JP2000268343A - 磁気記録媒体 - Google Patents
磁気記録媒体Info
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- JP2000268343A JP2000268343A JP7270399A JP7270399A JP2000268343A JP 2000268343 A JP2000268343 A JP 2000268343A JP 7270399 A JP7270399 A JP 7270399A JP 7270399 A JP7270399 A JP 7270399A JP 2000268343 A JP2000268343 A JP 2000268343A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 優れた電磁変換特性と耐久性とが両立した信
頼性の高い高記録密度の磁気記録媒体を提供すること。 【解決手段】 支持体の一面上に設けられた下層と、該
下層上に設けられた、強磁性金属粉末及び結合剤を主体
とする厚さ0.2μm以下の最上層磁性層と、上記支持
体の他面上に設けられたバックコート層とを有する磁気
記録媒体において、最上層磁性層は、その保磁力(H
c)とその残留磁束密度(Br)との比(Hc/Br)
が560〜1240kA/(m・T)で且つその保磁力
(Hc)が160〜240kA/mであり、磁気抵抗型
磁気ヘッドで記録信号の再生が行われる記録再生システ
ムに用いられる磁気記録媒体。
頼性の高い高記録密度の磁気記録媒体を提供すること。 【解決手段】 支持体の一面上に設けられた下層と、該
下層上に設けられた、強磁性金属粉末及び結合剤を主体
とする厚さ0.2μm以下の最上層磁性層と、上記支持
体の他面上に設けられたバックコート層とを有する磁気
記録媒体において、最上層磁性層は、その保磁力(H
c)とその残留磁束密度(Br)との比(Hc/Br)
が560〜1240kA/(m・T)で且つその保磁力
(Hc)が160〜240kA/mであり、磁気抵抗型
磁気ヘッドで記録信号の再生が行われる記録再生システ
ムに用いられる磁気記録媒体。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた電磁変換特
性と走行耐久性とが両立した信頼性の高い高記録密度の
磁気記録媒体に関する。
性と走行耐久性とが両立した信頼性の高い高記録密度の
磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】磁気ヘ
ッドを媒体表面に摺動させることによって信号の記録・
再生を行うタイプのデジタル磁気記録媒体では、トラッ
ク幅を狭くすること及び記録波長を短くすることで高記
録密度化が図られている。その様な磁気記録媒体では必
然的に1ビットの面積が狭くなるため、磁気エネルギー
は小さくならざるを得ない。また、記録時の自己減磁損
失や再生時の厚み損失を減らすために磁性層が薄くなる
傾向にあるので、磁気エネルギーは更に小さくなる方向
にある。これらの問題を解決するために、磁気記録媒体
の保磁力(Hc)を大きくし、磁気エネルギーを大きく
するために飽和磁束密度(Bs)を大きくする傾向にあ
った。また、この目的を達成するために、高保磁力、高
飽和磁化量の磁性粉末が使用されてきた。
ッドを媒体表面に摺動させることによって信号の記録・
再生を行うタイプのデジタル磁気記録媒体では、トラッ
ク幅を狭くすること及び記録波長を短くすることで高記
録密度化が図られている。その様な磁気記録媒体では必
然的に1ビットの面積が狭くなるため、磁気エネルギー
は小さくならざるを得ない。また、記録時の自己減磁損
失や再生時の厚み損失を減らすために磁性層が薄くなる
傾向にあるので、磁気エネルギーは更に小さくなる方向
にある。これらの問題を解決するために、磁気記録媒体
の保磁力(Hc)を大きくし、磁気エネルギーを大きく
するために飽和磁束密度(Bs)を大きくする傾向にあ
った。また、この目的を達成するために、高保磁力、高
飽和磁化量の磁性粉末が使用されてきた。
【0003】しかし、上記設計思想に基づき磁気記録媒
体の高記録密度化を進めると、磁性層はますます薄くな
っていくことから、高い電磁変換特性及び耐久性を確保
することが困難となり、更なる高密度化は限界が見え始
めている。そこで、近年、磁気記録媒体の更なる高記録
密度化を達成するために、記録信号の再生ヘッドとして
磁気抵抗型磁気ヘッド(以下、MRヘッドともいう)を
用いることが有効であることが提案されている。
体の高記録密度化を進めると、磁性層はますます薄くな
っていくことから、高い電磁変換特性及び耐久性を確保
することが困難となり、更なる高密度化は限界が見え始
めている。そこで、近年、磁気記録媒体の更なる高記録
密度化を達成するために、記録信号の再生ヘッドとして
磁気抵抗型磁気ヘッド(以下、MRヘッドともいう)を
用いることが有効であることが提案されている。
【0004】しかし、従来の塗布型磁気記録媒体でMR
ヘッドを用いると、出力は向上するが、それ以上にノイ
ズが増え、高S/Nを得ることができない。また、MR
ヘッドにおける磁界強さと抵抗との間の直線性がずれ易
くなり、周波数による出力の平坦度が崩れ、デジタル記
録において再生波形の歪みが生じてノイズの原因になる
という問題がある。このため、MRヘッドを用いた磁気
記録システムに適し、高密度記録、低ノイズ、高S/N
を達成する塗布型磁気記録媒体は皆無である。
ヘッドを用いると、出力は向上するが、それ以上にノイ
ズが増え、高S/Nを得ることができない。また、MR
ヘッドにおける磁界強さと抵抗との間の直線性がずれ易
くなり、周波数による出力の平坦度が崩れ、デジタル記
録において再生波形の歪みが生じてノイズの原因になる
という問題がある。このため、MRヘッドを用いた磁気
記録システムに適し、高密度記録、低ノイズ、高S/N
を達成する塗布型磁気記録媒体は皆無である。
【0005】従って、本発明は、磁気抵抗型磁気ヘッド
を用いたシステムに適し、優れた電磁変換特性と耐久性
とが両立した信頼性の高い高記録密度の磁気記録媒体を
提供することを目的とする。
を用いたシステムに適し、優れた電磁変換特性と耐久性
とが両立した信頼性の高い高記録密度の磁気記録媒体を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、最上層磁
性層の保磁力が高く且つ残留磁束密度が低い磁気記録媒
体を磁気抵抗型磁気ヘッドと組み合わせて用いること
で、上記目的が達成されることを知見した。
性層の保磁力が高く且つ残留磁束密度が低い磁気記録媒
体を磁気抵抗型磁気ヘッドと組み合わせて用いること
で、上記目的が達成されることを知見した。
【0007】本発明は上記知見に基づきなされたもの
で、支持体の一面上に設けられた下層と、該下層上に設
けられた、強磁性金属粉末及び結合剤を主体とする厚さ
0.2μm以下の最上層磁性層とを有する磁気記録媒体
において、最上層磁性層は、その保磁力(Hc)とその
残留磁束密度(Br)との比(Hc/Br)が560〜
1240kA/(m・T)で且つその保磁力(Hc)が
160〜240kA/mであり、磁気抵抗型磁気ヘッド
で記録信号の再生が行われる記録再生システムに用いら
れる磁気記録媒体を提供することにより上記目的を達成
したものである。
で、支持体の一面上に設けられた下層と、該下層上に設
けられた、強磁性金属粉末及び結合剤を主体とする厚さ
0.2μm以下の最上層磁性層とを有する磁気記録媒体
において、最上層磁性層は、その保磁力(Hc)とその
残留磁束密度(Br)との比(Hc/Br)が560〜
1240kA/(m・T)で且つその保磁力(Hc)が
160〜240kA/mであり、磁気抵抗型磁気ヘッド
で記録信号の再生が行われる記録再生システムに用いら
れる磁気記録媒体を提供することにより上記目的を達成
したものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の磁気記録媒体を、
その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明の磁気
記録媒体の一実施形態においては、支持体の一面上に磁
性又は非磁性の下層が設けられており、該下層上に最上
層としての磁性層(以下、上層磁性層という)が設けら
れている。また、上記支持体の他面上にバックコート層
が設けられている。上層磁性層は、強磁性粉末及び結合
剤を主体とし、これらの成分が溶剤に分散・溶解されて
なる塗料を塗布・乾燥させて形成されている。
その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明の磁気
記録媒体の一実施形態においては、支持体の一面上に磁
性又は非磁性の下層が設けられており、該下層上に最上
層としての磁性層(以下、上層磁性層という)が設けら
れている。また、上記支持体の他面上にバックコート層
が設けられている。上層磁性層は、強磁性粉末及び結合
剤を主体とし、これらの成分が溶剤に分散・溶解されて
なる塗料を塗布・乾燥させて形成されている。
【0009】本発明の磁気記録媒体は、MRヘッドで記
録信号の再生が行われる記録再生システムに用いられ
る。MRヘッドは微小な漏洩磁界の変化を感度良く電磁
変換し得るものであり、ハードディスクドライブで使用
されているものである。近年、MRヘッドを塗布型の磁
気記録媒体に適用することが提案されており、MRヘッ
ドに適した塗布型の磁気記録媒体の条件の探索が急がれ
ていた。
録信号の再生が行われる記録再生システムに用いられ
る。MRヘッドは微小な漏洩磁界の変化を感度良く電磁
変換し得るものであり、ハードディスクドライブで使用
されているものである。近年、MRヘッドを塗布型の磁
気記録媒体に適用することが提案されており、MRヘッ
ドに適した塗布型の磁気記録媒体の条件の探索が急がれ
ていた。
【0010】MRヘッドを備えた記録再生システムを用
いて磁気記録媒体の高記録密度化を達成するためには、
上層磁性層から生ずる磁束の量をMRヘッドに適した値
とすることが必要である。この磁束の量の大小は、上層
磁性層の残留磁束密度(Br)と厚み(t)との積(B
r・t)の値の大小が指標となる。Br・tの値の最適
範囲は使用するMRヘッドによって異なるが、この値を
0.005〜0.05T・μm、特に0.02〜0.0
4T・μmとすることが、十分な磁束の量を確保して十
分な再生出力を得る点、及びMRヘッドの飽和を回避す
る点から好ましい。
いて磁気記録媒体の高記録密度化を達成するためには、
上層磁性層から生ずる磁束の量をMRヘッドに適した値
とすることが必要である。この磁束の量の大小は、上層
磁性層の残留磁束密度(Br)と厚み(t)との積(B
r・t)の値の大小が指標となる。Br・tの値の最適
範囲は使用するMRヘッドによって異なるが、この値を
0.005〜0.05T・μm、特に0.02〜0.0
4T・μmとすることが、十分な磁束の量を確保して十
分な再生出力を得る点、及びMRヘッドの飽和を回避す
る点から好ましい。
【0011】これ迄に用いられてきた高保磁力、高飽和
磁化量の磁性粉末を用いて、上層磁性層のBr・tの値
をMRヘッドに適した値とするためには、一般的には上
層磁性層の厚みを極端に小さくする必要がある。しか
し、その場合には磁気記録媒体の耐久性(走行耐久性)
が低下したり、上層磁性層の塗布欠陥が増加してしま
う。上層磁性層の厚みをある程度確保したまま、MRヘ
ッドに対応した磁気記録媒体を得るためには、保磁力を
高くし且つ残留磁束密度を低くすることが有効である。
そこで本発明においては、上層磁性層の保磁力(Hc)
とその残留磁束密度(Br)との比(Hc/Br)とい
う新たな概念をMRヘッドに対応した磁気記録媒体の磁
気特性の指標とし、この値を560〜1240kA/
(m・T)とすることにより、高密度記録のために必要
とされる高保磁力と、MRヘッドで記録信号を再生する
ために必要とされる低残留磁束密度とを兼ね備えた磁気
記録媒体を実現している。
磁化量の磁性粉末を用いて、上層磁性層のBr・tの値
をMRヘッドに適した値とするためには、一般的には上
層磁性層の厚みを極端に小さくする必要がある。しか
し、その場合には磁気記録媒体の耐久性(走行耐久性)
が低下したり、上層磁性層の塗布欠陥が増加してしま
う。上層磁性層の厚みをある程度確保したまま、MRヘ
ッドに対応した磁気記録媒体を得るためには、保磁力を
高くし且つ残留磁束密度を低くすることが有効である。
そこで本発明においては、上層磁性層の保磁力(Hc)
とその残留磁束密度(Br)との比(Hc/Br)とい
う新たな概念をMRヘッドに対応した磁気記録媒体の磁
気特性の指標とし、この値を560〜1240kA/
(m・T)とすることにより、高密度記録のために必要
とされる高保磁力と、MRヘッドで記録信号を再生する
ために必要とされる低残留磁束密度とを兼ね備えた磁気
記録媒体を実現している。
【0012】詳細には、上層磁性層のHc/Brの値が
560kA/(m・T)未満であると、出力は向上する
もののノイズの増加が激しく高S/N比を得ることがで
きない。1240kA/(m・T)超であるとノイズは
ある程度下げることができるが十分な出力を得ることが
できず、やはり高S/N比が得られない。Hc/Brの
値が、560〜1100kA/(m・T)、特に590
〜950kA/(m・T)であると、低域〜高域出力に
亘りバランスのとれた出力を得ることができると同時に
ノイズレベルが抑えられ、良好なS/Nを得ることがで
きる。
560kA/(m・T)未満であると、出力は向上する
もののノイズの増加が激しく高S/N比を得ることがで
きない。1240kA/(m・T)超であるとノイズは
ある程度下げることができるが十分な出力を得ることが
できず、やはり高S/N比が得られない。Hc/Brの
値が、560〜1100kA/(m・T)、特に590
〜950kA/(m・T)であると、低域〜高域出力に
亘りバランスのとれた出力を得ることができると同時に
ノイズレベルが抑えられ、良好なS/Nを得ることがで
きる。
【0013】上層磁性層のHc/Br及びBr・tの値
の範囲は上述の通りであり、更にこれら個々の値の範囲
は、以下の通りであることが必要であるか又は好まし
い。即ち、上層磁性層の保磁力Hcの値は160〜24
0kA/m(2000〜3000Oe)であることが、
自己減磁損失を減少させ高密度記録を達成するために必
要である。Hcの値が160kA/m未満では高密度記
録を達成するために十分でない。Hcの値は、高いほど
高密度記録の点からは好ましいが、余りに高すぎると磁
気ヘッドでの信号書き込みが出来なくなってしまう。そ
こで、本発明においてはHcの上限値を240kA/m
としたものである。Hcの値は、160〜230kA/
m(2000〜2890Oe)、特に176〜200k
A/m(2200〜2510Oe)であることが好まし
い。
の範囲は上述の通りであり、更にこれら個々の値の範囲
は、以下の通りであることが必要であるか又は好まし
い。即ち、上層磁性層の保磁力Hcの値は160〜24
0kA/m(2000〜3000Oe)であることが、
自己減磁損失を減少させ高密度記録を達成するために必
要である。Hcの値が160kA/m未満では高密度記
録を達成するために十分でない。Hcの値は、高いほど
高密度記録の点からは好ましいが、余りに高すぎると磁
気ヘッドでの信号書き込みが出来なくなってしまう。そ
こで、本発明においてはHcの上限値を240kA/m
としたものである。Hcの値は、160〜230kA/
m(2000〜2890Oe)、特に176〜200k
A/m(2200〜2510Oe)であることが好まし
い。
【0014】また、上層磁性層の残留磁束密度Brは、
上述のHc/Brの値との関係において0.15〜0.
41T、特に0.18〜0.34Tであることが充分な
再生出力を得る点から好ましい。また、上層磁性層の飽
和磁束密度Bsは、0.17〜0.48T、特に0.2
1〜0.4Tであることが好ましい。更に、上層磁性層
の角形比(Br/Bs)は0.8以上、特に0.85以
上であり、1に近いほど好ましい。
上述のHc/Brの値との関係において0.15〜0.
41T、特に0.18〜0.34Tであることが充分な
再生出力を得る点から好ましい。また、上層磁性層の飽
和磁束密度Bsは、0.17〜0.48T、特に0.2
1〜0.4Tであることが好ましい。更に、上層磁性層
の角形比(Br/Bs)は0.8以上、特に0.85以
上であり、1に近いほど好ましい。
【0015】更に、上層磁性層の厚みtは、0.2μm
以下であることが必要である。厚みtが0.2μm超で
あると、Br・tの値が大きくなり過ぎMRヘッドで記
録信号を再生するのに適さなくなり、また厚み損失が大
きくなる。厚みtは小さいほど好ましいが、余りに小さ
くなり過ぎると塗膜欠陥を発生させずに上層磁性層を形
成することが現状の塗工技術では極めて困難であり、ま
た繰り返し走行時の耐久性が低下する。従って、厚みt
の下限値は0.08μm程度である。上層磁性層の厚み
tは、0.12〜0.17μmであることが好ましい。
以下であることが必要である。厚みtが0.2μm超で
あると、Br・tの値が大きくなり過ぎMRヘッドで記
録信号を再生するのに適さなくなり、また厚み損失が大
きくなる。厚みtは小さいほど好ましいが、余りに小さ
くなり過ぎると塗膜欠陥を発生させずに上層磁性層を形
成することが現状の塗工技術では極めて困難であり、ま
た繰り返し走行時の耐久性が低下する。従って、厚みt
の下限値は0.08μm程度である。上層磁性層の厚み
tは、0.12〜0.17μmであることが好ましい。
【0016】上層磁性層が上述の磁気特性を有するため
には、特に、高Hc及び低Brを実現するためには、例
えばi)飽和磁化量σsの小さな磁性粉末を用いる手段
や、ii) 従来用いられてきた高Hc、高σsの磁性粉末
を用い、且つ非磁性の無機フィラーの配合量を従来より
も多くする手段等が挙げられる。
には、特に、高Hc及び低Brを実現するためには、例
えばi)飽和磁化量σsの小さな磁性粉末を用いる手段
や、ii) 従来用いられてきた高Hc、高σsの磁性粉末
を用い、且つ非磁性の無機フィラーの配合量を従来より
も多くする手段等が挙げられる。
【0017】上記i)の手段においては、上層磁性層に配
合される強磁性金属粉末として、σsの値が70〜13
0Am2 /kg、特に70〜110Am2 /kgのもの
を用いることが好ましい。また、該強磁性金属粉末のH
cは160〜230kA/m、特に160〜200kA
/mであることが、磁気記録媒体の高記録密度化の点か
ら好ましい。このような磁気特性を有する強磁性金属粉
末は、例えば強磁性金属粉末の合成時に、粒子の表面処
理剤として使用する各種金属化合物、例えばアルミニウ
ム化合物やイットリウム化合物の量を調整したり、ゲー
タイトの還元後の除酸化条件(ガス中の酸素供給量、時
間、温度等)を調整することにより得ることができる。
合される強磁性金属粉末として、σsの値が70〜13
0Am2 /kg、特に70〜110Am2 /kgのもの
を用いることが好ましい。また、該強磁性金属粉末のH
cは160〜230kA/m、特に160〜200kA
/mであることが、磁気記録媒体の高記録密度化の点か
ら好ましい。このような磁気特性を有する強磁性金属粉
末は、例えば強磁性金属粉末の合成時に、粒子の表面処
理剤として使用する各種金属化合物、例えばアルミニウ
ム化合物やイットリウム化合物の量を調整したり、ゲー
タイトの還元後の除酸化条件(ガス中の酸素供給量、時
間、温度等)を調整することにより得ることができる。
【0018】上記ii) の手段において用いられる強磁性
金属粉末のσsは、従来と同様に130〜150Am2
/kg、特に135〜145Am2 /kgであることが
好ましい。また、該強磁性金属粉末のHcは上記i)の場
合と同様とすることができる。このような磁気特性を有
する強磁性金属粉末と併用される非磁性の無機フィラー
の配合量は、該強磁性金属粉末100重量部に対して1
5〜60重量部、特に20〜50重量部であることが好
ましい。該無機フィラーとしては、アルミナ、非磁性の
酸化鉄、酸化チタン、酸化クロム、炭酸カルシウム等の
一種以上を用いることができる。尚、上記i)の手段にお
いても非磁性の無機フィラーを併用することは何ら妨げ
にならない。但し、その場合の無機フィラーの配合量
は、強磁性金属粉末100重量部に対して3〜30重量
部、特に5〜20重量部であることが好ましい。
金属粉末のσsは、従来と同様に130〜150Am2
/kg、特に135〜145Am2 /kgであることが
好ましい。また、該強磁性金属粉末のHcは上記i)の場
合と同様とすることができる。このような磁気特性を有
する強磁性金属粉末と併用される非磁性の無機フィラー
の配合量は、該強磁性金属粉末100重量部に対して1
5〜60重量部、特に20〜50重量部であることが好
ましい。該無機フィラーとしては、アルミナ、非磁性の
酸化鉄、酸化チタン、酸化クロム、炭酸カルシウム等の
一種以上を用いることができる。尚、上記i)の手段にお
いても非磁性の無機フィラーを併用することは何ら妨げ
にならない。但し、その場合の無機フィラーの配合量
は、強磁性金属粉末100重量部に対して3〜30重量
部、特に5〜20重量部であることが好ましい。
【0019】上記ii)の手段において用いられる強磁性
粉末の例としては、金属分が40重量%以上であり、該
金属分の40%以上が鉄である強磁性金属粉末が挙げら
れる。具体的には、特開平9−35246号公報の第3
欄42〜44行に記載のもの等が挙げられる。
粉末の例としては、金属分が40重量%以上であり、該
金属分の40%以上が鉄である強磁性金属粉末が挙げら
れる。具体的には、特開平9−35246号公報の第3
欄42〜44行に記載のもの等が挙げられる。
【0020】上記i)及びii)の手段において用いられる
強磁性金属粉末の形状は表面平滑性が得られやすい針状
又は紡錘状が好ましく、その場合の長軸長を0.10μ
m以下、特に0.02〜0.08μmとすると、磁気記
録媒体の出力向上効果が顕著となることから好ましい。
上記強磁性金属粉末の長軸長は、小さいほど出力向上効
果が高いと思われるが、現状技術で可能な最小の粒径は
0.02μm程度である。
強磁性金属粉末の形状は表面平滑性が得られやすい針状
又は紡錘状が好ましく、その場合の長軸長を0.10μ
m以下、特に0.02〜0.08μmとすると、磁気記
録媒体の出力向上効果が顕著となることから好ましい。
上記強磁性金属粉末の長軸長は、小さいほど出力向上効
果が高いと思われるが、現状技術で可能な最小の粒径は
0.02μm程度である。
【0021】上層磁性層に用いられる結合剤としては、
公知のものを特に制限無く用いることができる。例えば
特開平9−35246号公報の第4欄第25〜32行に
記載のもの等を用いることができる。これらのうち、分
子内に硫酸塩基、スルホン酸塩基、エポキシ基、水酸
基、カルボキシル塩基等の極性基を有する、ポリウレタ
ン系樹脂および塩化ビニル系樹脂ならびにニトロセルロ
ース系樹脂が好適に使用される。
公知のものを特に制限無く用いることができる。例えば
特開平9−35246号公報の第4欄第25〜32行に
記載のもの等を用いることができる。これらのうち、分
子内に硫酸塩基、スルホン酸塩基、エポキシ基、水酸
基、カルボキシル塩基等の極性基を有する、ポリウレタ
ン系樹脂および塩化ビニル系樹脂ならびにニトロセルロ
ース系樹脂が好適に使用される。
【0022】上層磁性層には上述の成分の他に、磁気記
録媒体に配合される各種添加剤、例えばカーボンブラッ
ク等の帯電防止剤、イソシアネート系化合物等の硬化剤
などを配合することができる。
録媒体に配合される各種添加剤、例えばカーボンブラッ
ク等の帯電防止剤、イソシアネート系化合物等の硬化剤
などを配合することができる。
【0023】本発明における下層は、磁性でもよく非磁
性でもよい。下層が磁性の場合、下層は、強磁性粉末、
非磁性の無機フィラー、結合剤、カーボンブラック、硬
化剤等が溶剤に分散・溶解されてなる塗料を塗布・乾燥
させることで形成される。また、下層は、磁性金属又は
合金の蒸着膜から構成されていてもよい。下層が非磁性
の場合、下層は、非磁性の無機フィラー、結合剤、カー
ボンブラック、硬化剤等が溶剤に分散・溶解されてなる
塗料を塗布・乾燥させることで形成される。
性でもよい。下層が磁性の場合、下層は、強磁性粉末、
非磁性の無機フィラー、結合剤、カーボンブラック、硬
化剤等が溶剤に分散・溶解されてなる塗料を塗布・乾燥
させることで形成される。また、下層は、磁性金属又は
合金の蒸着膜から構成されていてもよい。下層が非磁性
の場合、下層は、非磁性の無機フィラー、結合剤、カー
ボンブラック、硬化剤等が溶剤に分散・溶解されてなる
塗料を塗布・乾燥させることで形成される。
【0024】下層の厚みは、上層磁性層の厚み等を考慮
して、0.8〜2.0μm、特に1.0〜1.5μmと
することが好ましい。
して、0.8〜2.0μm、特に1.0〜1.5μmと
することが好ましい。
【0025】支持体の裏面上に設けられるバックコート
層は、カーボンブラック、結合剤等を含む公知のバック
コート塗料を支持体上に塗布・乾燥させることで形成さ
れている。バックコート層の厚みは、上層磁性層及び下
層の厚みとのバランスを考慮して、0.3〜0.8μ
m、特に0.4〜0.7μmとすることが好ましい。
層は、カーボンブラック、結合剤等を含む公知のバック
コート塗料を支持体上に塗布・乾燥させることで形成さ
れている。バックコート層の厚みは、上層磁性層及び下
層の厚みとのバランスを考慮して、0.3〜0.8μ
m、特に0.4〜0.7μmとすることが好ましい。
【0026】支持体としては、磁気記録媒体用であれば
公知のものが使用でき、具体的には特開平9−3524
6号公報の第2欄30〜42行に記載のものが使用でき
る。これらのうちでも、ポリエチレンテレフタレート
(PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド等
の非磁性材料が好適である。支持体の厚みは、3〜8μ
m、特に4〜6μmであることが、磁気記録媒体の高容
量化のために好ましい。また、支持体の表面に易接着層
を設け、下層やバックコート層との接着性を高めてもよ
い。
公知のものが使用でき、具体的には特開平9−3524
6号公報の第2欄30〜42行に記載のものが使用でき
る。これらのうちでも、ポリエチレンテレフタレート
(PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド等
の非磁性材料が好適である。支持体の厚みは、3〜8μ
m、特に4〜6μmであることが、磁気記録媒体の高容
量化のために好ましい。また、支持体の表面に易接着層
を設け、下層やバックコート層との接着性を高めてもよ
い。
【0027】本発明の磁気記録媒体は、上述のように構
成されているので高密度記録に極めて適したものとな
る。例えば、本発明の磁気記録媒体を固定ヘッド方式で
記録・再生する場合には、トラック幅を好ましくは30
μm以下、更に好ましくは2〜30μm、一層好ましく
は2〜10μmとすることができる。また、線記録密度
を好ましくは100kFCI以上、更に好ましくは10
0〜250kFCI、一層好ましくは150〜250k
FCIとすることができる。
成されているので高密度記録に極めて適したものとな
る。例えば、本発明の磁気記録媒体を固定ヘッド方式で
記録・再生する場合には、トラック幅を好ましくは30
μm以下、更に好ましくは2〜30μm、一層好ましく
は2〜10μmとすることができる。また、線記録密度
を好ましくは100kFCI以上、更に好ましくは10
0〜250kFCI、一層好ましくは150〜250k
FCIとすることができる。
【0028】
【実施例】以下の本発明の具体的な実施例を示す。以下
の実施例及び比較例は、最適Br・tの値が0.035
T・μmのMRヘッドについてのものである。尚、実施
例及び比較例中、特に断りの無い限り「部」及び「%」
はそれぞれ「重量部」及び「重量%」を示す。また、使
用した強磁性金属粉末は鉄を主体とするものであり、そ
の特性及び組成は表1に示す通りである。尚、表1にお
ける強磁性金属粉末のσsは、強磁性金属粉末の合成時
に、粒子の表面処理剤として使用するアルミニウム化合
物及びイットリウム化合物の量を調整し、またゲータイ
トの還元後の除酸化条件(ガス中の酸素供給量、時間、
温度等)を調整することにより変化させた。
の実施例及び比較例は、最適Br・tの値が0.035
T・μmのMRヘッドについてのものである。尚、実施
例及び比較例中、特に断りの無い限り「部」及び「%」
はそれぞれ「重量部」及び「重量%」を示す。また、使
用した強磁性金属粉末は鉄を主体とするものであり、そ
の特性及び組成は表1に示す通りである。尚、表1にお
ける強磁性金属粉末のσsは、強磁性金属粉末の合成時
に、粒子の表面処理剤として使用するアルミニウム化合
物及びイットリウム化合物の量を調整し、またゲータイ
トの還元後の除酸化条件(ガス中の酸素供給量、時間、
温度等)を調整することにより変化させた。
【0029】 〔実施例1〕 <上層磁性層用の塗料配合> ・針状強磁性金属粉末(Type 1) 100部 ・α−アルミナ(研磨剤、平均粒径70nm) 12部 ・塩化ビニル系共重合体(結合剤) 10部 〔日本ゼオン製のMR104(商品名)〕 ・ポリウレタン樹脂(結合剤) 7部 〔東洋紡製のUR8300(商品名)〕 ・ポリイソシアネート(硬化剤) 1部 〔日本ポリウレタン工業製のコロネートHX(商品名)〕 ・メチルエチルケトン(溶剤) 221部 ・トルエン(溶剤) 221部 ・シクロヘキサノン(溶剤) 73部
【0030】 <下層用の塗料配合> ・六角板状六方晶系強磁性バリウムフェライト粉末 60部 (Hc152kA/m、σs52Am2 /kg、板径30nm、板状比5) ・針状のα−Fe2 O3 (非磁性フィラー) 40部 (平均粒径100nm) ・α−アルミナ(研磨剤、平均粒径70nm) 6部 ・カーボンブラック(平均粒径17nm) 15部 ・塩化ビニル系共重合体(結合剤) 14部 〔日本ゼオン製のMR104(商品名)〕 ・ポリウレタン樹脂(結合剤) 10部 〔東洋紡製のUR8300(商品名)〕 ・ステアリン酸 2部 ・ポリイソシアネート(硬化剤) 2部 〔日本ポリウレタン工業製のコロネートHX(商品名)〕 ・メチルエチルケトン(溶剤) 117部 ・トルエン(溶剤) 117部 ・シクロヘキサノン(溶剤) 39部
【0031】 <バックコート層用の塗料配合> ・TB6001 100部 (バックコート用塗料、東洋インキ製) ・ポリイソシアネート(硬化剤) 2部 〔日本ポリウレタン工業製のコロネートHX(商品名)〕
【0032】<塗料の調製方法:上層磁性層及び下層>
上記した配合において、強磁性粉末、研磨剤等の粉体を
結合剤及び溶剤の一部と共にプラネタリーミキサーに投
入し予備混合を行い混合物を作成した。次にこれを、2
軸連続式固練り装置にて高剪断分散処理した。これに溶
剤を加えディゾルバー等の撹拌器にて希釈処理を行い、
次にサンドミルによる微分散処理を施した後、溶剤を加
えて粘度を適当に調整し、絶対濾過精度1μmの濾過フ
ィルターを用いて濾過を行った。その後硬化剤を加え上
層磁性層用の塗料を得た。同様の方法により、下層用の
塗料を得た。
上記した配合において、強磁性粉末、研磨剤等の粉体を
結合剤及び溶剤の一部と共にプラネタリーミキサーに投
入し予備混合を行い混合物を作成した。次にこれを、2
軸連続式固練り装置にて高剪断分散処理した。これに溶
剤を加えディゾルバー等の撹拌器にて希釈処理を行い、
次にサンドミルによる微分散処理を施した後、溶剤を加
えて粘度を適当に調整し、絶対濾過精度1μmの濾過フ
ィルターを用いて濾過を行った。その後硬化剤を加え上
層磁性層用の塗料を得た。同様の方法により、下層用の
塗料を得た。
【0033】<塗料の調製方法:バックコート層>バッ
クコート用塗料であるTB6001をディソルバー等で
充分に撹拌し、その後絶対濾過精度1μmの濾過フィル
ターを用いて濾過を行い、硬化剤を加えバックコート用
の塗料を得た。
クコート用塗料であるTB6001をディソルバー等で
充分に撹拌し、その後絶対濾過精度1μmの濾過フィル
ターを用いて濾過を行い、硬化剤を加えバックコート用
の塗料を得た。
【0034】<塗工方法>厚さ4.5μm、幅155m
mのPETフィルムからなる支持体に、下層用の塗料及
び上層磁性層用の塗料を、下層及び上層磁性層の乾燥厚
さがそれぞれ1.5μm及び0.13μmとなるよう
に、ダイコーターにてウェット・オン・ウェット方式に
て同時重層塗布を行い、それぞれの塗膜を形成した。次
いで、これらの塗膜が湿潤状態にある間に0.5Tの磁
力を持つソレノイド中を通過させ長手方向に磁場配向処
理及び乾燥処理を施し巻き取った。次いで、7段式のス
ーパーカレンダーで温度80℃にて分速80m/min
でカレンダー処理を行った。その後、上記支持体の裏面
上にバックコート塗料を乾燥厚み0.6μmとなるよう
に塗布し乾燥させ巻き取った。次いで、スリッターにて
12.7mm(1/2インチ)に裁断し、ローダーにて
カートリッジに巻き込み、磁気テープを得た。
mのPETフィルムからなる支持体に、下層用の塗料及
び上層磁性層用の塗料を、下層及び上層磁性層の乾燥厚
さがそれぞれ1.5μm及び0.13μmとなるよう
に、ダイコーターにてウェット・オン・ウェット方式に
て同時重層塗布を行い、それぞれの塗膜を形成した。次
いで、これらの塗膜が湿潤状態にある間に0.5Tの磁
力を持つソレノイド中を通過させ長手方向に磁場配向処
理及び乾燥処理を施し巻き取った。次いで、7段式のス
ーパーカレンダーで温度80℃にて分速80m/min
でカレンダー処理を行った。その後、上記支持体の裏面
上にバックコート塗料を乾燥厚み0.6μmとなるよう
に塗布し乾燥させ巻き取った。次いで、スリッターにて
12.7mm(1/2インチ)に裁断し、ローダーにて
カートリッジに巻き込み、磁気テープを得た。
【0035】〔実施例2〕上層磁性層用の塗料に配合す
る強磁性粉末として表2に示すものを用いる以外は、実
施例1と同様の方法にて磁気テープを製造した。
る強磁性粉末として表2に示すものを用いる以外は、実
施例1と同様の方法にて磁気テープを製造した。
【0036】〔実施例3〕下層と同じα−Fe2 O
3 を、上層磁性層用の塗料にも13部配合し、上層磁性
層用の塗料中の無機フィラーの配合部数を12部から2
5部に増量し、上層磁性層の厚みを表2に示す通りとし
た以外は、実施例1と同様の方法にて磁気テープを製造
した。
3 を、上層磁性層用の塗料にも13部配合し、上層磁性
層用の塗料中の無機フィラーの配合部数を12部から2
5部に増量し、上層磁性層の厚みを表2に示す通りとし
た以外は、実施例1と同様の方法にて磁気テープを製造
した。
【0037】〔実施例4〕上層磁性層用の塗料に配合す
る強磁性粉末として表2に示すものを用い、且つ下層と
同じα−Fe2 O3 を、上層磁性層用の塗料に38部配
合し、上層磁性層用の塗料中の無機フィラーの配合部数
を12部から50部に増量した以外は、実施例1と同様
の方法にて磁気テープを製造した。
る強磁性粉末として表2に示すものを用い、且つ下層と
同じα−Fe2 O3 を、上層磁性層用の塗料に38部配
合し、上層磁性層用の塗料中の無機フィラーの配合部数
を12部から50部に増量した以外は、実施例1と同様
の方法にて磁気テープを製造した。
【0038】〔実施例5〕上層磁性層用の塗料に配合す
る強磁性粉末として表2に示すものを用い、且つ上層磁
性層の厚みを表2に示す通りとした以外は、実施例1と
同様の方法にて磁気テープを製造した。
る強磁性粉末として表2に示すものを用い、且つ上層磁
性層の厚みを表2に示す通りとした以外は、実施例1と
同様の方法にて磁気テープを製造した。
【0039】〔比較例1〜3〕上層磁性層用の塗料に配
合する強磁性粉末として表2に示すものを用いる以外
は、実施例1と同様の方法にて磁気テープを製造した。
合する強磁性粉末として表2に示すものを用いる以外
は、実施例1と同様の方法にて磁気テープを製造した。
【0040】〔比較例4及び5〕上層磁性層用の塗料に
配合する強磁性粉末として表2に示すものを用い、且つ
上層磁性層の厚みを表2に示す通りとした以外は、実施
例1と同様の方法にて磁気テープを製造した。
配合する強磁性粉末として表2に示すものを用い、且つ
上層磁性層の厚みを表2に示す通りとした以外は、実施
例1と同様の方法にて磁気テープを製造した。
【0041】〔比較例6〕上層磁性層用の塗料に配合す
る強磁性粉末として表2に示すものを用い、下層と同じ
α−Fe2 O3 を、上層磁性層用の塗料に48部配合
し、上層磁性層用の塗料中の無機フィラーの配合部数を
12部から60部に増量し、且つ上層磁性層の厚みを表
2に示す通りとした以外は、実施例1と同様の方法にて
磁気テープを製造した。
る強磁性粉末として表2に示すものを用い、下層と同じ
α−Fe2 O3 を、上層磁性層用の塗料に48部配合
し、上層磁性層用の塗料中の無機フィラーの配合部数を
12部から60部に増量し、且つ上層磁性層の厚みを表
2に示す通りとした以外は、実施例1と同様の方法にて
磁気テープを製造した。
【0042】〔性能評価〕実施例及び比較例で得られた
磁気テープについて、下記の方法で上層磁性層の磁気特
性(保磁力Hc、残留磁束密度Br及び飽和磁束密度B
s)を測定し、また磁気テープのドロップアウト発生個
数、再生出力、S/N、スチル耐久性の測定を行い、更
に塗膜品質(筋、抜け等)を評価した。結果を表3に示
す。
磁気テープについて、下記の方法で上層磁性層の磁気特
性(保磁力Hc、残留磁束密度Br及び飽和磁束密度B
s)を測定し、また磁気テープのドロップアウト発生個
数、再生出力、S/N、スチル耐久性の測定を行い、更
に塗膜品質(筋、抜け等)を評価した。結果を表3に示
す。
【0043】〔磁気特性〕磁気テープから上層磁性層の
み剥離し、所定寸法に打ち抜き、東英工業製VSMを用
い外部印加磁場1194kA/mにて測定した。
み剥離し、所定寸法に打ち抜き、東英工業製VSMを用
い外部印加磁場1194kA/mにて測定した。
【0044】〔磁気テープの再生出力、ドロップアウ
ト、S/N〕DLT7000ドライブを改造したもの
に、記録ヘッド(MIG、ギャップ0.15μm、1.
8T)と、再生ヘッド用MRヘッド(最適Br・t:
0.035T・μm)とを取り付けた。これらのヘッド
は固定ヘッドである。このドライブを用いて磁気テープ
に線記録密度100kFCIと25kFCIでの再生出
力を測定した。トラック幅は25μmであった。ドロッ
プアウトについては、線記録密度100kFCIでの信
号を40GB記録し、再生時に出力が50%以上ダウン
した回数をカウントし、1MB当たりの数をカウント
し、平均化したものをドロップアウトの発生回数とし
た。S/Nについては、線記録密度100kFCIでの
再生出力とノイズ(キャリア周波数より1MHz離れた
周波数での信号成分)とから求めた。尚、再生出力及び
S/Nは比較例2の磁気テープを基準とする相対評価と
した。
ト、S/N〕DLT7000ドライブを改造したもの
に、記録ヘッド(MIG、ギャップ0.15μm、1.
8T)と、再生ヘッド用MRヘッド(最適Br・t:
0.035T・μm)とを取り付けた。これらのヘッド
は固定ヘッドである。このドライブを用いて磁気テープ
に線記録密度100kFCIと25kFCIでの再生出
力を測定した。トラック幅は25μmであった。ドロッ
プアウトについては、線記録密度100kFCIでの信
号を40GB記録し、再生時に出力が50%以上ダウン
した回数をカウントし、1MB当たりの数をカウント
し、平均化したものをドロップアウトの発生回数とし
た。S/Nについては、線記録密度100kFCIでの
再生出力とノイズ(キャリア周波数より1MHz離れた
周波数での信号成分)とから求めた。尚、再生出力及び
S/Nは比較例2の磁気テープを基準とする相対評価と
した。
【0045】〔スチル耐久性〕上DLT−7000改造
ドライブを用い、1Mビットの記録信号を繰り返し再生
しながらその再生出力が初期値から3dB低下する迄の
時間を測定した。
ドライブを用い、1Mビットの記録信号を繰り返し再生
しながらその再生出力が初期値から3dB低下する迄の
時間を測定した。
【0046】〔塗膜品質〕磁気テープの全長を目視して
塗工スジ及び塗膜抜けを観察した。評価基準は以下の通
りである。 ◎:全長、全幅に亘って塗工スジ及び塗膜抜け等の塗膜
欠陥が観察されず良好であった。 ○:全長に亘って大きな塗工スジ及び塗膜抜け等の塗膜
欠陥が観察されず良好であった。但し、微細な塗工スジ
(50μm程度)が幅方向に1〜2本観察された。 △:全長に亘って大きな塗工スジ及び塗膜抜け等の塗膜
欠陥が観察されず良好であった。但し、微細な塗工スジ
(50μm程度)が幅方向に5本以上観察された。
塗工スジ及び塗膜抜けを観察した。評価基準は以下の通
りである。 ◎:全長、全幅に亘って塗工スジ及び塗膜抜け等の塗膜
欠陥が観察されず良好であった。 ○:全長に亘って大きな塗工スジ及び塗膜抜け等の塗膜
欠陥が観察されず良好であった。但し、微細な塗工スジ
(50μm程度)が幅方向に1〜2本観察された。 △:全長に亘って大きな塗工スジ及び塗膜抜け等の塗膜
欠陥が観察されず良好であった。但し、微細な塗工スジ
(50μm程度)が幅方向に5本以上観察された。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】表3に示す結果から明らかな通り、実施例
1〜5の磁気テープ(本発明品)は、静磁気的にMRヘ
ッドの特性(最適Br・t:0.035T・μm)と適
正な関係にあり、高出力及び高S/Nが達成されてい
る。またそれと同時に強磁性金属粉末の選択及び適量の
無機フィラーの添加などの手段により、上層磁性層の厚
さの最適化が可能となり、高耐久性及び高い塗膜品質が
実現されている。これに対して、比較例1の磁気テープ
では、使用されている強磁性粉末のHcが低いため高域
(100kFCI)での出力が低く、ドロップアウトも
増加している。また、上層磁性層のBrが大きくBr・
tの値がMRヘッドの最適Br・tよりも高いため、低
域の出力でMRヘッドが飽和してしまい出力波形が大き
く歪んでしまっている。また、S/Nについてもノイズ
成分が増加しており、良好な結果が得られていない。比
較例2の磁気テープについては、上層磁性層のHcが低
いため比較例1と同様に高域での出力が低く、ドロップ
アウトの発生回数も高い。比較例3及び4の磁気テープ
は、良好な高域出力が得られたものの、比較例3の磁気
テープについては上層磁性層のBrが大きいため、また
比較例4の磁気テープについては上層磁性層が厚すぎる
ため、Br・tの値がMRヘッドの最適Br・tよりも
高く、低域の出力でMRヘッドが飽和してしまい出力波
形が大きく歪んでしまっている。そのため、S/Nにつ
いてもノイズ成分が増加しており、良好な結果が得られ
ていない。比較例5の磁気テープでは、上層磁性層を薄
くしているため、高Br・tによる波形の歪み等の問題
は解決でき、ノイズ成分を低くすることは出来たが、出
力が低いため、実施例1〜5ほど高S/Nが得られてい
ない。また、上層磁性層が薄いため、耐久性及び塗膜品
質の劣化が起きている。比較例6の磁気テープでは、実
施例4と同様に無機フィラーの添加によりBr・tの最
適化が図れたが、無機フィラーの添加量が多すぎたた
め、上層磁性層のBrが低くなりすぎてしまい、高い出
力が得られず、S/Nについても良好な結果が得られて
いない。
1〜5の磁気テープ(本発明品)は、静磁気的にMRヘ
ッドの特性(最適Br・t:0.035T・μm)と適
正な関係にあり、高出力及び高S/Nが達成されてい
る。またそれと同時に強磁性金属粉末の選択及び適量の
無機フィラーの添加などの手段により、上層磁性層の厚
さの最適化が可能となり、高耐久性及び高い塗膜品質が
実現されている。これに対して、比較例1の磁気テープ
では、使用されている強磁性粉末のHcが低いため高域
(100kFCI)での出力が低く、ドロップアウトも
増加している。また、上層磁性層のBrが大きくBr・
tの値がMRヘッドの最適Br・tよりも高いため、低
域の出力でMRヘッドが飽和してしまい出力波形が大き
く歪んでしまっている。また、S/Nについてもノイズ
成分が増加しており、良好な結果が得られていない。比
較例2の磁気テープについては、上層磁性層のHcが低
いため比較例1と同様に高域での出力が低く、ドロップ
アウトの発生回数も高い。比較例3及び4の磁気テープ
は、良好な高域出力が得られたものの、比較例3の磁気
テープについては上層磁性層のBrが大きいため、また
比較例4の磁気テープについては上層磁性層が厚すぎる
ため、Br・tの値がMRヘッドの最適Br・tよりも
高く、低域の出力でMRヘッドが飽和してしまい出力波
形が大きく歪んでしまっている。そのため、S/Nにつ
いてもノイズ成分が増加しており、良好な結果が得られ
ていない。比較例5の磁気テープでは、上層磁性層を薄
くしているため、高Br・tによる波形の歪み等の問題
は解決でき、ノイズ成分を低くすることは出来たが、出
力が低いため、実施例1〜5ほど高S/Nが得られてい
ない。また、上層磁性層が薄いため、耐久性及び塗膜品
質の劣化が起きている。比較例6の磁気テープでは、実
施例4と同様に無機フィラーの添加によりBr・tの最
適化が図れたが、無機フィラーの添加量が多すぎたた
め、上層磁性層のBrが低くなりすぎてしまい、高い出
力が得られず、S/Nについても良好な結果が得られて
いない。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、優れた電磁変換特性と
耐久性とが両立した高記録密度の磁気記録媒体が提供さ
れる。また、本発明によれば、信頼性の高い高記録密度
の磁気記録媒体が提供される。本発明の磁気記録媒体
は、デジタル信号の記録再生に特に好適なものとなる。
耐久性とが両立した高記録密度の磁気記録媒体が提供さ
れる。また、本発明によれば、信頼性の高い高記録密度
の磁気記録媒体が提供される。本発明の磁気記録媒体
は、デジタル信号の記録再生に特に好適なものとなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片嶋 充弘 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 Fターム(参考) 5D006 BA05 BA19 BA20 DA00 FA02 FA09
Claims (2)
- 【請求項1】 支持体の一面上に設けられた下層と、該
下層上に設けられた、強磁性金属粉末及び結合剤を主体
とする厚さ0.2μm以下の最上層磁性層とを有する磁
気記録媒体において、 最上層磁性層は、その保磁力(Hc)とその残留磁束密
度(Br)との比(Hc/Br)が560〜1240k
A/(m・T)で且つその保磁力(Hc)が160〜2
40kA/mであり、 磁気抵抗型磁気ヘッドで記録信号の再生が行われる記録
再生システムに用いられる磁気記録媒体。 - 【請求項2】 トラック幅が30μm以下で且つ線記録
密度が100kFCI以上である固定ヘッド方式で記録
・再生が行われる請求項1記載の磁気記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7270399A JP2000268343A (ja) | 1999-03-17 | 1999-03-17 | 磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7270399A JP2000268343A (ja) | 1999-03-17 | 1999-03-17 | 磁気記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000268343A true JP2000268343A (ja) | 2000-09-29 |
Family
ID=13496992
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7270399A Pending JP2000268343A (ja) | 1999-03-17 | 1999-03-17 | 磁気記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000268343A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7014927B2 (en) | 2002-12-27 | 2006-03-21 | Fuji Photo Film Co., Ltd. | Magnetic recording medium |
-
1999
- 1999-03-17 JP JP7270399A patent/JP2000268343A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7014927B2 (en) | 2002-12-27 | 2006-03-21 | Fuji Photo Film Co., Ltd. | Magnetic recording medium |
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