[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP2000096927A - 引戸の下枠構造 - Google Patents

引戸の下枠構造

Info

Publication number
JP2000096927A
JP2000096927A JP10268663A JP26866398A JP2000096927A JP 2000096927 A JP2000096927 A JP 2000096927A JP 10268663 A JP10268663 A JP 10268663A JP 26866398 A JP26866398 A JP 26866398A JP 2000096927 A JP2000096927 A JP 2000096927A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lower frame
auxiliary member
main body
bathroom
sliding door
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10268663A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Iwase
憲二 岩瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Aluminium Co Ltd
Original Assignee
Nippon Aluminium Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Aluminium Co Ltd filed Critical Nippon Aluminium Co Ltd
Priority to JP10268663A priority Critical patent/JP2000096927A/ja
Publication of JP2000096927A publication Critical patent/JP2000096927A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Door And Window Frames Mounted To Openings (AREA)
  • Residential Or Office Buildings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 下枠補助部材の下枠本体への取付けおよび取
外しの作業効率を向上する。 【解決手段】 下枠3は、浴室4に敷設される防水パン
9上に乗載され、下枠本体15と、この下枠本体15に
着脱自在に連結される下枠補助部材16とを有する。下
枠本体15には、簀子10の脱衣室5側の一側部を支持
する支持片62が設けられる。これによって簀子10を
防水パン9上から取外すことなく、下枠補助部材16を
下枠本体15に容易に着脱することができ、下枠補助部
材16の下枠本体15への取付けおよび取外しの作業効
率を向上することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、片引戸および引違
い戸などの引戸の下枠構造に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば第1室である浴室と、第2室で
ある脱衣室との間には、仕切り壁が設けられ、この仕切
り壁には、複数の障子と、これらの障子を開閉自在に保
持する枠体とを有する連動引戸が設けられる。前記枠体
は、一対の竪枠と、各竪枠の上端部を連結する上枠と、
各竪枠の下端部を連結する下枠とを有する。下枠は、下
枠本体と、この下枠本体に着脱自在に連結され、下枠の
長手方向に沿って分断される複数の下枠補助部材とを有
する。
【0003】浴室および脱衣室の各床面はほぼ同一平面
に沿って延び、前記下枠の上面もまた、前記一平面とほ
ぼ同一平面を成す。前記下枠本体は、上部が前記一平面
よりも下方に配置される基部と、この基部の脱衣室寄り
の一側部から上方に屈曲して連なり、最上面が前記一平
面とほぼ同一面を成す立上がり部とを有する。各下枠補
助部材は、前記下枠本体の基部上に乗載される下フラン
ジと、この下フランジにほぼ直角に連なり、水抜き孔が
形成されるウエブと、このウエブの上端部にほぼ直角に
連なり、最上面が前記一平面とほぼ同一平面を成す上フ
ランジとを有し、長手方向に垂直な断面形状が大略的に
I字状に形成される。これらの立上がり部の最上面およ
び各下枠補助部材の上フランジの最上面によって前記障
子を支持している。
【0004】また最も浴室側の下枠補助部材には、前記
一平面よりも下方に配置され、浴室側に延びる支持片が
設けられる。この支持片には、第1室に敷設される防水
パン上に配置される簀子の脱衣室側の一側部が支持され
る。最も浴室側の下枠補助部材を除く残余の下枠補助部
材には、その下フランジから立下がって脱衣室側に屈曲
する第1係合片が一体的にそれぞれ形成される。下枠本
体には、その基部から立上がって浴室側に屈曲し、各第
1係合片にそれぞれ係合する複数の第2係合片が一体的
に形成される。前記残余の下枠補助部材は、脱衣室側か
ら順次的に各第1および第2係合片を相互に係合させて
下枠本体にそれぞれ装着される。その後、最も浴室側の
下枠補助部材は、隣接する下枠補助部材に当接した状態
で、支持片においてボルトおよびナットによって下枠本
体に固定される。ボルトおよびナットによって最も浴室
側の下枠補助部材が下枠本体に強固に固定されるのは、
簀子を踏むなどして外力が支持片に作用したり、通行時
に各下枠補助部材を踏むなどして外力が各下枠補助部材
に作用しても、各下枠補助部材が下枠本体内でがたつき
を生じたり、離脱してしまうことを防ぐためである。こ
のようにして複数の下枠補助部材が下枠本体に取付けら
れる。
【0005】各下枠補助部材の上フランジには、合成樹
脂から成り、最上面が粗面状ないしは凹凸状に形成され
る滑り防止部材が嵌着される。このような滑り防止部材
によって、浴室および脱衣室間を出入りする際に、足を
滑らせることが防がれる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の技術
では、枠体に複数の障子を建込むにあたって、下枠本体
は脱衣室側に立上がり部を有するため、各障子の建込み
作業は浴室側から行われ、1枚の障子を建込むたびに下
枠補助部材を1つずつ下枠本体に連結しなければならな
い。また下枠内の掃除を行うためには、上記の建込み作
業時とは逆の手順で、まず浴室側に配置される下枠補助
部材を外した後、最も浴室側に配置される障子を外し、
次に浴室側から見て2番目の下枠補助部材を外した後、
2枚目の障子を外すというように順次的に各障子を外し
た後、各下枠補助部材を外さなければならない。さらに
各下枠補助部材を下枠本体から取外すときには、防水パ
ンと支持片とによって支持される簀子を取外した後、最
も浴室側の下枠補助部材と下枠本体とを強固に固定する
ボルトおよびナットを取外さなければならない。このよ
うに下枠補助部材の下枠本体への取付けおよび取外し作
業に手間を要するという問題がある。また上記の下枠内
の掃除を行う際に、簀子を取外した後、ボルトおよびナ
ットを取外してから各下枠補助部材を取外さなければ下
枠内の掃除を行うことができず、利便時が悪いという問
題がある。
【0007】本発明の目的は、下枠補助部材の下枠本体
への取付けおよび取外しの作業効率を向上することがで
きるようにした引戸の下枠構造を提供することである。
また本発明の他の目的は、下枠内の掃除を容易に行うこ
とができるようにした引戸の下枠構造を提供することで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、第1室および第2室の各床面はほぼ一平面に沿って
延び、第1室および第2室間には、複数の障子と、この
障子を開閉自在に保持する枠体とが設けられ、枠体は、
上面が前記一平面とほぼ同一平面を成して各床面間に配
置される下枠を有し、前記下枠は、第1室に敷設される
防水部材に乗載され、下枠本体と、この下枠本体に着脱
自在に連結される下枠補助部材とを有する引戸の下枠構
造において、前記一平面よりも下方における下枠本体の
第1室側の一側部には、第1室側に向かって延び、防水
部材上に配置される透水性の踏板の第2室側の一側部を
支持する支持片が設けられることを特徴とする引戸の下
枠構造である。
【0009】本発明に従えば、たとえば浴室である第1
室と、たとえば脱衣室である第2室との間には枠体が設
けられ、この枠体には複数の障子が開閉自在に設けられ
る。第1室および第2室の各床面はほぼ一平面に沿って
延び、前記枠体はその上面が前記一平面とほぼ同一面を
成して配置され、第1室および第2室間を出入りする際
に、下枠に足を引っ掛けてつまずきなどの通行上の不具
合の発生を防ぎ、円滑かつ安全に通行することができ
る。このような通行上の安全は、健常者だけでなく、身
体障害者および老人などが通行する際の円滑性および安
全性の向上を支援する上で、より重要である。
【0010】このような下枠は、第1室に敷設される防
水部材上に乗載され、下枠本体と、この下枠本体に着脱
自在に連結される下枠補助部材とを有する。透水性の踏
板は、その第2室側の一側部が、前記一平面よりも下方
における下枠本体の第1室側の一側部に設けられる支持
片によって支持され、踏板の前記一側部とは反対側の他
端部が、防水部材に支持されて防水部材上に配置され
る。支持片は下枠本体に設けられるので、踏板を防水部
材上から取外すことなく、下枠補助部材を下枠本体に容
易に着脱することができ、下枠補助部材の下枠本体への
取付けおよび取外しの作業効率を向上することができ、
これによって下枠内の掃除を容易に行うことができる。
【0011】請求項2記載の本発明は、請求項1記載の
発明の構成において、下枠補助部材が下枠本体に装着さ
れた状態で、下枠補助部材を下枠本体に押さえ付ける押
さえ手段を有することを特徴とする。
【0012】本発明に従えば、踏板を踏むなどして生じ
る外力が支持片に作用しても、その外力は下枠補助部材
に伝達されず、これによって下枠補助部材を下枠本体に
強固に固定する必要がない。したがって下枠補助部材を
下枠本体に、たとえばボルトおよびナットによって固定
していたときよりも弱い力で固定すればよい。下枠補助
部材は、下枠本体に装着された状態で、押さえ手段によ
って下枠本体に押さえ付けられるので、下枠補助部材が
下枠本体から上方に変位することが防がれ、通行時に下
枠補助部材を踏むなど不用意な外力が作用しても、下枠
補助部材が下枠本体内でがたつきを生じたり、離脱して
しまうことが防がれる。また下枠補助部材を、下枠本体
に押さえ付けることによって、下枠本体に容易に固定す
ることができ、押さえ付け状態を解除することによっ
て、下枠補助部材を下枠本体から容易に取外すことがで
き、下枠補助部材の下枠本体への取付けおよび取外しの
作業効率を向上することができる。これとともに下枠内
の掃除も容易になる。
【0013】請求項3記載の本発明は、上記請求項1ま
たは2記載の発明の構成において、下枠補助部材には、
その上面に関して下方に臨んだ第1位置と、前記上面に
関して上方に臨んで突出する第2位置とに変位可能な把
持部材が設けられることを特徴とする。
【0014】本発明に従えば、下枠補助部材には把持部
材が設けられる。この把持部材は下枠補助部材の上面に
関して下方に臨んだ第1位置と上方に臨んで突出する第
2位置とに変位可能であり、下枠補助部材を下枠本体か
ら取外し、あるいは取付ける際に把持部材を第2位置に
配置して、確実に把持し、容易に下枠補助部材を下枠本
体から取外し、かつ下枠本体に下枠補助部材を取付ける
ことができる。またこの把持部材を第1位置に配置した
状態では、下枠補助部材の上面から下方に臨んでいるの
で、通行の邪魔にならず、また各障子の開閉動作に支障
を生じることはない。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態の
引戸の下枠構造が実施される下枠3付近の拡大断面図で
ある。たとえば病院および養護施設の第1室である浴室
4と第2室である脱衣室5とは連動引戸1によって仕切
られる。この連動引戸1は、アルミニウム合金製の押出
形材から成る枠体6と、この枠体6内に図1の紙面に対
して垂直な方向に開閉自在に嵌まり込む3枚の障子7
a,7b,7cとを有する。各障子7a,7b,7c
は、その下端部から下方に部分的に突出する各一対の下
戸車8a,8b,8cをそれぞれ備え、本実施の形態で
は最も浴室4側に配置される障子7aを移動させること
によって中間の障子7bが追従して同一方向に移動し、
2枚の障子7a,7bを連動して開閉動作させることが
できる。
【0016】浴室4には、繊維強化プラスチック(略称
FRP)から成る防水部材である防水パン9が敷設さ
れ、浴室4内における防水パン9上には透水性の踏板で
ある簀子10の一側部が後述の図2に示されるように配
置される。防水パン9の周壁9aは、下枠3の下方を越
えて脱衣室5側に立上がって延び、浴室4から脱衣室5
に向けて飛散する水を浴室4側に導くように、脱衣室5
から浴室4寄りになるにつれて下方となる排水勾配を有
する。このような周壁9上に、前記下枠3が乗載されて
支持される。
【0017】また脱衣室5側には、合板などによって実
現される床板11が略水平に敷設される。前記簀子10
の上面12は浴室4の床面を構成し、前記床板11の上
面13は脱衣室5の床面を構成し、これらの上面12,
13はほぼ一平面に沿って延び、この一平面から下方に
前記下枠3が設けられる。
【0018】前記下枠3は、中空で略U字状の下枠本体
15と、下枠本体15に着脱自在に連結される下枠補助
部材16とを有する。下枠本体15は、前記一平面より
も下方に設けられる基部18と、基部18の脱衣室5寄
りの一側部から上方に屈曲して連なり、最も脱衣室5寄
りに配置される障子7cを支持する上面19が前記一平
面とほぼ同一平面を成して形成される脱衣室側立上がり
部20と、前記基部18の浴室4寄りの他側部から上方
に屈曲して連なり、上面21が前記一平面とほぼ同一平
面を成して形成される浴室側立上がり部22とを有す
る。
【0019】下枠補助部材16には、浴室4側に配置さ
れる障子7aおよび中間に配置される障子7bをそれぞ
れ支持する上面が略平坦な複数の案内レール23,24
が一体的に形成され、各案内レール23,24の脱衣室
5側の一側方には、滑り防止部材25,26が装着され
る。
【0020】下枠補助部材16は、下枠本体15の基部
18によって支持される平坦状の下フランジ28と、下
フランジ28に立設され、長手方向に平行な上端部には
前記案内レール23,24が浴室5側にほぼ直角に屈曲
して連なる一対のウエブ29,30と、各ウエブ29,
30の前記案内レール23,24が連なる上端部よりも
下方で脱衣室5側にほぼ直角に屈曲して連なる一対の水
平腕部31,32と、各水平腕部31,32の最も脱衣
室5側の端部から上方にほぼ直角に屈曲して連なる一対
の立上がり腕部33,34と、各立上がり腕部33,3
4の上端部に直角に連なり、各案内レール23,24よ
りもわずかに下方で各滑り防止部材25,26を支持す
る一対の支持部35,36と、各ウエブ29,30の上
端部から脱衣室5側にほぼ直角に突出し、上記の各支持
部35,36に支持される各滑り防止部材25,26の
浴室4側の側面37,38を浴室4側から支持する支持
突部39,40とを有する。
【0021】各案内レール23,24は、前記ウエブ2
9,30の上端部から浴室4側に直角に屈曲して延びる
水平部分41,42と、各水平部分41,42の最も浴
室4寄りの端部から下方にほぼ直角に屈曲して連なる屈
曲部分43,44とを有する。浴室4側に設けられる一
方の案内レール23の上面45は、最も浴室4側に配置
される障子7aを支持し、また中央に設けられる案内レ
ール24の上面46は中央の障子7bを支持する。これ
らの上面45,46は、前記一平面にほぼ同一平面を成
して形成される。これらの上面45,46にはまた、通
行者が足を滑らせることを防ぐために、図1の紙面に垂
直に延びる凹凸状に形成されている。
【0022】脱衣室側立上がり部20は、前述したよう
に、基部18の最も脱衣室5寄りの一側部から上方に屈
曲して立上がる脱衣室側側壁部分48と脱衣室側側壁部
分48の上端部から浴室4側にほぼ直角に連なる上面が
略平坦な案内レール49と、前記脱衣室側側壁部分48
の上端部から脱衣室5側に直角に連なる脱衣室側上フラ
ンジ部分50と、脱衣室側上フランジ部分50の最も脱
衣室5側の一側部から上方に直角に屈曲して連なる立上
がり部分51と、脱衣室側上フランジ部分50の前記一
側部から下方に直角に屈曲して連なる立下がり部分52
と、立上がり部分51の上端部から脱衣室5側に直角に
屈曲して連なる係止用突条部分53と、立上がり部分5
2の下端部から脱衣室5側に直角に屈曲して延び、床板
11上に配置される取付用板状部分54とを有する。こ
の取付用板状部分54は皿小ねじ47によって床板11
に固定され、カバー体57が螺着されて覆われる。
【0023】前記案内レール49は、脱衣室側側壁部分
48の上端部から浴室4側に直角に屈曲して延びる水平
部分55と、水平部分55の最も浴室4寄りの端部から
下方に直角に屈曲して立下がる屈曲部分56とを有す
る。前記脱衣室側上フランジ部分50から案内レール4
9にわたって延びる上面19の最も脱衣室5寄りに配置
される障子7cの下戸車8cが走行する領域には、前述
の各案内レール23,24と同様に、図1の紙面に垂直
な長手方向に延びる凹凸面が形成され、通行時に足を滑
らすことを防ぐことができるように構成されている。
【0024】前記浴室側立上がり部22は、基部18の
最も浴室4寄りの端部から上方にほぼ直角に連なって立
上がる浴室側側壁部分58と、浴室側側壁部分58の上
端部からさらに浴室4側に直角に屈曲して略水平に連な
る浴室側上フランジ部分59と、この浴室側上フランジ
部分59の浴室4側の遊端部から下方にほぼ直角に屈曲
して立下がる立下がり部分60とを有する。基部18の
浴室4側の一側部にはまた、下方に直角に屈曲して立下
がる立下がり部分61と、立下がり部分61の下端部か
ら浴室4内にほぼ直角に屈曲して連なり、前記簀子10
の脱衣室5側の一側部を支持する支持片62とが一体的
に形成される。
【0025】基部18は、下枠補助部材16の下フラン
ジ28が乗載される下段部65と、下段部65の脱衣室
5側の端部から上方に立上がる段差部66と、段差部6
6の上端部から脱衣室5側へ直角に屈曲して延びる上段
部67と、基部18に下枠補助部材16が乗載された状
態で、浴室4側のウエブ29の真下に設けられる浴室側
脚部68と、前記段差部66と下段部65の脱衣室5寄
りの端部との交差点から下方に延びる脱衣室側脚部69
とを有する。
【0026】前記下段部65から立上がる段差部66の
浴室4側に臨む側面71には、下枠補助部材16の下フ
ランジ28の脱衣室5側の端面72が当接し、下枠補助
部材16が図1の左右方向である幅方向に位置決めされ
る。また下枠補助部材16の下フランジ18の浴室4側
の端面73は、浴室側立上がり部22の浴室側側壁部分
58の内面74に接触し、このようにして下枠補助部材
16の幅方向の変位が拘束される。
【0027】下フランジ28には、下方に突出する3つ
の脚部75,76,77が設けられ、これらの脚部75
〜77のうち最も脱衣室5寄りに配置される脚部77は
下方になるにつれて浴室4側に弯曲して形成される。下
枠補助部材16を下枠本体15に装着する際には、側面
71によって下フランジ28の前記脚部77が案内さ
れ、下枠本体15の側面71および内面74間に容易に
嵌め込むことができる。このような状態で下枠本体15
の基部18上に下枠補助部材16が乗載され、下フラン
ジ28が後述する押さえ手段81によって基部18上に
押さえ付けられ、下枠本体15から下枠補助部材16の
抜出しが防がれる。これらの下枠本体15および下枠補
助部材16は、アルミニウム合金製の押出形材から成
る。
【0028】上記の下枠補助部材16においては、基部
13に排水孔82a,82bが形成されるとともに、ウ
エブ29,30には排水孔82c,82dがそれぞれ形
成される。また下枠本体15においては、基部18に排
水孔83a,83bが形成されるとともに、浴室側側壁
部分58に排水孔83cが形成される。これらの排水孔
82a〜82d;83a〜83cは、図1の紙面に垂直
な長手方向に間隔をあけて複数、形成される。
【0029】前記浴室4側に設けられる一方の滑り防止
部材25は、断面形状が矩形の帯状部分85と、帯状部
分85の浴室4側の一側部から下方に突出し、支持部3
5に係合する係合爪部分86と、帯状部分85の脱衣室
5側の他側部から前記係合爪部分86と同一側にほぼ直
角に屈曲して連なる屈曲部分87と、帯状部分85の上
面88から上方に突出する複数(本実施の形態では2)
の突条部分89とを有する。このような滑り防止部材2
5において、前記帯状部分85、係合爪部分86および
屈曲部分87は硬質ポリ塩化ビニルから成り、前記各突
条部分89は軟質ポリ塩化ビニルから成る。上面88は
前記一平面とほぼ同一平面上に配置される。
【0030】もう一方の脱衣室5側に配置される滑り防
止部材26もまた、上記の浴室4側に配置される滑り防
止部材25と同様に構成される。
【0031】このような各滑り防止部材25,26が各
支持部35,36にそれぞれ装着された状態では、屈曲
部分87とそれに水平方向に対向する部位である前記屈
曲部分44,56との間に予め定める幅B1を有する開
口90b,90cが形成される。また浴室4側の案内レ
ール23の屈曲部分43と浴室側側壁部分58との間に
も同様に開口90aが形成される。これらの開口90a
〜90cには、各障子7a〜7cの各下部の浴室4側の
内壁から前記一平面よりも下方に立下がるスカート部分
91a,91b,91cの下端部にそれぞれ連結される
案内片92a,92b,92cが嵌合する。各案内片9
2a〜92cは、各障子7a〜7cの開閉方向(図1の
紙面に垂直な方向)に対して垂直な幅方向に幅B2を有
し、この幅B2は各開口90a〜90cの幅B1よりも
やや小さく選ばれる。具体的には、各開口90a〜90
cの幅B1はB1=5.0mmに選ばれたとき、各案内
片92a〜92cの幅B2はB2=4.5〜4.7mm
に選ばれる。
【0032】このような案内片92a〜92cによっ
て、各障子7a〜7cが開閉方向に垂直な幅方向に不用
意にがたつくことが防がれ、円滑に開閉動作を行うこと
が可能である。これらの案内片92a〜92cは、滑り
性の良好な合成樹脂から成る。このような滑り性の良好
な合成樹脂としては、ナイロン(商品名)が選ばれる。
【0033】上記のような滑り防止部材25,26が装
着される支持部35,36は、水平方向に対向する部位
である立下がり部44,56に対して水平方向に間隔Δ
bを有し、この間隔Δbは前記開口90a〜90cの幅
B1よりも大きく選ばれる。具体的には、各開口90a
〜90cの幅B1が5.0mmに選ばれるとき、間隔Δ
bは8.0mmに選ばれる。このようにアルミニウム合
金から成る下枠補助部材16を押出成形によって製造す
るとき、隣合う成形部分間の間隔を5mm以下で精度よ
く押出成形することが困難であるため、最も隣接して配
置される部位である各支持部35,36と各立下がり部
44,56との間隔Δbを広めに確保しておき、下枠補
助部材16の製造後に別途に滑り防止部材25,26を
それぞれ装着して、所定の幅B1を有する開口90a〜
90cを形成する。このようにしたので、製造上の不具
合を生じることなしに各障子7a〜7cの開閉動作を円
滑に案内することができ、かつ子供の足の指が嵌まり込
まない程度の幅B1=5.0mmを有する開口90a〜
90cを形成し、浴室4から脱衣室5に向けて飛散する
水を各開口90a〜90cを介して下枠内に落とし込
み、各排水孔82a〜82d;83a〜83cを介して
下枠3内の水を浴室4側の防水パン9上に排出すること
ができる。
【0034】図2は、下枠3を備える連動引戸1の全体
構造を示す側方から見た鉛直断面図であり、図3は連動
引戸1の全体構造を示す上方から見た水平断面図であ
り、図4は連動引戸1を浴室4側から見た正面図であ
る。前記枠体6は、上述の下枠3と、この下枠3の長手
方向両端部に下端部が直角に連結される一対の竪枠9
5,96と、各竪枠95,96の各上端部に、直角に連
結される上枠97とを有する。また浴室4側に配置され
る障子7aは、一対の竪框98a,99aと、各竪框9
8a,99aの各上端部に直角にそれぞれ連結される上
框100aと、各竪框98a,99aの各下端部に直角
にそれぞれ連結される下框101aとを有する。
【0035】各竪框98a,99a、上框100aおよ
び下框101aによって枠組された内周部には、板ガラ
ス102aがパッキン103aによって水密な状態で保
持される。上框100aには、上枠97の下面104a
に弾発的に当接する一対の上戸車105aが設けられ
る。残余の障子7b,7cについても、上述の浴室4側
の障子7aと同一な構成を有し、対応する部分には同一
の数字に添字bまたは添字cをそれぞれ付与し、重複を
避けて説明は省略する。
【0036】各障子7a,7b,7cの召合わせ部分、
すなわち各障子7a〜7cを閉じた状態で浴室4および
脱衣室5間を通行する方向(図2および図3の左右方
向)に重なる各一方の竪框98a,98b,99b,9
9cの各対向部分には、ゴムなどの可撓性および弾発性
を有する材料から成る当接片106a,106b1,1
06b2,106cがそれぞれ設けられる。
【0037】また最も浴室4寄りに配置された障子7a
の竪框99aには、浴室4および脱衣室5側に向けて突
出する把手107,108がそれぞれ固定される。脱衣
室5側に設けられる把手108は、浴室4側に設けられ
る把手107に比べて上下に延びる把持部109までの
突出量ΔL1が浴室4側の把手107の把持部110の
突出量ΔL2よりも大きく選ばれ、この突出量ΔL1は
各障子7a〜7cを開いた状態で脱衣室5側の障子の表
面から手指を挿入して把持部109を把持することがで
きるように選ばれている。したがって3枚の障子7a〜
7cが開いた状態で浴室4および脱衣室間の通行方向に
重なった状態であっても、脱衣室5側の把持部109を
把持した指づめなどを生じることなく、安全に浴室4側
の障子7aおよび中央の障子7bを開閉操作することが
できる。
【0038】前記防水パン9には、図2に示されるよう
に前記周壁9aを含んで断面形状がU字状の排水溝部1
13が形成される。この排水溝部113は、前記周壁9
aと、この周壁9aの下端部に連なり、図2の紙面に奥
から手前に向かって下方に傾斜する排水勾配を有する底
壁9bと、低壁9bの最も脱衣室5から離反した端部か
ら上方に屈曲して延びる内側壁9cとを有する。内側壁
9cの上端部には、排水溝部に向かって下方に傾斜する
浴室底部9dが連なって形成される。周壁9aおよび内
側壁9cには、前記下枠3の長手方向に沿う図2の紙面
に垂直な延在方向に間隔をあけて相互に近接する方向に
突出する複数の隆起部9a1,9c1が形成される。周
壁9aの各隆起部9a1上には、前記下枠3が乗載され
て支持される。これによって下枠3は、その一部が各隆
起部9a1間において周壁9aから排水溝部113側に
突出して配置されるので、一部の各排水孔82a〜82
d;83a〜83cは排水溝部113に臨んで配置さ
れ、これらの各排水孔82a〜82d;83a〜83c
から下枠3内の水を、排水溝部113にスムーズに排出
することができる。したがって水が下枠3内に残留し
て、下枠3から水が溢れ出る不具合を防ぐことができ
る。また下枠3を上述のように配置すると、簀子10の
脱衣室5側の一側部は、防水パン9によって支持するこ
とができないので、下枠3に前記支持片62が設けられ
る。内側壁9cの各隆起部9c1上には、前記簀子10
の脱衣室5側の一側部とは反対側の他側部が乗載されて
支持される。このような排水溝部113は、各竪枠9
5,96を含む範囲にわたって設けられ、このような排
水溝部113を前記簀子10がほぼ全長にわたって覆う
ようにして嵌め込まれている。
【0039】簀子10は、アルミニウム合金製の押出形
材から成るフレーム114と、フレーム114に装着さ
れる複数の上カバー体115とを有する。フレーム11
4は、図2の左右方向である幅方向に相互に間隔をあけ
て平行に延び、断面形状が略T字状の複数の主桁部11
6と、各主桁部116の下端部を幅方向に連結する板状
の連結部117と、各主桁部116の道幅を両側に配置
される主桁部および中央の主桁部の下方にそれぞれ対応
して連結部117から下方に突出する逆T字状の脚部1
18とを有する。このようなフレーム114の長手方向
両端部には、端板119が装着される。端板119の相
互に対向する表面には、幅方向両側に配置される主桁部
116および脚部118に外側方から嵌合する第1突部
120と、中央部の主桁部116の両側に配置される各
主桁部116の下方で連結部117を下方から支持する
一対の第2突部121がそれぞれ形成され、これらの端
板119によってフレーム114の長手方向両端部が覆
われている。これらの端板119は、ポリアセタールか
ら成る。
【0040】上カバー体115は、前述した滑り防止部
材25,26と類似の構成を有する。図1をも参照し
て、各上カバー体115は、帯状の基部123と、基部
123の幅方向両端部に連なる薄肉部124a,124
bと、各薄肉部124a,124bの外側部から下方に
直角に屈曲して連なる一対の垂下部125a,125b
とを有する。基部123の前記上面12の一部を構成す
る上表面126には、一対の突条127a,127bが
平行にかつ一体的に形成される。これらの突条127
a,127bは、軟質のポリ塩化ビニルから成る。
【0041】各垂下部125a,125bの下端部は、
下方になるにつれて、すなわち基部123および各薄肉
部124a,124bから遠去かるにつれて相互に離反
する方向に拡開する屈曲部分128a,128bが形成
され、これらの屈曲部分128a,128bの付け根か
ら各薄肉部124a,124bにわたって平行部分12
9a,129bが形成される。
【0042】各屈曲部分128a,128bと平行部分
129a,129bとの間には、相互に近接する方向に
突出する内向き突部130a,130bが形成される。
【0043】各平行部分129a,129bの相互に対
向する内面間の間隔は、各主桁部126のフランジ13
1の幅にほぼ等しく選ばれ、各屈曲部分128a,12
8bの遊端部は前記フランジ131の幅よりも大きく開
いて形成される。さらに各内向き突部130a,130
bの間隔は、フランジ131の幅よりも小さく選ばれ、
これらの内向き突部130a,130bによってフラン
ジ131から上カバー体115が抜止めされる。また前
記屈曲部分128a,128bの相互に対向する傾斜し
た内面によって、上カバー体115をフランジ131の
上方から装着する際に、フランジ部131を平行部分1
29a,129b間に円滑に導いて容易に装着すること
ができる。しかも、各垂下部125a,125bは薄肉
部124a,124bを介して基部123,123に連
なって形成されるので、装着時に各垂下部125a,1
25bを容易に拡開させることができ、装着に大きな力
を要せず、装着作業が容易である。さらにまた各突条1
27a,127bは軟質のポリ塩化ビニルから成るの
で、通行時に踏んだときに足の裏に対するソフト感があ
り、言わば食込みによる痛みまたは違和感を生じること
なく、濡れた状態であっても足を滑らすことが防がれ
る。このことは下枠3に設けられる滑り防止部材25,
26についても同様である。
【0044】このように構成される各上カバー体125
がフレーム114の各主桁部116のフランジ131に
それぞれ装着された状態において、各上カバー体115
間には図1および図2の紙面に垂直な長手方向に延びる
複数の水抜き孔132が形成される。連結部117に
は、各水抜き孔132が形成される位置に対応して長手
方向に間隔をあけて複数の透孔133が各水抜き孔13
2毎に形成される。これらの水抜き孔132および透孔
133によって、簀子10上に飛散した水あるいは流れ
出した水は前記排水溝部113上へ落下し、図示しない
排水管を経て排水処理される。
【0045】図5は、押さえ手段81の具体的構成を示
す拡大断面図であり、図6は押さえ手段81の分解斜視
図であり、図7は下枠補助部材16が装着された下枠本
体15に押さえ手段81が設けられた下枠3を上方から
見た一部の断面図であり、図8は図7の下方から見た下
枠3の押さえ手段81付近の一部の正面図である。前記
押さえ手段81は、下枠補助部材16の下フランジ28
を押圧する押さえ片141に一対の係合爪142a,1
42bが一体的に形成される押さえ部材143と、この
押さえ部材143の各係合爪142a,142bが係合
する係合凹所144を有し、下枠本体15の最も浴室4
寄りの側壁部分58に沿って配置される板状の案内片1
45の図5の紙面に垂直な長手方向中央部から垂直に突
出して一体的に操作片146が形成される操作部材14
7とを有する。
【0046】これらの押さえ部材143および操作部材
147は、合成樹脂、たとえばナイロン(商品名)から
成る。側壁部分58には、各係合爪142a,142b
の基端部148が長手方向に移動自在に挿入することが
できる案内長孔149が形成される。この案内長孔14
9に上方から臨む上案内面150と前記案内長孔149
に下方から臨む下案内面151とは、操作方向A上流側
から下流側に向かって下方、すなわち基部18に近接す
る方向に僅かに傾斜して形成される。これらの上案内面
150および下案内面151によって、操作片146を
手指で把持して操作方向Aに操作したとき、基端部14
8が上方から下方へ案内され、押さえ片141の下面1
41aは下枠補助部材16の下フランジ28の上面15
2から上方に僅かに離反した状態から、前記下面141
aが上面152に接触して押圧した状態に変位させるこ
とができる。簀子10を踏むなどして生じる外力が、支
持片62に作用しても、その外力は下枠補助部材16に
伝達されず、これによって下枠補助部材16を下枠本体
15に強固に固定する必要がない。したがって下枠補助
部材16を下枠本体15に、たとえばボルトおよびナッ
トによって固定していたときよりも弱い力で固定すれば
よい。
【0047】下フランジ28には、押さえ部材143の
押さえ片141が操作方向Aの最も上流位置に配置され
た状態で、この押さえ片141を外囲する範囲にわたっ
て切欠き153が形成される。この切欠き153が形成
される領域に、前記押さえ片141が配置された状態
で、下枠補助部材16を下枠本体15から取外し、また
は取付けることができる。また操作部材147を押さえ
方向となる操作方向A下流側に変位させることによっ
て、前述したように押さえ片141の下面141aが下
フランジ28の上面152を押圧し、これによって下枠
補助部材16が下枠本体15から上方に変位することが
防がれ、通行時に下枠補助部材16を踏むなど不用意な
外力が作用しても、下枠補助部材16が下枠本体15内
でがたつきを生じたり、離脱してしまうことが防がれ
る。
【0048】案内長孔149の操作方向A長さは、切欠
き153の操作方向A長さの2倍程度に選ばれる。これ
によって、押さえ片141の下面141aのほぼ全面で
下フランジ28の上面152に接触して押圧することが
できる。
【0049】案内片145は、操作片146が操作方向
A上流側の端部から下流側の端部にわたって変位して
も、案内長孔149を浴室4側から常に塞ぐことができ
るようにその形状が選ばれており、操作片146がぐら
つかないようにして、操作片146のスムーズな動作を
可能にしている。各係合爪142a,142bは、押さ
え片141に上下に間隔をあけて形成され、この配列方
向は操作方向Aに対して垂直に選ばれ、これによって操
作片146を操作方向Aまたは逆方向に操作しても、各
係合爪142a,142bが相互に近接する方向に変位
して操作片146の係合凹所144から離脱してしまう
ことはない。また押さえ部材143と操作部材147と
を連結するにあたっては、操作片146を側壁部分58
の浴室4側の表面に沿って案内長孔149に対向するよ
うにして縦向きに配置し、その裏側、すなわち側壁部分
58の脱衣室5に臨む表面側に押さえ部材143を配置
し、各係合爪142a,142bが案内長孔149を挿
通して係合凹所144内に押込むことによって、各係合
爪142a,142bの各先端部に相反する方向に突出
して形成される係合突部154a,154bが係合凹所
144内で各係合爪142a,142bが相互に近接し
た状態で通過することができる通路155から段差を成
して拡開する各係合爪142a,142bの頭部収容空
間156との間に形成される段差部分157a,157
bに係合して抜止めされ、このようにして押さえ部材1
43と操作部材147とが側壁部分58を挟んで操作方
向Aおよびその逆方向に移動自在な状態で連結されてい
る。
【0050】このように押さえ手段81は、操作部材1
47を操作方向Aに操作することによって押さえ部材1
43によって下枠補助部材16を下枠本体15に押さえ
付け、操作部材147を操作方向Aとは逆方向に操作す
ることによって押さえ付け状態を解除するので、下枠補
助部材16の下枠本体15への固定およびその解除を容
易に行うことができ、これによって下枠補助部材16の
下枠本体15への取付けおよび取外しを容易に行って、
前記取付けおよび取外しの作業効率を向上することがで
きる。これとともに下枠3内の掃除も容易になる。
【0051】図9は、把持手段161の構成を示す断面
図であり、図10は図9の切断面線X−Xから見た断面
図である。前記下枠補助部材16の長手方両端部付近に
は、この下枠補助部材16を下枠本体15から容易に取
外しまたは取付けるために把持手段161がそれぞれ設
けられる。この把持手段161は、下枠補助部材16の
長手方向両端部付近において、案内レール23または中
央の案内レール24の下戸車8aまたは下戸車8bが当
接しない位置に切欠き162を形成し、この切欠き16
2にナイロン(商品名)から成る把持片163が出没自
在に嵌まり込む。
【0052】この把持片163の図9の左右方向である
長手方向一端部には、スリーブ164が挿入される軸孔
165が形成され、軸孔165に挿入されたスリーブ1
64にはビス166の軸部167が挿入される。前記案
内レール23または案内レール24に連なるウエブ29
またはウエブ30には、前記ビス166の軸部167が
螺着されるねじ孔168が厚み方向に貫通して形成され
る。
【0053】把持片163の遊端部は、ビス166の中
心軸線に共通な把持片163の回転軸線169まわりに
角変位させたときに、案内レール23または案内レール
24の切欠き162に臨む周縁部の一部170が前記遊
端部に干渉することを防ぐために、前記遊端部に対向す
る周縁部の一部170の内周面部分171との間の距離
を半径とする仮想円172よりも軸線169寄り、すな
わち一端部寄りに退避して段差状に形成される。また把
持片163の前記遊端部の上部には、前記仮想円172
よりも半径方向外方に突出する係合突部173が形成さ
れ、この係合突部173は案内レール23または案内レ
ール24の周縁部の一部170に上方から当接して支持
される。このようにして把持片163は第1位置に配置
される。この状態では、把持片163の上面は案内レー
ル23または案内レール24の上面から僅かに突出して
いる。把持片163は下枠補助部材16の上面から下方
に臨んでいるので、通孔の邪魔にならず、また各障子7
a,7bの開閉動作に支障を生じることはない。
【0054】把持片163の前記遊端部よりも僅かに基
端部寄りには、貫通孔174が形成される。この貫通孔
174を形成することによって、把持片163を仮想線
175で示されるように手指で軸線169を含む鉛直面
よりも基端部寄り、すなわち図9の左寄りを押圧するこ
とによって矢符B方向に角変位させて上方に臨んで突出
する状態の第2位置で、貫通孔174上を手指で把持し
てずれを生じることなく確実に引上げることができる。
【0055】このような把持手段161は、下枠補助部
材16の長手方向他端部付近にもまた対向するようにし
て下枠補助部材16を長手方向に二分する長手方向に垂
直な仮想一平面に関して面対称に設けられる。このよう
な把持手段161を用いて下枠補助部材16を下枠本体
15から容易に取外し、または取付けることができる。
前述の各竪枠95,96は、複数の戸じゃくりと呼ばれ
るリブ177,178(図3参照)を有し、これらのリ
ブ177,178の下端部は下枠補助部材16の厚み分
だけ一平面よりも上方に切欠かれている。
【0056】以上のような構成によって、下枠3は、下
枠本体15とこの下枠本体15に着脱自在に連結される
下枠補助部材16とを有し、下枠補助部材16は障子7
a〜7cを支持する複数の案内レール23,24が一体
的に形成される。これによって下枠補助部材16を下枠
本体15に装着し、または取外すにあたって、前記従来
の技術に関連して述べたように、1枚の障子を建込みま
たは取外すたびに各下枠補助部材16を1つずつ取付け
または取外す必要がなく、一度に複数の案内レール2
3,24を備える下枠補助部材16を下枠本体15に取
付けおよび取外すことができる。下枠補助部材16の下
枠本体15への取付けおよび取外しの作業効率を向上す
ることができる。
【0057】また下枠補助部材16の各案内レール2
3,24には滑り防止部材25,26が装着される。こ
のような滑り防止部材25,26によって、通行する際
に足を滑らせることを防がれ、通行時の安全性が向上さ
れる。各案内レール23,24に装着された滑り防止部
材25,26とそれに水平方向に対向する部位44,5
6との間には、下枠3の長手方向に延びかつ予め定める
幅B1を有する開口90b,90cが形成される。この
ような開口90b,90cによって、下枠3上に飛散し
た水および各障子7a〜7cを伝って流れ落ちた水を下
枠3内に導いて回収することができ、脱衣室5の床面が
浴室4から流れ出た水によって濡れてしまうという不具
合を防ぐことができる。前記開口の予め定める幅B1
は、たとえば子供の足の指が嵌まり込まない程度の幅に
選ばれ、この幅はたとえば5mmである。このように各
滑り防止部材25,26によって開口の幅B1を設定す
ることができるので、下枠補助部材16を製造するにあ
たって、各案内レール23,24の間隔をむやみに小さ
くする必要はなく、たとえば押出成形によって形成され
た押出成形品を所定の長さに切断することによって複数
の案内レール23,24が一体的に形成される下枠補助
部材16を製造することができ、生産性が向上される。
【0058】さらに簀子10は、その脱衣室5側の一側
部が、前記一平面よりも下方における下枠本体15の浴
室4側の一側部に設けられる支持片62によって支持さ
れ、簀子10の前記一側部とは反対側の他側部が防水パ
ン9に支持されて防水パン9上に配置される。支持片6
2は下枠本体15に設けられるので、簀子10を防水パ
ン9上から取外すことなく、下枠補助部材16を下枠本
体15に容易に着脱することができ、下枠補助部材16
の下枠本体15の取付けおよび取外しの作業効率を向上
することができ、これによって下枠3の掃除を容易に行
うことができる。
【0059】本発明の実施の他の形態として、図3に示
されるように、下枠補助部材16および各滑り防止部材
25,26の長手方向の全長はL1としたとき、はめ殺
しとなる脱衣室5側の障子7cが配置される側に残余の
障子7a,7bが重なるようにして全ての障子7a〜7
cが配置された状態において、前記下枠補助部材16お
よび各滑り防止部材25,26は、全ての障子7a〜7
cが配置されている側の長手方向一端部から少なくとも
各障子7a〜7cの幅にほぼ等しい長さL2としてL2
=L1/3を有する位置181で分割されている。この
ように下枠本体15に装着される下枠補助部材16を分
割することによって、全ての障子7a〜7cを片側、本
実施の形態では、はめ殺し障子7cが配置されている側
に全て引寄せた状態で、各下枠3から突出する下枠補助
部材16の長尺部分を前記把持手段161を用いて下枠
本体15から取外し、下枠本体15内の掃除などを行っ
た後、再び把持手段161を用いて下枠本体15に嵌め
戻し、このようにして全ての障子7a〜7cを外すこと
なく容易に下枠3内の掃除を行うことができる。
【0060】上述の本発明の実施の各形態では、片引戸
について説明したけれども、本発明の実施の他の形態と
して、両引戸についても本発明を好適に実施することが
可能である。
【0061】また下枠補助部材16が長手方向の全長の
半分にされて同じ長さとなるように分割されたり、引戸
を開けたときに引戸の下に分割した部分が配置されない
ように分割されても、同様な効果を得ることができる。
さらに下枠補助部材16を分割したときには、分割され
た部材毎に押さえ手段81および把持手段161が設け
られていてもよい。
【0062】
【発明の効果】請求項1記載の本発明によれば、たとえ
ば浴室である第1室と、たとえば脱衣室である第2室と
の間には枠体が設けられ、この枠体には複数の障子が開
閉自在に設けられる。第1室および第2室の各床面はほ
ぼ一平面に沿って延び、前記枠体はその上面が前記一平
面とほぼ同一面を成して配置され、第1室および第2室
間を出入りする際に、下枠に足を引っ掛けてつまずきな
どの通行上の不具合の発生を防ぎ、円滑かつ安全に通行
することができる。このような通行上の安全は健常者だ
けでなく、身体障害者および老人などが通行する際の円
滑性および安全性の向上を支援する上で、より重要であ
る。
【0063】このような下枠は、第1室に敷設される防
水部材上に乗載され、下枠本体と、この下枠本体に着脱
自在に連結される下枠補助部材とを有する。透水性の踏
板は、その第2室側の一側部が、前記一平面よりも下方
における下枠本体の第1室側の一側部に設けられる支持
片によって支持され、踏板の前記一側部とは反対側の他
端部が、防水部材に支持されて防水部材上に配置され
る。支持片は下枠本体に設けられるので、踏板を防水部
材上から取外すことなく、下枠補助部材を下枠本体に容
易に着脱することができ、下枠補助部材の下枠本体への
取付けおよび取外しの作業効率を向上することができ、
これによって下枠内の掃除を容易に行うことができる。
【0064】請求項2記載の本発明によれば、踏板を踏
むなどして生じる外力が支持片に作用しても、その外力
は下枠補助部材に伝達されず、これによって下枠補助部
材を下枠本体に強固に固定する必要がない。したがって
下枠補助部材を下枠本体に、たとえばボルトおよびナッ
トによって固定していたときよりも弱い力で固定すれば
よい。下枠補助部材は、下枠本体に装着された状態で、
押さえ手段によって下枠本体に押さえ付けられるので、
下枠補助部材が下枠本体から上方に変位することが防が
れ、通行時に下枠補助部材を踏むなど不用意な外力が作
用しても、下枠補助部材が下枠本体内でがたつきを生じ
たり、離脱してしまうことが防がれる。また下枠補助部
材を、下枠本体に押さえ付けることによって、下枠本体
に容易に固定することができ、押さえ付け状態を解除す
ることによって、下枠補助部材を下枠本体から容易に取
外すことができ、下枠補助部材の下枠本体への取付けお
よび取外しの作業効率を向上することができる。これと
ともに下枠内の掃除も容易になる。
【0065】請求項3の本発明によれば、下枠補助部材
には把持部材が設けられる。この把持部材は下枠補助部
材の上面に関して下方に臨んだ第1位置と上方に臨んで
突出する第2位置とに変位可能であり、下枠補助部材を
下枠本体から取外し、あるいは取付ける際に把持部材を
第2位置に配置して、確実に把持し、容易に下枠補助部
材を下枠本体から取外し、かつ下枠本体に下枠補助部材
を取付けることができる。またこの把持部材を第1位置
に配置した状態では、下枠補助部材の上面から下方に臨
んでいるので、通行の邪魔にならず、また各障子の開閉
動作に支障を生じることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の引戸の下枠構造が実施
される下枠3付近の拡大断面図である。
【図2】下枠3を備える連動引戸1の全体構造を示す側
方から見た鉛直断面図である。
【図3】連動引戸1の全体構造を示す上方から見た水平
断面図である。
【図4】連動引戸1を浴室4側から見た正面図である。
【図5】押さえ手段81の具体的構成を示す拡大断面図
である。
【図6】押さえ手段81の分解斜視図である。
【図7】下枠補助部材16が装着された下枠本体15に
押さえ手段81が設けられた下枠3を上方から見た一部
の断面図である。
【図8】図7の下方から見た下枠3の押さえ手段81付
近の一部の正面図である。
【図9】把持手段161の構成を示す断面図である。
【図10】図9の切断面線X−Xから見た断面図であ
る。
【符号の説明】
1 連動引戸 3 下枠 4 浴室 5 脱衣室 6 枠体 7a,7b,7c 障子 9 防水パン 10 簀子 15 下枠本体 16 下枠補助部材 23,24 案内レール 25,26 滑り防止部材 28 下フランジ 29,30 ウエブ 31,32 水平腕部 33,34 立上がり腕部 35,36 支持部 62 支持片 81 押さえ手段 82a〜82d;83a〜83c 排水孔 95,96 竪枠 97 上枠 113 排水溝部 141 押さえ片 142a,142b 係合爪 143 押さえ部材 144 係合凹所 146 操作片 147 操作部材 149 案内長孔 161 把持手段 162 切欠き 163 把持片

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1室および第2室の各床面はほぼ一平
    面に沿って延び、第1室および第2室間には、複数の障
    子と、この障子を開閉自在に保持する枠体とが設けら
    れ、枠体は、上面が前記一平面とほぼ同一平面を成して
    各床面間に配置される下枠を有し、 前記下枠は、第1室に敷設される防水部材に乗載され、
    下枠本体と、この下枠本体に着脱自在に連結される下枠
    補助部材とを有する引戸の下枠構造において、 前記一平面よりも下方における下枠本体の第1室側の一
    側部には、第1室側に向かって延び、防水部材上に配置
    される透水性の踏板の第2室側の一側部を支持する支持
    片が設けられることを特徴とする引戸の下枠構造。
  2. 【請求項2】 下枠補助部材が下枠本体に装着された状
    態で、下枠補助部材を下枠本体に押さえ付ける押さえ手
    段を有することを特徴とする請求項1記載の引戸の下枠
    構造。
  3. 【請求項3】 下枠補助部材には、その上面に関して下
    方に臨んだ第1位置と、前記上面に関して上方に臨んで
    突出する第2位置とに変位可能な把持部材が設けられる
    ことを特徴とする請求項1または2記載の引戸の下枠構
    造。
JP10268663A 1998-09-22 1998-09-22 引戸の下枠構造 Pending JP2000096927A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10268663A JP2000096927A (ja) 1998-09-22 1998-09-22 引戸の下枠構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10268663A JP2000096927A (ja) 1998-09-22 1998-09-22 引戸の下枠構造

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000096927A true JP2000096927A (ja) 2000-04-04

Family

ID=17461683

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10268663A Pending JP2000096927A (ja) 1998-09-22 1998-09-22 引戸の下枠構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000096927A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002194955A (ja) * 2000-12-25 2002-07-10 Tateyama Alum Ind Co Ltd 屋外用バリアフリーサッシの高水密装置(掃除構造)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002194955A (ja) * 2000-12-25 2002-07-10 Tateyama Alum Ind Co Ltd 屋外用バリアフリーサッシの高水密装置(掃除構造)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000096927A (ja) 引戸の下枠構造
JP3364465B2 (ja) 浴室出入口のドア周り構造
JP2682957B2 (ja) 引戸の下枠構造
JP3546760B2 (ja) 浴室出入口の下部構造
JPH0120466Y2 (ja)
JP2001012151A (ja) 引き戸の敷居構造
JPH08284442A (ja) 浴室出入口の排水構造
JPH0988436A (ja) 浴室用引戸の下枠カバー
JP2713691B2 (ja) 開き扉の下枠構造
JPH10299347A (ja) 玄関用サッシ
JP2640925B2 (ja) 出入口の下部構造
JP4061543B2 (ja) 浴室用片引戸
JP3794445B2 (ja) サニタリールーム
JPH0638940Y2 (ja) トイレ用床パン
JPH1014802A (ja) 浴槽,洗い場の滑り止め構造
JP2567575Y2 (ja) 浴室の扉の止水構造
JP2733747B2 (ja) 引 戸
JPH0348311Y2 (ja)
JP3945994B2 (ja) 折戸
JP2790784B2 (ja) 折戸の戸当り構造
JPH09238857A (ja) 浴室用すのこ
JPH10317777A (ja) 折 戸
JPH09104580A (ja) エレベータ乗降口の防水シート装置
JPH09238858A (ja) 浴室用すのこ
JP2003176666A (ja) サッシ