JP2004017438A - 金属板ラミネート用白色積層ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた熱接着性(熱ラミネート性)を有し、製缶時の絞りしごき加工性に優れ、さらにはフィルムの生産性に優れるとともに、白度が均一で隠蔽性に優れた金属板ラミネート用白色フィルムを提供する。
【解決手段】ポリエステルA層とポリエステルB層とを積層してなる少なくとも2層以上の積層フィルムであって、A層が、PBTを主体とするポリエステル80〜40質量%と、PETを主体とするポリエステル20〜60質量%からなる樹脂組成物で構成され、B層が、PBTを主体とするポリエステル80〜30質量%と、融点が180〜240℃のPETを主体とするポリエステル20〜70質量%とからなる組成物に、酸化チタンを10〜40質量%含有させた樹脂組成物で構成され、積層フィルム中のボイド率が7%以下である金属板ラミネート用白色積層ポリエステルフィルム。
【選択図】 なし
【解決手段】ポリエステルA層とポリエステルB層とを積層してなる少なくとも2層以上の積層フィルムであって、A層が、PBTを主体とするポリエステル80〜40質量%と、PETを主体とするポリエステル20〜60質量%からなる樹脂組成物で構成され、B層が、PBTを主体とするポリエステル80〜30質量%と、融点が180〜240℃のPETを主体とするポリエステル20〜70質量%とからなる組成物に、酸化チタンを10〜40質量%含有させた樹脂組成物で構成され、積層フィルム中のボイド率が7%以下である金属板ラミネート用白色積層ポリエステルフィルム。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属板ラミネート用白色積層ポリエステルフィルムに関するものであり、詳しくは、優れた熱ラミネート性を有し、成型性、白度に優れ、製缶工程で摩耗による治具への傷の発生がなく、金属板への熱ラミネート後の厚み変化の少ない金属缶の外面被覆に好適に用いられる二軸延伸白色積層ポリエステルフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
食品、飲料用の包装には、スチール缶、アルミ缶等の金属缶が大量に使用されており、これらの金属缶は、耐食性、印刷性等を付与するために、従来、熱硬化性樹脂を主成分とする溶剤型塗料を塗布して用いられてきた。
しかし、このような塗料を塗布する方法は、塗料の乾燥に長時間を要するため、生産性が悪いと共に、環境汚染等の問題があり、近時、二軸延伸されたプラスチックフィルム、あるいはこれをベースとし、ヒートシール可能なフィルムをラミネートしたフィルムを用いて、金属にプラスチックをラミネートする方法を採用することが多くなってきた。
【0003】
プラスチックフィルムで被覆した金属缶は、鋼板、アルミ板等の金属板(メッキ等の表面処理を施したものを含む)にプラスチックフィルムをラミネートし、得られたフィルムラミネート金属板を成型加工して製造されている。
このような用途に用いられるプラスチックフィルムには、▲1▼金属板とのラミネート性がよいこと、▲2▼缶の成型性に優れていること、つまり、缶の成型時にフィルムの剥離、亀裂、クラック、ピンホール等の発生がないこと、▲3▼缶内容物の風味を損ねることがないこと(缶の内面に用いられる場合)、▲4▼レトルト処理をしたときにウォータースポットや白粉が発生しないことなどの数々の特性が同時に要求される。なお、ウォータースポットとは、ラミネート時に溶融して非晶化したフィルムがレトルト処理時に水滴が付着して、結晶化して白色化する現象をいい、これが発生すると商品の美観を損なう。また、白粉とは、オリゴマー等の低分子量物がフィルム表面に析出したものをいい、缶内面に用いられたラミネートフィルムに白粉が発生すると、缶内容物の風味を損ね、缶外面に用いられたフィルムに発生すると、缶の美麗性を損なう。
【0004】
缶外面用フィルムとしては、酸化チタンを充填したポリエチレンテレフタレートもしくはその共重合体の二軸延伸フィルムが、物理的、機械的、化学的特性に優れた素材として用いられている。
しかし、熱ラミネート性、白度といった点に改良すべき課題があり、特に、缶外面に美しい印刷を行う場合には、白度のさらに高いものが要求される。また、缶の加工変化率が大きい場合には、最終的に出来上がる缶の表面白度を維持するためにも、白度の高いフィルムが要求されてきている。
【0005】
このような金属ラミネート用白色フィルムとしては、例えば、缶の成型加工性を改良するために共重合ポリエステルに酸化チタンを混合したものが特開平5−170942号公報に開示されている。また、共重合ポリエステルに純度95%以上のルチル型酸化チタンを混合したものが特開平5−339391号公報に開示されている。また、缶の加工性と耐衝撃性とを向上するために、高濃度の酸化チタンのマスターチップと粘度分布の広い希釈ポリマーとを混合したものが特開平6−271686号公報に開示されている。また、耐衝撃性を向上させるために酸化チタンのマスターチップに高粘度の希釈ポリマーを混合したものが特開平6−49234号公報に開示されている。また、顔料濃度の異なる2種類の共重合ポリエステルを積層させた積層ポリエステルフィルムが特開平6−39980号公報と特開平7−52351号公報に開示されている。また、ポリエチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートを所定配合比で配合し、顔料濃度の異なる層を積層させた積層ポリエステルフィルムが特開平10−119217号公報に開示されている。
上記のように、ポリエステル樹脂に酸化チタンを充填した単層又は複層の白色フィルムが提案されているが、これらのフィルムは、絞りしごき加工等を要する金属缶の製缶時において、フィルムの剥離、微小クラック、破断、白化などが発生するため製缶性が劣り、また、深絞り成形に使用する絞りダイスやその他治具を摩耗させ、さらには、フィルム中のポリエステル樹脂と酸化チタンの界面にボイドが発生するため、フィルムの生産性が悪化するとともに、鋼板に熱ラミネートした後のフィルムに厚み変化が生じる結果、白度斑が生じるという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、優れた熱接着性(熱ラミネート性)を有し、製缶時の絞りしごき加工性に優れ、さらにはフィルムの生産性に優れるとともに、白度が均一で隠蔽性に優れた金属板ラミネート用白色フィルムを提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、結晶性の異なる2種以上のポリエステル、すなわち、ポリブチレンテレフタレート主体のポリエステルとポリエチレンテレフタレート主体のポリエステルが特定の割合で配合された層(A層)と、ポリブチレンテレフタレート主体のポリエステルと特定の融点を保有するポリエチレンテレフタレート主体のポリエステルを特定の割合で配合し、酸化チタンを特定量含有させた組成物からなる層(B層)を積層し、積層フィルム中のボイド率を7%以下とすることにより、上記課題を解決できることを見出し本発明に到達した。
【0008】
すなわち、本発明の要旨は次の通りである。
ポリエステルA層とポリエステルB層とを積層してなる少なくとも2層以上の積層フィルムであって、ポリエステルA層が、ポリブチレンテレフタレート又はこれを主体とするポリエステル(ポリエステルA1)80〜40質量%と、ポリエチレンテレフタレート又はこれを主体とするポリエステル(ポリエステルA2)20〜60質量%からなる樹脂組成物で構成され、ポリエステルB層が、ポリブチレンテレフタレート又はこれを主体とするポリエステル(ポリエステルB1)80〜30質量%と、融点が180〜240℃のポリエチレンテレフタレート又はこれを主体とするポリエステル(ポリエステルB2)20〜70質量%とからなる組成物に、酸化チタンを10〜40質量%含有させた樹脂組成物で構成され、積層フィルム中のボイド率が7%以下であることを特徴とする金属板ラミネート用白色積層ポリエステルフィルム。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0010】
本発明の積層ポリエステルフィルムは、ポリエステルA層とB層とから構成され、ポリエステルA層はポリエステルA1とポリエステルA2とからなる樹脂組成物で構成されている。
【0011】
本発明において、ポリエステルA1はポリブチレンテレフタレート又はこれを主体として他の成分を共重合したものを用いることが必要である。
ポリエステルA1における共重合成分としては、特に限定されないが、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ダイマー酸、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等のジカルボン酸、4−ヒドロキシ安息香酸、ε−カプロラクトン、乳酸などのオキシカルボン酸、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAやビスフェノールSのエチレンオキシド付加体等のグリコ−ル等があげられる。さらに、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の3官能化合物等を少量用いてもよい。これらの共重合体は2種以上併用してもよい。
【0012】
ポリエステルA1の固有粘度は、0.8以上であることが好ましく、より好ましくは0.9以上である。固有粘度が0.8未満であると、2ピース缶等の深絞り加工時に、フィルムに破断が発生し、缶体がアルミニウム等の軟らかい金属の場合、破体することがある。
【0013】
本発明において、ポリエステルA層の構成成分であるポリエステルA2としては、ポリエチレンテレフタレート又はこれを主体として他の成分を共重合したものを用いることが必要である。ポリエステルA2における共重合成分としては、特に限定されないが、ポリエステルA1の場合と同様の化合物を例示することができる。
ポリエステルA2の固有粘度は、0.6以上であることが好ましく、より好ましくは0.65以上である。固有粘度が0.6未満であると、2ピース缶等の深絞り成形時に、フィルムに破断が発生し、缶体がアルミニウム等の軟らかい金属の場合、破体することがある。
【0014】
本発明において、ポリエステルA層を構成する樹脂組成物は、ポリエステルA1とA2の質量比が、A1/A2=80/20〜40/60(質量%)であることが必要であり、好ましくは70/30〜50/50、さらに好ましくは65/35〜55/45である。ポリエステルA1が80質量%を超えると、2ピース缶等の深絞り成形時に、フィルムに微小クラックや白化が発生することがある。ポリエステルA1が40質量%未満であると、2ピース缶等の深絞り成形時に、フィルムに破断が発生しやすく、缶体がアルミニウム等の軟らかい金属の場合、破体することがある。
【0015】
本発明において、ポリエステルA層は、示差走査熱分析で二箇所に融解ピークを有し、一方のピークが210〜225℃であり、もう一方のピークが243℃以上であることが好ましい。210〜225℃に融解ピークを有しない場合、2ピース缶等の深絞り成形時に、フィルムに微小クラックや白化が発生しやすい。また、243℃以上に融解ピークを有しない場合、2ピース缶等の深絞り成形時に、缶体がアルミニウム等の軟らかい金属の場合、破体することがある。
【0016】
本発明において、ポリエステルA層の固有粘度は、0.70以上であることが好ましく、さらに好ましくは0.75以上であり、より好ましくは0.80以上である。ポリエステルA層の固有粘度が0.70未満の場合、2ピース缶等の深絞り成形時に、フィルムに破断が発生し、缶体がアルミニウム等の軟らかい金属の場合、破体することがある。
【0017】
本発明の積層ポリエステルフィルムのポリエステルA層に、酸化チタンを含有することができる。ポリエステルA層中にも酸化チタンを含有させると、本発明の積層ポリエステルフィルムの白度及び隠蔽性を増加することができるので好ましいが、その含有量は5質量%以下であることが好ましい。含有量が5質量%より多いと、2ピース缶の製缶工程で、深絞り成形に使用する絞りダイスやその他の治具が摩耗し、生産に著しく支障を生じることがあり、また、酸化チタン粉が飛散し、熱ラミネートロールへの付着等の問題が発生することがある。
【0018】
次に、本発明の積層ポリエステルフィルムを構成するもう一つの層であるポリエステルB層について説明する。ポリエステルB層は、ポリエステルB1とB2とからなる組成物に酸化チタンを含有させた樹脂組成物で構成されている。
【0019】
本発明において、ポリエステルB1はポリブチレンテレフタレート又はこれを主体として他の成分を共重合したものを用いることが必要である。ポリエステルB1における共重合成分としては、特に限定されないが、ポリエステルA1の場合と同様の化合物を例示できる。
ポリエステルB1の固有粘度は、0.8以上であることが好ましく、より好ましくは0.9以上である。固有粘度が0.8未満であると、2ピース缶等の深絞り成形時に、フィルムに破断が発生し、缶体がアルミニウム等の軟らかい金属の場合、破体することがある。
【0020】
本発明において、ポリエステルB層の構成成分であるポリエステルB2としては、ポリエチレンテレフタレート又はこれを主体として他の成分を共重合したものを用いることが必要である。ポリエステルB2における共重合成分としては、特に限定されないが、ポリエステルA1の場合と同様の化合物を例示することができる。
【0021】
なかでも、ポリエステルB2の共重合成分としては、熱ラミネート時に適度なラミネート適性と結晶性を有し、さらには、安価に生産されることが好ましいことから、イソフタル酸が好適に使用される。イソフタル酸を共重合する場合、その共重合量は5〜15モル%であることが好ましい。イソフタル酸成分が5モル%未満の場合には、熱ラミネートが低下するので好ましくない。イソフタル酸成分が15モル%を超える場合には、製缶工程後のヒートセット時や印刷焼き付け時の耐熱性に問題が生じる上に、熱ラミネート時にフィルムが溶融し、ラミネートロールへフィルムが巻き付いたりするため、操業上好ましくない。
また、ポリエステルB2には、特性を損なわない範囲で、他の共重合成分を併用してもよい。
【0022】
本発明において、ポリエステルB2の融点は180〜240℃であることが必要であり、好ましくは200〜235℃、より好ましくは210〜230℃である。ポリエステルB2の融点が180℃未満の場合、製缶工程後のヒートセット時や印刷焼き付け時の耐熱性に問題が生じたり、熱ラミネート時にフィルムが溶融し、ラミネートロールへフィルムが巻き付いたりすることがあるため、操業上好ましくない。ポリエステルB2の融点が240℃を超える場合、熱ラミネートが困難となり、好ましくない。
【0023】
本発明において、ポリエステルB2の固有粘度は0.55以上であることが好ましい。固有粘度が0.55未満であると、2ピース缶等の深絞り成形時に、フィルムに破断が発生し、缶体がアルミニウム等の軟らかい金属の場合、破体することがある。
【0024】
本発明において、ポリエステルB層を構成する組成物は、ポリエステルB1とB2の質量比が、B1/B2=80/20〜30/70(質量%)であることが必要であり、好ましくは70/30〜40/60、さらに好ましくは65/35〜50/50である。ポリエステルB1が80質量%を超えると、2ピース缶等の深絞り成形時に、フィルムに微小クラックや白化が発生することがある。ポリエステルB1が30質量%未満であると、製缶工程後のヒートセット時や印刷焼き付け時の耐熱性に問題が生じたり、熱ラミネート時にフィルムが溶融し、ラミネートロールへフィルムが巻き付いたりすることがあるため、操業上好ましくない。
【0025】
本発明において、ポリエステルB層は、ポリエステルB1とB2とからなる組成物に酸化チタンを含有させた樹脂組成物で構成されている。酸化チタンの含有量は10〜40質量%であることが必要であり、好ましくは12〜30質量%、より好ましくは15〜25質量%である。酸化チタンの含有量が10質量%未満であるとフィルムの白度及び隠蔽性が不足する。40質量%を超えると、フィルム製造時の延伸切断が多発したり、フィルムの端部をカッティング(トリミング)する工程や、フィルムを所定製品幅にスリットする際のトリミングする工程で、カッター刃の摩耗が著しく、生産性が低下し、さらには、得られるフィルムの強度が低下したり、熱ラミネート性が悪化する場合もあり、好ましくない。
【0026】
本発明において用いられる酸化チタンは、ルチル型、アナターゼ型、もしくは、ブルカイト型のものが用いられ、単独で用いてもよいし、混合使用してもよい。酸化チタンは、平均粒径が0.1〜0.5μm、好ましくは0.2〜0.4μmのものであることが望ましい。平均粒径が0.5μmより大きいと、酸化チタンの単位質量あたりの表面積が少なくなり、フィルムの隠蔽性や白度が不足する場合がある。また、ポリエステルへの分散性も悪くなり、生産安定性が損なわれるのは元より、得られるフィルムの表面に凹凸ができて光沢度が低くなったり、印刷適性に劣ったりする。平均粒径が0.1μm未満の場合は、平均粒径が可視光線の波長よりも小さくなって、可視光線がフィルムを透過するおそれがあり、フィルムの隠蔽性や白度は不足する場合がある。
【0027】
本発明において用いられる酸化チタンとしては、アルミナ、シリカ、酸化ジルコニウム、チタニア、酸化錫、酸化アンチモン、酸化亜鉛等の無機処理、あるいは、ペンタトリエリット等のポリオール系有機処理、アルキルクロロシラン系等のシリコーン系有機処理等を単独で表面処理、あるいはそれらを複合して表面処理を施したものが好ましい。
【0028】
本発明においては、酸化チタンとともに、他の白色顔料、例えば、アルミナ、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等を用いることができる。
【0029】
ポリエステルB層を構成する樹脂組成物に酸化チタンを含有させる方法としては、ポリエステル重合時にスラリーあるいは粉体の形態で添加する方法、溶融押出し、シート化する際にポリエステルペレットとともにスラリーあるいは粉体の形態で溶融混合する方法、ポリエステルペレットと酸化チタンを溶融混合した高濃度の酸化チタンを含有するマスターバッチを作製し、溶融押出し、シート化する際にマスターバッチをポリエステルペレットとともに溶融押出する方法等が挙げられる。
【0030】
本発明の積層ポリエステルフィルムは、フィルム中のボイド率が7%以下であることが必要であり、4%以下であることが好ましい。フィルム中のボイド率が7%より大きいと、フィルムが裂けやすくなり、作業性に劣る。また、製缶工程において、フィルムを金属板に熱ラミネートする際にボイドが潰れ、その部分のフィルムの厚みが薄くなってフィルムの厚み変化が生じ、缶表面の白度斑が大きくなり、商品価値が低下することになる。さらに、ボイド率が7%より大きいと、フィルムの生産工程において、延伸切断の発生頻度が高くなり、生産性が低下する。
【0031】
本発明の積層ポリエステルフィルムを形成するポリエステルは、常法によって重合することができ、例えば、エステル交換法、直接重合法等で重合することができる。例えばポリエチレンテレフタレートは、次のようにして製造することができる。
まず、ビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート及び/又はその低重合体の存在するエステル化槽に、テレフタル酸とエチレングリコールのスラリーを連続的に供給し、250℃程度の温度で8時間程度反応させ、エステル化反応率が95%付近のエステル化物を連続的に得る。これを重合缶に移送し、必要に応じイソフタル酸又はそのエチレングリコールエステルとジエチレングリコールを添加し、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウム、テトラブチルチタネート等の触媒の存在下、1.3hPa以下の減圧下で、280℃程度の温度で重縮合反応を行う。
このようにして得られるポリエステルは、オリゴマーやアセトアルデヒドを比較的多量に含有しているので、これらの量を減少させるため、減圧もしくは不活性ガス流通下、温度200〜240℃(ポリエステルの融点を超えない温度)で固相重合し、さらに必要に応じて水蒸気又は熱水で処理した後、製膜工程に供することが好ましい。
【0032】
また、ポリブチレンテレフタレートを製造する場合、まず、ジメチルテレフタレートと1,4−ブタンジオールをエステル交換槽に仕込み、230℃程度の温度で5時間程度反応させ、エステル交換反応率が95%付近のエステル交換物を得る。これを重合缶に移送し、テトラブチルチタネートなどの触媒の存在下、1.3hPa以下の減圧下に250℃程度の温度で所望の粘度まで溶融重合し、ポリマーを得る。
ポリエチレンテレフタレートの場合と同様に、ポリブチレンテレフタレートにおいてもオリゴマーの量を減少させることが好ましく、得られたポリエステルを減圧下もしくは不活性雰囲気下、140℃程度以下の温度で熱処理して製膜工程に供する。これをより効果的に実施するには、減圧下、もしくは不活性雰囲気下、160〜200℃の温度で熱処理(固相重合)するのがより効果的である。
【0033】
ポリエステルの重合法においては必要に応じ添加剤、例えば、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等を添加することができる。酸化防止剤としては、例えばヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物等を、熱安定剤としては、例えばリン系化合物を、紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系の化合物等を挙げることができる。また、異なるポリエステル間の反応抑制剤として、従来知られているリン系化合物を重合前、重合中、重合後に添加することが好ましい。特に、固相重合する場合、固相重合前の溶融重合終了時に添加することがさらに好ましい。
【0034】
本発明の積層ポリエステルフィルムは、各層を構成する2種のポリエステル樹脂組成物を220〜280℃で溶融し、フィードブロック法により重ね合わせてダイスより押出す方法、マルチマニホールドダイス中で重ね合わせて押出す方法、及び前記方法を組み合わせた方法等を用いてシート状に押出し、室温以下に温度調節した冷却ドラム上に密着させて冷却し、得られた未延伸シートをテンターで縦及び横方向に二軸延伸する方法によって製造することができる。
二軸延伸方法としては、同時二軸延伸法、逐次二軸延伸法等のテンター式二軸延伸方法、及びインフレーション法を用いることができる。同時二軸延伸方法は、延伸時の応力が低いため、切断発生の頻度が少なく、また、延伸時にポリエステルと酸化チタンの界面から発生するボイドが少ないので、好適に用いられる。
【0035】
この際、得られるフィルムが上記の特性を満足するように、製膜条件を選定することが必要であり、必要に応じて縦方向に1〜1.2倍程度の予備延伸をし、テンターにより、縦及び横の延伸倍率がそれぞれ2〜4倍程度となるように二軸延伸した後、横方向の弛緩率を数%として、80〜220℃で数秒間熱処理を施し、室温まで徐冷する。
テンターでの延伸温度は、フィルム中のボイド率を制御するために重要な条件であり、同時二軸延伸の場合、70〜100℃の範囲が、また逐次二軸延伸の場合、72〜100℃の範囲が好ましい。延伸温度が上記範囲未満の場合、未延伸フィルムの厚みの薄い部分から集中して延伸される不均一な延伸状態(いわゆるネッキング)となり、さらには、延伸時の応力が過剰なため、フィルム中に多量のボイドが発生し、延伸切断頻度が高くなり好ましくない。延伸温度が100℃を超えると、ポリブチレンテレフタレートが高結晶性であるため、同様にフィルムにネッキングが発生し、好ましくない。
【0036】
延伸後の熱処理は、フィルムの熱収縮率を小さくするために必要な工程であり、熱処理は、熱風を吹き付ける方法、赤外線を照射する方法、マイクロ波を照射する方法等公知の方法を行うことができるが、均一に精度良く加熱できることから熱風を吹き付ける方法が最適である。
【0037】
本発明の積層ポリエステルフィルムの厚みは、特に限定されないが、金属缶体として使用する際の絞りしごき加工での成型性を確保するためには、9〜30μmとするのが適当であり、好ましくは10〜20μmである。フィルムの厚みが9μm未満の場合、得られるフィルムの白度が劣り、30μmを超えるフィルムを生産する場合、延伸されたフィルムの端部をカッティング(トリミング)する工程や、フィルムを所定製品幅にスリットする際のトリミングする工程で、カッター刃の摩耗が著しく、生産性が悪くなり、好ましくない。
【0038】
ポリエステルA層とB層のフィルムの厚みも、特に限定されないが、A層は2〜25μmが好ましく、B層は、5〜28μmが好ましい。ポリエステルA層の厚みが2μm未満の場合、2ピース缶等の深絞り成形時に、フィルムに破断が発生し、缶体がアルミニウム等の軟らかい金属の場合、破体することがある。ポリエステルA層の厚みが25μmを超えるとフィルムの隠蔽性や白度が不足する。また、ポリエステルB層の厚みが5μm未満の場合には、フィルムの隠蔽性や白度が不足する。ポリエステルB層の厚みが28μmを超えた場合、フィルム生産時において、延伸されたフィルムの端部をカッティング(トリミング)する工程や、フィルムを所定製品幅にスリットする際のトリミングする工程で、カッター刃の摩耗が著しく、生産性が悪くなり、好ましくない。
【0039】
本発明の積層ポリエステルフィルムには、フィルム製造時や製缶時の工程通過性をさらに良くするため、シリカ、アルミナ、カオリン等の無機滑剤を、必要量添加して製膜し、フィルム表面にスリップ性を付与することが望ましい。さらに、フィルムの印刷加工性を向上させるため、例えば、帯電防止剤等を含有させることもできる。さらには、フィルムの色調調整のため、蛍光増白剤等を含有させることもできる。
【0040】
また、本発明の積層ポリエステルフィルムには、金属とのラミネート性をより向上させたり、強度をさらに高めたりするために、フィルム製造中にインラインコーティング、もしくはフィルム製造後のポストコーティングにより、接着層等任意のコーティング層を形成させてもよい。
接着層は、特に限定されないが、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂やこれらの各種変性樹脂からなる熱硬化性樹脂層であることが好ましい。
【0041】
本発明の積層ポリエステルフィルムを熱ラミネートする金属板としては、ブリキ、ティンフリースチール、アルミニウム等が挙げられ、必要に応じて、リン酸塩、クロム酸、電解クロム酸等の化成処理、錫、亜鉛、ニッケル等の金属メッキが施されているものでもよい。
【0042】
本発明の積層ポリエステルフィルムを金属板に熱ラミネートした際、フィルムと金属板の接着力は、3.0N以上であることが好ましい。フィルムと金属板の接着力が3.0N未満の場合には、缶を成型する工程においてフィルムが剥離したり、缶の性能が低下することがある。
【0043】
本発明の積層ポリエステルフィルムを金属板に熱ラミネートする方法としては、たとえば、高温に加熱した金属ロールと耐熱性のゴムロール(例えばシリコンゴムロール)の間を、フィルムと金属板を重ね合わせて通過させ、加熱加圧圧着する方法を用いることができる。金属ロールの温度としては、通常、ポリエステルの(融点−50)℃以上、融点以下の温度が適切である。
【0044】
【実施例】
次に、実施例によって本発明を具体的に説明する。なお、本発明におけるフィルムの特性値の測定方法は、次の通りである。
【0045】
▲1▼固有粘度(IV)
フェノール/四塩化エタン等質量混合物に溶解後、遠心分離機により酸化チタン等の無機物を除去後、温度20℃、濃度0.5g/dlで測定した溶液粘度から求めた。ちなみに、A層の固有粘度とは、A層のポリエステルを単独で押出して得られたフィルムの値である。
【0046】
▲2▼熱ラミネート性
試料フィルムのB層側がアルミ板に接するように、試料フィルムとアルミ板を重ね合わせ、220℃に加熱した金属ロールと160℃に加熱したシリコンゴムロールの間に、金属ロール/A層/B層/アルミ板/シリコンゴムロールとなるように、試料フィルムとアルミ板を配置した。そして、速度20m/min、線圧4.9×104N/mで加熱圧着し、2秒後に氷水中に浸漬し、フィルムラミネート板を得た。
得られたフィルムラミネート板から、幅18mmの短冊状の試験片(端部はラミネートせず、ラミネートされた部分がMDに80mm以上確保されるようにする)をTDに11枚切り出した。
次に、この試験片のフィルム面に、PET粘着テープ(日東電工社製#31B)を貼り付け、島津製作所社製オートグラフで、10mm/minの速度で180°剥離試験を行い、剥離強力を測定することにより、次の基準にしたがって接着性を評価した。
○:10枚以上の試験片の剥離強力が3.0N以上であるか、3.0N以上でフィルムが破断。
×:剥離強力が3.0未満の試験片が10枚以上。
××:熱ラミネート時に金属ロールにフィルムが融着。
【0047】
▲3▼融解ピーク
示差走査熱分析計(パーキンエルマー社製DSC−7)を用いて、試料3〜12mgを昇温速度20℃/minで50℃から280℃まで昇温して得られるピーク温度を測定した。
なお、ポリエステルA層の融解ピークの測定においては、フィルムラミネート板のフィルム面を深さ2.5μm程度までを剃刀で削り取り、試料を採取した。
【0048】
▲4▼白度
フィルムを日本電色工業社製SZ−Σ80COLOR MEASURING SYSTEMを用いて、反射法により測定し、得られた値L*を白度とした。
白度においては、82以上の数値が好ましい。
【0049】
▲5▼成型性
280℃に加熱したオーブン中にフィルムラミネート板を60秒間熱処理を施した後、円形状に切り取り、絞りダイスとポンチを用いて深絞り成形し、500ml相当の2ピース缶を製缶した。
1000缶以上の2ピース缶の製缶工程で、製缶された缶の外観検査を行い、成型性の評価とした。
◎:フィルムに異常がなく加工され、フィルムに剥離、微小クラックや破断、白化が認められない個数が全体の98%以上。
○:フィルムに異常がなく加工され、フィルムに剥離、微小クラックや破断、白化が認められない個数が全体の95%以上。
×*1:フィルムに破断が発生するか、缶体が破体する個数が全体の5%以上。
×*2:フィルムに微小クラックや白化が発生する個数が全体の5%以上。
【0050】
▲6▼耐摩耗性
2ピース缶の製缶工程で、深絞り成形に使用する絞りダイスやその他治具に摩耗が認められれば×、僅かに認められれば△、認められなければ○とした。
▲7▼酸化チタン濃度(Wα)
試料フィルム約30gをルツボに入れ、ガスバーナーで1時間加熱し、完全燃焼させた。燃焼前の試料フィルムの質量と燃焼後の灰化物の質量から次式によりフィルム中の酸化チタン濃度(Wα)を求めた。
酸化チタン濃度(Wα)=(灰化物質量/試料フィルム質量)×100(%)
なお、フィルム中の無機滑剤等による影響は、その含有量が0.1質量%未満であるので無視した。
▲8▼ボイド率
樹脂組成物に酸化チタンを添加しない以外は実施例及び比較例と同様にして積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの密度(dB)を密度勾配管法により求めた。
酸化チタンの密度(dT)を4.27とし、酸化チタンを含有しない積層フィルムの密度(dB)から次式により、酸化チタン濃度がWα(%)である白色積層フィルムの理論密度(d)を求めた。
d=100÷[(Wα/dT)+(100−Wα)/dB]
次に、実施例及び比較例で得られた積層フィルムの密度(dA)を上記密度勾配管法により求め、次式より積層フィルムのボイド率を算出した。
ボイド率(%)=[(d−dA)/d]×100
なお、フィルムの密度は、測定点数5点の平均値を用いた。
▲9▼厚み変化率
試料フィルムを熱ラミネートする前後のフィルムの断面を走査電子顕微鏡で観察して厚みを測定し、次式から厚み変化率を算出した。なお、厚み変化率が5%以上では、熱ラミネート鋼板として使用するフィルムとしては好ましくない。
厚み変化率(%)=[(Ta−Tb)/Ta]×100
Ta:熱ラミネート前のフィルムの厚さ(μm)
Tb:熱ラミネート後のフィルムの厚さ(μm)
【0051】
実施例1
ポリエステルA1として固有粘度1.00のポリブチレンテレフタレート(PBT)と、ポリエステルA2として固有粘度0.70のポリエチレンテレフタレート(PET)とを質量比60/40で配合し、酸化チタンを添加せずに、押出機Aを使用して押出温度275℃でポリエステルA層用の溶融樹脂組成物を押出した。
ポリエステルB1として固有粘度1.00のPBTと、ポリエステルB2として融点228℃のイソフタル酸12モル%共重合PET(IPA12−PET)とを質量比60/40で配合し、ポリエステル成分に対し、平均粒径0.26μmのルチル型酸化チタンを15質量%添加し、押出機Bを使用して押出温度260℃でポリエステルB層用の溶融樹脂組成物を押出した。
溶融したポリエステルA層用とB層用の樹脂組成物をTダイから共押出しし、表面温度18℃の冷却ドラムに密着させて、冷却し、A層厚さ25μmとB層厚さ135μmとからなる積層未延伸シートを得た。得られた未延伸シートをテンター式同時二軸延伸機において、延伸温度80℃で、縦方向3.2倍、横方向3.2倍に二軸延伸した後、横方向の弛緩率を5%として、温度155℃で4秒間の熱処理を施した後、冷却して捲き取り、厚さ16μmの白色積層ポリエステルフィルムを得た。
得られた積層ポリエステルフィルムの熱ラミネート性(熱ラミ性)、白度、成型性、耐摩耗性、密度、ボイド率、厚み変化率を表2に示した。なお、ポリエステルA層は、示差走査熱分析により、二箇所に融解ピークを有し、低温側の一方(Tm1)が215℃で、高温側(Tm2)が247℃であった。また、A層の固有粘度は、0.80であった。
【0052】
実施例2〜22、比較例1〜10
表1、2に示した条件に変更した以外は実施例1と同様にして、積層ポリエステルフィルムを得た。なお、用いたポリエステルIPA5−PBTはイソフタル酸5モル%共重合PBTを、IPA3−PET、IPA5−PET、IPA8−PET、IPA16−PET、IPA30−PETはそれぞれ、イソフタル酸3モル%、5モル%、8モル%、16モル%、30モル%共重合PETを、またSEA14−PETはセバシン酸14モル%共重合PETを表し、またPBT、PETとともにその固有粘度、融点を表1に示した。
得られた積層ポリエステルフィルムの熱ラミネート性(熱ラミ性)、白度、成型性、耐摩耗性、密度、ボイド率、厚み変化率を表2に示した。
比較例4と比較例7においては、熱ラミネート時にフィルムがラミネートロールに巻き付きが生じ、成型性と耐摩耗性の評価ができなかった。
比較例6においては、フィルムは一部得られるものの、すぐに延伸切断が発生したり、トリミング時にカッター刃の摩耗が著しく、フィルムを巻き取ることが困難であったため、熱ラミ性、成型性、耐摩耗性の評価ができなかった。
比較例8においては、熱ラミ時の剥離強力不足のため、アルミ板からフィルムが剥がれるため、成型性と耐摩耗性の評価ができなかった。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、熱ラミネート性、2ピース缶等を製造する際の絞りしごき加工性に優れ、また、絞りしごき成型時に絞りダイスやその他の治具が摩耗することがなく、さらに白度が均一で隠蔽性に優れた、金属缶の外面被覆に好適に用いることができる金属板ラミネート用白色積層ポリエステルフィルムが提供される。
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属板ラミネート用白色積層ポリエステルフィルムに関するものであり、詳しくは、優れた熱ラミネート性を有し、成型性、白度に優れ、製缶工程で摩耗による治具への傷の発生がなく、金属板への熱ラミネート後の厚み変化の少ない金属缶の外面被覆に好適に用いられる二軸延伸白色積層ポリエステルフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
食品、飲料用の包装には、スチール缶、アルミ缶等の金属缶が大量に使用されており、これらの金属缶は、耐食性、印刷性等を付与するために、従来、熱硬化性樹脂を主成分とする溶剤型塗料を塗布して用いられてきた。
しかし、このような塗料を塗布する方法は、塗料の乾燥に長時間を要するため、生産性が悪いと共に、環境汚染等の問題があり、近時、二軸延伸されたプラスチックフィルム、あるいはこれをベースとし、ヒートシール可能なフィルムをラミネートしたフィルムを用いて、金属にプラスチックをラミネートする方法を採用することが多くなってきた。
【0003】
プラスチックフィルムで被覆した金属缶は、鋼板、アルミ板等の金属板(メッキ等の表面処理を施したものを含む)にプラスチックフィルムをラミネートし、得られたフィルムラミネート金属板を成型加工して製造されている。
このような用途に用いられるプラスチックフィルムには、▲1▼金属板とのラミネート性がよいこと、▲2▼缶の成型性に優れていること、つまり、缶の成型時にフィルムの剥離、亀裂、クラック、ピンホール等の発生がないこと、▲3▼缶内容物の風味を損ねることがないこと(缶の内面に用いられる場合)、▲4▼レトルト処理をしたときにウォータースポットや白粉が発生しないことなどの数々の特性が同時に要求される。なお、ウォータースポットとは、ラミネート時に溶融して非晶化したフィルムがレトルト処理時に水滴が付着して、結晶化して白色化する現象をいい、これが発生すると商品の美観を損なう。また、白粉とは、オリゴマー等の低分子量物がフィルム表面に析出したものをいい、缶内面に用いられたラミネートフィルムに白粉が発生すると、缶内容物の風味を損ね、缶外面に用いられたフィルムに発生すると、缶の美麗性を損なう。
【0004】
缶外面用フィルムとしては、酸化チタンを充填したポリエチレンテレフタレートもしくはその共重合体の二軸延伸フィルムが、物理的、機械的、化学的特性に優れた素材として用いられている。
しかし、熱ラミネート性、白度といった点に改良すべき課題があり、特に、缶外面に美しい印刷を行う場合には、白度のさらに高いものが要求される。また、缶の加工変化率が大きい場合には、最終的に出来上がる缶の表面白度を維持するためにも、白度の高いフィルムが要求されてきている。
【0005】
このような金属ラミネート用白色フィルムとしては、例えば、缶の成型加工性を改良するために共重合ポリエステルに酸化チタンを混合したものが特開平5−170942号公報に開示されている。また、共重合ポリエステルに純度95%以上のルチル型酸化チタンを混合したものが特開平5−339391号公報に開示されている。また、缶の加工性と耐衝撃性とを向上するために、高濃度の酸化チタンのマスターチップと粘度分布の広い希釈ポリマーとを混合したものが特開平6−271686号公報に開示されている。また、耐衝撃性を向上させるために酸化チタンのマスターチップに高粘度の希釈ポリマーを混合したものが特開平6−49234号公報に開示されている。また、顔料濃度の異なる2種類の共重合ポリエステルを積層させた積層ポリエステルフィルムが特開平6−39980号公報と特開平7−52351号公報に開示されている。また、ポリエチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートを所定配合比で配合し、顔料濃度の異なる層を積層させた積層ポリエステルフィルムが特開平10−119217号公報に開示されている。
上記のように、ポリエステル樹脂に酸化チタンを充填した単層又は複層の白色フィルムが提案されているが、これらのフィルムは、絞りしごき加工等を要する金属缶の製缶時において、フィルムの剥離、微小クラック、破断、白化などが発生するため製缶性が劣り、また、深絞り成形に使用する絞りダイスやその他治具を摩耗させ、さらには、フィルム中のポリエステル樹脂と酸化チタンの界面にボイドが発生するため、フィルムの生産性が悪化するとともに、鋼板に熱ラミネートした後のフィルムに厚み変化が生じる結果、白度斑が生じるという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、優れた熱接着性(熱ラミネート性)を有し、製缶時の絞りしごき加工性に優れ、さらにはフィルムの生産性に優れるとともに、白度が均一で隠蔽性に優れた金属板ラミネート用白色フィルムを提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、結晶性の異なる2種以上のポリエステル、すなわち、ポリブチレンテレフタレート主体のポリエステルとポリエチレンテレフタレート主体のポリエステルが特定の割合で配合された層(A層)と、ポリブチレンテレフタレート主体のポリエステルと特定の融点を保有するポリエチレンテレフタレート主体のポリエステルを特定の割合で配合し、酸化チタンを特定量含有させた組成物からなる層(B層)を積層し、積層フィルム中のボイド率を7%以下とすることにより、上記課題を解決できることを見出し本発明に到達した。
【0008】
すなわち、本発明の要旨は次の通りである。
ポリエステルA層とポリエステルB層とを積層してなる少なくとも2層以上の積層フィルムであって、ポリエステルA層が、ポリブチレンテレフタレート又はこれを主体とするポリエステル(ポリエステルA1)80〜40質量%と、ポリエチレンテレフタレート又はこれを主体とするポリエステル(ポリエステルA2)20〜60質量%からなる樹脂組成物で構成され、ポリエステルB層が、ポリブチレンテレフタレート又はこれを主体とするポリエステル(ポリエステルB1)80〜30質量%と、融点が180〜240℃のポリエチレンテレフタレート又はこれを主体とするポリエステル(ポリエステルB2)20〜70質量%とからなる組成物に、酸化チタンを10〜40質量%含有させた樹脂組成物で構成され、積層フィルム中のボイド率が7%以下であることを特徴とする金属板ラミネート用白色積層ポリエステルフィルム。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0010】
本発明の積層ポリエステルフィルムは、ポリエステルA層とB層とから構成され、ポリエステルA層はポリエステルA1とポリエステルA2とからなる樹脂組成物で構成されている。
【0011】
本発明において、ポリエステルA1はポリブチレンテレフタレート又はこれを主体として他の成分を共重合したものを用いることが必要である。
ポリエステルA1における共重合成分としては、特に限定されないが、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ダイマー酸、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等のジカルボン酸、4−ヒドロキシ安息香酸、ε−カプロラクトン、乳酸などのオキシカルボン酸、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAやビスフェノールSのエチレンオキシド付加体等のグリコ−ル等があげられる。さらに、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の3官能化合物等を少量用いてもよい。これらの共重合体は2種以上併用してもよい。
【0012】
ポリエステルA1の固有粘度は、0.8以上であることが好ましく、より好ましくは0.9以上である。固有粘度が0.8未満であると、2ピース缶等の深絞り加工時に、フィルムに破断が発生し、缶体がアルミニウム等の軟らかい金属の場合、破体することがある。
【0013】
本発明において、ポリエステルA層の構成成分であるポリエステルA2としては、ポリエチレンテレフタレート又はこれを主体として他の成分を共重合したものを用いることが必要である。ポリエステルA2における共重合成分としては、特に限定されないが、ポリエステルA1の場合と同様の化合物を例示することができる。
ポリエステルA2の固有粘度は、0.6以上であることが好ましく、より好ましくは0.65以上である。固有粘度が0.6未満であると、2ピース缶等の深絞り成形時に、フィルムに破断が発生し、缶体がアルミニウム等の軟らかい金属の場合、破体することがある。
【0014】
本発明において、ポリエステルA層を構成する樹脂組成物は、ポリエステルA1とA2の質量比が、A1/A2=80/20〜40/60(質量%)であることが必要であり、好ましくは70/30〜50/50、さらに好ましくは65/35〜55/45である。ポリエステルA1が80質量%を超えると、2ピース缶等の深絞り成形時に、フィルムに微小クラックや白化が発生することがある。ポリエステルA1が40質量%未満であると、2ピース缶等の深絞り成形時に、フィルムに破断が発生しやすく、缶体がアルミニウム等の軟らかい金属の場合、破体することがある。
【0015】
本発明において、ポリエステルA層は、示差走査熱分析で二箇所に融解ピークを有し、一方のピークが210〜225℃であり、もう一方のピークが243℃以上であることが好ましい。210〜225℃に融解ピークを有しない場合、2ピース缶等の深絞り成形時に、フィルムに微小クラックや白化が発生しやすい。また、243℃以上に融解ピークを有しない場合、2ピース缶等の深絞り成形時に、缶体がアルミニウム等の軟らかい金属の場合、破体することがある。
【0016】
本発明において、ポリエステルA層の固有粘度は、0.70以上であることが好ましく、さらに好ましくは0.75以上であり、より好ましくは0.80以上である。ポリエステルA層の固有粘度が0.70未満の場合、2ピース缶等の深絞り成形時に、フィルムに破断が発生し、缶体がアルミニウム等の軟らかい金属の場合、破体することがある。
【0017】
本発明の積層ポリエステルフィルムのポリエステルA層に、酸化チタンを含有することができる。ポリエステルA層中にも酸化チタンを含有させると、本発明の積層ポリエステルフィルムの白度及び隠蔽性を増加することができるので好ましいが、その含有量は5質量%以下であることが好ましい。含有量が5質量%より多いと、2ピース缶の製缶工程で、深絞り成形に使用する絞りダイスやその他の治具が摩耗し、生産に著しく支障を生じることがあり、また、酸化チタン粉が飛散し、熱ラミネートロールへの付着等の問題が発生することがある。
【0018】
次に、本発明の積層ポリエステルフィルムを構成するもう一つの層であるポリエステルB層について説明する。ポリエステルB層は、ポリエステルB1とB2とからなる組成物に酸化チタンを含有させた樹脂組成物で構成されている。
【0019】
本発明において、ポリエステルB1はポリブチレンテレフタレート又はこれを主体として他の成分を共重合したものを用いることが必要である。ポリエステルB1における共重合成分としては、特に限定されないが、ポリエステルA1の場合と同様の化合物を例示できる。
ポリエステルB1の固有粘度は、0.8以上であることが好ましく、より好ましくは0.9以上である。固有粘度が0.8未満であると、2ピース缶等の深絞り成形時に、フィルムに破断が発生し、缶体がアルミニウム等の軟らかい金属の場合、破体することがある。
【0020】
本発明において、ポリエステルB層の構成成分であるポリエステルB2としては、ポリエチレンテレフタレート又はこれを主体として他の成分を共重合したものを用いることが必要である。ポリエステルB2における共重合成分としては、特に限定されないが、ポリエステルA1の場合と同様の化合物を例示することができる。
【0021】
なかでも、ポリエステルB2の共重合成分としては、熱ラミネート時に適度なラミネート適性と結晶性を有し、さらには、安価に生産されることが好ましいことから、イソフタル酸が好適に使用される。イソフタル酸を共重合する場合、その共重合量は5〜15モル%であることが好ましい。イソフタル酸成分が5モル%未満の場合には、熱ラミネートが低下するので好ましくない。イソフタル酸成分が15モル%を超える場合には、製缶工程後のヒートセット時や印刷焼き付け時の耐熱性に問題が生じる上に、熱ラミネート時にフィルムが溶融し、ラミネートロールへフィルムが巻き付いたりするため、操業上好ましくない。
また、ポリエステルB2には、特性を損なわない範囲で、他の共重合成分を併用してもよい。
【0022】
本発明において、ポリエステルB2の融点は180〜240℃であることが必要であり、好ましくは200〜235℃、より好ましくは210〜230℃である。ポリエステルB2の融点が180℃未満の場合、製缶工程後のヒートセット時や印刷焼き付け時の耐熱性に問題が生じたり、熱ラミネート時にフィルムが溶融し、ラミネートロールへフィルムが巻き付いたりすることがあるため、操業上好ましくない。ポリエステルB2の融点が240℃を超える場合、熱ラミネートが困難となり、好ましくない。
【0023】
本発明において、ポリエステルB2の固有粘度は0.55以上であることが好ましい。固有粘度が0.55未満であると、2ピース缶等の深絞り成形時に、フィルムに破断が発生し、缶体がアルミニウム等の軟らかい金属の場合、破体することがある。
【0024】
本発明において、ポリエステルB層を構成する組成物は、ポリエステルB1とB2の質量比が、B1/B2=80/20〜30/70(質量%)であることが必要であり、好ましくは70/30〜40/60、さらに好ましくは65/35〜50/50である。ポリエステルB1が80質量%を超えると、2ピース缶等の深絞り成形時に、フィルムに微小クラックや白化が発生することがある。ポリエステルB1が30質量%未満であると、製缶工程後のヒートセット時や印刷焼き付け時の耐熱性に問題が生じたり、熱ラミネート時にフィルムが溶融し、ラミネートロールへフィルムが巻き付いたりすることがあるため、操業上好ましくない。
【0025】
本発明において、ポリエステルB層は、ポリエステルB1とB2とからなる組成物に酸化チタンを含有させた樹脂組成物で構成されている。酸化チタンの含有量は10〜40質量%であることが必要であり、好ましくは12〜30質量%、より好ましくは15〜25質量%である。酸化チタンの含有量が10質量%未満であるとフィルムの白度及び隠蔽性が不足する。40質量%を超えると、フィルム製造時の延伸切断が多発したり、フィルムの端部をカッティング(トリミング)する工程や、フィルムを所定製品幅にスリットする際のトリミングする工程で、カッター刃の摩耗が著しく、生産性が低下し、さらには、得られるフィルムの強度が低下したり、熱ラミネート性が悪化する場合もあり、好ましくない。
【0026】
本発明において用いられる酸化チタンは、ルチル型、アナターゼ型、もしくは、ブルカイト型のものが用いられ、単独で用いてもよいし、混合使用してもよい。酸化チタンは、平均粒径が0.1〜0.5μm、好ましくは0.2〜0.4μmのものであることが望ましい。平均粒径が0.5μmより大きいと、酸化チタンの単位質量あたりの表面積が少なくなり、フィルムの隠蔽性や白度が不足する場合がある。また、ポリエステルへの分散性も悪くなり、生産安定性が損なわれるのは元より、得られるフィルムの表面に凹凸ができて光沢度が低くなったり、印刷適性に劣ったりする。平均粒径が0.1μm未満の場合は、平均粒径が可視光線の波長よりも小さくなって、可視光線がフィルムを透過するおそれがあり、フィルムの隠蔽性や白度は不足する場合がある。
【0027】
本発明において用いられる酸化チタンとしては、アルミナ、シリカ、酸化ジルコニウム、チタニア、酸化錫、酸化アンチモン、酸化亜鉛等の無機処理、あるいは、ペンタトリエリット等のポリオール系有機処理、アルキルクロロシラン系等のシリコーン系有機処理等を単独で表面処理、あるいはそれらを複合して表面処理を施したものが好ましい。
【0028】
本発明においては、酸化チタンとともに、他の白色顔料、例えば、アルミナ、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等を用いることができる。
【0029】
ポリエステルB層を構成する樹脂組成物に酸化チタンを含有させる方法としては、ポリエステル重合時にスラリーあるいは粉体の形態で添加する方法、溶融押出し、シート化する際にポリエステルペレットとともにスラリーあるいは粉体の形態で溶融混合する方法、ポリエステルペレットと酸化チタンを溶融混合した高濃度の酸化チタンを含有するマスターバッチを作製し、溶融押出し、シート化する際にマスターバッチをポリエステルペレットとともに溶融押出する方法等が挙げられる。
【0030】
本発明の積層ポリエステルフィルムは、フィルム中のボイド率が7%以下であることが必要であり、4%以下であることが好ましい。フィルム中のボイド率が7%より大きいと、フィルムが裂けやすくなり、作業性に劣る。また、製缶工程において、フィルムを金属板に熱ラミネートする際にボイドが潰れ、その部分のフィルムの厚みが薄くなってフィルムの厚み変化が生じ、缶表面の白度斑が大きくなり、商品価値が低下することになる。さらに、ボイド率が7%より大きいと、フィルムの生産工程において、延伸切断の発生頻度が高くなり、生産性が低下する。
【0031】
本発明の積層ポリエステルフィルムを形成するポリエステルは、常法によって重合することができ、例えば、エステル交換法、直接重合法等で重合することができる。例えばポリエチレンテレフタレートは、次のようにして製造することができる。
まず、ビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート及び/又はその低重合体の存在するエステル化槽に、テレフタル酸とエチレングリコールのスラリーを連続的に供給し、250℃程度の温度で8時間程度反応させ、エステル化反応率が95%付近のエステル化物を連続的に得る。これを重合缶に移送し、必要に応じイソフタル酸又はそのエチレングリコールエステルとジエチレングリコールを添加し、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウム、テトラブチルチタネート等の触媒の存在下、1.3hPa以下の減圧下で、280℃程度の温度で重縮合反応を行う。
このようにして得られるポリエステルは、オリゴマーやアセトアルデヒドを比較的多量に含有しているので、これらの量を減少させるため、減圧もしくは不活性ガス流通下、温度200〜240℃(ポリエステルの融点を超えない温度)で固相重合し、さらに必要に応じて水蒸気又は熱水で処理した後、製膜工程に供することが好ましい。
【0032】
また、ポリブチレンテレフタレートを製造する場合、まず、ジメチルテレフタレートと1,4−ブタンジオールをエステル交換槽に仕込み、230℃程度の温度で5時間程度反応させ、エステル交換反応率が95%付近のエステル交換物を得る。これを重合缶に移送し、テトラブチルチタネートなどの触媒の存在下、1.3hPa以下の減圧下に250℃程度の温度で所望の粘度まで溶融重合し、ポリマーを得る。
ポリエチレンテレフタレートの場合と同様に、ポリブチレンテレフタレートにおいてもオリゴマーの量を減少させることが好ましく、得られたポリエステルを減圧下もしくは不活性雰囲気下、140℃程度以下の温度で熱処理して製膜工程に供する。これをより効果的に実施するには、減圧下、もしくは不活性雰囲気下、160〜200℃の温度で熱処理(固相重合)するのがより効果的である。
【0033】
ポリエステルの重合法においては必要に応じ添加剤、例えば、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等を添加することができる。酸化防止剤としては、例えばヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物等を、熱安定剤としては、例えばリン系化合物を、紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系の化合物等を挙げることができる。また、異なるポリエステル間の反応抑制剤として、従来知られているリン系化合物を重合前、重合中、重合後に添加することが好ましい。特に、固相重合する場合、固相重合前の溶融重合終了時に添加することがさらに好ましい。
【0034】
本発明の積層ポリエステルフィルムは、各層を構成する2種のポリエステル樹脂組成物を220〜280℃で溶融し、フィードブロック法により重ね合わせてダイスより押出す方法、マルチマニホールドダイス中で重ね合わせて押出す方法、及び前記方法を組み合わせた方法等を用いてシート状に押出し、室温以下に温度調節した冷却ドラム上に密着させて冷却し、得られた未延伸シートをテンターで縦及び横方向に二軸延伸する方法によって製造することができる。
二軸延伸方法としては、同時二軸延伸法、逐次二軸延伸法等のテンター式二軸延伸方法、及びインフレーション法を用いることができる。同時二軸延伸方法は、延伸時の応力が低いため、切断発生の頻度が少なく、また、延伸時にポリエステルと酸化チタンの界面から発生するボイドが少ないので、好適に用いられる。
【0035】
この際、得られるフィルムが上記の特性を満足するように、製膜条件を選定することが必要であり、必要に応じて縦方向に1〜1.2倍程度の予備延伸をし、テンターにより、縦及び横の延伸倍率がそれぞれ2〜4倍程度となるように二軸延伸した後、横方向の弛緩率を数%として、80〜220℃で数秒間熱処理を施し、室温まで徐冷する。
テンターでの延伸温度は、フィルム中のボイド率を制御するために重要な条件であり、同時二軸延伸の場合、70〜100℃の範囲が、また逐次二軸延伸の場合、72〜100℃の範囲が好ましい。延伸温度が上記範囲未満の場合、未延伸フィルムの厚みの薄い部分から集中して延伸される不均一な延伸状態(いわゆるネッキング)となり、さらには、延伸時の応力が過剰なため、フィルム中に多量のボイドが発生し、延伸切断頻度が高くなり好ましくない。延伸温度が100℃を超えると、ポリブチレンテレフタレートが高結晶性であるため、同様にフィルムにネッキングが発生し、好ましくない。
【0036】
延伸後の熱処理は、フィルムの熱収縮率を小さくするために必要な工程であり、熱処理は、熱風を吹き付ける方法、赤外線を照射する方法、マイクロ波を照射する方法等公知の方法を行うことができるが、均一に精度良く加熱できることから熱風を吹き付ける方法が最適である。
【0037】
本発明の積層ポリエステルフィルムの厚みは、特に限定されないが、金属缶体として使用する際の絞りしごき加工での成型性を確保するためには、9〜30μmとするのが適当であり、好ましくは10〜20μmである。フィルムの厚みが9μm未満の場合、得られるフィルムの白度が劣り、30μmを超えるフィルムを生産する場合、延伸されたフィルムの端部をカッティング(トリミング)する工程や、フィルムを所定製品幅にスリットする際のトリミングする工程で、カッター刃の摩耗が著しく、生産性が悪くなり、好ましくない。
【0038】
ポリエステルA層とB層のフィルムの厚みも、特に限定されないが、A層は2〜25μmが好ましく、B層は、5〜28μmが好ましい。ポリエステルA層の厚みが2μm未満の場合、2ピース缶等の深絞り成形時に、フィルムに破断が発生し、缶体がアルミニウム等の軟らかい金属の場合、破体することがある。ポリエステルA層の厚みが25μmを超えるとフィルムの隠蔽性や白度が不足する。また、ポリエステルB層の厚みが5μm未満の場合には、フィルムの隠蔽性や白度が不足する。ポリエステルB層の厚みが28μmを超えた場合、フィルム生産時において、延伸されたフィルムの端部をカッティング(トリミング)する工程や、フィルムを所定製品幅にスリットする際のトリミングする工程で、カッター刃の摩耗が著しく、生産性が悪くなり、好ましくない。
【0039】
本発明の積層ポリエステルフィルムには、フィルム製造時や製缶時の工程通過性をさらに良くするため、シリカ、アルミナ、カオリン等の無機滑剤を、必要量添加して製膜し、フィルム表面にスリップ性を付与することが望ましい。さらに、フィルムの印刷加工性を向上させるため、例えば、帯電防止剤等を含有させることもできる。さらには、フィルムの色調調整のため、蛍光増白剤等を含有させることもできる。
【0040】
また、本発明の積層ポリエステルフィルムには、金属とのラミネート性をより向上させたり、強度をさらに高めたりするために、フィルム製造中にインラインコーティング、もしくはフィルム製造後のポストコーティングにより、接着層等任意のコーティング層を形成させてもよい。
接着層は、特に限定されないが、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂やこれらの各種変性樹脂からなる熱硬化性樹脂層であることが好ましい。
【0041】
本発明の積層ポリエステルフィルムを熱ラミネートする金属板としては、ブリキ、ティンフリースチール、アルミニウム等が挙げられ、必要に応じて、リン酸塩、クロム酸、電解クロム酸等の化成処理、錫、亜鉛、ニッケル等の金属メッキが施されているものでもよい。
【0042】
本発明の積層ポリエステルフィルムを金属板に熱ラミネートした際、フィルムと金属板の接着力は、3.0N以上であることが好ましい。フィルムと金属板の接着力が3.0N未満の場合には、缶を成型する工程においてフィルムが剥離したり、缶の性能が低下することがある。
【0043】
本発明の積層ポリエステルフィルムを金属板に熱ラミネートする方法としては、たとえば、高温に加熱した金属ロールと耐熱性のゴムロール(例えばシリコンゴムロール)の間を、フィルムと金属板を重ね合わせて通過させ、加熱加圧圧着する方法を用いることができる。金属ロールの温度としては、通常、ポリエステルの(融点−50)℃以上、融点以下の温度が適切である。
【0044】
【実施例】
次に、実施例によって本発明を具体的に説明する。なお、本発明におけるフィルムの特性値の測定方法は、次の通りである。
【0045】
▲1▼固有粘度(IV)
フェノール/四塩化エタン等質量混合物に溶解後、遠心分離機により酸化チタン等の無機物を除去後、温度20℃、濃度0.5g/dlで測定した溶液粘度から求めた。ちなみに、A層の固有粘度とは、A層のポリエステルを単独で押出して得られたフィルムの値である。
【0046】
▲2▼熱ラミネート性
試料フィルムのB層側がアルミ板に接するように、試料フィルムとアルミ板を重ね合わせ、220℃に加熱した金属ロールと160℃に加熱したシリコンゴムロールの間に、金属ロール/A層/B層/アルミ板/シリコンゴムロールとなるように、試料フィルムとアルミ板を配置した。そして、速度20m/min、線圧4.9×104N/mで加熱圧着し、2秒後に氷水中に浸漬し、フィルムラミネート板を得た。
得られたフィルムラミネート板から、幅18mmの短冊状の試験片(端部はラミネートせず、ラミネートされた部分がMDに80mm以上確保されるようにする)をTDに11枚切り出した。
次に、この試験片のフィルム面に、PET粘着テープ(日東電工社製#31B)を貼り付け、島津製作所社製オートグラフで、10mm/minの速度で180°剥離試験を行い、剥離強力を測定することにより、次の基準にしたがって接着性を評価した。
○:10枚以上の試験片の剥離強力が3.0N以上であるか、3.0N以上でフィルムが破断。
×:剥離強力が3.0未満の試験片が10枚以上。
××:熱ラミネート時に金属ロールにフィルムが融着。
【0047】
▲3▼融解ピーク
示差走査熱分析計(パーキンエルマー社製DSC−7)を用いて、試料3〜12mgを昇温速度20℃/minで50℃から280℃まで昇温して得られるピーク温度を測定した。
なお、ポリエステルA層の融解ピークの測定においては、フィルムラミネート板のフィルム面を深さ2.5μm程度までを剃刀で削り取り、試料を採取した。
【0048】
▲4▼白度
フィルムを日本電色工業社製SZ−Σ80COLOR MEASURING SYSTEMを用いて、反射法により測定し、得られた値L*を白度とした。
白度においては、82以上の数値が好ましい。
【0049】
▲5▼成型性
280℃に加熱したオーブン中にフィルムラミネート板を60秒間熱処理を施した後、円形状に切り取り、絞りダイスとポンチを用いて深絞り成形し、500ml相当の2ピース缶を製缶した。
1000缶以上の2ピース缶の製缶工程で、製缶された缶の外観検査を行い、成型性の評価とした。
◎:フィルムに異常がなく加工され、フィルムに剥離、微小クラックや破断、白化が認められない個数が全体の98%以上。
○:フィルムに異常がなく加工され、フィルムに剥離、微小クラックや破断、白化が認められない個数が全体の95%以上。
×*1:フィルムに破断が発生するか、缶体が破体する個数が全体の5%以上。
×*2:フィルムに微小クラックや白化が発生する個数が全体の5%以上。
【0050】
▲6▼耐摩耗性
2ピース缶の製缶工程で、深絞り成形に使用する絞りダイスやその他治具に摩耗が認められれば×、僅かに認められれば△、認められなければ○とした。
▲7▼酸化チタン濃度(Wα)
試料フィルム約30gをルツボに入れ、ガスバーナーで1時間加熱し、完全燃焼させた。燃焼前の試料フィルムの質量と燃焼後の灰化物の質量から次式によりフィルム中の酸化チタン濃度(Wα)を求めた。
酸化チタン濃度(Wα)=(灰化物質量/試料フィルム質量)×100(%)
なお、フィルム中の無機滑剤等による影響は、その含有量が0.1質量%未満であるので無視した。
▲8▼ボイド率
樹脂組成物に酸化チタンを添加しない以外は実施例及び比較例と同様にして積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの密度(dB)を密度勾配管法により求めた。
酸化チタンの密度(dT)を4.27とし、酸化チタンを含有しない積層フィルムの密度(dB)から次式により、酸化チタン濃度がWα(%)である白色積層フィルムの理論密度(d)を求めた。
d=100÷[(Wα/dT)+(100−Wα)/dB]
次に、実施例及び比較例で得られた積層フィルムの密度(dA)を上記密度勾配管法により求め、次式より積層フィルムのボイド率を算出した。
ボイド率(%)=[(d−dA)/d]×100
なお、フィルムの密度は、測定点数5点の平均値を用いた。
▲9▼厚み変化率
試料フィルムを熱ラミネートする前後のフィルムの断面を走査電子顕微鏡で観察して厚みを測定し、次式から厚み変化率を算出した。なお、厚み変化率が5%以上では、熱ラミネート鋼板として使用するフィルムとしては好ましくない。
厚み変化率(%)=[(Ta−Tb)/Ta]×100
Ta:熱ラミネート前のフィルムの厚さ(μm)
Tb:熱ラミネート後のフィルムの厚さ(μm)
【0051】
実施例1
ポリエステルA1として固有粘度1.00のポリブチレンテレフタレート(PBT)と、ポリエステルA2として固有粘度0.70のポリエチレンテレフタレート(PET)とを質量比60/40で配合し、酸化チタンを添加せずに、押出機Aを使用して押出温度275℃でポリエステルA層用の溶融樹脂組成物を押出した。
ポリエステルB1として固有粘度1.00のPBTと、ポリエステルB2として融点228℃のイソフタル酸12モル%共重合PET(IPA12−PET)とを質量比60/40で配合し、ポリエステル成分に対し、平均粒径0.26μmのルチル型酸化チタンを15質量%添加し、押出機Bを使用して押出温度260℃でポリエステルB層用の溶融樹脂組成物を押出した。
溶融したポリエステルA層用とB層用の樹脂組成物をTダイから共押出しし、表面温度18℃の冷却ドラムに密着させて、冷却し、A層厚さ25μmとB層厚さ135μmとからなる積層未延伸シートを得た。得られた未延伸シートをテンター式同時二軸延伸機において、延伸温度80℃で、縦方向3.2倍、横方向3.2倍に二軸延伸した後、横方向の弛緩率を5%として、温度155℃で4秒間の熱処理を施した後、冷却して捲き取り、厚さ16μmの白色積層ポリエステルフィルムを得た。
得られた積層ポリエステルフィルムの熱ラミネート性(熱ラミ性)、白度、成型性、耐摩耗性、密度、ボイド率、厚み変化率を表2に示した。なお、ポリエステルA層は、示差走査熱分析により、二箇所に融解ピークを有し、低温側の一方(Tm1)が215℃で、高温側(Tm2)が247℃であった。また、A層の固有粘度は、0.80であった。
【0052】
実施例2〜22、比較例1〜10
表1、2に示した条件に変更した以外は実施例1と同様にして、積層ポリエステルフィルムを得た。なお、用いたポリエステルIPA5−PBTはイソフタル酸5モル%共重合PBTを、IPA3−PET、IPA5−PET、IPA8−PET、IPA16−PET、IPA30−PETはそれぞれ、イソフタル酸3モル%、5モル%、8モル%、16モル%、30モル%共重合PETを、またSEA14−PETはセバシン酸14モル%共重合PETを表し、またPBT、PETとともにその固有粘度、融点を表1に示した。
得られた積層ポリエステルフィルムの熱ラミネート性(熱ラミ性)、白度、成型性、耐摩耗性、密度、ボイド率、厚み変化率を表2に示した。
比較例4と比較例7においては、熱ラミネート時にフィルムがラミネートロールに巻き付きが生じ、成型性と耐摩耗性の評価ができなかった。
比較例6においては、フィルムは一部得られるものの、すぐに延伸切断が発生したり、トリミング時にカッター刃の摩耗が著しく、フィルムを巻き取ることが困難であったため、熱ラミ性、成型性、耐摩耗性の評価ができなかった。
比較例8においては、熱ラミ時の剥離強力不足のため、アルミ板からフィルムが剥がれるため、成型性と耐摩耗性の評価ができなかった。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、熱ラミネート性、2ピース缶等を製造する際の絞りしごき加工性に優れ、また、絞りしごき成型時に絞りダイスやその他の治具が摩耗することがなく、さらに白度が均一で隠蔽性に優れた、金属缶の外面被覆に好適に用いることができる金属板ラミネート用白色積層ポリエステルフィルムが提供される。
Claims (5)
- ポリエステルA層とポリエステルB層とを積層してなる少なくとも2層以上の積層フィルムであって、ポリエステルA層が、ポリブチレンテレフタレート又はこれを主体とするポリエステル(ポリエステルA1)80〜40質量%と、ポリエチレンテレフタレート又はこれを主体とするポリエステル(ポリエステルA2)20〜60質量%からなる樹脂組成物で構成され、ポリエステルB層が、ポリブチレンテレフタレート又はこれを主体とするポリエステル(ポリエステルB1)80〜30質量%と、融点が180〜240℃のポリエチレンテレフタレート又はこれを主体とするポリエステル(ポリエステルB2)20〜70質量%とからなる組成物に、酸化チタンを10〜40質量%含有させた樹脂組成物で構成され、積層フィルム中のボイド率が7%以下であることを特徴とする金属板ラミネート用白色積層ポリエステルフィルム。
- ポリエステルB2がイソフタル酸成分を5〜15モル%共重合したポリエステルであることを特徴とする請求項1記載の金属板ラミネート用白色積層ポリエステルフィルム。
- ポリエステルA層が示差走査熱分析で二箇所に融解ピークを有し、一方のピークが210〜225℃で、もう一方のピークが243℃以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の金属板ラミネート用白色積層ポリエステルフィルム。
- ポリエステルA層の固有粘度が0.70以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の金属板ラミネート用白色積層ポリエステルフィルム。
- ポリエステルA層中の酸化チタン含有量が0〜5質量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の金属板ラミネート用白色積層ポリエステルフィルム。
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