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JP2002291439A - 香辛性材料を原料とした食品または製剤 - Google Patents

香辛性材料を原料とした食品または製剤

Info

Publication number
JP2002291439A
JP2002291439A JP2001098135A JP2001098135A JP2002291439A JP 2002291439 A JP2002291439 A JP 2002291439A JP 2001098135 A JP2001098135 A JP 2001098135A JP 2001098135 A JP2001098135 A JP 2001098135A JP 2002291439 A JP2002291439 A JP 2002291439A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
food
action
spicy
fermentation
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001098135A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshihiko Osawa
俊彦 大澤
Goro Inoue
五郎 井上
Isao Okunishi
勲 奥西
Yoko Mori
森  陽子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Food Marketing Res & Informati
Food Marketing Research & Information Center
KINJIRUSHI WASABI KK
Original Assignee
Food Marketing Res & Informati
Food Marketing Research & Information Center
KINJIRUSHI WASABI KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Food Marketing Res & Informati, Food Marketing Research & Information Center, KINJIRUSHI WASABI KK filed Critical Food Marketing Res & Informati
Priority to JP2001098135A priority Critical patent/JP2002291439A/ja
Publication of JP2002291439A publication Critical patent/JP2002291439A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 香辛料、ハーブ等の香辛性材料を原料とし、
これらを乳酸菌、麹菌、酵母菌等の菌株により発酵して
得られる食品または製剤であって、特に活性酸素消去
能、抗潰瘍作用、抗ストレス作用、抗腎炎作用等を呈す
る食品または製剤を得る。 【構成】 香辛料および/または野菜・ハーブ類からな
る香辛性材料を乳酸菌、麹菌および酵母菌の群から選択
された一種または複数種の菌株により発酵させて得られ
る活性酸素消去能、抗潰瘍作用、抗ストレス作用および
抗腎炎作用を呈する発酵物を含有することから構成さ
れ、さらには、前記発酵物を水、メタノールおよびエタ
ノール等のアルコール類の群から選択された一種または
二種以上の溶媒で抽出される成分を含有することから構
成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は香辛料、ハーブ等の
香辛性材料を原料とし、これらを乳酸菌、麹菌、酵母菌
等の菌株により発酵して得られる食品または製剤に係
り、特に活性酸素消去能、抗潰瘍作用、抗ストレス作
用、抗腎炎作用等を呈する食品または製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】活性酸素やラジカルが関連すると考えら
れている疾病は従来、数多く知られている。例えば、虚
血性心疾患後遺症、ストレス性潰瘍等の虚血障害、慢性
リユウマチ、腎炎、喘息等の炎症性疾患や癌、糖尿病、
動脈硬化等、あらゆる疾病と関連している。
【0003】例えば、胃炎や潰瘍では、ストレスが視床
下部、交感神経系に作用し、胃壁の血流障害を引き起こ
して活性酸素が生成する。同時に下垂体、副腎系への作
用により、塩酸の分泌、ペプシンの分泌亢進がみられ、
さらには迷走神経への作用からガストリンの分泌亢進等
が複合的に引き起こされ、これらの要因により、潰瘍が
発生すると考えられている。
【0004】この胃炎、潰瘍の発生のメカニズムとして
の活性酸素は重要な働きをしていることも指摘されてお
り(すでに、虚血再潅流、ストレス、エタノールおよび
酸性抗炎症剤による実験的急性胃粘膜障害の病因に活性
酸素が重要な役割を演じることが明らかにされてい
る。)、xanthine oxidase活性が極めて高い消化器系臓
器、特に胃では、superoxide disumtase活性も低いこと
から、ストレスによる障害を受けやすいと考えられてい
る。
【0005】また、胃炎、潰瘍等の炎症に関わる好中球
から生成される活性酸素が細胞毒性の非常に強いモノク
ロラミンの発生に強く関与していること、ラジカルの一
種である一酸化窒素が種々の分子と反応して生じたニト
ロソ化合物と胃癌の発癌の関連が指摘されていること等
から、活性酸素の抑制により潰瘍の予防効果や活性酸素
に起因する諸症状の軽減効果等が期待される。
【0006】このため、こうした疾病の中にはSOD製
剤の投与が治療に有効とされているものもあるが、SO
Dがタンパク質であるため抗原性を有し、生体内半減期
が短いため、多量の投与を必要とする。
【0007】さらに、消化器官の潰瘍治療剤としては、
ビタミンU製剤、L−グルタミン、卵白アルブミン等の
アミノ酸・ペプチド製剤、豚の上部小腸粘膜より抽出し
たポリペプタイドホルモンからなる「セクレチン」(商
品名:エーザイ株式会社製)等の臓器抽出製剤等が知ら
れている。また、ファモチジン等の酸分泌抑制剤やアル
ギン酸ナトリウム等の防御因子増強剤、ナパジシル酸ア
クラトニウム等のアセチルコリン作動薬等も用いられて
いる。
【0008】しかしながら、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、腎
炎等の病気は、病気になってしまってからでは上記薬剤
等を用いても治癒が難しいため、副作用のない予防剤を
日常的に摂取して、発病を未然に防ぐことが望ましいと
考えられる。安全性が高く、日常的に摂取が可能な活性
酸素消去能を有する食品や製剤があれば、上記のあらゆ
る疾病の予防に有効であると考えられる。
【0009】
【発明が解決すべき課題】しかしながら、現状の活性酸
素消去能を有する素材としては、カテキンやポリフエノ
ール、クルクミン等が挙げられるが、そのような物質の
数は少なく、実際に疾病に有効かどうかの検証が進めら
れているところでもあり、より活性酸素消去能が高い天
然由来の素材の開発が求められている。また、抗酸化性
を有し、かつ、抗潰瘍作用を有する物質の報告(特開平
9−30987)もされているが、報告例は少ない。
【0010】また、一般に香辛料には独特の香気、風味
を有する物質が多数含まれており、近年では、それら物
質の機能性が明らかにされてきている。例えば、わさび
にはω−メチルスルフイニルアルキルイソチオシアネー
トという成分が含まれ、抗癌作用、血小板凝集抑制作
用、GST酵素誘導活性等を有することが発表されてい
る。
【0011】さらに、ウコン等にはクルクミンという肝
機能を増強する作用を有する物質が含まれていることが
示されている。このように、香辛料には未だ解明されて
いない様々な機能性が含まれていることが期待される。
しかしながら、香辛料にはその用途から考えられるよう
に、日常的に多量に摂取することはできないものが多
い。そのため、その機能性の利用はほとんどされていな
いのが現状である。
【0012】本発明者等は、香辛料に含まれる成分の有
効利用と機能性の解明のために鋭意研究した結果、香辛
料を発酵させることで、香辛料の特徴となる苦みや辛味
等の摂食を害する風味を除去することを発見し、本来有
する機能性に加えて、機能性のさらなる増強をも可能に
する方法を確立した。
【0013】すなわち、本発明の目的は一般に認知され
ている天然抗酸化物質よりも活性が高く、抗潰瘍作用、
抗腎炎作用をも併せ持つ成分を有する食品、製剤を提供
することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明によれば、香辛料および/または野菜・ハー
ブ類からなる香辛性材料を好ましくは熱処理の後、乳酸
菌、麹菌および酵母菌の群から選択された一種または複
数種の菌株により発酵されて得られる活性酸素消去能、
抗潰傷作用、抗ストレス作用および抗腎炎作用を呈する
発酵物を含有することを特徴とする。
【0015】さらに、上述の目的を達成するため、本発
明によれば、香辛料および/または野菜・ハーブ類から
なる香辛性材料を好ましくは、熱処理の後、乳酸菌、麹
菌および酵母菌の群から選択された一種または複数種の
菌株により発酵させて得られる活性酸素消去能、抗潰瘍
作用、抗ストレス作用および抗腎炎作用を呈する発酵物
を、水、メタノールおよびエタノールの群から選択され
た一種または二種以上の溶媒で抽出される成分を含有す
ることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の態様】以下、本発明を具体的に詳述す
る。
【0017】現在、薬剤の人体に対する副作用が問題に
なっており、天然物で副作用の心配がなく、日常的に摂
取しても安全な食品や薬剤が要求されている。本発明
は、抗ラジカル活性を持ち、抗潰瘍作用、抗腎炎作用に
優れ、全くの食品成分だけで得られる副作用や習慣性の
ない、安全な抗潰瘍食品または製剤に係わるものであ
る。また、抗ラジカル活性を有することから、その効果
範囲は広いと考えられ、日常的に食品として、もしくは
機能性食品、製剤として日常的に摂取することで、スト
レス等に起因する諸症状の予防、改善に効果があると考
えられる。
【0018】本発明者等は、上記の目的を達成するた
め、加熱処理し、酵素を失活させた西洋わさびに、多数
の乳酸菌、麹菌、酵母菌の中から、わさびを栄養源とし
て生育できる菌を選択して組み合わせて発酵させること
で、目的とする機能を有する発酵物を得た。また、菌種
によってはアミラーゼ等の酵素で分解し、微生物が繁殖
しやすいように素材を調整し、発酵を促進させる手法を
とることで、多用な香辛料の利用を可能にした。本発明
をさらに詳述すると、次のとおりである。
【0019】本発明に用いられる香辛性材料は各種香辛
料およびハーブ類を含む。香辛料としては、本わさび、
西洋わさび、からし、クレソン等のアブラナ科植物、さ
らにはにんにく、しょうが、とうがらし、さんしょう、
こしょう等が挙げられる。また、野菜・ハーブ類として
は、オールスパイス、アニス、バジル、クミン、シナモ
ン、カルダモン、フエンネル、メース、マジュラム、ナ
ツメグ、ぺパーミント、タラゴン、ペイ、キヤラウエ
イ、クローブ、コリアンダー、ローズマリー、セージ、
タイム、パプリカ、サフラン、スターアニス、アロエ・
ベラ等が挙げられる。
【0020】これら香辛性材料のうち、本わさび、西洋
わさび、からし、にんにく等の材料は後述の発酵処理の
際、菌株の生育を阻害するような成分を生じる酵素を保
有するため、発酵に先だって熱処理を施してこれら酵素
を失活させる必要がある。この熱処理は70℃〜140
℃の温度で、5分以上行なう。加熱方法としては加圧蒸
煮、蒸煮、煮込み、焼成、電磁波加熱、ジュール加熱等
が採用される。
【0021】なお、上述香辛性材料のうち、しょうが、
とうがらし、さんしょう、こしょう、ハーブ類等につい
ては、上述のような菌株の生育を阻害する成分を発生す
る酵素を保有しないため、後述の発酵に先立って熱処理
を施して酵素を失活することを要しない。
【0022】上述の香辛性材料は加熱処理の後、あるい
は加熱処理せずに細かく裁断し、あるいはすりつぶし、
菌株が繁殖しやすく、生育しやすい環境をつくった後、
乳酸菌、麹菌あるいは酵母菌の一種または複数種が接種
されて発酵に供される。
【0023】上述乳酸菌としては、例えば、Lactobacil
lus plantarum 、Lactobacilluscasei 、Lactobacillus
rhamnosus 、Enterococcus faecalis 、Leuconostoc s
p. 、Lactobacillus sake、Streptococcus lactis、Bif
idobacterium adolescn-tis 、Bifidobacterium infant
is等が挙げられ、これらを単独で、あるいは二種以上を
組み合わせて使用に供される。
【0024】また、麹菌としては、例えば、Aspergillu
s oryzae、Aspergillus saitoi、Aspergillus sojae 、
Aspergillus awamori 等が挙げられ、これらを上述と同
様、単独で、あるいは二種以上を組み合わせて使用され
る。
【0025】さらに、酵母菌としては、例えば、Candid
a etchellsii、Candida versatilis、Saccharomyces ce
revisiae、Saccharomyces rouxii等が挙げられ、これら
を上述と同様、単独で、あるいは二種以上を組み合わせ
て使用される。
【0026】乳酸菌の接種条件は接種量が1/10〜1
/1000、培養温度が10〜37℃、培養時間が1日
〜2週間であることが好ましい。また、接種後、よく攪
拌することが好ましく、これにより、乳酸菌が均一に生
育しやすくなり、大量生育に有効である。
【0027】麹菌の接種条件は任意の接種量のもとに培
養温度が10〜30℃、培養時間が3日〜2週間であ
る。麹菌による発酵は発酵すべき香辛性材料の種類によ
っては長期間にわたって行なう。これにより、香辛性材
料の硬い繊維が軟化し、かつ苦味が取り除かれ、独特の
風味を有する新しい食品素材が得られる。
【0028】酵母菌の接種条件は接種量が1/10〜1
/1000、培養温度が10℃〜30℃、培養時間が1
日〜10日間であることが望ましい。また、香辛性材料
の種類によっては、酵母による発酵を助けるために、グ
ルコース等の炭素源を数%程度添加しておくことも有効
な手段である。さらに、香辛性材料をあらかじめアミラ
ーゼ等の酵素により前処理しておくことも発酵を助ける
手段として好ましい。
【0029】二種類以上の菌を共発酵させる場合、乳酸
菌の発酵は香辛性材料の腐敗を抑える目的で発酵の初期
に行なうことが望ましい。この乳酸菌発酵において、上
記材料に適当量加水することも発酵を良好に進める一つ
の手法である。また、この乳酸菌発酵により、材料のp
H値を3.5〜5.5に調整することで、雑菌の繁殖を抑
え、麹菌、酵母菌の生育を良好とすることができる。た
だし、麹菌はpHが3.5以下では生育が困難になる。
【0030】得られた発酵生成物は水もしくはアルコー
ル溶液で抽出することにより、あるいは抽出物を乾燥、
粉末化することにより、食品あるいは製剤とするが、発
酵生成物を抽出せずにそのまま食品あるいは製剤とする
こともでき、さらに、乾燥、粉末化して食品あるいは製
剤とすることもできる。ここで用いられるアルコールと
しては、メタノール、エタノール、イソブタノール、イ
ソアミルアルコール等が挙げられる。
【0031】上述の発酵によって得られた食品あるいは
製剤は抗酸化性を呈し、活性酸素消去能、抗潰瘍作用、
抗ストレス作用、抗腎炎作用を有する食品または製剤と
して広く利用され、未利用資源の新規用途開発による消
費量拡大に期待される。
【0032】
【発明の実施例】以下、本発明を実施例によってさらに
詳述する。
【0033】実施例1 西洋わさび、沢わさびを約10〜20mm幅に裁断し、
これら100g を家庭用蒸し器で20分間蒸して加熱処
理した後、にんにく100gと混ぜてすりつぶした。こ
れに発酵菌種として乳酸菌を1/100量、麹菌を麹と
して1/1000量接種して30℃の温度で7日間発酵
させた。この発酵物に5倍量の50%エタノールを加え
てホモジナイザーで細かくつぶして抽出した。これを5,
000rpmで10分間遠心分離し、得られた上澄み液
について、XAD−2カラムを用いて分離し、100%
メタノール画分を得た。この画分と一般に抗酸化性素材
とされているクルクミン試薬、カテキン試薬、ブドウポ
リフエノール製品を用いて抗酸化性を比較した。なお、
サンプルは全て固形分量が5.0mg/mlになるように
100%メタノールに溶解して、一般に行なわれている
TBA法に従い、抗酸化性測定を行なった。
【0034】TBA法:上記試料120μlに水840
μlおよび50mM AAPH(2,2′−アゾビス(2
−アミジノプロパン)ジハイドロクロライド)120μ
lを添加混合し、さらにリノール酸120μlを添加混
合し、よく攪拌して反応液とする。なお、コントロール
として100%メタノールを使用した。
【0035】この反応液を37℃の温度で24時間保温
する。反応停止剤 5mM エチレンジアミン四酢酸
(ジナトリウム ジハイドロジエン エチレンジアミン
テトラアセテート ジハイドレート)、50uM B
HT(ジブチルヒドロキシトルエン)を150ul加
え、攪拌する。反応液96ul、30mM BHT 4
ul、2.8%TCA(トリクロロ酢酸)100ulを加
え、さらに1%TBA(チオバルビツール酸)100u
lを加えて100℃で15分間煮沸する。氷冷後、4
℃、5000rpmで5分間遠心分離する。上澄液の吸
光度を吸収波長540nmで測定する。実験結果につい
ては、吸光度が高い方が酸化が進んでいることを意味す
る。
【0036】測定結果を図1に示す。図1中、抗酸化性
測定結果は次のとおりである。 発酵試料 No.1: 0.001 比 較 試 料: 0.01〜0.11 コントロール : 0.115 (コントロールとして100%メタノールを使用) メタノール100%分画物が他の抗酸化試薬より強い抗
酸化性を示すことがわかる。
【0037】実施例2 西洋わさび、沢わさびを約10〜20mm幅に裁断し、
これら100gを家庭用蒸し器で20分間蒸して加熱処
理した後、にんにく100gと混ぜてすりつぶした。こ
れに発酵菌種として乳酸菌を1/100量、麹菌を麹と
して1/1000量接種して30℃の温度で7日間発酵
させた。この発酵物に5倍量の50%エタノールを加え
てホモジナイザーで細かくつぶして抽出し、5,000r
pmで10分間遠心分離して抽出液を得た。さらに、5
0%エタノールによる抽出、次いで100%エタノール
による抽出操作を二度行ない、全ての上澄み液を濃縮
し、凍結乾燥して試料を得た。
【0038】この試料を10週齢の雄ラット(n=4)
に、500mg/kg胃内に投与し、30分後に水侵拘
束ストレスを負荷した。6時間後に腹部大動脈から採血
し、胃を採取してホルマリン固定した。胃粘膜のulcer
Index を測定した。結果を図2に示す。
【0039】図2から明らかなとおり、発酵抽出物には
ストレス性潰瘍の有意な低下が見られた。
【0040】実施例3 実施例2の試料を用い、10週齢の雄ラット(n=4)
に、500mg/kg胃内投与し、zymosan 刺激による
白血球の活性酸素産生能を調べた。化学発光プロープを
用いて活性酸素をとらえる方法で測定した。結果を図3
に示した。
【0041】図3から明らかなとおり、血液100μl
当たりで低下傾向を示した。
【0042】実施例4 実施例2の試料を用い、ラットに西洋わさび発酵抽出物
(500mg/kg)を胃内投与し、1時間後にシスプ
ラチン(5mg/kg)を腹腔内投与した。投与3日お
よび5日後の腎障害に、血中のBUNとcreatinine値を
調べ、その影響を解析した。結果を図4および図5に示
す。
【0043】図4および図5から明らかなとおり、BU
N、creatinineの血中濃度が有意に低下していた。
【0044】抗癌剤の投与により、その副作用として腎
臓の炎症を起こすことが知られている。そして、その防
止のために腎臓の抗炎症薬をさらに服用することが必要
とななる。これは、患者の体にとって負担が増加するこ
とになるため、副作用等のない安全な抗腎炎症剤が望ま
れていた。本発明品は、食品を日常的に食品加工の技術
として使用されている発酵という手法で加工したもので
あり、天然の生成物によって構成されている。したがっ
て、その副作用もなく、安全で日常的に摂取できるた
め、抗癌剤投与を受けている患者や腎炎を起こしている
患者の食事として混合して利用できる。また、機能性食
品として錠剤等の形で摂取することにより、炎症の予防
や症状の軽減効果が期待できる。
【0045】実施例5 〔発酵物からの抽出溶媒検討〕 抽出方法:発酵物0.1kgに抽出溶媒0.5kgを加え、
ホモジナイズする。時々攪拌しながら1.0時間放置し、
遠心分離(5,000rpm×10分)して上澄み液を回
収する。上澄み液の固形分量を5.0mg/mlに調製し
てTBA法で測定する。結果を図6に示した。(各種溶
媒)
【0046】図6から明らかなように、メタノール、エ
タノール、アセトン、ヘキサン、酢酸エチル等、各種溶
媒を用いて抽出が可能で、一種または二種以上を混合し
て用いてもよい。好ましくは、メタノール、エタノール
が適している。
【0047】同様にしてエタノール濃度について検討
し、結果を図7に示し、また、メタノール濃度について
検討し、結果を図8に示した。
【0048】図7から明白なとおり、エタノール水溶液
濃度は、エタノール濃度が20%以上であれば有効成分
が抽出できるが、好ましくは40%以上、さらに好まし
くは80%以上のエタノール濃度がよい。
【0049】また、図8から明白なとおり、メタノール
水溶液濃度は、メタノール濃度が20%以上であれば有
効成分が抽出できるが、好ましくは40%以上、さらに
好ましくは80%以上のメタノール濃度がよい。
【0050】実施例6 〔XAD−2カラム分離〕 分離方法:合成吸着剤XAD−2(オルガノ(株)製)
500mlをカラムに充填し、濃縮した抽出液(濃縮に
はEYELA社製 ロータリーエバポレーターを用い、
8倍程度に濃縮した)100mlを吸着させ、1.5リッ
トルの溶出溶媒を流して溶出させた。溶出溶液はロータ
リーエバポレーターを用いて濃縮し、固形分量が5.0m
g/mlになるように調整してTBA法にて測定した。
結果を図9に示した。
【0051】図9から明らかなとおり、溶出に用いるメ
タノール水溶液濃度は、20%以上であれば有効成分が
抽出できるが、好ましくは40%以上、さらに好ましく
は80%以上のメタノール濃度がよい。
【0052】同様にしてエタノール濃度について検討
し、結果を図10に示し、また、溶媒についても検討
し、結果を図11に示した。
【0053】図10から明らかなように、溶出に用いる
エタノール水溶液濃度は、20%以上であれば有効成分
が抽出できるが、好ましくは40%以上、さらに好まし
くは80%以上のエタノール濃度がよい。
【0054】また、図11から明らかなように、溶出に
用いる溶媒は、図11の溶媒を用いることができる。
【0055】実施例7 〔分取用HPLCフラクション抗酸化性〕 分取方法:XAD−2により分離した溶液をロータリー
エバポレーターを用いて濃縮し、分取用HPLC(島津
サイエンス(株)製)を用いて成分を分離した。カラム
はTOSOH TSK−gel ODS−80Ts55
φ×600mmを用い、溶媒として100%アセトニト
リルを流速50mL/分で用いた。HPLCチャートの
各ピーク毎に分取を行ない、得られた各溶液を濃縮し、
固形分量を1.0mg/mlに調整してTBA法を用いて
測定した。結果を図12に示した。
【0056】図12から明らかなように、分取用HPL
Cにより得られたピーク毎に分取を行ない、濃縮して固
形分量を1.0mg/mlに調整してTBA法にて測定し
た。これにより、フラクション9のピークが抗酸化性が
強いことがわかった。
【0057】
【発明の効果】以上のとおり、本発明は刺激臭の強い、
苦みや辛味のある、しかも硬い繊維質を有し、食品とし
て不適な香辛性材料に菌株を接種して発酵することによ
り、これら材料に活性酸素消去能を付与するのみなら
ず、抗潰瘍作用、抗ストレス作用、および抗腎炎作用を
も付与し、実用上優れた食品または製剤を得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】各種反応液とO.D.540nmとの関係を表
したグラフである。
【図2】各種試料を胃内投与したときのulcer Index
(cm)との関係を表したグラフである。
【図3】化学発光プローブを用いて血液100μl当た
りの低下傾向を示すグラフである。
【図4】投与3日および5日後の腎障害について血中B
UN値の結果を表したグラフである。(EE:エタノー
ル抽出物(ethanol extracts))
【図5】投与3日および5日後の腎障害について血中cr
eatinine値の結果を表したグラフである。
【図6】各種抽出溶媒の抗酸化性を表したグラフであ
る。
【図7】エタノールの各種濃度の抗酸化性を表したグラ
フである。
【図8】メタノールの各種濃度の抗酸化性を表したグラ
フである。
【図9】XAD−2カラムにおけるメタノールの各種濃
度の抗酸化性を表したグラフである。
【図10】XAD−2カラムにおけるエタノールの各種
濃度の抗酸化性を表したグラフである。
【図11】各種抽出液のXAD−2カラム画分における
抗酸化性を表したグラフである。
【図12】分取用HPLCによりピークの抗酸化性を表
したグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 1/04 A61P 1/04 13/12 13/12 25/00 101 25/00 101 29/00 29/00 39/06 39/06 (72)発明者 井上 五郎 愛知県春日井市中央台2−2−2 226− 402 (72)発明者 奥西 勲 愛知県名古屋市守山区苗代1−12−22 ア メニテイー小幡南503 (72)発明者 森 陽子 愛知県海部郡八開村大字江西字宮東27 Fターム(参考) 4B018 MD53 MD61 MD66 ME06 ME14 MF13 4C087 AA01 AA02 AA03 BC05 BC11 BC56 MA02 MA52 NA14 ZA03 ZA68 ZA81 ZB11 ZC41 4C088 AB15 AB36 AB40 AB50 AB62 AB81 AB88 AC01 CA04 CA05 CA06 CA25 MA01 MA52 NA14 ZA68 ZA81 ZB11 ZC41

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 香辛料および/または野菜・ハーブ類か
    らなる香辛性材料を乳酸菌、麹菌および酵母菌の群から
    選択された一種または複数種の菌株により発酵させて得
    られる活性酸素消去能、抗潰瘍作用、抗ストレス作用お
    よび抗腎炎作用を呈する発酵物を含有することを特徴と
    する香辛性材料を原料とした食品または製剤。
  2. 【請求項2】 請求項1において、香辛性材料が熱処理
    した後に発酵に供される請求項1に記載の食品または製
    剤。
  3. 【請求項3】 請求項1において、香辛性材料が本わさ
    び、西洋わさび、からし、クレソン等のアブラナ科植
    物、にんにく、しょうが、こしょう、とうがらし、さん
    しょうまたはバジル、コリアンダー等の野菜・ハーブ類
    である請求項1に記載の食品または製剤。
  4. 【請求項4】 香辛性材料の発酵時もしくは発酵後に、
    穀類、野菜類、魚介類、果実類および乳製品の群から選
    択された一種または複数種をそのまま混合あるいは別に
    発酵させて混合し、必要に応じて発酵もしくは熟成およ
    び味付けをした請求項1に記載の食品または製剤。
  5. 【請求項5】 香辛料および/または野菜・ハーブ類か
    らなる香辛性材料を乳酸菌、麹菌および酵母菌の群から
    選択された一種または複数種の菌株により発酵させて得
    られる活性酸素消去能、抗潰瘍作用、抗ストレス作用お
    よび抗腎炎作用を呈する発酵物を、水、メタノールおよ
    びエタノール等のアルコール類の群から選択された一種
    または二種以上の溶媒で抽出される成分を含有すること
    を特徴とする香辛性材料を原料とした食品または製剤。
  6. 【請求項6】 請求項4において、前記溶媒が酢酸エチ
    ル、アセトン、エーテル、ヘキサンおよびクロロフォル
    ムジクロロメタン等の溶剤の群から選択された一種また
    は二種以上である請求項4に記載の食品または製剤。
  7. 【請求項7】 請求項4において、香辛性材料が熱処理
    した後に発酵に供される請求項4に記載の食品または製
    剤。
  8. 【請求項8】 請求項4において、香辛性材料が本わさ
    び、西洋わさび、からし、クレソン等のアブラナ科植
    物、にんにく、しょうが、こしょう、とうがらし、さん
    しょうまたはバジル、コリアンダー等の野菜・ハーブ類
    である請求項4に記載の食品または製剤。
  9. 【請求項9】 請求項4において、発酵物が、香辛性材
    料の発酵時もしくは発酵後に、穀類、野菜類、魚介類、
    果実類および乳製品の群から選択された一種または複数
    種をそのまま混合あるいは別に発酵させて混合し、必要
    に応じて発酵もしくは熟成および味付けをしたものであ
    ることを特徴とする請求項4に記載の食品または製剤。
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