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JP2004160827A - 液滴吐出ヘッド及びその製造方法、インクカートリッジ並びにインクジェット記録装置 - Google Patents

液滴吐出ヘッド及びその製造方法、インクカートリッジ並びにインクジェット記録装置 Download PDF

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JP2004160827A
JP2004160827A JP2002329050A JP2002329050A JP2004160827A JP 2004160827 A JP2004160827 A JP 2004160827A JP 2002329050 A JP2002329050 A JP 2002329050A JP 2002329050 A JP2002329050 A JP 2002329050A JP 2004160827 A JP2004160827 A JP 2004160827A
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JP
Japan
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ink
head
flow path
nozzle
droplet discharge
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Application number
JP2002329050A
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Kunihiro Miura
邦博 三浦
Shigeru Kanehara
滋 金原
Kenichiro Hashimoto
憲一郎 橋本
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

【課題】接着剤逃がし用凹部を形成したとき流路形成部材の剛性が低下して、安定した滴吐出が行えないようになる。
【解決手段】流路板1のノズル板接合面側及び振動板接合面側にそれぞれ接着剤逃がし用の肉抜き部41、42をエッチング形成し、この肉抜き部41、42は<111>面で囲まれたV字形状とした。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は液滴吐出ヘッド及びその製造方法、インクカートリッジ並びにインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ等の画像記録装置(画像形成装置)として用いるインクジェット記録装置は、インク滴を吐出するノズルと、このノズルが連通するインク流路(吐出室、圧力室、加圧液室、液室等とも称される。)と、このインク流路内のインクを加圧する駆動手段とを備えた液滴吐出ヘッドとしてのインクジェットヘッドを搭載したものである。なお、液滴吐出ヘッドとしては例えば液体レジストを液滴として吐出する液滴吐出ヘッド、DNAの試料を液滴として吐出する液滴吐出ヘッドなどもあるが、以下ではインクジェットヘッドを中心に説明する。
【0003】
インクジェットヘッドとしては、インク流路内のインクを加圧するエネルギーを発生するエネルギー発生手段として、圧電素子を用いてインク流路の壁面を形成する振動板を変形させてインク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させるいわゆるピエゾ型のもの、或いは、発熱抵抗体を用いてインク流路内でインクを加熱して気泡を発生させることによる圧力でインク滴を吐出させるいわゆるサーマル型のもの、インク流路の壁面を形成する振動板と電極とを対向配置し、振動板と電極との間に発生させる静電力によって振動板を変形させることで、インク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる静電型のものなどが知られている。
【0004】
これらの各種ヘッドの内でも、ノズル開口が形成されたノズルプレート(のズル形成部材)と振動板とをスぺーサ(流路形成部材)の両面に接着して圧力室(液室)を形成し、振動板を圧電振動子により変形させる方式のインクジェットヘッドは、インク滴を飛翔させるための駆動源として熱エネルギーを使用しないため熱によるインクの変質がなく、特に熱により劣化しやすいカラーインクを吐出させる上で利点がある。しかも、圧電振動子の変位量を調整してインク滴のインク量を自在に調節することが可能であるため、高品質なカラー印刷のためのインクジェット記録装置を構成するのに最適なヘッドである。
【0005】
ところで、インクジェットヘッドは記録媒体上のドットをインク滴により構成する関係上、インク滴のサイズを小さくすることにより、極めて高い解像度での記録、印刷が可能である。
【0006】
しかしながら、効率よく記録するためには、インク開口の数を多くする(ノズル数を多くする)必要があり、特に、圧電振動子を駆動手段とするものにあっては、圧電振動子のエネルギーを効率よく使用するために圧力室(加圧液室)を大きくする必要がある。このことは、ヘッドの小型化要請とは相反することである。このような相反する問題を解消するため、通常隣り合う圧力室を区画している壁(隔壁)を薄くすると共に圧力室の形状を長手方向に大きく、更に深くして容積を稼ぐことが行われている。
【0007】
このような圧力室やリザーバは、振動板とノズルプレートの間隔を所定の値に保持する部材である流路形成部材にて形成するが、上述したように、極めて小さく、しかも複雑な形状を備えた圧力室を形成する必要上、通常エッチング技術が使用されている。このような流路形成部材を形成する材料としては、感光性樹脂膜が使用されることが多いが、これは機械的強度が低いためクロストークや撓み等が生じ高い解像度を得ようとすると印字品質が低下するという問題がある。
【0008】
そこで、比較的簡単な手法で微細な形状を高い精度で加工が可能なシリコン単結晶基板の異方性エッチングを用いた部品製作技術、いわゆるマイクロマシニング技術を適用してインクジェットヘッドを構成する部材を加工することが行われるようになっている。特に、結晶方位(110)の単結晶シリコン基板を流路形成部材に用いて、異方性エッチングを行って、圧力室やリザーバを形成することが行われる。単結晶シリコンを使用したスペーサは、機械的剛性が高いため、圧電振動子の変形に伴う記録ヘッド全体のたわみを小さくできるとともに、エッチングを受けた壁面が表面に対してほぼ垂直であるため圧力室を均一に構成することが可能であるという大きな利点を備えている。
【0009】
ところが、シリコン基板から形成した流路形成部材にノズルを形成したノズル板や液室の壁面を形成する振動板を接着剤で接合する構成のヘッドにあっては、接着剤が液流路やノズルとの連通路にはみ出すと、流路形状が変化することになる。
【0010】
そこで、例えば、特開平11−348282号公報には、インク室、インク供給口及びインクリザーバーを形成した基板(流路形成部材)上に接着剤を用いてノズル孔を形成した基板(ノズル形成部材)を接合する構成のヘッドであって、流路形成部材としての基板にはインク室、リザーバーの縁に沿って複数の凹部を千鳥状に形成し、ノズル形成部材としての基板を接着剤接合するときに生じ得る残余の接着剤が凹部内に収容されるようにして、接着剤がインク流路内に流れ込むことがないようにしたヘッドが記載されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、流路形成部材は、上述したように高解像度化に伴なってチャンネル数が多くなり、液室深さが深くなり、また隔壁幅も薄くなっているため、余剰接着剤を流れ込ませるための凹部が深くなり、流路形成部材の剛性が低下するという課題が生じることになる。
【0012】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、余剰接着剤を流れ込ませる領域を形成しつつ流路形成部材の剛性の低下を可及的に抑制した信頼性の高い液滴吐出ヘッド及びその製造方法、その液滴吐出ヘッドを一体化したインクカートリッジ、並びにこの液滴吐出ヘッド又はインクカートリッジを搭載することで信頼性を向上したインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明に係る液滴吐出ヘッドは、流路形成部材がシリコン基板から形成され、この流路形成部材のノズル板との接合面及び/又は振動板との接合面に外部とは連通しない閉じられたエッチング領域を形成し、このエッチング領域は<111>面で囲まれている構成とした。
【0014】
ここで、流路形成部材のノズル板との接合面及び/又は振動板との接合面面積Aμmに対して、前記<111>面で囲まれているエッチング領域はAμm以上の容積を持つことが好ましい。また、液室の壁面には酸化膜又は窒化チタン膜が形成されていることが好ましい。
【0015】
本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、本発明に係る液滴吐出ヘッドを製造する方法であって、流路形成部材はシリコンのドライエッチングによる深堀と異方性ウェットエッチングとを併用して形成する構成としたものである。
【0016】
ここで、異方性ウェットエッチングはシリコン酸化膜/シリコン窒化膜の積層膜をマスクとして行うことが好ましい。
【0017】
本発明に係るインクカートリッジは、本発明に係る液滴吐出ヘッドからなるインクジェットヘッドとこのインクジェットヘッドにインクを供給するインクタンクを一体化したものである。
【0018】
本発明に係るインクジェット記録装置は、インク滴を吐出させる本発明に係る液滴吐出ヘッドからなるインクジェットヘッド、又は本発明に係るインクジェットヘッド一体型のインクカートリッジを備えたものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。本発明の液滴吐出ヘッドの実施形態に係るインクジェットヘッドについて図1ないし図4を参照して説明する。なお、図1は同ヘッドの分解斜視説明図、図2は同ヘッドの液室長手方向に沿う断面説明図、図3は同ヘッドの液室短手方向に沿う断面説明図、図4は同ヘッドの要部平面説明図である。
【0020】
このインクジェットヘッドは、単結晶シリコン基板で形成した流路形成部材である流路板1と、この流路板1の下面に接合した振動板2と、流路板1の上面に接合したノズル板3とを有し、これらによって液滴であるインク滴を吐出するノズル4がノズル連通路(連通管)5を介して連通するインク流路である加圧液室(加圧液室)6、加圧液室6にインクを供給するための液供給室である共通液室8にインク供給口9を介して連通する加圧液室6に比して小さな断面をもつ液体供給路であるインク供給路7を形成している。
【0021】
そして、振動板2の外面側(液室と反対面側)に各加圧液室6に対応して加圧液室6内のインクを加圧するための駆動手段(アクチュエータ手段)である電気機械変換素子としての積層型圧電素子12を接合し、この圧電素子12をベース基板13に接合している。ベース基板13はチタン酸バリウム、アルミナ、フォルステライトなどの絶縁性基板を用いている。
【0022】
また、圧電素子12の間には加圧液室6、6間の隔壁部6aに対応して支柱部14を設けている。ここでは、圧電素子部材にハーフカットのダイシングによるスリット加工を施すことで櫛歯状に分割して、1つ毎に圧電素子12と支柱部14して形成している。支柱部14も構成は圧電素子12と同じであるが、駆動電圧を印加しないので単なる支柱となる。
【0023】
さらに、振動板12の外周部はフレーム部材16にギャップ材を含む接着剤17にて接合している。このフレーム部材16には、共通液室8となる凹部、この共通液室8に外部からインクを供給するためのインク供給穴18(図5参照)を形成している。このフレーム部材16は、例えばエポキシ系樹脂或いはポリフェニレンサルファイトで射出成形により形成している。
【0024】
ここで、流路板1は、、例えば結晶面方位(110)の単結晶シリコン基板を後述するようにドライエッチングによる深堀と水酸化カリウム水溶液(KOH)、TMAH液などのエッチング液を用いた異方性エッチングとを併用することで、ノズル連通路(連通管)5、加圧液室6、インク供給路7となる凹部や穴部を形成したものである。
【0025】
そして、流路板1のインクに接する面(液流路の壁面)となる加圧液室6、インク供給路7の各壁面には酸化膜、窒化チタン膜或いはポリイミドなどの有機樹脂膜からなる耐液性薄膜10を成膜している。このような耐液性薄膜10を形成することで、シリコン基板からなる流路板10がインクに対して溶出しにくく、また濡れ性も向上するため気泡の滞留が生じにくく、安定した滴吐出が可能になる。
【0026】
また、この流路板1には、図5ないし図7をも参照して、ノズル板接合面1a側及び振動板接合面1b側に、それぞれ接着剤逃がし用の肉抜き部(凹部)41、42をエッチングで形成している。この肉抜き部41、42は、ノズル板3及び振動板2を接合したときに外部とは連通しない閉じられたエッチング領域であり、この肉抜き部41、42はシリコンの<111>面で囲まれている。
【0027】
この場合、ノズル板接合面1a、振動板接合面1bの接合面積Aμmに対して、外部とは連通しない閉じられた<111>面で囲まれているエッチング領域である肉抜き部41、42はAμm以上の容積を持つように形成している。
【0028】
図1ないし図4に戻って、振動板2は、ニッケルの金属プレートから形成したもので、例えばエレクトロフォーミング法(電鋳法)で作製しているが、この他の金属板や樹脂板或いは金属と樹脂板との接合部材などを用いることもできる。
【0029】
この振動板2は加圧液室6に対応する部分に変形を容易にするための厚みが2〜10μmの薄肉部(ダイアフラム部)21及び圧電素子12と接合するための厚肉部(島状凸部)22を形成するとともに、支柱部14に対応する部分及びフレーム部材16との接合部にも厚肉部23を形成し、平坦面側を流路板1に接着剤接合し、島状凸部22を圧電素子12に接着剤接合し、更に厚肉部23を支柱部14及びフレーム部材16に接着剤17で接合している。なお、ここでは、振動板2を2層構造のニッケル電鋳で形成している。この場合、ダイアフラム部21の厚みは3μm、幅は35μm(片側)としている。
【0030】
ノズル板3は各加圧液室6に対応して直径10〜35μmのノズル4を形成し、流路板1に接着剤接合している。このノズル板3としては、ステンレス、ニッケルなどの金属、金属とポリイミド樹脂フィルムなどの樹脂との組み合せ、、シリコン、及びそれらの組み合わせからなるものを用いることができる。ここでは、電鋳工法によるNiメッキ膜等で形成している。また、ノズル4の内部形状(内側形状)は、ホーン形状(略円柱形状又は略円錘台形状でもよい。)に形成し、このノズル4の穴径はインク滴出口側の直径で約20〜35μmとしている。さらに、各列のノズルピッチは150dpiとし、2列配置により300dpiとしている。
【0031】
また、ノズル板3のノズル面(吐出方向の表面:吐出面)には、図示しない撥水性の表面処理を施した撥水処理層を設けている。撥水処理層としては、例えば、PTFE−Ni共析メッキやフッ素樹脂の電着塗装、蒸発性のあるフッ素樹脂(例えばフッ化ピッチなど)を蒸着コートしたもの、シリコン系樹脂・フッ素系樹脂の溶剤塗布後の焼き付け等、インク物性に応じて選定した撥水処理膜を設けて、インクの滴形状、飛翔特性を安定化し、高品位の画像品質を得られるようにしている。
【0032】
圧電素子12は、厚さ10〜50μm/1層のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の圧電層31と、厚さ数μm/1層の銀・パラジューム(AgPd)からなる内部電極層32とを交互に積層したものであり、内部電極32を交互に端面の端面電極(外部電極)である個別電極33、共通電極34に電気的に接続したものである。この圧電常数がd33である圧電素子12の伸縮により加圧液室6を収縮、膨張させるようになっている。圧電素子12に駆動信号が印加され充電が行われると伸長し、また圧電素子12に充電された電荷が放電すると反対方向に収縮するようになっている。
【0033】
なお、圧電素子部材の一端面の端面電極はハーフカットによるダイシング加工で分割されて個別電極33となり、他端面の端面電極は切り欠き等の加工による制限で分割されずにすべての圧電素子12で導通した共通電極34となる。
【0034】
そして、圧電素子12の個別電極33には駆動信号を与えるために半田接合又はACF(異方導電性膜)接合若しくはワイヤボンディングでFPCケーブル35を接続し、このFPCケーブル35には各圧電素子12に選択的に駆動波形を印加するための駆動回路(ドライバIC)を接続している。また、共通電極34は、圧電素子の端部に電極層を設けて回し込んでFPCケーブル35のグラウンド(GND)電極に接続している。
【0035】
このように構成したインクジェットヘッドにおいては、例えば、記録信号に応じて圧電素子12に駆動波形(10〜50Vのパルス電圧)を印加することによって、圧電素子12に積層方向の変位が生起し、振動板2を介して加圧液室6内のインクが加圧されて圧力が上昇し、ノズル4からインク滴が吐出される。
【0036】
その後、インク滴吐出の終了に伴い、加圧液室6内のインク圧力が低減し、インクの流れの慣性と駆動パルスの放電過程によって加圧液室6内に負圧が発生してインク充填行程へ移行する。このとき、図示しないインクタンクから供給されたインクは共通液室8に流入し、共通液室8からインク供給口9を経てインク供給路7を通り、加圧液室6内に充填される。
【0037】
なお、インク供給路(流体抵抗部)7は、吐出後の残留圧力振動の減衰に効果がある反面、表面張力による最充填(リフィル)に対して抵抗になる。このインク供給路7の流体抵抗値を適宜に選択することで、残留圧力の減衰とリフィル時間のバランスが取れ、次のインク滴吐出動作に移行するまでの時間(駆動周期)を短くできる。
【0038】
このように、このインクジェットヘッドにおいては、流路形成部材である流路板1のノズル板接合面1a、振動板接合面1bに外部とは連通しない閉じられたエッチング領域である肉抜き部41、42を形成しているので、ノズル板3、振動板2を接着剤17等で接合したときに、余分な接着剤が肉抜き部41、42に流れ込むので、ノズル4、連通管5や加圧液室6などに流路に接着剤が流れ込むことが防止され、安定した滴吐出を行うことができ、信頼性が向上する。
【0039】
そして、これらの肉抜き部41、42は、シリコンの<111>面で囲まれた領域とするので、V字形状でエッチングをストップさせることができ、必要な深さに制御することが可能になって、結果として流路板1の剛性が低下することを可及的に防止できる。
【0040】
そして、この場合、ノズル板接合面1a、振動板接合面1bの接合面積Aμmに対して、外部とは連通しない閉じられた<111>面で囲まれているエッチング領域である肉抜き部41、42はAμm以上の容積を持つように形成することで、確実に接着剤が接着面からノズル連通路(連通管)に溢れ出ることを抑制できる。
【0041】
次に、本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法に係る第1実施形態の製造工程について図8を参照して説明する。
先ず、図8(a)に示すように、厚さ400μmで面方位(110)のシリコン基板(シリコンウエハを用いる。)51を用意し、このシリコン基板51両表面に厚さ1.0μmのシリコン酸化膜52a、52bを形成した。
【0042】
なお、使用するウエハの種類は両面研磨ウエハ、両面未研磨ウエハ、片面未研磨ウエハのいずれのウエハであっても良く、また比抵抗も揃っている必要はなく、例えばここでは、比抵抗0.1−100Ωcmのウエハを使用している。
【0043】
次いで、同図(b)に示すように、シリコン基板61のノズル板接合面側のシリコン酸化52a表面に、ノズル連通路5を形成するための開口と、ノズル板3との接合時の余剰接着剤を流れ込ませる凹部(肉抜き部)41を形成するための各開口とを有するレジストパターン64を形成した。そして、ドライエッチングを行って、シリコン酸化膜52aに、ノズル連通路5を形成するための開口55と、ノズル板3との接合時の余剰接着剤を流れ込ませる肉抜き部41を形成するための開口56とをパターニングする。
【0044】
次に、同図(c)に示すように、シリコン基板51の振動板接合面側のシリコン酸化膜52b表面に、加圧液室6を形成するための開口と振動板2との接合時の余剰接着剤を流れ込ませる凹部(肉抜き部)42を形成するための開口とを有するレジストパターン57を形成する。そして、ドライエッチングを行ってシリコン酸化膜52bに加圧液室6を形成するための開口58と振動板2との接合時の余剰接着剤を流れ込ませる肉抜き部42を形成するための開口59とをパターニングする。
【0045】
次いで、同図(d)に示すように、シリコン酸化膜52aの開口55、56を埋め込み、ノズル連通路5を形成するための開口を有するレジストパターン60を形成し、ICPドライエッチャーを使用して、シリコン基板51にノズル板接合面側から掘り込み61を形成した。この際のレジストパターン60の膜厚は8μmにて行った。
【0046】
その後、同図(e)に示すように、レジストパターン60を除去して、水酸化カリウム水溶液によりシリコンの異方性エッチングを行い、シリコン基板51を貫通させてノズル連通路5となる貫通穴、加圧液室6となる凹部、肉抜き部41、42となる凹部を形成した。ここで、加圧液室部形成時のシリコンの異方性エッチングは、水酸化カリウム水溶液として溶液濃度30%のものを用いて、処理温度85℃で行った。
【0047】
そして、同図(f)に示すように、シリコン酸化膜52a、52bを除去し、その後図示しないが、耐インク接液膜(耐液性薄膜)10としてシリコン酸化膜を1μmの厚さで形成して、インクジェット用流路板1を得た。
【0048】
ここで、流路板1の振動板接合面及びノズル板接合面の形状は、振動板2及びノズル板3接合時の余剰接着剤を流れ込ませる肉抜き部41、42のパターンとして<111>面で囲まれているエッチング領域をV字形状でエッチングストップする形状となるようにパターニングを行った。これにより、肉抜き部41、42の深さ寸法を容易に制御することができて、流路板1の剛性低下を抑制することができ、接着剤の溢れを防止できて安定した信頼性の高いヘッドが得られた。
【0049】
また、振動板あるいはノズル接合面の接合面積Aμmに対して、振動板あるいはノズル接合面の振動板あるいはノズル接合時に外部とは連通しない閉じられた<111>面で囲まれているエッチング領域はAμm以上の容積を持つようにパターニングを行ったので、接合時に接着剤がノズル連通路(連通管)に流れ込むこともないことが確認できた。
【0050】
そして、この製造工程においては、流路形成部材をシリコンから形成し、ドライエッチングによる深堀と異方性ウェットエッチングとを併用して、必要なノズル連通路や加圧液室などの流路を形成したので、精度よく加圧液室を形成することが可能となり、吐出特性にばらつきのないヘッドが得られた。
【0051】
また、シリコン酸化膜のみをマスクとして異方性ウェットエッチングを行って加圧液室を形成しているので、マスク作製工程が簡単で短工程のプロセスで済み、低コスト化を図れた。
【0052】
次に、本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法に係る第2実施形態の製造工程について図9及び図10を参照して説明する。
先ず、図9(a)に示すように、厚さ400μmで面方位(110)のシリコン基板(シリコンウエハを用いる。)71を用意し、このシリコン基板71両表面に厚さ1.0μmのシリコン酸化膜72a、72b及び厚さ0.15μmのシリコン窒化膜73a、73を形成した。なお、窒化膜73a、73bはLP−CVDで形成した。
【0053】
使用するウエハの厚みはそのまま連通管の高さ寸法となるので、600μm以下にウエハを使用することが好ましい。また、使用するウエハの種類は両面研磨ウエハ、両面未研磨ウエハ、片面未研磨ウエハのいずれのウエハであっても良く、また比抵抗も揃っている必要はなく、例えばここでは、比抵抗0.1−100Ωcmのウエハを使用している。
【0054】
次いで、同図(b)に示すように、シリコン基板71のノズル板接合面側のシリコン窒化膜73a表面に、ノズル連通路5を形成するための開口と、ノズル板3との接合時の余剰接着剤を流れ込ませる肉抜き部41を形成するための開口とを有するレジストパターン74aを形成した。
【0055】
そして、ドライエッチングを行って、シリコン窒化膜73aに、ノズル連通路5を形成するための開口75と、ノズル板3との接合時の余剰接着剤を流れ込ませる肉抜き部41を形成するための開口76をパターニングする。
【0056】
その後、同図(c)に示すように、シリコン基板71のノズル板接合面側のシリコン窒化膜73aを埋め込み、ノズル連通路5を形成するための開口を有するレジストパターン74c形成し、ドライエッチングを行って、シリコン窒化膜73aの開口75に連続してシリコン酸化膜72aにノズル連通路5を形成するための開口(以下では両開口を単に「開口75」と表記する。)をパターニングする。
【0057】
次に、同図(d)に示すように、シリコン基板71の振動板接合面側のシリコン窒化膜73b表面に、加圧液室6を形成するための開口と、振動板2との接合時の余剰接着剤を流れ込ませる肉抜き部41を形成するための開口とを有するレジストパターン74bを形成した。
【0058】
そして、ドライエッチングを行って、シリコン窒化膜73aに、加圧液室6を形成するための開口77と、振動板2との接合時の余剰接着剤を流れ込ませる肉抜き部42を形成するための開口78をパターニングする。
【0059】
次いで、同図(e)に示すように、シリコン基板71の振動板接合面側のシリコン窒化膜73bを埋め込み、ノズル連通路5を形成するための開口を有するレジストパターン74d形成し、ドライエッチングを行って、シリコン酸化膜72aにノズル連通路5を形成するための開口79をパターニングする。
【0060】
その後、図10(a)に示すように、レジストでシリコン窒化膜73aの開口75、76を埋め込み、ノズル連通路5を形成するための開口を有するレジストパターンのマスク80を形成した。このときのレジストの膜厚は8μmとした。そして、ICPドライエッチャーを使用して、シリコン基板71にノズル連通路5を形成するための深堀81を形成した。なお、ICPエッチングはノズル板接合面側から行っているが、振動板接合面側から行うこともできる。
【0061】
次いで、同図(b)に示すように、マスク80を除去して、水酸化カリウム水溶液によりシリコン基板71の異方性エッチングを行ってノズル連通路5となる連通管83を貫通形成した。
【0062】
その後、同図(c)に示すように、ウエットエッチングにより、ノズル板との接合時の余剰接着剤を流れ込ませる肉抜き部41を形成するための開口85に対応するシリコン酸化膜72aを除去するとともに、加圧液室6を形成するための開口86と、振動板2との接合時の余剰接着剤を流れ込ませる肉抜き部42を形成するための開口87に対応するシリコン酸化膜72bを除去する。
【0063】
そして、同図(d)に示すように、再度水酸化カリウム水溶液により、シリコン基板71の異方性エッチングを行って、シリコン基板71に、加圧液室6となる凹部、肉抜き部41、42となる各凹部を形成した。ここで、加圧液室部形成時のシリコンの異方性エッチングは、水酸化カリウム水溶液として溶液濃度30%のものを用いて、処理温度85℃で行った。
【0064】
そして、同図(e)に示すように、シリコン窒化膜73a、73b及びシリコン酸化膜72a、72bを除去し、その後図示しないが、耐インク接液膜(耐液性薄膜)10としてシリコン酸化膜を1μmの厚さで形成して、インクジェット用流路板1を得た。
【0065】
そして、この製造工程においては、流路形成部材をシリコンから形成し、ドライエッチングによる深堀と異方性ウェットエッチングとを併用して、必要なノズル連通路や加圧液室などの流路を形成したので、精度よく加圧液室を形成することが可能となり、吐出特性にばらつきのないヘッドが得られた。
【0066】
また、シリコン酸化膜/シリコン窒化膜の積層膜をマスクとして異方性ウェットエッチングを行ったので、シリコン窒化膜膜、シリコン酸化膜をそれぞれエッチングのマスクとして使用することでき、寸法制御性に優れたヘッドが得られる。
【0067】
なお、上記本発明に係る液滴吐出ヘッドの実施形態においては、圧力発生手段として積層型圧電素子を用いた例で説明しているがこれに限るものではなく、例えば図11ないし図13に示すように、その他の圧力発生手段を用いるヘッドにも本発明を適用することができる。
【0068】
すなわち、図11に示す液滴吐出ヘッドは、振動板2に薄膜圧電素子101を用いたヘッドである。また、図12に示す液滴吐出ヘッドは、振動板2に所定のギャップを置いて対向する電極102を設けた電極基板103を備え、振動板2と電極102との間で静電力を発生させることで振動板2を電極102側に変形させる静電型ヘッドである。さらに、図13に示す液滴吐出ヘッドは、振動板2に代えて電極基板104を接合し、この電極基板104の加圧液室6側にインクを加熱して膜沸騰で気泡を発生させる発熱抵抗体105を配設したサーマル型ヘッドである。
【0069】
次に、本発明に係る液滴吐出ヘッドとしてのインクジェットヘッドとインクタンクと一体にしたタンク一体型ヘッドについて図14を参照して説明する。
このインクカートリッジ(インクタンク一体型ヘッド)200は、ノズル孔201等を有する上記各実施形態のいずれかのインクジェットヘッド202と、このインクジェットヘッド202に対してインクを供給するインクタンク203とを一体化したものである。
【0070】
このようにインクタンク一体型のヘッドの場合、ヘッドの信頼性はただちに全体の信頼性につながるので、上述したように接合不良が生じないインクジェットヘッドを一体化することで、全体の歩留まりが向上して低コスト化を図れ、また、信頼性が向上する。
【0071】
次に、本発明に係る液滴吐出ヘッドからなるインクジェットヘッド(インクタンク一体型ヘッドを含む)を搭載したインクジェット記録装置の一例について図15及び図16を参照して説明する。なお、図15は同記録装置の斜視説明図、図16は同記録装置の機構部の側面説明図である。
【0072】
このインクジェット記録装置は、記録装置本体211の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ、キャリッジに搭載した本発明に係るインクジェットヘッドからなる記録ヘッド、記録ヘッドへインクを供給するインクカートリッジ等で構成される印字機構部212等を収納し、装置本体211の下方部には前方側から多数枚の用紙213を積載可能な給紙カセット(或いは給紙トレイでもよい。)214を抜き差し自在に装着することができ、また、用紙213を手差しで給紙するための手差しトレイ215を開倒することができ、給紙カセット214或いは手差しトレイ215から給送される用紙213を取り込み、印字機構部212によって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ216に排紙する。
【0073】
印字機構部212は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド221と従ガイドロッド222とでキャリッジ223を主走査方向に摺動自在に保持し、このキャリッジ223にはイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する本発明に係る液滴吐出ヘッドであるインクジェットヘッドからなるヘッド224を複数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。またキャリッジ223にはヘッド224に各色のインクを供給するための各インクカートリッジ225を交換可能に装着している。なお、上述したインクタンク一体型のインクカートリッジを搭載するようにすることもできる。
【0074】
インクカートリッジ225は上方に大気と連通する大気口、下方にはインクジェットヘッドへインクを供給する供給口を、内部にはインクが充填された多孔質体を有しており、多孔質体の毛管力によりインクジェットヘッドへ供給されるインクをわずかな負圧に維持している。
【0075】
また、記録ヘッドとしてここでは各色のヘッド224を用いているが、各色のインク滴を吐出するノズルを有する1個のヘッドでもよい。
【0076】
ここで、キャリッジ223は後方側(用紙搬送方向下流側)を主ガイドロッド221に摺動自在に嵌装し、前方側(用紙搬送方向上流側)を従ガイドロッド222に摺動自在に載置している。そして、このキャリッジ223を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ227で回転駆動される駆動プーリ228と従動プーリ229との間にタイミングベルト230を張装し、このタイミングベルト230をキャリッジ223に固定しており、主走査モーター227の正逆回転によりキャリッジ223が往復駆動される。
【0077】
一方、給紙カセット214にセットした用紙213をヘッド224の下方側に搬送するために、給紙カセット214から用紙213を分離給装する給紙ローラ231及びフリクションパッド232と、用紙213を案内するガイド部材233と、給紙された用紙213を反転させて搬送する搬送ローラ234と、この搬送ローラ234の周面に押し付けられる搬送コロ235及び搬送ローラ234からの用紙213の送り出し角度を規定する先端コロ236とを設けている。搬送ローラ234は副走査モータ237によってギヤ列を介して回転駆動される。
【0078】
そして、キャリッジ223の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラ234から送り出された用紙213を記録ヘッド224の下方側で案内する用紙ガイド部材である印写受け部材239を設けている。この印写受け部材239の用紙搬送方向下流側には、用紙213を排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ241、拍車242を設け、さらに用紙213を排紙トレイ216に送り出す排紙ローラ243及び拍車244と、排紙経路を形成するガイド部材245,246とを配設している。
【0079】
記録時には、キャリッジ223を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド224を駆動することにより、停止している用紙213にインクを吐出して1行分を記録し、用紙213を所定量搬送後次の行の記録を行う。記録終了信号または、用紙213の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ用紙213を排紙する。この場合、ヘッド224を構成する本発明に係るインクジェットヘッドは安定した滴吐出を行うことができるので、安定して高い画像品質の画像を記録することができる。
【0080】
また、キャリッジ223の移動方向右端側の記録領域を外れた位置には、ヘッド224の吐出不良を回復するための回復装置247を配置している。回復装置247はキャップ手段と吸引手段とクリーニング手段を有している。キャリッジ223は印字待機中にはこの回復装置247側に移動されてキャッピング手段でヘッド224をキャッピングされ、吐出口部を湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出することにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
【0081】
吐出不良が発生した場合等には、キャッピング手段でヘッド224の吐出口(ノズル)を密封し、チューブを通して吸引手段で吐出口からインクとともに気泡等を吸い出し、吐出口面に付着したインクやゴミ等はクリーニング手段により除去され吐出不良が回復される。また、吸引されたインクは、本体下部に設置された廃インク溜(不図示)に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体に吸収保持される。
【0082】
このように、このインクジェット記録装置においては本発明を実施したインクジェットヘッドを搭載しているので、信頼性が高く、安定したインク滴吐出特性が得られて、高画質記録を行うことができる。
【0083】
なお、上記実施形態においては、本発明に係る液滴吐出ヘッドをインクジェットヘッドに適用したが、インク以外の液体の滴、例えば、パターニング用の液体レジストを吐出する液滴吐出ヘッド、遺伝子分析試料を吐出する液滴吐出ヘッドなどにも適用することできる。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る液滴吐出ヘッドによれば、流路形成部材がシリコン基板から形成され、この流路形成部材のノズル板との接合面及び/又は振動板との接合面に外部とは連通しない閉じられたエッチング領域を形成し、このエッチング領域は<111>面で囲まれている構成としたので、流路形成部材の剛性低下を抑制して、しかも接着剤の溢れ出しを防止できて、安定した滴吐出特性を得ることができる。
【0085】
本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法によれば、流路形成部材をシリコンで形成した本発明に係る液滴吐出ヘッドを製造する製造方法であって、流路形成部材はドライエッチングによる深堀又はドライエッチングによる深堀と異方性ウェットエッチングとを併用して形成する構成としたので、低コストで信頼性の高いヘッドを得ることができる。
【0086】
本発明に係るインクカートリッジは、本発明に係る液滴吐出ヘッドとインクタンクとを一体化したので、流路形成部材の剛性低下を抑制して、しかも接着剤の溢れ出しを防止できて、安定した滴吐出特性を得ることができるカートリッジが得られる。
【0087】
本発明に係るインクジェット記録装置は、インクジェットヘッドが本発明に係る液滴吐出ヘッド又はインクカートリッジである構成としたので、信頼性が向上し、安定して高品質画像を記録することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液滴吐出ヘッドの実施形態に係るインクジェットヘッドの分解斜視説明図
【図2】同ヘッドの液室長手方向に沿う断面説明図
【図3】同ヘッドの液室短手方向に沿う要部断面説明図
【図4】同ヘッドの要部平面説明図
【図5】同ヘッドの流路形成部材の断面説明図
【図6】同流路形成部材のノズル板接合面側の平面説明図
【図7】同流路形成部材の振動板接合面側の平面説明図
【図8】本発明に係る製造方法の第1実施形態の製造工程を説明する説明図
【図9】本発明に係る製造方法の第2実施形態の製造工程を説明する説明図
【図10】図9に続く工程を説明する説明図
【図11】インクジェットヘッドの他の例を示す断面説明図
【図12】インクジェットヘッドの更に他の例を示す断面説明図
【図13】インクジェットヘッドの更にまた他の例を示す断面説明図
【図14】本発明に係る液滴吐出ヘッドをインクタンクと一体化したインクカートリッジの説明に供する斜視説明図
【図15】本発明に係る液滴吐出ヘッドを搭載したインクジェット記録装置の一例を示す斜視説明図
【図16】同記録装置の機構部の側面説明図
【符号の説明】
1…流路板、2…振動板、3…ノズル板、4…ノズル、5…ノズル連通路(連通管)、6…加圧液室、7…流体抵抗部、8…共通液室、10…耐液性薄膜、12…圧電素子、13…ベース基板、41、42…接着剤逃がし用肉抜き部、214…記録ヘッド。

Claims (7)

  1. ノズルが連通する液室を形成する流路形成部材と、前記ノズルを形成したノズル板及び/又は前記液室の壁面を形成する振動板とを接合した液滴吐出ヘッドにおいて、前記流路形成部材がシリコン基板から形成され、この流路形成部材のノズル板との接合面及び/又は振動板との接合面に外部とは連通しない閉じられたエッチング領域を形成し、このエッチング領域は<111>面で囲まれていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  2. 請求項1に記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記流路形成部材のノズル板との接合面及び/又は振動板との接合面面積Aμmに対して、前記<111>面で囲まれているエッチング領域はAμm以上の容積を持つことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  3. 請求項1又は2に記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記液室の壁面には酸化膜又は窒化チタン膜が形成されていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドを製造する製造方法であって、前記流路形成部材はシリコンのドライエッチングによる深堀と異方性ウェットエッチングとを併用して形成することを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
  5. 請求項4に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法において、前記異方性ウエットエッチングはシリコン酸化膜/シリコン窒化膜の積層膜をマスクとして行うことを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
  6. インク滴を吐出するインクジェットヘッドとこのインクジェットヘッドにインクを供給するインクタンクを一体化したインクカートリッジにおいて、前記インクジェットヘッドが請求項1ないし3のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドであることを特徴とするインクカートリッジ。
  7. インク滴を吐出させるインクジェットヘッドを備えたインクジェット記録装置において、前記インクジェットヘッドが請求項1ないし3のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド、又は請求項14に記載のインクカートリッジのインクジェットヘッドであることを特徴とするインクジェット記録装置。
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