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JP4823519B2 - 癌の誘発または癌の転移を予防するカワリハラタケ抽出物 - Google Patents

癌の誘発または癌の転移を予防するカワリハラタケ抽出物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
(技術分野)
本発明は、癌の誘発または癌の転移を予防する成分を含むカワリハラタケの抽出物に関する。より詳細には、本発明は、発酵食品およびアルコール飲料中に存在するウレタン(EC(エチルカルバメート))、タバコ煙中に存在する発癌性物質NNK[{(4-N-メチル-Nニトロソアミノ)−1−(3−ピリジル)−1−ブタノン}]もしくはAOM(アゾキシメタン)による癌の誘発、またはウレタン、NNKもしくはAOMにより誘発された癌の転移を予防するカワリハラタケ抽出物に関する。
【0002】
【従来の技術】
(背景技術)
ウレタンおよびNNKは、種々の癌を誘発することが知られている。
【0003】
ウレタンは、マウスにおいて、用量依存様式で、肺癌および肝癌を誘発し、ウレタンのヒトにおける安全用量(irtually afe ose、VSD)は、肺癌について1.8×10−4mg/kg体重、肝癌について7.2×10−5mg/kg体重であると計算されている(K.Inaiら、Jpn.J.Cancer Res.82、380〜385頁、1991年4月)。
【0004】
妊娠および催乳の間にウレタンで処理したマウスの子孫は、胎盤伝達によって有意に増加した胎仔癌、肺癌、および卵巣嚢胞腺腫を発症し、そして親の妊娠マウスにおいても、子宮内膜形成および子宮血管腫を発生させた(T.Nomura、Cancer Research、33、1677−1683頁、1973、7月)。
【0005】
経口投与されたウレタンは、マウスにおいて、肺癌、リンパ腫、肝癌、胃乳頭腫、脂腺腺腫、乳房腫瘍、肺腺腫症、偏平上皮細胞腫瘍、白血病、間葉腫など誘発する(IARC MONOGRAPHS ON THE EVALUATION OF THE CARSINOGENIC RIS RISK OF CHEMICALS TO MAN、第7巻、111〜131頁、the views of two IARC Working Groups on the
Evaluation of the Carcinogenic Risks of Chemicals to Man which met in Lyon、1974年2月4日〜11日、および1974年6月18日〜24日)。
【0006】
また、ウレタンは、アルコール発酵で生成され、ワインなどの醸造製品に所定レベルで含まれていることから、カナダでは規制対象となっている(Ethyl
Carbamate in Alcoholic Beverages and Fermented Foods、ACS Symposium Series No.484、Food Safety Assessment、John W. Finleyら編、419〜428頁、American Chemical Society、1992年;Identification of
Volatile Constituents from Grapes、J. Agric. Food Chem.、第24巻、第2号、329〜331頁、1976年;RATIONALE FOR THE ESTABLISHMENT OF GUIDELINES TO LIMIT ETHYL CARBAMATE LEVELS IN ALCOHOLIC BEVERAGES、BUREAU OF CHEMICAL SAFETY FOOD DIRECTORATE HEALTH PROTECTION BRANCH,HEALTH & WELFARE CANADA、1〜8頁;Ethylcarbamate in Fermented Beverages and Foods、Cornelius S. Ough、J. Agric. Food Chem.、第24巻、第2号、323〜327頁)。
【0007】
NNKは、タバコ煙に含まれる潜在的発癌物質の1つである(Djordijevic, M.V.ら、A Comparison of selected
components in the mainstream smoke of the leading U.S. and Japanese cigarettes. In: Proceedings of the CORESTA smoke and Technology Meeting、200〜217頁、1996年、11月3日〜8日)。男性女性を問わず肺癌の発症率は有意に増加している。
【0008】
肺癌の発症は喫煙およびアルコール摂取と高度に相関している。国際癌研究所(The International agency for Research on Cancer)は、ヒトにおける喫煙量とアルコール摂取量とが相乗的に増加する傾向にあること、そして喫煙およびアルコール摂取によって取り込まれたNNKおよびウレタンが、肺癌発症の原因であることを示唆している。
【0009】
肺癌は、男性の癌による死亡原因の45%、女性の癌による死亡原因の21.5%を占め、今や、肺癌は心疾患に代わり、アメリカにおける喫煙者の死亡の第1の原因となりつつある。
【0010】
従って、喫煙またはアルコール摂取による癌の誘発を予防する食餌成分が求められている。
【0011】
一般に、カワリハラタケと呼ばれるものは、学名を「カワリハラタケ・ブラゼイ・ムリル Agaricus blazei Murill」和名を「カワリハラタケ」という担子菌類ハラタケ科に属するきのこである。カワリハラタケ(以後、本明細書では、一般に、カワリハラタケ、またはABM、またはアガリクスと称する)は、ブラジルのサンパウロ州に位置するPiedade地方で伝統的に医薬として用いられている。カワリハラタケは、種々の免疫賦活活性、発癌予防効果、腫瘍増殖抑制効果をもつといわれ、現在、健康食品として幅広く内服されている。
【0012】
カワリハラタケに含まれる多糖類は、β−1,6−グルコピラノシル残基を含み、ザルコーマ180に対して抗腫瘍活性を有する(Ebina Tら(1986)、Jpn.J.Cancer Res 77:1034−1042)。
【0013】
カワリハラタケ抽出物は、(1→6)−β分岐をもつ(1→4)−α−D−グルカンを含み、ナチュラルキラー細胞活性化およびアポトーシスを経由して媒介される選択的抗腫瘍活性を有する(Fujimiya Yら(1998)、Cancer Immunol Immunother 46:147−159)。
【0014】
カワリハラタケに含まれるペプチドグリカンは、二重移植腫瘍系において、Meth A腫瘍細胞に対して直接的な細胞傷害性作用を有し、そして腫瘍をもつマウスに対して間接的な免疫増強作用を有する(Ebina Tら(1998)、Biotherapy 11:259−265)。
【0015】
カワリハラタケに含まれる多糖類は、マウスにおけるT細胞サブセットにおける脾臓Thy1,2−、L3T4陽性細胞の割合を変えた(Mizuno Mら(1998)、Biosci.Biotechnol.Biochem.62:434−437)。
【0016】
これらの報告は、カワリハラタケに含まれる多糖類が、免疫調節活性を通じて腫瘍細胞に対する細胞傷害性作用を有することを示唆している。
【0017】
このように、カワリハラタケ抽出物の免疫増強活性および抗腫瘍活性に関する多くの報告があるが、これらはいずれも、インビトロで行われた試験または癌に罹患した動物を対象にカワリハラタケ抽出物の影響を試験しているものであって、喫煙または飲酒のような生活習慣が主な原因となって引き起こされる、肺癌、大腸癌などの癌が誘発される過程または癌の転移の過程に及ぼす影響を検討したものではない。本発明者が知る限り、癌が誘発される過程または癌の転移の過程に影響する食餌成分は報告されていない。これは、癌が誘発される過程または癌の転移の過程を評価する信頼性のあるアッセイ系がないためであると考えられる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
(発明の開示)
癌の誘発または癌の転移を潜在的に予防する、薬品素材および食品素材を提供する。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明は、癌の誘発(発症)と誘発された癌のその後の癌の転移を予防するカワリハラタケ抽出物およびそれに含まれる食餌成分に関する。本発明者らは、カワリハラタケ抽出物およびそれに含まれる食餌成分が、発癌物質ウレタンまたはNNKを投与することによって肺癌が誘発される過程にあるA/Jマウスにおいて異常発現する遺伝子または遺伝子産物を顕著に抑制すること、および発癌物質AOMを投与することによって大腸癌が誘発される過程にあるラットにおいて異常陰窩病巣(aberrant crypt foci(ACF)の形成を顕著に抑制することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0020】
特定の理論に拘束されることは望まないが、カワリハラタケ抽出物には、発癌物質の活性化を阻止するか、発癌物質の代謝により生産される潜在的フリーラジカルを除去するか、発癌物質中のフリーラジカル生産体を除去するか、または発癌遺伝子の発現を抑制するのに有効な成分(単数または複数)が含まれることにより、あるいはそれら成分の相乗的作用により、カワリハラタケ抽出物が癌の誘発とその後の癌の転移を予防すると考えられる。
【0021】
本発明は、癌の誘発および癌の転移を予防する成分を含む、カワリハラタケ抽出物を提供する。本発明の1つの局面において、上記抽出物は、カワリハラタケを溶媒抽出して調製される。
【0022】
本明細書で用いる用語「カワリハラタケ」は、一般に、学名を「カワリハラタケ・ブラゼイ・ムリル Agaricus blazei Murill」和名を「カワリハラタケ」という担子菌類ハラタケ科に属するきのこの子実体、菌糸体、培養液などを含むカワリハラタケ原料を意味する。代表的には、用語「カワリハラタケ」は、カワリハラタケの子実体を意味する。なお、以後、本明細書では、「カワリハラタケ」、「ABM」、および「アガリクス」は、交換可能に用いられ、同じカワリハラタケ原料を意味する用語として用いられる。
【0023】
好ましくは、上記抽出物は、カワリハラタケを熱水抽出して調製される。
【0024】
好ましくは、上記成分は、カワリハラタケを熱水抽出する工程、得られる抽出液を透析処理する工程、および得られる透析外液をクロマトグラフィー処理する工程によって得られる、分子量100〜2000のクロマトグラフィー主溶出画分である。
【0025】
好ましくは、上記成分は、カワリハラタケの子実体を熱水抽出する工程、得られる抽出液にエタノールを添加して沈殿を得る工程、および該沈殿を水に溶解して透析処理する工程によって得られる透析外液である。
【0026】
上記癌は、ウレタン、(4-N-メチル-N-ニトロソアミノ)-1-(3−ピリジル)-1-ブタノンまたはアゾキシメタンで誘発される癌であり得る。代表的には、上記癌は肺癌または大腸癌であり得る。
【0027】
本発明はまた、癌の誘発または癌の転移を予防する組成物に関し、この組成物は、上記カワリハラタケ抽出物および薬学的に受容可能なキャリアを含む。
【0028】
この組成物は、粉末、液体、錠剤、カプセル、およびペレットからなる群から選択される形態であり得る。
【0029】
【発明の実施の形態】
(発明を実施するための最良の形態)
本発明のカワリハラタケ抽出物は、カワリハラタケ原料を、溶媒抽出して調製される。カワリハラタケ原料は、代表的には、天然または栽培されたカワリハラタケの子実体である。培養タンクなどで培養されたカワリハラタケの菌糸体を用いてもよい。通常、カワリハラタケは、洗浄された後、乾燥して用いられる。市販されている子実体の乾燥物もまた便利に利用できる。通常、乾燥されたカワリハラタケは定法に従って粉末とされ、抽出原料として用いられる。
【0030】
本発明のカワリハラタケ抽出物は、上記子実体の乾燥物またはその粉末に種々の溶媒を添加して抽出操作を行うことによって得られ得る。一般に、上記溶媒は、上記乾燥子実体またはその粉末の重量に対して2〜10倍の重量で添加されて抽出操作が行われる。上記溶媒としては、水、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、1,3−ブチレングリコール、酢酸エチル、ヘキサン、塩化メチレン、メタノールまたはそれらの混合物が用いられる。代表的には、水を用いてカワリハラタケ抽出物を調製する。
【0031】
カワリハラタケ粉末と上記溶媒のいずれかとの混合物を、0℃〜100℃の温度、好ましくは室温〜80℃の温度で、10分〜数日、好ましくは1〜24時間の間、マグネティックスターラー(100〜500rpmでの回転数)などを用いて攪拌または振盪して抽出操作が行われる。代表的には、本発明のカワリハラタケ抽出物は、カワリハラタケ粉末に脱イオン水を添加し、70℃で24時間連続攪拌することによって得られ得る。得られる溶液から、遠心分離法、濾過などの定法に従って残渣を取り除いた後凍結乾燥する。得られた粉末をカワリハラタケ抽出物とする。
【0032】
このように調製されたカワリハラタケ抽出物に含まれる、癌の誘発または癌の転移を予防する成分は、当業者に公知のHPLC(高速液体クロマトグラフィー)などの手法を利用して得ることができる。得られた成分は、NMR法(核磁気共鳴分析法)などの手法を用いてその構造が識別され得る。
【0033】
以下は、本発明のカワリハラタケ抽出物の製法の一例である。
【0034】
乾燥子実体に5から10倍の重量の水を加え、1〜3時間加熱抽出または加熱還流する。このカワリハラタケの熱水抽出は、必要に応じて、熱水抽出残渣についても繰り返して行われる。このようにして得られる熱水抽出液は、凍結乾燥、スプレードライなど、当業者に公知の方法によって乾燥物(以下乾燥物Aという)とする。乾燥物Aを、5〜20倍の容量の水に懸濁または溶解した後、これを、透析チューブに入れ、数倍の容量の蒸留水に対して10〜15時間透析する。得られる透析外液を凍結乾燥して、癌の誘発または癌の転移を予防する成分を含む、乾燥物(以下乾燥物Cという)を得る。
【0035】
次に、透析内液についても、さらに流水中で20〜40時間透析し、そして蒸留水で2回各数時間透析した後に得られる透析内液を、上記と同様に乾燥物とすることによっても、癌の誘発または癌の転移を予防する成分を含む、カワリハラタケの熱水抽出物の乾燥物(以下乾燥物Bという)が得られる。
【0036】
次に、得られた上記乾燥物Cを、約10倍重量の蒸留水に溶解し、蒸留水を流出溶媒としてゲル濾過クロマトグラフィーを行い、20mLずつ分取し、多くの画分を得る。得られた画分の中程の主溶出画分で、ゲル濾過法によって分子量100〜2000の画分が、本発明の癌の誘発または癌の転移を予防する成分である。
【0037】
これらの画分は、さらにODS(オクタデシルシラン化シリカゲル)を用いる逆相クロマトグラフィー、DEAE−TOYOPEARL650を用いるイオン交換クロマトグラフィーなどを用いて分析すると、アルギニン、リジン、マンニトールの他、数種の成分を含んでいることが確認されている。
【0038】
また、上記の方法で得られる熱水抽出液に等量のエタノールを加えて混合し、遠心分離処理して沈殿と上澄液に分け、得られる上澄液にさらにその1〜3倍容量のエタノールを加えて混合し、さらに遠心分離処理して得られる沈殿を蒸留水に溶解し、得られる溶液を透析処理して得られる透析外液もまた、本発明の、癌の誘発または癌の転移を予防する成分である。
【0039】
上記のように調製されたカワリハラタケ抽出物またはそれに含まれる癌の誘発または癌の転移を予防する成分は、そのまま、あるいは種々のキャリアとともに医薬製剤の製造に用いることができる。
【0040】
上記のように調製されたカワリハラタケ抽出物またはそれに含まれる癌の誘発または癌の転移を予防する成分は、代表的には、生体適合性の薬学的キャリア(例えば、生理食塩水、緩衝化生理食塩水、デキストロース、および水など)とともに経口的に摂取され得る組成物として処方され得る。
【0041】
上記薬学的に受容可能なキャリアは、当業者に公知であって、例えば、以下のものが挙げられる:リンゲル溶液、ハンクス溶液、または緩衝化生理食塩水などの緩衝液;ゴマ油などの脂肪酸、オレイン酸エチルまたはトリグリセリドなどの合成脂肪酸エステル;ラクトース、スクロース、マンニトール、ソルビトールなどの糖類;トウモロコシ、コムギ、イネ、ジャガイモなどの植物由来デンプン;メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース;アラビアゴム、トラガカントゴムなどのゴム;ゼラチン、コラーゲンなどのタンパク質;架橋ポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸またはその塩など。
【0042】
上記のように調製されたカワリハラタケ抽出物またはそれに含まれる癌の誘発または癌の転移を予防する成分は、単独または他の薬剤もしくは食品素材と組み合わせて摂取され得る。
【0043】
上記のように調製されたカワリハラタケ抽出物またはそれに含まれる癌の誘発または癌の転移を予防する成分およびそれを含む組成物は、経口的または非経口的に投与され得る。非経口送達は、静脈内、筋肉内、腹腔内、または鼻孔内への投与により達成され得る。本発明の薬学的組成物の処方および投与の詳細は、例えば、当該分野における教科書「REMINGTON’S PHARMACEUTICAL SCIENCES」(Maack Publishing Co.、Easton、PA)記載に従って行なわれ得る。
【0044】
経口投与のためのカワリハラタケ抽出物またはそれに含まれる癌の誘発または癌の転移を予防する成分は、摂取に適した投与形態で当該分野で周知の薬学的に受容可能なキャリアを含む組成物として処方され得る。このようなキャリアは、得られる組成物が、患者による摂取に適した、錠剤、丸剤、糖衣剤、カプセル、液体、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁物などに処方されることを可能とする。
【0045】
本発明の組成物は、カワリハラタケ熱水抽出物またはそれに含まれる癌の誘発または転移を予防する成分を、癌の誘発または転移を予防するに有効な量で含む。当業者は、「癌の誘発または転移を予防するに有効な量」を十分に理解および認識する。「癌の誘発または転移を予防するに有効な量」は、まず、細胞培養によるインビトロアッセイまたは適切な動物モデルによって評価され得る。次に、このような情報を用いて、ヒトにおける摂取に有用な量を決定し得る。「癌の誘発または転移を予防するに有効な量」は、例えば、本明細書に記載される発癌物質NNKを投与することによって肺癌が誘発されるA/Jマウスを用いるアッセイ系を用いて決定され得る。
【0046】
実際に摂取されるカワリハラタケ抽出物の量は、適用される個体の健康状態などに依存し、所望の効果が達成されるように最適化され得る。薬学的または栄養学的に有効な量を決定することは、当業者にとっては慣用的な手順である。
【0047】
上記のカワリハラタケ抽出物またはそれに含まれる癌の誘発または癌の転移を予防する成分は、その機能を発揮するに十分な量で、選択された1種またはそれ以上の食品素材と混合され得る。選択された1種またはそれ以上の食品素材は、当業者に公知の形態、通常粉末形態で、このカワリハラタケ抽出物またはそれに含まれる癌の誘発または癌の転移を予防する成分と混合される。そしてこれらは、用途または好みに応じて、液状の食品として供することができる。あるいはハードカプセル、ソフトカプセルなどのカプセル剤、錠剤もしくは丸剤としてか、または粉末状、顆粒状、茶状、ティーバック状もしくは、飴状などの形状に成形され得る。
【0048】
上記のカワリハラタケ抽出物またはそれに含まれる癌の誘発または癌の転移を予防する成分は、NNKまたはウレタンによって誘発される肺癌およびその転移を阻止する。本発明は、発酵食品中に存在する発癌性物質、およびタバコ煙中に存在する発癌物質に対する種々の投与剤形におけるカワリハラタケ抽出物治療の研究に基づくものである。本明細書に開示される手法またはプロトコールを指針を参照すれば、その他の発癌物質で誘発される癌に対する上記のカワリハラタケ抽出物またはそれに含まれる癌の誘発または癌の転移を予防する成分の有効性は、容易に実証され得る。
【0049】
すなわち、上記のカワリハラタケ抽出物またはそれに含まれる癌の誘発または癌の転移を予防する成分の濃度を変えて含有する食餌が、発癌物質を投与されたマウスの肺組織中のサイクリンD1遺伝子の発現レベルに与える影響を調べること、肺組織中のPCNA(増殖細胞の抗原)の発現レベルに与える影響を調べることで癌の誘発または癌の転移を予防する成分の有効性を容易に実証し得る。
【0050】
同様に、上記のカワリハラタケ抽出物またはそれに含まれる癌の誘発または癌の転移を予防する成分の濃度を変えて含有する食餌が、発癌物質を投与されたマウスの肺癌発症を阻止するか否かを調べること、発癌物質を投与されたマウスの肺組織中のサイクリンD1遺伝子の発現レベルを抑制するか否かを調べること、そして肺組織中のPCNA(増殖細胞の抗原)の発現レベルを抑制するか否かを調べることによって、癌の誘発または癌の転移を予防する成分の有効性を容易に実証し得る。
【0051】
【実施例】
以下、発癌物質としてウレタンおよびNNKを用いた実施例により本発明をより詳細に説明するが、以下の実施例は本発明の例示であり、本発明を制限するものではない。
【0052】
(実施例)
以下、本願発明を、実施例を挙げて説明する。
【0053】
(実施例1)カワリハラタケ抽出物の調製
(1)カワリハラタケの熱水抽出物として上記の乾燥物Aを用いた。これは、カワリハラタケの乾燥子実体(協和アガリクス茸)を沸騰水で抽出し、1800×gで10分間遠心分離して残渣を取り除き、そして凍結乾燥したものである。これを、3.7mg/mlの濃度で精製水に溶解したものを試料I、そして8mg/mlの精製水に溶解したものを試料IIとした。
【0054】
(2)300gの協和アガリクス茸に蒸留水2Lを加え、2時間加熱還流を行った。得られた液を濾過して濾液(熱水抽出液)と残査とに分けた。残査には再び蒸留水2Lを加え、さらに2時間加熱還流して熱水抽出を行い濾液を得た。さらに残った残査についてもう一度同様の熱水抽出を行った。得られた濾液を合わせて凍結乾燥し、乾燥物A(153g:抽出率51%)を得た。
【0055】
50gの乾燥物Aに500mLの蒸留水を加え、透析チューブ(Spectra/Por Membrane 50×31、8mm内径×30cm長さ、FE−0526−65)に入れた。これを3Lの蒸留水に対して12時間透析した。得られた透析外液を凍結乾燥して乾燥物C(27g:抽出率53%)を得た。透析内液についてはさらに流水中で30時間透析し、その後蒸留水で2回(各4時間、合計8時間)透析した後、透析内液を凍結乾燥し、乾燥物B(11g:抽出率22%)を得た。続いて、3gの乾燥物Cを30mLの蒸留水に溶かし、TOYOPEARL HW40C(40mm内径×420mm長さ)を用いるクロマトグラフィーを行った。流出溶媒はすべて蒸留水を用いた。各フラクションについてそれぞれ20mLずつ分取し、画分1〜30を得た。それらのフラクションは薄層クロマトグラフィーを参考にして以下の5群に分けた。乾燥重量は次の通りであった。画分1〜11(75mg、2.5%)、画分12〜15(920mg、30.7%)、画分16〜17(1570mg、52.3%)、画分18〜19(270mg、9%)、画分20〜28(97mg、3.2%)。
【0056】
画分16(以後、1SY−16という)の赤外線吸収スペクトル(IR)データは以下の通りであった。
画分16:IR(KBr)3390、3325、3285、2940、2920、1641、1634、1622、1615、1600、1595、1405、1394、1084、1020:分子量(ゲル濾過法)100〜2000。
【0057】
(3)上記(2)と同様の熱水抽出を実施して、合わせた濾液(熱水抽出液)6Lを得た。この濾液を減圧濃縮して1Lとし、これにエタノール1Lを加えて混合し、遠心分離して沈殿と上澄液を得た。この上澄液にさらにエタノール3Lを加えて混合し、遠心分離して得られる沈殿を蒸留水に溶解し、透析処理した。得られた透析外液を凍結乾燥して粉末を得た(以後、ABMK22という)。
【0058】
(実施例2)カワリハラタケ抽出物による、NNKで誘発される肺癌の予防
50匹のA/Jマウス(雄、7週齢)を、実施例1に記載の試料I、試料II、ABMK22、および1SY16をそれぞれ与える群、および対照群の5群に10匹ずつグルーピングした。各群のマウスに、単回胃管栄養法(gavage)によって、マウス体重1kgあたり4mgのNNKを投与した。ここで、マウスに投与したNNKの量は、ヒトに換算すれば、タバコ1箱を100年以上吸い続けた量に相当する(Djordijevic,M.V.ら、Comparison of selected components in the mainstream smoke of the leading U. S. and Japanese cigarettes. In:Proceedings of the CORESTA smoke and Technology Meeting、200〜217頁、1996年、11月3日〜8日)。
【0059】
次いで、各群のマウスには、以下に記載のように、カワリハラタケ抽出物を投与した。
対照群:通常の飲用水を自由摂取させた。
試料I群:試料Iを30%(v/v)含む飲用水を、16週間の間、自由摂取させた。
試料II群:試料IIを60%(v/v)含む飲用水を、16週間の間、自由摂取させた。
【0060】
なお、上記群における各飲用水の平均の摂取量は、約5ml/匹/日であった。
ABMK22群:ABMK22を、100mg/kg体重の用量で7日間、胃管栄養法によって投与した。
1SY16群:1SY16を、100mg/kg体重の用量で7日間、胃管栄養法によって投与した。
【0061】
各試験群のマウスを、NNK投与の16週後に屠殺して解剖し、肺癌の発生率を剖検顕微鏡により調べた。結果を図1に示す。図1に示すグラフの横軸は各試験群を、縦軸は、肺癌の発生率(対照群の発癌率を100%としたときの各群のマウスにおける発癌率)を表す。
【0062】
図1に示されるように、カワリハラタケ抽出物は、対照群と比較して、肺癌の発生率を有意に低下させ(対照群と比較して、試料IではP<0.05、そして試料IIではP<0.01で有意差あり。図1中*および**でそれぞれ示される。)、そしてカワリハラタケ抽出物中の成分ABMK22および1SY16は、それぞれ、カワリハラタケ抽出物に比べても肺癌の発生率をさらに低下させた(対照群と比較して、AMBK22ではP<0.01、そして1SY16ではP<0.001で有意差あり。図1中**および***でそれぞれ示される。)。抑制率(100−発生率)で表せば、試料I、試料II、ABMK22および1SY16の肺癌の抑制率は、図1に見られるように、それぞれ約30%、約35%、約50%、約82%であった。
【0063】
このように、カワリハラタケ抽出物およびそれに含まれる成分の摂取または投与は、NNKで誘発される癌の発生を抑制することが示された。
【0064】
(実施例3)カワリハラタケ抽出物による、NNKで誘発される肺癌の予防
対照群と、上記試料IIを15%(v/v)、30%(v/v)および60%(v/v)濃度でそれぞれ含む飲用水を自由摂取させる3つの試験群とを設け、実施例2と同様にNNKを投与し肺癌を誘発した。実施例2と同様に、各試験群のマウスを、NNK投与の16週後に屠殺して解剖し、肺癌の発生率を剖検顕微鏡により調べた。結果を図2に示す。図2に示すグラフの横軸は各試験群を、縦軸は、肺癌の発生率(対照群の発癌率を100%としたときの各群のマウスにおける発癌率)を表す。
【0065】
図2に示されるように、カワリハラタケ抽出物は、対照群と比較して、肺癌の発生率を有意に低下させた(対照群と比較して、試料IIを15%(v/v)および30%(v/v)それぞれ含む飲用水を自由摂取させた群ではP<0.05、そして試料IIを60%(v/v)含む飲用水を自由摂取させた群ではP<0.01で有意差あり。図中*および**でそれぞれ示される)。
【0066】
このように、カワリハラタケ抽出物およびそれに含まれる成分の摂取が、NNKで誘発される癌の発生をほぼ用量依存様式で抑制することが示された。
【0067】
(実施例4)カワリハラタケ抽出物による、NNKの投与で誘導される遺伝子または遺伝子産物の抑制
上記試料IIを投与する群を設けなかった点を除いて、実施例2と同様にグルーピングしたA/Jマウスの各群に、実施例2と同様に上記試料I、ABMK22、および1SY16を投与した。各群のマウスを、実施例2と同様に、NNK投与の16週後に屠殺して、肺組織におけるサイクリンD1の発現、増殖細胞核抗原(PCNA)、およびサイクリン依存性キナーゼ4(CDK4)の発現を調べた。サイクリンD1、PCNAおよびCDK4は、第91回癌学会発表論文No.5313:I.P.Lee、Pulmonary cyclin D1−induction by Fumonisin B1 in Female A/J mice、2000年4月15日、に記載の方法に従って測定した。
【0068】
一般に、増殖中の細胞は、分裂期(M期)と間期(G1期、S期およびG2期)の細胞周期をもつ。DNA合成は間期の一部(S期)で行われる。S期に倍加した遺伝情報はM期に等分配して細胞が複製される。
【0069】
CDK4は、細胞周期の進行をつかさどるタンパク質リン酸化酵素ファミリーのメンバーであって、いわば、細胞周期進行のエンジンである。サイクリンD1は、CDK4と結合して、G1期にある細胞をS期に向けて進行させる役割をもつ。いわば、サイクリンD1は、CDK4の調節因子としてアクセルにあたる役割を果たしている。PCNAは、S期を進行させるDNAポリメラーゼδのサブユニットであって、これもまた細胞周期進行のエンジンにあたる。これらのタンパク質の異常発現は、癌の誘発に至り、従って、これらタンパク質をコードする遺伝子は癌遺伝子である。これらの遺伝子産物を分析すれば、癌の発症に至る過程にあるか否かを評価することができる。
【0070】
図3は、各群のA/Jマウスの肺組織におけるPCNA、サイクリンD1およびCDK4の測定結果を示す図である。図3の右は、各群の肺組織試料を電気泳動したときのPCNA、サイクリンD1およびCDK4のバンドを示す。バンドの濃淡が発現レベルの強弱を表している。図3の右に示されるように、対照群では、PCNA、サイクリンD1、およびCDK4のいずれのバンドも濃く、これらタンパク質が高レベルに異常発現し、発癌が誘導されていることを示す。しかし、試料I、ABMK22、および1SY16を投与した群では、PCNAおよびサイクリンD1のバンドは薄く、これらタンパク質は異常発現していないことを示している。図3の左は、各群の測定結果を、定量して棒グラフに表したものである。縦軸は、対照群における発現量を100%としたときの発現量を、そして横軸は、測定したPCNA、サイクリンD1、およびCDK4を表し、各測定項目における4つの棒グラフは、左から順に、対照群、試料I群、ABMK22群、および1SY16群をそれぞれ表す。図示されるように、試料I群、ABMK22群、および1SY16群におけるPCNAおよびサイクリンD1の発現レベルは、対照群の発現レベルの約10%以下であった(統計学的に、P<0.01で有意差があった)。
【0071】
このように、カワリハラタケ抽出物およびそれに含まれる成分の摂取または投与は、NNKで誘導された発癌遺伝子の発現を抑制することが示された。
【0072】
(実施例5)カワリハラタケ抽出物による、NNKの投与で誘導される遺伝子または遺伝子産物の抑制
上記試料IIを、15、30および60%(v/v)でそれぞれ含む飲用水を自由摂取させた群を用いて試験したことを除いて、実施例4と同様に、肺組織におけるサイクリンD1の発現、増殖細胞核抗原(PCNA)、およびサイクリン依存性キナーゼ4(CDK4)の発現を調べた。
【0073】
図4は、各群のマウスにおけるPCNA、サイクリンD1およびCDK4の測定結果を示す図である。図4の右は、各群の肺組織試料を電気泳動したときのPCNA、サイクリンD1およびCDK4のバンドを示す。バンドの濃淡が発現レベルの強弱を表している。図4の右に示されるように、対照群では、PCNA、サイクリンD1、およびCDK4のいずれのバンドも濃く、これらタンパク質が高レベルに異常発現し、発癌が誘導されていることを示す。しかし、試料IIを15、30および60%でそれぞれ含む飲用水を摂取させた群では、試料IIの濃度が高いほど各発現タンパク質のバンドの濃さが薄くなり、試料IIは、濃度依存的に、これらタンパク質の異常発現を抑制したことを示す。図4の左は、各群の測定結果を、定量して棒グラフに表したものである。縦軸は、対照群における発現量を100%としたときの発現量を、そして横軸は、測定したPCNA、サイクリンD1、およびCDK4を表し、各測定項目において4つの棒グラフは、左から順に、対照群、試料IIを15、30および60%含む飲用水を摂取させた群のマウスにおける測定結果をそれぞれ表す。図示されるように、試料IIは、濃度依存的にこれらタンパク質の異常発現を抑制したことを示す(試料IIを15、30および60%含む飲用水を摂取させた群では、サイクリンD1およびPCNA発現が、対照群のサイクリンD1およびPCNA発現に比べ、統計学的にP<0.01で有意差があった)。
【0074】
このように、カワリハラタケ抽出物およびそれに含まれる成分の摂取または投与は、NNKで誘導された発癌遺伝子の発現を濃度依存的に抑制することが示された。
【0075】
(実施例6)カワリハラタケ抽出物による、ウレタンで誘発される肺癌の予防
上記試料Iを30%(v/v)、および上記試料IIを30%(v/v)含む飲用水をそれぞれ自由摂取させた群、そしてABMK22を実施例2のように投与した群を設けたこと、そして各群のマウスに、NNKの代わりに、ヒトのウレタン曝露レベルの約20,000倍のウレタン(250mg/kgマウス体重)を、単回胃管栄養法により投与したことを除いて実施例2と同様に試験した。
【0076】
実施例2と同様に、各試験群のマウスを、ウレタン投与の16週後に屠殺して解剖し、肺癌の発生率を剖検顕微鏡により調べた。カワリハラタケ抽出物は、対照群と比較して、肺癌の発生率を有意に低下させ(対照群と比較して、試料IではP<0.05、そして試料IIではP<0.01で有意差あり。)、そしてカワリハラタケ抽出物中の成分ABMK22は、カワリハラタケ抽出物に比べても肺癌の発生率をさらに低下させた(対照群と比較してP<0.001で有意差あり。)。抑制率(100−発生率)で表せば、試料I、試料IIおよびABMK22の肺癌の抑制率は、それぞれ約30%、約60%および約82%であった。
【0077】
このように、カワリハラタケ抽出物およびそれに含まれる成分の摂取または投与は、NNKで誘発される癌の発生を抑制することが示された。
【0078】
(実施例7)カワリハラタケ抽出物による、ウレタンの投与で誘導される遺伝子または遺伝子産物の抑制
上記試料Iを30%(v/v)、および上記試料IIを30%(v/v)含む飲用水をそれぞれ自由摂取させた群、そしてABMK22を実施例2のように投与した群を設けたこと、そして各群のマウスに、NNKの代わりに、ヒトのウレタン曝露レベルの約20,000倍のウレタン(250mg/kgマウス体重)を、単回胃管栄養法により投与したことを除いて実施例2と同様に試験した。
【0079】
実施例4と同様に、各群の肺組織におけるサイクリンD1の発現、増殖細胞核抗原(PCNA)、およびサイクリン依存性キナーゼ4(CDK4)の発現を調べた。
【0080】
図6は、各群のA/JマウスにおけるPCNA、サイクリンD1およびCDK4の測定結果を示す図である。図6の右は、各群の肺組織試料を電気泳動したときのPCNA、サイクリンD1およびCDK4のバンドを示す。バンドの濃淡が発現レベルの強弱を表している。図6の右に示されるように、対照群では、PCNA、サイクリンD1、およびCDK4のいずれのバンドも濃く、これらタンパク質が高レベルに異常発現し、発癌が誘導されていることを示す。しかし、試料I、試料IIを含む飲用水を摂取させた群、およびABMK22を投与した群では、それぞれのバンドは対照群に比べ相対的に薄く、これら遺伝子の異常発現が抑制されたことを示す。図6の左は、各群の測定結果を、定量して棒グラフに表したものである。縦軸は、対照群における発現量を100%としたときの発現量を、そして横軸は、測定したPCNA、サイクリンD1、およびCDK4を表し、各測定項目において4つの棒グラフは、左から順に、対照群、試料II投与群、試料I投与群、およびABMK22投与群のマウスにおける測定結果をそれぞれ表す。図示されるように、特にABMK22が、これら遺伝子の異常発現を抑制することが示された(統計学的にP<0.05で有意差があった)。
【0081】
このように、カワリハラタケ抽出物の摂取または投与は、ウレタンで誘導された発癌遺伝子の発現を抑制することが示唆された。
【0082】
(実施例8)カワリハラタケ抽出物による、AOMで誘導されるラット結腸癌の予防
アゾキシメタン(AOM)は、大腸癌を誘発し、異常陰窩病巣(aberrant crypt foci(ACF))を形成する発癌物質であることが知られている(Carcinogenesis 21(6):1149−1155、2000)。マウスおよびラットのAOMで誘導された結腸癌では、βカテニン遺伝子がしばしば変異している(Takahashi M.ら、Carcinogenesis、21:1117−1120、2000)。形成異常ACFでは、βカテニンの改変された細胞局在化および誘導型一酸化窒素シンターゼ(iNOS)の増加した発現の両方が検出されたが、過形成ACFではそうではなかった(Takahashi M.ら、Carcinogenesis、21:1319−1327、2000)。従って、マウスまたはラットにおいてAOMで誘導されるACFは、癌が誘発される過程または癌の転移の過程を評価するアッセイ系として用いることができる。
【0083】
AOMで誘導されるACFをアッセイ系として用い、カワリハラタケ抽出物に含まれる成分が癌の誘発を予防するか否かを評価した。
【0084】
30匹のラット(雌、8−9週齢)を、実施例2と同様に、1SY16を与える群(120mg/kg体重および60mg/kg体重)、および対照群の3群に10匹ずつグルーピングした。各群のラットに、ラット体重1kgあたり15mgのAOMを1週間の間に2回皮下投与した。
【0085】
次いで、各群のラットには、以下の記載のように、カワリハラタケ抽出物を投与した。1SY16は、0.1%カルボキシメチルセルロース溶液に溶解し、体重の0.5%の用量で投与した。投与回数は週2回の頻度で4週間続けて投与した。
120 1SY16群:1SY16を、120mg/kg体重の用量で、胃管栄養法によって投与した。
60 1SY16群:1SY16を、60mg/kg体重の用量で、胃管栄養法によって投与した。
対照群:カルボキシセルロースを、体重の0.5%の用量で、胃管栄養法によって投与した。
【0086】
各試験群のラットを、AOM投与の13週後に屠殺して解剖し、ACFの個数を剖検顕微鏡により調べた。結果を図7に示す。図7に示すグラフの横軸は各試験群を、縦軸は、一匹あたり発生したACFの個数の平均値である。
【0087】
図7に示されるように、1SY16は、対照群と比較して、発生したACFの数を有意に低減した(P<0.05で有意差あり。図7中*で示される。)。抑制率で表すと、60mg/kg体重および120mg/kg体重の1SY16を投与した群における大腸癌発生は、対照群に比べてそれぞれ72%および82.5%抑制されることが確認され、1SY16の摂取または投与が、AOMで誘発される癌の発生を抑制することが示された。
【0088】
以上のように、カワリハラタケ抽出物またはそれに含まれる成分の摂取または投与は、NNKおよびウレタンの投与によって増加する遺伝子または遺伝子産物発現を濃度依存的に抑制することから、カワリハラタケ抽出物には、発癌物質によって誘導される発癌状態を抑制する成分(単数または複数)が含まれると考えられる。
【0089】
【産業上の利用可能性】
癌の誘発または癌の転移を潜在的に予防する、薬品素材および食品素材が提供される。より詳細には、肺を標的にした発癌物質による肺癌の発症、およびその結果として起こる癌転移を予防し得る薬品素材および食品素材が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のカワリハラタケ抽出物が、NNKによる肺癌の誘発を予防することを示す図である。
【図2】図2は、本発明のカワリハラタケ抽出物が、NNKによる肺癌の誘発を用量依存的に予防することを示す図である。
【図3】図3は、本発明のカワリハラタケ抽出物が、NNKの投与で誘導される遺伝子または遺伝子産物を抑制することを示す図である。
【図4】図4は、本発明のカワリハラタケ抽出物が、NNKの投与で誘導される遺伝子または遺伝子産物を用量依存的に抑制することを示す図である。
【図5】図5は、本発明のカワリハラタケ抽出物が、ウレタンによる肺癌の誘発を予防することを示す図である。
【図6】図6は、本発明のカワリハラタケ抽出物が、ウレタンの投与で誘導される遺伝子または遺伝子産物を抑制することを示す図である。
【図7】図7は、本発明のカワリハラタケ抽出物が、AOMによる大腸癌の誘発を予防することを示す図である。

Claims (5)

  1. 肺癌誘発を予防する組成物であって、カワリハラタケ抽出物および薬学的に受容可能なキャリアを含み、前記カワリハラタケ抽出物が、カワリハラタケの子実体を熱水抽出する工程、得られる抽出液を透析処理する工程、および得られる透析外液をクロマトグラフィー処理する工程によって得られる、分子量100〜2000のクロマトグラフィー主溶出画分であるか、または、カワリハラタケの子実体を熱水抽出する工程、得られる抽出液にエタノールを添加して沈殿を得る工程、沈殿を得る工程で得られる上澄液にさらにエタノールを添加し遠心分離して沈殿を得る工程、および該沈殿を水に溶解して透析処理する工程によって得られる透析外液である、前記組成物。
  2. 腸癌の誘発を予防する組成物であって、カワリハラタケ抽出物および薬学的に受容可能なキャリアを含み、前記カワリハラタケ抽出物が、カワリハラタケの子実体を熱水抽出する工程、得られる抽出液を透析処理する工程、および得られる透析外液をクロマトグラフィー処理する工程によって得られる、分子量100〜2000のクロマトグラフィー主溶出画分である、前記組成物。
  3. 癌が、ウレタン(エチルカルバメート)、NNK[(4−N−メチル−N−ニトロソアミノ)−1−(3−ピリジル)−1−ブタノン]またはアゾキシメタンで誘発される、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 粉末、液体、錠剤、カプセル、およびペレットからなる群から選択される形態の、請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
  5. 肺癌誘発を予防する組成物の調製のためのカワリハラタケ抽出物の使用であって、前記カワリハラタケ抽出物が、カワリハラタケの子実体を熱水抽出する工程、得られる抽出液を透析処理する工程、および得られる透析外液をクロマトグラフィー処理する工程によって得られる、分子量100〜2000のクロマトグラフィー主溶出画分であるか、または、カワリハラタケの子実体を熱水抽出する工程、得られる抽出液にエタノールを添加して沈殿を得る工程、沈殿を得る工程で得られる上澄液にさらにエタノールを添加し遠心分離して沈殿を得る工程、および該沈殿を水に溶解して透析処理する工程によって得られる透析外液である、前記使用。
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