イベント・展示会運営:企画から運営まで、イベントのすべてを取り仕切る仕事
2024.12.27
音楽、アニメ、ゲーム、キャラクター、イベントなど、人に感動を提供するエンタテインメントにはさまざまなジャンルがあり、そのジャンルの数だけ多種多様な職種が存在する。
連載企画「エンタメ業界のお仕事紹介」では、ソニーミュージックグループで働くスタッフの生の声から、エンタメ業界に存在する職種と業務内容、そして、その仕事にどんな“やりがい”や“魅力”があるのかを紐解いていく。
第21回は、音楽CDをはじめとするパッケージ商品の音楽営業(セールス・マーケティング)担当者に話を聞いた。
YOSHIYUKI
ソニー・ミュージックソリューションズ
音楽営業(セールス・マーケティング)
キャリア:8年目
【マーケティング】
CDやDVD、Blu-rayなどの発売元であるレーベルと、セールスとの間に立ち、商品の販売方針についてプランニング、提案を行なう。ヒットを目指して、1枚でも多くの作品をファンの手に届けるために、レーベルと目標枚数や特典、イベントといった施策内容などを打ち合わせ、セールス担当と連携をとりながら調整、推進する。
【セールス】
CDやDVD、Blu-rayなどのパッケージ商品をショップに販売するセールス活動を行なう。店頭、オンラインで行なう施策や、リリースイベント、クライアントのSNSを使った施策などの提案、調整、実施に加え、商品の出荷指示も行なっている。
【Eコマース運営】
ソニーミュージック公式直販サイト「Sony Music Shop」や、特典つき商品の応募、購入専用サイト「forTUNE music」などEコマースサイトの運営、マーケティングを行なう。また、各種Eコマースサイトの制作、運営を行なうと同時に、自社物流を持つ強みをいかし、タイムリーなサービス提供を実現する。
ファンクラブに入るほど大好きなポルノグラフィティの音楽が、ソニー・ミュージックレーベルズから発売されていることを知り、興味を持ったのがきっかけで、ソニーミュージックグループの新卒採用にエントリーしました。
実はエンタメ業界で採用試験を受けたのは、ソニーミュージックグループだけで。もともとは、ほかの業界を志望していたのですが、音楽が好きだったことや、身近で自分を見てきてくれた父親から言われた「お前の性格ならエンタメ業界は向いているんじゃないか」という言葉も後押しになって入社を決めました。
ネット上で音楽を買う、聴くというのが定着した現在でも、全国各地に営業所が存在するのがソニーミュージックグループの特徴で、自分も入社後、最初の2年間は名古屋オフィスに配属になりました。
部署はパッケージ商品のセールスだったので、担当エリアの各CDショップにお邪魔して、発売されるCDを売り込んでいくというのをメインの業務としつつ、1年目からリリースイベントや店頭施策を企画させてもらったこともあります。
東京に戻ってからも1年半はセールスの部署にいて、このときは大手CDショップの本部の方々とも接する機会が増えたことで、より仕事の幅が広がりました。その後、同じ部門でマーケティングの部署に異動になって、現在に至ります。
名古屋オフィス時代に、東海エリアを地元とするバンドがメジャーデビューするタイミングがあり、CDショップの担当者の方に店頭施策をご提案して実施できたことが印象に残っています。このときは、店舗に置くコメントカードをメンバーに書いてもらったり、告知動画を撮影したり、ミニライブを開催したりと、アーティストも地元感溢れるノリにとても協力的で、ファンの方に喜んでいただける取り組みになりました。
東京に戻ってきてからの仕事では、当時、デビュー20周年を迎えるアーティストのリリース施策として、アルバムのジャケット写真がデザインされたステッカーを企画して、大々的に展開できたことですね。
この施策は、全国展開になったのですが、それぞれの店舗に特典のポスターを作って配ったり、ポップを作成したりと、実際に各店舗に足を運びながら進めたところ、大きな反響を得ることができました。SNS上ではファンの方々から“ありがとう”のコメントもたくさんいただけて励みになりましたね。
名古屋オフィスでは、各店舗の担当者の方と密にコミュニケーションを取り、地域に根差した施策を実施していました。そのなかで自分が考えた店舗限定のステッカーとかキーホルダーを身に着けてくれているファンの方を見かけることも多くて。自分の仕事が誰かの“うれしい”や“喜び”につながっているんだと実感できて、やりがいになっていましたね。
東京では、全国展開規模のダイナミックな施策を企画して実行できるのが面白く、反響も大きいですから、その分、達成感を得られました。ビジネスの視点で見ても、東京のほうがいろいろな数字が跳ね上がるので刺激的で、ワクワクすることが多かったです。
そのうえで、名古屋と東京の両方を経験できたのは、自分にとってすごく財産になっています。
例えば、名古屋で店舗の担当者の方と仲良くなってくると、その方から直接“こんなことできない?”、“次、これやってみようよ”と声をかけていただき、しかも、それが現場レベルで決まるのでスピーディーに実施できました。なかには“そんなやり方もありなのか!”と、こちらが驚かされる企画もあって、たくさんの気づきをいただきました。
いっぽう東京では、動いているお金、影響する店舗数も多いため、関係者が増え、確認ごとも多くなり、ひとつの施策を展開するにも時間がかかります。それこそ前例のない企画を通そうとなると、なおさらその傾向が強くなっていくのですが、そうなると今度は調整力と責任感が養われます。名古屋と東京のセールスでさまざまなことを学び、そこで得たスキルや知見が今のマーケティングの仕事でも本当に役に立っていますね。
エンタメ業界で地方への転勤というのは、ひょっとしたらイメージしづらいかもしれませんが、地域ごとの商習慣やそこでしか得られない人脈というものが築けることを、これからエンタメ業界を目指す人たちにも知っておいてもらいたいです。
先ほどの回答にもつながりますが、密なコミュニケーションは大事にしています。相手のキャラクターによっても、その距離感は変わると思いますが、仕事の話だけでなく、自分の趣味の話や、相手が好きなものなどの雑談を交えることで、距離感を縮めるように努めています。
これはセールス時代に気づいたことですが、特に名古屋では頻繁に店舗を訪れるので先方の担当者の方とはすぐに顔見知りになります。そこからもう一歩踏み込んだ関係性を築けると、先方から企画を提案してくださったり、こちらも先取りの情報をお伝えしたりして、いいビジネスの関係性を築くことができました。
あとは、熱意を持って情報を伝えるということですね。今の自分の仕事は、音楽営業のマーケティングです。マーケティングはレーベルとセールスの橋渡しの役割で、音楽のパッケージ商品を多くの人々に届けるため、レーベルと一緒に考えた販売促進プランを、実行部隊であるセールスの担当者にプレゼンします。
その際、こちらのテンションが低ければ相手にもそれが伝わってしまいますし、逆に、熱量をしっかり伝えることができれば“そこまで言うなら、一緒にやってやるか”と思ってもらえます。そういうテンションを携わる人たちに共有できなければ、なかなかいい施策というのはできないのではないかと。
そんな考えもあって、自分が担当することになったアーティストの楽曲は、個人的な趣味趣向は抜きにして、しっかり聴き込むようにしています。その音楽のどこに魅力があって、なぜ人気なのか、自分なりにでも理解しておいたほうがプレゼンの説得力も増しますよね。
だから、子ども向け作品のアニメ音楽を担当したときには、毎週そのアニメを欠かさず見るようにしていました(笑)。取引先が多岐に渡るため、これまで聴いてこなかったジャンルの音楽も聴くようになり、趣味の幅も広がりましたね。
この仕事が楽しくて、性に合っていると自分では思うので、しばらくはこの部署で頑張りたいと思っています。ソニーミュージックグループはグループ内での会社間異動もあるので、今後、ほかの仕事に携わることになった際には、その部署で即戦力になれるよう、今のマーケティングという仕事でもしっかりとスキルを磨き、社内外で人脈も築いておきたいですね。
ソニーミュージックグループは、音楽以外のエンタテインメントビジネスも幅広く展開しているので、音楽だけではなく、イベントや空間プロデュース、グッズ制作など、自分の興味があれば、さまざまことに挑戦できる選択肢があるのもワクワクします。
文・取材:野本由起
撮影:干川 修
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