドへインクを供給する供給口を、内部にはインクが充填された多孔質体を有しており、多孔質体の毛管力によりインクジェットヘッドへ供給されるインクをわずかな負圧に維持している。
【0064】
また、記録ヘッドとしてここでは各色のヘッド224を用いているが、各色のインク滴を吐出するノズルを有する1個のヘッドでもよい。
【0065】
ここで、キャリッジ223は後方側(用紙搬送方向下流側)を主ガイドロッド221に摺動自在に嵌装し、前方側(用紙搬送方向上流側)を従ガイドロッド222に摺動自在に載置している。そして、このキャリッジ223を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ227で回転駆動される駆動プーリ228と従動プーリ229との間にタイミングベルト230を張装し、このタイミングベルト230をキャリッジ223に固定しており、主走査モーター227の正逆回転によりキャリッジ223が往復駆動される。
【0066】
一方、給紙カセット214にセットした用紙213をヘッド224の下方側に搬送するために、給紙カセット214から用紙213を分離給装する給紙ローラ231及びフリクションパッド232と、用紙213を案内するガイド部材233と、給紙された用紙213を反転させて搬送する搬送ローラ234と、この搬送ローラ234の周面に押し付けられる搬送コロ235及び搬送ローラ234からの用紙213の送り出し角度を規定する先端コロ236とを設けている。搬送ローラ234は副走査モータ237によってギヤ列を介して回転駆動される。
【0067】
そして、キャリッジ223の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラ234から送り出された用紙213を記録ヘッド224の下方側で案内する用紙ガイド部材である印写受け部材239を設けている。この印写受け部材239の用紙搬送方向下流側には、用紙213を排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ241、拍車242を設け、さらに用紙213を排紙トレイ216に送り出す排紙ローラ243及び拍車244と、排紙経路を形成するガイド部材245,246とを配設している。
【0068】
記録時には、キャリッジ223を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド224を駆動することにより、停止している用紙213にインクを吐出して1行分を記録し、用紙213を所定量搬送後次の行の記録を行う。記録終了信号または、用紙213の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ用紙213を排紙する。
【0069】
また、キャリッジ223の移動方向右端側の記録領域を外れた位置には、ヘッド224の吐出不良を回復するための回復装置247を配置している。回復装置247はキャップ手段と吸引手段とクリーニング手段を有している。キャリッジ223は印字待機中にはこの回復装置247側に移動されてキャッピング手段でヘッド224をキャッピングされ、吐出口部を湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出することにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
【0070】
吐出不良が発生した場合等には、キャッピング手段でヘッド224の吐出口(ノズル)を密封し、チューブを通して吸引手段で吐出口からインクとともに気泡等を吸い出し、吐出口面に付着したインクやゴミ等はクリーニング手段により除去され吐出不良が回復される。また、吸引されたインクは、本体下部に設置された廃インク溜(不図示)に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体に吸収保持される。
【0071】
このように、このインクジェット記録装置においては本発明に係るインクジェットヘッド(又はインクカートリッジ)を搭載しているので、吐出不良がなく、信頼性が高く、長期にわたり、安定したインク滴吐出特性が得られて、高画質記録を行うことができる。また、ヘッドを小型軽量とすることができるので、キャリッジ動作を高速で行うことができ印字速度が速く、キャリッジ駆動のためのモータなども小型化できるので、低コスト、小型のインクジェット記録装置が実現可能である。
【0072】
なお、上記実施形態においては、本発明に係る液滴吐出ヘッドをインクジェットヘッドに適用したが、インク以外の液体の滴、例えば、パターニング用の液体レジストを吐出する液滴吐出ヘッド、遺伝子分析試料を吐出する液滴吐出ヘッドなどにも適用することできる。また、上記各実施形態においては静電型、あるいは、圧電素子を用いるヘッドで説明したが、前述したようなサーマル型ヘッドにも同様に適用できる。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る液滴吐出ヘッドによれば、共通液室の容積が、この共通液室に通じる各吐出室の容積の20倍以下であり、かつ共通液室の壁面を構成するノズル板が樹脂部材である構成としたので、簡単な構成で、吐出不良を防止でき、安定した滴吐出を行うことができる。
【0074】
本発明に係るインクカートリッジによれば、本発明に係る液滴吐出ヘッドとこのヘッドにインクを供給するインクタンクを一体化したので、簡単な構成で、吐出不良を防止でき、安定した滴吐出を行うことができるヘッド一体化カートリッジが得られ、小型、低コスト化を図れる。
【0075】
本発明に係るインクジェット記録装置によれば、本発明に係る液滴吐出ヘッド又はインクカートリッジを備えているので、安定した滴吐出を行うことができ、高画質記録を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る液滴吐出ヘッドとしてインクジェットヘッドの分解斜視説明図、
【図2】同ヘッドのノズル板を透過状態で示す平面説明図
【図3】同ヘッドの液室長手方向に沿う模式的断面説明図
【図4】同ヘッドの液室短手方向に沿う模式的断面説明図
【図5】共通液室/吐出室容積比と吐出不良の関係の評価に用いたヘッド構成を説明するための分解斜視図
【図6】同ヘッド構成の断面説明図
【図7】ノズル板が金属部材である場合の共通液室/吐出室容積比と吐出不良の関係を説明するための説明図
【図8】ノズル板が樹脂部材である場合の共通液室/吐出室容積比と吐出不良の関係を説明するための説明図
【図9】本発明の第2実施形態に係る液滴吐出ヘッドとしてインクジェットヘッドの分解斜視説明図、
【図10】同ヘッドの断面説明図
【図11】本発明の第3実施形態に係る液滴吐出ヘッドとしてインクジェットヘッドの断面説明図
【図12】本発明の第4実施形態に係る液滴吐出ヘッドとしてインクジェットヘッドの分解斜視説明図、
【図13】同ヘッドの断面説明図
【図14】本発明に係るインクカートリッジの斜視説明図
【図15】本発明に係るインクジェット記録装置の機構部の概要を説明する斜視説明図
【図16】同記録装置の側断面説明図
【符号の説明】
1…流路基板、3…電極基板、4…ノズル板、5…ノズル、6…吐出室7…流体抵抗部、8…共通液室、10…振動板、15…電極、9…インク供給口。
Claims (6)
- 液滴を吐出するノズルと、ノズルが連通する吐出室と、各吐出室に連通する共通液室と、前記吐出室内の液体を加圧する圧力を発生する圧力発生手段とを備え、前記共通液室の壁面の一部が前記ノズルを形成するノズル板で構成されている液滴吐出ヘッドにおいて、前記共通液室の容積が、この共通液室に通じる各吐出室の容積の20倍以下であり、かつ前記ノズル板が樹脂部材であることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
- 請求項1に記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記ノズル板の少なくとも前記共通液室の壁となっている部分が、ヤング率をE〔N/m3〕、厚さをh〔m〕としたとき、0.00001〔N〕≦Eh3≦0.0006〔N〕を満たすことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
- 請求項1又は2に記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記ノズル板の厚さが10μm以上40μm以下であることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記ノズル板のヤング率が2E10〔N/m3〕以下であることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
- インク滴を吐出するインクジェットヘッドとこのインクジェットヘッドにインクを供給するインクタンクを一体化したインクカートリッジにおいて、前記インクジェットヘッドが請求項1ないし4のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドであることを特徴とするインクカートリッジ。
- インク滴を吐出して画像を記録するインクジェット記録装置において、前記請求項1ないし4のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド又は請求項5に記載のインクカートリッジを備えていることを特徴とするインクジェット記録装置。
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