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JP2003119698A - 軸装、額装用版画用紙 - Google Patents

軸装、額装用版画用紙

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Publication number
JP2003119698A
JP2003119698A JP2001313648A JP2001313648A JP2003119698A JP 2003119698 A JP2003119698 A JP 2003119698A JP 2001313648 A JP2001313648 A JP 2001313648A JP 2001313648 A JP2001313648 A JP 2001313648A JP 2003119698 A JP2003119698 A JP 2003119698A
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paper
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JP2001313648A
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Osamu Nakano
修 中野
Yukie Suzuki
幸恵 鈴木
Eri Murakami
恵理 村上
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Tokushu Paper Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Tokushu Paper Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、軸装用と額装用の両方に兼用できる
紙であって、比較的長期にわたって鑑賞と保管が繰り返
されても変色や強度低下の少ない保存性と安全性の良い
軸装、額装用版画用紙を提供することにある。即ち、凸
版、凹版、平版、孔版、併用版、インクジェットなどの
異なった版画技法による印刷適性が優れ、且つ、容易に
紙層間を剥離することができる紙を提供しようとするも
のである。 【解決手段】坪量120〜320g/mの2層以上の
多層漉き合わせ紙であって、剥離される印刷層(1)の
坪量は25〜90g/mの範囲内にあり、更に、印刷
層が1種以上の非木材繊維を含み且つその含有量が30
〜80重量%であり、且つ、印刷層(1)と台紙層
(2)、または台紙層(4)、あるいは印刷層(1)と
剥離層(3)との層間剥離強度が13〜59N/mの範
囲内にある、冷水抽出pH値が7.5±1.0の中性紙
を製造することで上記課題が解決できるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軸装、額装用版画
用紙に関し、さらに詳しくは、凸版、凹版、平版、孔
版、併用版、インクジェットなどの異なった版画技法に
よる印刷適性が優れ、且つ、容易に紙層間を剥離するこ
とが可能な、軸装用と額装用に兼用できる版画用紙に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】各種の美術品や複製品の制作者(以下作
家と称す)は、作家自身の作品を最大限に表現するため
に、それぞれ最適な版画技法と紙を選択して作品を制作
しているのが現状である。また、版画工房の作家は、著
名な作家の原画を複製するために、或いは時として自分
の作品を制作するために、イメージとして油彩画を代表
とする洋物と日本画や水墨画を代表とする和物に大別し
て、その作品のイメージを正確に再現することに努力を
続けている。更に、書家の作品である墨書や古文書など
の和紙を書写材料に使用したものや著名文筆家の原稿な
どもあって、複製の対象となる作品は非常に多種多様で
広範囲に及んでいる。
【0003】一方、作品を制作する版画技法には、凸版
画(木版画、リノカット、紙版画、スタンピング)、凹
版画(エッチング、アクアチントなどの銅版画全般)、
平版画(リトグラフ、オフセット、コロタイプ)、孔版
画(シルクスクリーン、ステンシル、ミメオグラフ)と
そのどれにも属さない技法(モノタイプ、ガラスステロ
版、コラージュ、ハンドメイドプリント、シバクロー
ム、ジークレー版等)がある。さらにこれらの技法を2
種以上併用し、一つの作品に重ね刷りする技法もある。
【0004】また、各種の版画技法に適した版画用紙
も、和紙を含め多種多様の紙が用いられている。しかし
ながら通常、作品は額縁に入れられるものと軸に仕立て
られるものに区別され、それぞれ紙の種類と重さが異な
ったものが使用されている。通常、額縁に入れる作品に
は、坪量が120〜320g/mの洋紙が使用され、
軸に仕立てるものは、坪量が30〜120g/mの機
械漉き和紙や手漉き和紙あるいは絹布などが使用されて
いる。両者の違いの理由は、額縁用には、銅版やリトグ
ラフなどの印刷作業に耐える取扱い適性と、へたりやカ
ールの無い形態保持性の良い厚い紙が適しており、軸装
用には紙を巻いて軸に仕立てるため、紙の角や巻き癖の
出にくい薄い紙が適しているからである。また、軸装用
の薄い紙を印刷する際には、印圧に耐えるためにクッシ
ョン性のある当て紙を併用し、水溶性の糊剤や粘着テー
プで当て紙と仮接着して使用するなど、その製作にはそ
れぞれの作家の経験とノウハウに頼るところが非常に多
く、煩雑で手間のかかる作業が強いられている。
【0005】さらに、前述した作品群は、複製品と雖も
比較的長期にわたって鑑賞と保管が繰り返されるので、
紙自身の変色や強度低下の少ないものが望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、軸装用と額
装用の両方に兼用できる紙であって、比較的長期にわた
る鑑賞と保管が繰り返されても変色や強度の低下が少な
い版画用紙を提供することにある。更に詳しくは、凸
版、凹版、平版、孔版、併用版、インクジェットなどの
異なった版画技法による印刷適性が優れ、且つ、容易に
紙層間を剥離することができる軸装、額装用版画用紙を
提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
の結果、各種の版画技法で印刷された作品を、額装する
際はそのまま使用し、軸装用として使用する際は印刷層
(1)を台紙層(2)または台紙層(4)、若しくは剥
離層(3)から2層に剥がした後、台紙層(2)または
台紙層(4)若しくは剥離層(3)を破棄し、あるいは
台紙層(2)または台紙層(4)及び剥離層(3)を破
棄し、印刷層(1)に裏打ちを施した後、軸に仕立てる
ことができる版画用紙を開発するに至った。即ち、所定
の坪量を有した漉き合わせ紙で、所定の坪量と層間剥離
強度を有する印刷層(1)を設けた版画用紙を提供する
ことが可能となった。
【0008】また、各種の版画技法に対する優れた印刷
適性を得るために、各種の製紙用繊維を検討した結果、
印刷層(1)内には1種以上の非木材繊維を含み且つそ
の含有量が印刷層(1)の30〜80重量%である必要
があることを見出した。
【0009】更に、比較的長期間にわたり鑑賞と保管が
繰り返される版画用紙の保存性を検討した結果、冷水抽
出pH値が7.5±1.0の中性紙である必要があるこ
とを見出した。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の軸装、額装用版画用紙と
は、坪量120〜320g/mの2層以上の多層漉き
合わせ紙であって、通常、既存の円網抄紙機や長網・円
網コンビネーションマシンで製造される。その構成は基
本的には印刷層(1)、剥離層(3)、台紙層(2)ま
たは台紙層(4)の組合せによって成る物である。坪量
が120g/m以下であると、各種の版画技法による
印刷において、印圧に耐える強度とクッション性が不足
するため、当て紙の併用が必要となる。更に、大きな作
品の場合、剛直性に乏しく、取扱いが困難になるので好
ましくない。また、320g/m以上では前記の問題
は無くなるが、紙の価格がアップし無駄となるので好ま
しくない。
【0011】また、本発明では印刷層(1)の坪量が2
5〜90g/m2であることを必要とする。25g/m
以下であると紙層間から剥離する際の強度が不足し、
剥離作業で紙切れが生じやすくなり軸装用として好まし
くない。また、90g/m以上であると紙が厚くなり
すぎ、紙を巻いて軸に仕立てる際に、紙の角や巻き癖が
出やすくなって軸装用として好ましくない。
【0012】更に、印刷層(1)を剥がす際の強度、即
ち層間剥離強度が13〜59N/mの範囲にあることが
必要である。13N/m以下であると紙層間から剥がし
易いが通常の紙の取扱い中に剥がれる心配があり好まし
くない。また、59N/m以上であると逆に剥がし難く
なり紙が破れることもあるので好ましくない。
【0013】本発明で使用する製紙用繊維としては、針
葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフト
パルプ(LBKP)、針葉樹晒サルファイトパルプ(N
BSP)などの晒化学パルプ及び塩素漂白法を用いない
ECF・TCFパルプなどの木材繊維とコットンラグ、
リンター、麻、亜麻、竹、藁、ケナフ、エスパルト、バ
ガス、楮、三椏、雁皮などの非木材繊維を単独であるい
は混合して用いる。
【0014】また、必要に応じてレーヨン、ビニロン、
ナイロンなどの合成繊維や再生古紙も併用する場合があ
る。しかしながら、比較的長期間にわたって鑑賞と保管
が繰り返されるため、作品群の変色や強度低下を来す危
険のある繊維の使用は好ましくなく、基本的には純度の
高いバージンパルプを使用することが好ましい。
【0015】本発明では、印刷層(1)に使用される製
紙用繊維の内、少なくとも1種以上の非木材繊維を含み
その含有量が印刷層(1)の30〜80重量%である必
要がある。本発明者らは、木材繊維に1種以上の非木材
繊維を併用すると、印刷適性が著しく向上することを見
出した。特に前述した版画技法の平版画の内、数十版の
重ね刷りが必要とされるリトグラフ印刷では、通常、同
一箇所に多量のインクが盛られる頻度が多いことは周知
の事実である。この場合、インキの吸収量が少なく吸収
速度が遅いと、重ね刷りした部分にインクの光沢ムラが
発生し、目的とする作品が得られにくいという問題点が
あった。本発明者らは、木材繊維に非木材繊維を併用す
るとインクの吸収量が増加して吸収速度が速くなり、光
沢ムラが抑えられることを見出した。この場合、非木材
繊維の含有量が30重量%以下であると光沢ムラが発生
しやすく、80重量%以上であると光沢ムラは発生しな
いが、紙の強度や抄紙適性に問題を生じるので好ましく
ない。
【0016】更に、前述した和物の作品製作には、より
印刷層に和紙のイメージが求められることがある。その
場合、非木材繊維の内、麻、楮、三椏、雁皮などを木材
繊維と混合して使用したり、1種類以上の非木材繊維と
木材繊維とを併用して使用することで、触感と視感共に
和紙風合いのある印刷層を得ることができる。
【0017】本発明で使用する填料としては、冷水抽出
pH値が7.5±1.0の中性紙を得るためにアルカリ
性を示す填料を用いる必要がある。その填料とは、炭酸
カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、
水酸化マグネシウムなどの既存の安価な粉体が望まし
く、これらを単独で或いは混合して使用できる。また、
通常の製紙用填料であるチタン白やタルク及び白土など
を併用することも差し支えない。アルカリ性を示す填料
の使用量は、印刷層、剥離層、台紙層とも、基本的には
製紙用繊維100重量部に対して、0.02〜5.0重
量部である。0.02重量部以下であると冷水抽出pH
値が6.5を下まわる場合があり好ましくない。また、
5.0重量部以上であると冷水抽出pH値が8.5を越
える場合があるので好ましくない。
【0018】本発明における冷水抽出pH値とは、JI
S P−8133「紙、板紙及びパルプ−水抽出液pH
の試験方法」に基づいて測定した値である。保存性を考
慮した紙の規格は我が国では制定されていないが、米国
規格「ANSI Z39.48−1984」や国際標準
化機構(ISO)の規格案によれば、定められた木材パ
ルプを使用し、2%炭酸カルシウム相当量のアルカリ・
リザーブを有する冷水抽出pH値が7.5〜10.0を
示す紙を好適としている。しかしながら本発明者らが各
種の冷水抽出pH値の異なる紙を互いに挿入して接触さ
せて強制劣化試験を行った結果、冷水抽出pH値が7.
5±1.0の範囲にある紙が最も変色の少ないことを見
出したのである。即ち、冷水抽出pH値が異なる紙と紙
を接触して使用する場合、両者の紙の冷水抽出pH値の
差が余り大きすぎると、保存性にとって好ましくなくな
る。
【0019】本発明では、均一で良好な剥離性能を得る
ために剥離層(3)を設けることを特徴の一つとしてい
る。軸装用に使用される場合には、印刷層(1)は印刷
後に台紙層(2)または台紙層(4)若しくは剥離層
(3)から剥離され破棄されることになる。図1−1、
図1−3の如く同じ製紙原料で印刷層(1)と台紙層
(2)を設ける場合は、印刷層(1)と台紙層(2)の
重さの比率や叩解度などが剥がし易さに大きく影響する
ので、図1−2の如く異種製紙原料、あるいは図1−
4、図1−5の如く、剥離層(3)が介在した方が均一
な剥離性が得られ易い。また、剥離層(3)は、印刷層
(1)と台紙層(2)または台紙層(4)に比較して繊
維結合強度の弱い紙層であることが望ましい。そのため
に前述した填料含有量が0.02〜5.0重量部である
場合は、叩解度の浅い短繊維の製紙原料と填料の定着剤
のみを添加したものが好適である。更に、冷水抽出pH
値の7.5±1.0を維持できるならば、剥離層には繊
維間結合を弱める目的で、製紙用繊維100重量部に対
して10〜100重量部の填料を多量に混入してもいっ
こうに差し支えない。
【0020】本発明では、既存のサイズ剤や紙力増強剤
及び防黴剤を必要にして最小限の量を、内部添加やサイ
ズプレス装置で付与する。サイズ剤としては、アルキル
ケテンダイマーやアルケニル無水コハク酸などを用い、
定着剤にはカチオン化澱粉などを用いる。また、必要に
応じて、ポリエチレンオキサイドなどの分散剤や湿潤紙
力増強剤及び染顔料などの着色剤も併用することができ
る。
【0021】本発明の軸装・額装用版画用紙は、前記の
製紙用繊維と填料を主体にスラリーを調整し、これにサ
イズ剤と定着剤を添加し、必要に応じて着色剤や紙力増
強剤も添加した後、前記した既存の抄紙機で抄紙して得
ることができる。
【0022】
【実施例】実施例1 針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)15重量部、広葉
樹晒クラフトパルプ(LBKP)35重量部、非木材繊
維(エスパルト)50重量部を480ml C.F.
S.に叩解して得られたパルプスラリーに、炭酸カルシ
ウム(商品名「炭カルPライト100」、白石工業
(株)製)を2.5重量部を混入し、5%濃度のスラリ
ーに調整した。このスラリーの固形分重量に対してカチ
オン化澱粉(商品名「ネオタックL−1」、日本食品化
工(株)製)を0.3%、紙力増強剤(商品名「ポリア
クロンCH−100」、荒川化学工業(株)製)0.5
%、サイズ剤(商品名「サイズパインK−903」、荒
川化学工業(株)製)0.3%添加した後、図1の如く
2層漉き円網抄紙機で坪量200g/mの軸装、額装
用版画用紙を得た。この紙の印刷層(1)は60g/m
、台紙層(2)は140g/mであり、層間剥離強
度は37N/mであった。また、冷水抽出pH値は7.
6であった。
【0023】実施例2 図1−2の如く印刷層(1)に供するために、実施例1
と全く同一の製紙原料で5%濃度のスラリーを調整し
た。このスラリーとは別に、台紙層(4)に供するため
針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)15重量部、広葉
樹晒クラフトパルプ(LBKP)85重量部を550m
l C.F.S.に叩解して得られたパルプスラリー
に、炭酸カルシウム3.5重量部と白土(商品名「白土
1級」、金谷工業(株)製)40重量部を混入し、5%
濃度スラリーに調整した後、このスラリーの固形分重量
に対してカチオン化澱粉0.5%とサイズ剤(商品名
「サイズパインK−903」、荒川化学工業(株)製)
0.4%を添加調整した。原料配合の異なる2種類のス
ラリーを、円網抄紙機を用いて2層漉き合わせを行い、
坪量207g/mの軸装、額装用版画用紙を得た。こ
の紙の印刷層(1)は58g/m、台紙層(4)は1
49g/mであり、層間剥離強度は26N/mであっ
た。
【0024】実施例3 図1−3の如く印刷層(1)に供するため、実施例1と
全く同一の製紙原料で2種類のスラリーを調整した。こ
のスラリーとは別に台紙層(2)に供するため、針葉樹
晒クラフトパルプ(NBKP)50重量部と広葉樹晒ク
ラフトパルプ(LBKP)50重量部を550ml
C.F.S.に叩解して得られたパルプスラリーに、炭
酸カルシウム1.5重量部を混入し、5%濃度のスラリ
ーに調整した。このスラリーの固形分重量に対してカチ
オン化澱粉を0.3%、サイズ剤0.2%を添加した
後、3層漉き円網抄紙機で坪量204g/mの軸装、
額装用版画用紙を得た。この紙の印刷層(1)は2層に
して、それぞれ40g/mと32g/mであり、台
紙層(2)と接した面の層間剥離強度は42N/mであ
った。
【0025】実施例4 図1−4の如く印刷層(1)と台紙層(2)に供するた
めに、実施例1と全く同一の製紙原料で2種類のスラリ
ーを調整した。このスラリーとは別に剥離層(3)に供
するために針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)50重
量部と広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)50重量部
を550mlC.F.S.に叩解して得られたパルプス
ラリーに炭酸カルシウム1.5重量%を混入し、5%濃
度スラリーに調整した。このスラリーの固形分重量に対
してカチオン化澱粉を0.3%、サイズ剤(商品名「サ
イズパインK−903」、荒川化学工業(株)製)0.
2%添加した後、3層漉き円網抄紙機で坪量202g/
の軸装、額装用版画用紙を得た。この紙の印刷層
(1)は53g/m、剥離層(3)は35g/m
台紙層(2)は114g/mであり、層間剥離強度は
24N/mであった。
【0026】実施例5 図1−5の如く印刷層(1)と台紙層(4)に供するた
めに、実施例2と全く同一の2種類の製紙原料で5%濃
度のスラリーを調整した。このスラリーとは別に、剥離
層(3)に供するため針葉樹晒クラフトパルプ(NBK
P)15重量部、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)
85重量部を550ml C.F.S.に叩解して得ら
れたパルプスラリーに、炭酸カルシウム3.5重量部と
白土40重量部を混入し、5%濃度スラリーに調整した
後、このスラリーの固形分重量に対してカチオン化澱粉
0.5%とサイズ剤(商品名「サイズパインk−90
3」、荒川化学工業(株)製)0.4%を添加調整し
た。原料配合の異なる3種類のスラリーを、円網抄紙機
を用いて3層漉き合わせを行い、坪量210g/m
軸装、額装用版画用紙を得た。この紙の印刷層(1)は
65g/m、剥離層(3)は55g/mであり、層
間剥離強度は23N/mであった。
【0027】比較例1 実施例1と全く同一の製紙原料と同一抄紙機を用いて、
坪量100g/mの軸装、額装用版画用紙を得た。こ
の紙の印刷層(1)は50g/m、台紙層(2)は5
0g/mであり、層間剥離強度は34N/mであっ
た。
【0028】比較例2 実施例1と全く同一の製紙原料と同一抄紙機を用いて、
坪量330g/mの軸装、額装用版画用紙を得た。こ
の紙の印刷層(1)は150g/m、台紙層(2)は
180g/mであり、層間剥離強度は75N/mであ
った。
【0029】比較例3 実施例1と全く同一の製紙原料と同一抄紙機を用いて、
坪量203g/mの軸装、額装用版画用紙を得た。こ
の紙の印刷層(1)は18g/m、台紙層(2)は1
85g/mであり、層間剥離強度は10N/mであっ
た。
【0030】比較例4 実施例1と全く同一の製紙原料と同一抄紙機を用いて、
坪量197g/mの軸装、額装用版画用紙を得た。こ
の紙の印刷層(1)は97g/m、台紙層(2)は1
00g/mであり、層間剥離強度は61N/mであっ
た。
【0031】実施例1〜実施例5及び比較例1〜比較例
4の結果を表(1)に示す。 表(1) 剥 離 性 :○ 好適 △、× 不適 形態保持性 :印刷時の作業性の善し悪しとカールやへ
たりの発生の有無。 ○ 好適 △、× 不適 軸 装 適 性:軸に仕立てた際の角や巻き癖の発生の有
無。 ○ 好適 △、× 不適
【0032】比較例5 図1−4の如く印刷層(1)と台紙層(2)に供するた
め、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)25重量部、
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)55重量部、非木
材繊維(エスパルト)20重量部を475ml C.
F.S.に叩解して得られたパルプスラリーに、炭酸カ
ルシウム2.5重量部を混入し、5%濃度スラリーに調
整した後、このスラリーの固形分重量に対してカチオン
化澱粉0.3%、紙力増強剤0.5%とサイズ剤(商品
名「サイズパインK−903」、荒川化学工業(株)
製)0.3%を添加調整した。このスラリーとは別に剥
離層(3)に供するために、実施例2の剥離層と全く同
一の製紙原料を調整した。原料配合の異なる2種類のス
ラリーを、円網抄紙機を用いて3層漉き合わせを行い、
坪量208g/mの軸装、額装用版画用紙を得た。こ
の紙の印刷層(1)は64g/m、剥離層(3)は5
6g/mであり、層間剥離強度は24N/mであっ
た。
【0033】比較例6 図1−4の如く印刷層(1)と台紙層(2)に供するた
め、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)15重量部と
非木材繊維(エスパルト)85重量部を485ml
C.F.S.に叩解して得られたパルプスラリーに、炭
酸カルシウム2.5重量部を混入し、5%濃度スラリー
に調整した。このスラリーの固形分重量に対してカチオ
ン化澱粉0.3%、紙力増強剤0.5%とサイズ剤(商
品名「サイズパインK−903」、荒川化学工業(株)
製)0.3%を添加調整した。このスラリーとは別に剥
離層3に供するために、実施例2の剥離層と全く同一の
製紙原料を調整した。原料配合の異なる2種類のスラリ
ーを、円網抄紙機を用いて3層漉き合わせを行い、坪量
332g/mの軸装、額装用版画用紙を得た。この紙
の印刷層(1)は67g/m、剥離層(3)は54g
/mであり、層間剥離強度は22N/mであった。
【0034】実施例5及び比較例5〜比較例6の結果を
表(2)に示す。 表(2) 剥離性、印刷時形態保持性、軸装適性は共に良好。印刷
時光沢ムラは、リトグラフ印刷の結果を表している。 紙の価格:適は廉価、不適は高価を意味している。
【0035】比較例7 針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)15重量部、広葉
樹晒クラフトパルプ(LBKP)35重量部、非木材繊
維(エスパルト)50重量部を485ml C.F.
S.に叩解して得られたパルプスラリーに、白土5.0
重量部を混入し、5%濃度スラリーに調整した。このス
ラリーの固形分重量に対してサイズ剤(商品名「サイズ
パインE」荒川化学工業(株)製)を2.0%と硫酸ア
ルミニウム(大明化学工業(株)製)5.0%を添加し
た後、2層漉き円網抄紙機を用いて坪量205g/m
の軸装、額装用版画用紙を得た。この紙の印刷層(1)
は65g/mであり、層間剥離強度は35N/mであ
った。また、冷水抽出pH値は6.2であった。
【0036】比較例8 針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)15重量部、広葉
樹晒クラフトパルプ(LBKP)35重量部、非木材繊
維(エスパルト)50重量部を490ml C.F.
S.に叩解して得られたパルプスラリーに、炭酸カルシ
ウム7.0重量部を混入し、5%濃度スラリーに調整し
た。このスラリーの固形分重量に対してカチオン化澱粉
0.5%とサイズ剤(商品名「サイズパインK−90
3」荒川化学工業(株)製)を0.4%添加した後、2
層漉き円網抄紙機を用いて坪量202g/mの軸装、
額装用版画用紙を得た。この紙の印刷層(1)は59g
/mであり、層間剥離強度は34N/mであった。ま
た、冷水抽出pH値は8.8であった。
【0037】本発明者らは、前述した実施例と比較例の
軸装、額装用版画用紙とは別に、長網抄紙機を用いて坪
量が85±5g/mの3種類の本文用紙を得た。3種
類の本文用紙の冷水抽出pH値は、それぞれ6.0、
7.1、9.5を示すものであった。それぞれの本文用
紙をB−5判の小冊子に製本した後、実施例1と比較例
7及び比較例8の紙片を3種類の小冊子の間にそれぞれ
挟み、80℃で80%R.H.の恒温恒湿槽(型式:P
LATINAUS PR−3SP、タバイエスベック
(株)製)内に24日間暴露した。劣化処理前と処理後
の冷水抽出pH値は、JIS P−8133に基づいて
測定(型式:TOA pH Meter HM−78、
東亜電波工業(株)製)し、変色は色差計(型式:CM
−370od、ミノルタ(株)製)で色差(ΔE)を測
定し、強度の変化は耐折強度(型式:MIT−S、東洋
精機(株)製)を測定した。
【0038】その結果を表(3)に示す。但し、残存率
は、劣化処理後の耐折強度の回数を劣化処理前の耐折強
度の回数で除した値に100を掛けたパーセント値で示
した。 表(3) 表(3)の如く3種類の冷水抽出pH値の異なる紙に接
しても、実施例1は比較例7及び比較例8と比較して変
色や強度低下が最も少ないことを示している。このこと
は、様々な冷水抽出pH値の異なる紙と長時間接触して
軸や額に仕立てられても、変色や強度低下の心配のない
版画用紙を提供できることを示すものである。
【0039】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明の軸装、額装用
版画用紙によれば、以下に示す顕著な効果を有する。 (1)凸版、凹版、平版、孔版、併用版、インクジェッ
トなどの異なった版画技法を施しても、光沢ムラの無い
印刷適性を有する。 (2)各種の版画技法による印刷を行った後、簡単に紙
層間で剥離することができ、軸装用と額装用の両方で兼
用できる版画用紙の提供が可能となった。 (3)冷水抽出pH値が異なる紙に長期にわたって接し
ていても、変色や強度低下が少なく、保存性と安全性の
高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (1)は印刷層25〜90g/m (2)、(4)は台紙層30〜295g/m (3)は剥離層30〜295g/m

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】坪量が120〜320g/mである2層
    以上の多層漉き合わせ紙で、軸装、額装用として使用さ
    れる印刷層(1)の坪量が25〜90g/m であり、
    且つ印刷層(1)と台紙層(2)または印刷層(1)と
    台紙層(4)、あるいは印刷層(1)と剥離層(3)と
    の層間剥離強度が13〜59N/mの範囲にあることを
    特徴とする軸装、額装用版画用紙。
  2. 【請求項2】印刷層(1)が、非木材繊維を1種以上含
    み、且つその含有量が印刷層(1)の30〜80重量%
    であることを特徴とする請求項1に記載の軸装、額装用
    版画用紙。
  3. 【請求項3】冷水抽出pH値が7.5±1.0の範囲で
    ある中性紙で、製紙用繊維100重量部に対して0.0
    2〜5.0重量部の炭酸カルシウムを含むことを特徴と
    する請求項1または請求項2に記載の軸装、額装用版画
    用紙。
  4. 【請求項4】印刷層(1)と同じ製紙原料を用いた台紙
    層(2)を設けた2層漉き合わせ紙よりなる請求項1〜
    3のいずれか1項に記載の軸装、額装用版画用紙。
  5. 【請求項5】印刷層(1)と異なる製紙原料を用いた台
    紙層(4)を設けた2層漉き合わせ紙よりなる請求項1
    〜3のいずれか1項に記載の軸装、額装用版画用紙。
  6. 【請求項6】印刷層(1)と異なる製紙原料を用いた剥
    離層(3)を中間層とし、印刷層(1)と同じ製紙原料
    を用いた台紙層(2)を設けた3層漉き合わせ紙よりな
    る請求項1〜3のいずれか1項に記載の軸装、額装用版
    画用紙。
  7. 【請求項7】台紙層(4)が印刷層(1)とも剥離層
    (3)とも異なる製紙原料を用いた、請求項1〜3のい
    ずれか1項に記載の軸装、額装用版画用紙。
  8. 【請求項8】印刷層(1)が2層以上であることを特徴
    とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の軸装、額
    装用版画用紙。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005246910A (ja) * 2004-03-08 2005-09-15 Hideaki Machida 木版画作成方法および木版画
JP2008190097A (ja) * 2007-02-08 2008-08-21 Hokuetsu Paper Mills Ltd ピグメントスプレー紙

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