『Dr.スランプ』(Dr.SLUMP)とは、鳥山明の漫画作品、本作に登場する則巻千兵衛のニックネームである。アニメ版のタイトルは、『Dr.スランプ アラレちゃん』
ペンギン村に暮らすマッド発明家・Dr.スランプこと則巻千兵衛博士の開発した眼鏡っ娘ロボット・則巻アラレの巻き起こすハチャメチャな日常を描いたギャグ漫画。
1980年から1984年にかけて『週刊少年ジャンプ』で連載。単行本は本作『Dr.スランプ』が全18巻、『ちょっとだけかえってきたDr.スランプ』が、全4巻である。他に、1990年にちょっと修正した愛蔵版全9巻が発売され、1995年に文庫版全9巻が発売、2006年から2007年には、完全版が発売された。
ジャンプ・コミックス5巻は初版130万部を達成、当時最高記録だった120万部の国民的漫画『ドラえもん』を追い抜き、6巻は日本初の初版200万部越えを達成した。累計発行部数3000万部以上とヒット作となった。
鳥山明の初連載作品であり、「んちゃ」「おはこんばんちは」「バイちゃ」「ほよよ」「キーン」「うっほほーい」「めちゃんこ」「つおい」「かっくいー」「わくわく」などの作中の台詞(アラレ語)が小学生を中心に流行語になるなどの爆発的なブームを巻き起こした、『週刊少年ジャンプ』におけるギャグ漫画の金字塔である。
1981年に『Dr.スランプ アラレちゃん』のタイトルでアニメ化され、これも大ヒット。東映動画(現:東映アニメーション)による製作の下輩出された本作は、当初アニメ化に消極的だったジャンプ編集部の方針を大きく転換させる作品となった。さらに作品のヒットにより集英社と東映、玩具販売担当のバンダイの結束が生まれ、後に現在まで続くジャンプアニメの礎を作ったシリーズとして名高い。
1997年には、テレビアニメ2作目『ドクタースランプ』が放送開始。『ドラゴンボールGT』の後枠として、東映アニメ初のフルデジタル製作として放送された。1999年放送終了。1981年の第1期のアニメ化から、フジテレビの水曜19:00の枠は実に18年半にも渡って鳥山原作のアニメが放映されていたことになる。こう書くと鳥山作品がいかにコンテンツとして化け物であるかがよく分かる。なお本作の後番組は尾田栄一郎原作で、現在のジャンプアニメ代表格である『ONE PIECE』である。
『ドラゴンボール』の原作内でペンギン村が登場したことがあり、アニメ版でも元(旧作)の声優のまま登場している。ちなみに、カプセルコーポレーションの電話保留音は本作の「ワイワイワールド」であったり、悟飯の部屋にでっかいアラレちゃんのポスターが貼ってあったりと小ネタとしても用いられている。また、一部劇場版や一部ゲーム版などにも登場している。これらについては、「ドラゴンボール」の項目参照。
なお、2016年には『ドラゴンボール超』で29年ぶり(アニメ2作目ドクタースランプで共演以来だと、18年ぶり)に旧キャストでのアニメ出演が2度あり、1度目はチョイ役だったが、2度目は本格的にバトルも行い、大きな話題になた。声優については、アラレは、当然小山茉美だが、ガッちゃんは、2007年劇場版以降の西原久美子、千兵衛は、アニメ2作目で同役を担当した屋良有作、マシリトも同じく2作目で同役を担当した置鮎龍太郎となった。また、ドラゴンボール超で、屋良有作が千兵衛を演じたことによって、アラレ役の小山茉美以外のDr.スランプ アラレちゃんの声優が変わったことになった(リメイク版は除く)。
タイトルの『Dr.スランプ』は千兵衛のニックネームであり、タイトル通り千兵衛が主人公だった。アラレのようなキャラは描くつもりはなかった。当時の編集担当だった鳥嶋に女の子キャラを描けと言われ、アラレを描いた。アラレは1話で消す予定だったが、鳥嶋が今度は、アラレを主人公にした方が人気が出ると言ってきた。だが、鳥山はアラレを主人公にするのは嫌だった。鳥嶋が出した賭けが当時鳥山が描いてた『ギャル刑事トマト』という女性が主人公の読み切り漫画の反響が良かったらアラレを主人公にしろ 人気がなければ、千兵衛が主人公のままで良いという賭けだった。結果『ギャル刑事トマト』の反響が良かったため、アラレを主人公にすることになった。すでに4話分出来ていたため、4話までは千兵衛が主人公、5話以降アラレとなった。
単行本などの表紙もアラレやガッちゃんが占めている。千兵衛が表紙に出てるのは、2巻、16巻、18巻の3回である。そのため、初代テレビアニメタイトルは『Dr.スランプ アラレちゃん』となり、次回予告も基本的にアラレが担当している。
アラレを主人公にしたことにより鳥嶋の言うとおり人気になったが、中々連載を終わることが出来なくなったのは事実である。鳥山は本作が1年で終わる構想で執筆していたが、実際は4年半も続いた。
上述通りアニメ版の人気は凄まじく、同年12月には34話『地獄の使者チビルくん』にてテレビアニメ歴代3位の視聴率36.9%を記録。この数字は「サザエさん」「ちびまる子ちゃん」に次ぐ記録である。フジテレビ系列での全国ネット放送だった本作は関東以外でも高い数字を叩き出しており、関西テレビでは『英雄スッパマン・パート2』で35.7%、東海テレビに至っては視聴率40%越えを記録。最終回も27%と最後まで視聴率があまりに落ちなかった。
2014年12月19日に放送された『探偵!ナイトスクープ』で、「外国人の描く「うんこ」は」という質問で、本作を放映している国は、とぐろをまいたうんちを書くという結果が出ており、本作の影響と言っている。夏限定のエンディングテーマ『アラレちゃん音頭』は大ヒットし、全国各地で盆おどりで、使われ盆おどりの定番曲となった。2020年現在でも地方の盆踊りなどで使われている。ワイワイワールドは81年、82年の2年連続で、オリコンアニメ部門1位になっている。劇場版も1981年から1986年まで毎年公開された。
当時東映動画(現・東映アニメーション)のアニメ映画プロデューサーだった今田智憲が、『Dr.スランプ』のアニメ化を指示し、主な製作会社やキー局がどこで作るか、どこで放送するか、アニメ化権利を巡って争奪戦をしていた。だがジャンプの編集部は、当時多くの出版社がそう考えていたように、読者がアニメを見て事足りてしまい、雑誌や単行本の売れ行きが落ちるのではないか。そのような懸念したためアニメ化に乗り気ではなかった、と製作に至る経緯を語っている。
1990年12月31日に「帰って来たDr.スランプ アラレちゃんスペシャル」は、最終回と劇場版を放送。1992年1月1日から3日にかけて「Dr.スランプアラレちゃん‘92お正月スペシャル」も総集編と劇場版シリーズを放送また、『Dr.スランプ アラレちゃん』の劇場版として劇場アニメ化された。1993年と1994年の春と夏に公開された。6作は、原作1話「アラレ誕生」のリメイク映画だったが、7作~9作は、ちょっとだけかえってきた原作の映画だった。『Dr.スランプ アラレちゃん んちゃ!ペンギン村はハレのち晴れ』より、アラレ役の小山、センベエ役の内海役以外の声優を一斉に交代。(交代の理由は、ガッちゃん役の中野聖子、ピースケ役の神保なおみの声優引退、みどり役の向井真理子がみどり、DBのブルマの母同時降板によるものという噂がある)
2007年、2008年にDVD化(DVDBOXと単行DVD)された。DVD発売記念特番が、放映された。
2007年には、月刊少年ジャンプ4月号に掲載された鳥山22年ぶりに描いた完全新作 『Dr.スランプ 2007年特別篇 Dr.マシリト アバレちゃん』を劇場アニメ化もされた。タロウ、ニコチャンなどが初代の声優に戻る。
アニメの方が有名なのと、グッズなどもこちらのタイトルを使っている為、漫画もこのタイトルと勘違いする人もいるが、漫画は、『Dr.スランプ』である。略さなくてもアラレちゃんで知られてることもあり、『Dr.スランプ』でなくアラレちゃんでピンとくるが今なお多い。
かつては、夏休みや冬休み、夕方など再放送をやたらされていたが、2000年頃から再放送が減っていき、2009年~2010年にテレビ大阪で再放送されて以降再放送されてなかったが、2018年7月からアニマックスで8年ぶりの再放送をしている。配信に関しては各VODサイトにて配信中。
スタッフ
- 企画 - 七條敬三、土屋登喜三、
- 原作 - 鳥山明(集英社『週刊少年ジャンプ』連載)
- 音楽 - 菊池俊輔
- チーフ作画監督(総作画監督)・キャラクターデザイン - 前田実
- チーフデザイナー(美術監督) - 浦田又治
- チーフディレクター - 岡崎稔
- フジテレビプロデューサー - 土屋登喜蔵、清水賢治
- 製作担当 - 岸本松司
- 製作 - フジテレビ、東映動画(東映アニメーション)
放送局 | 期間 | 時間 | |
Dr.スランプ アラレちゃん | アニマックス | 2018年7月 - |
個別記事のあるキャラクター
旧姓は山吹。中学生時のアラレたちの担任。金髪でマリリン・モンローのような外見。 後半はマリリン・モンロー要素はなくっている。少し天然で、授業も幼稚園か小学生並。第9巻で千兵衛と結婚。プロプーズは、みどりさんがトイレに入ってることも知らず、トイレの前で千兵衛が「みどりさん 結婚してくださいなんちゃって」 「はい」というもの。 結婚後はさらにアホが悪化し、結婚式の指輪の交換では、首輪つけたり、でかいスイカをカブトムシのように食ってしまうなどがある。アニメ2作では、緑色のような髪でストレートになっている。
千兵衛とみどりの息子。千兵衛が覗きをして目をはなしてる隙に海岸まで歩きたまたま来ていた宇宙船に跳ねられて死亡するが、良い宇宙人だったため、医療マシーンで、治療し蘇る。副作用で、物凄い知能と超能力が着いた。スピードでは、アラレやオボッチャマン、ガッちゃんに勝っている。その他、時間停止や時間戻しなど能力があり、アニメ236話では、マシリトによってバラバラになりかけた地球をくっ付けるなど超チートである。『ちょっとだけかえってきたDr.スランプ』、それを原作とした劇場版6作~9作では、少し成長している。
アラレの同級生。一人称は「オレ」で、男口調で喋る。そのため、チャーミー山田からは男と間違われた。あかねの母親とタロウとピースケの母親が姉妹のため、ピースケ、タロウは甥っ子。中学生ながら酒を飲んだり、原付に乗ったりしている 。しかしペンギン村の中では、一番まともで、いつも幼稚園や小学生レベルの授業にいやけがさしている。10年後はつくつんと結婚し、コーヒーポットの経営をあおいから受け継いでいる。アニメ2作は茶髪のポニーテールになっている。
- 空豆ピースケ
CV:神保なおみ(アニメ1作、劇場版1作~5作)→鉄砲塚葉子(劇場版6作)→鈴木富子(劇場版7作)→上村典子(劇場版9作)→浦和めぐみ(アニメ2作)
演:高良健吾(2016年のGUの実写CM)
あかねと同じく、アラレの同級生で、身長が小さく、よくいじられる。 いつもネコ耳付きの帽子を被っている。趣味はサイン集め(これは当時の作者も趣味でもある)。何回か兄のタロウに丸刈りにされている。単行本4巻で、ヒヨコに一目惚れし、恋人になる。10年後は、ヒヨコと結婚し、息子プースケをもうけている。
ピースケの兄で、歳は、ピースケの2つ上。リーゼントで、サングラスをしているのが特徴。初期は中学3年生だったが、後に高校に進学。アラレ、あかねが進学し、同じクラスなり、作者が高校卒業させるのに気づき、卒業。卒業後は警察官となったが、なってそうそう無免許で捕まり、アラレと一緒に車の免許をとる。
摘一家の長男で、アラレ、あかねの同級生。初登場時は、15歳で、最終的に18歳になる。摘鶴燐は、2つ上の姉。語尾に~あるがつく。女の子が苦手で、女の子に触ると虎に変身する。男に触ると戻る(ちなみにらんまより先)。第2回ペンギン村グランプリでは、自転車で、優勝ではなかったものの準優勝だった。10年後は、あかねと結婚し、小学校の教師を勤めている。
摘一家の長女で、突詰の姉だが、身長は、突詰より小さい。タロウと同級生。初登場は、17歳で、最終的に20歳になる。超能力があり、その特殊スキルを活かし、運動会や野球大会などで活躍した。Dr.スランプで一番可愛いと言っても過言ではない。10年後は、タロウと結婚し、専業主婦になる。
突詰、鶴燐の父親。かなりのスケベで、パンツを見たり痴漢行為をしてる。そのたび妻や相手からぶっ飛ばされる。同じスケベな千兵衛とは気が合い、アニメ1作では、よく一緒にキャバレーに行っている(大概はバレる)。
突詰、鶴燐の母親。中国拳法や大ハンマーなどでスケベ行為をした夫を諌める。名前の元ネタは70年代のツノダの自転車CM。アニメ2作では、名前が摘多香麺之秘宝(つんたかめーんのひほう)になった。
おかっぱでサングラスをしている幼稚園児。初登場時は5歳。口癖は、「イモね」「ナウい」(アニメ2作では、「ダサイ」「イケてる」)。よく三輪車に乗ってパパパーマのうたを歌ってる。マンモスイチゴが好物で、父親にマンモスイチゴを食われた時は、家出して、
悪になろうとしたが、結局家に帰っている。
サングラスをかけた生意気なブタ。アニメ1作では、冒頭で、タキシードで、頭の上に拡声器を付け、「ペンギン村に朝が来たぞーい」というのが定番 。よく則巻家におり、一緒に食事したりしている。
タロウ、ピースケの父親でバーバーそらまめの店主。元刑事で、拳銃を持っており、たまに発砲している。モデルは、クリントン イーストウッド。
- ガラとパゴス
ガラCV:田ノ中勇(アニメ1作)→平野正人(劇場版7作)→中尾みち雄(アニメ2作)
パゴスCV:佐藤正治(アニメ1作)→岸野幸正(劇場版7作)→風間信彦(アニメ2作)→佐藤正治(2007年劇場版)
2人組の警察官で、肌が黒いほうがガラ、背の高いほうがパゴス。いつもアラレにパトカーを壊されており、アラレとガッちゃんのことを「メガネ子(娘)」、「クピピっ子」と言っている。10年後も警察官をやっているが、頭がハゲて、アラレにパトカー壊され、パトカー300台目だと言っている。
自称ジャングルの王者。髪は金髪だが、顔は、スッパマンそっくりである。スッパマンとは仲が悪く、スッパマンのことをアホのスッパマンと読んでいる。スッパマンからはバカのパーザンと呼ばれている。アニメ1作では出番が増えたが 、アニメ2作ではまったく出ない。
ハエの格好をした宇宙人で、スッパマン同様に地球の平和を守る為にやって来たが、アラレのパワーに圧倒され、他のやつにはバカにされ、あげくのはて、帰れなくなった。古郷の星はハエブンブン星である。あの有名なスーパーマンと知り合い(本人も言ってるが、スッパマンではない)。アニメ2作は、本編の登場はなく初期のオープニング 「顔でかーい」のみ登場。ドラゴンボール超にも出ており、アラレが出た69話の次の70話に登場した。
単行本9巻でアラレたちが入学した高学園に転任してきた教師で、アラレたちの担任(2人目)。顔がでかく、顔の幅は、1m、重さ150kg。得意技は、愛のづつき。アニメ1作では、中学園、高学園兼任で、中学園の途中からアラレたちの担任になっている アニオリ213話では、ドクター脳という兄がおり、兄は、世界征服を狙っている。
中学園の園長で少々子どもぽい性格で、ローラースケートしたり、積み木したりしている。
- 高学園校長
ペンギン村村立中学園に転校してきた転校生。スポックのような姿をしており、初登場時はまともな性格だったが、アラレがスコップの難しい問題集をおかしくなった。
小さな頃から剥製にするためにオリに入れらていた熊だったが、アラレが助けた。千兵衛ともに野生に帰すために特訓をして野生に帰るが、撃たれて死んでしまう。しかし千兵衛がアラレの部品を使ってサイボーグにして復活する。
ガッちゃんが拾ってきた犬。千兵衛は飼うのに反対してがアラレとガッちゃんがだだをこねたため、飼うことになる。アラレたちと仲良くなり、言葉を喋れるようになる。アラレやガッちゃんの名前を言っている。ただし千兵衛のことはゴリラと言っている。その後車にひかれるもケガで済んだ。さらにその後、親が向かい来て宇宙に帰る。この回は、「さよならガッちゃん」だが、うんちからみてさよならガッちゃんである。このタイトルに騙された人も結構いる
マスカット王国の姫。あかねそっくりだが、髪は緑色で、丁寧な言葉使いである。
マスカット姫をチャボカ王国に連れ戻そうとした男。間違って誘拐したそっくりのあかねを似てるという理由で殺そうとした非情な性格。しかし、ランプの魔人に殺されてしまう。
ビスナが持っていたランプから出た魔人で、難しい事がわからないため、ビスナが自分が持ち主で、大事に持っていたわかなかった。そのビスナさえも殺してしまう。アラレやガッちゃんでも勝てない強い敵で、最終的にキレたつくつんが倒した。
都会島から来た超エリート警察官で、どんな些細なことでも逮捕する。潔癖症で、棒で刺したうんちを持ってたアラレには、かなわなかった。
オートバイにずっと乗り続ける若者で、「オートバイからおりたら死んじゃう病」で、何時もオートバイに乗ってないと生きていけない。排出物は、バイクの後ろから出る。路上で、惚れた女性とレースをするが、一回目は、負ける。2回目は、アラレをバイクにして勝ち、女性と結婚する。第2回ペンギン村グランプリで、最後らへんまで、ベスト3に入っていたが、オートバイのガス欠で、スタンドにより、小銭に手こずって、脱落した。
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