音楽営業(セールス・マーケティング):パッケージのセールス活動から、リアルを求めるファンへ喜びを届ける仕事
2024.12.27
音楽、アニメ、ゲーム、キャラクター、イベントなど、人に感動を提供するエンタテインメントにはさまざまなジャンルがあり、そのジャンルの数だけ多種多様な職種が存在する。
連載企画「エンタメ業界のお仕事紹介」では、ソニーミュージックグループで働くスタッフの生の声から、エンタメ業界に存在する職種と業務内容、そして、その仕事にどんな“やりがい”や“魅力”があるのかを紐解いていく。
第20回は、社内で利用する業務システム、ITサービスの企画、開発、保守運用に携わる、エンタプライズITシステム担当者に話を聞いた。
YUKI
ソニー・ミュージックエンタテインメント
エンタプライズITシステム
キャリア:5年目
子どものころからテレビっ子で、コンサートや舞台なども大好きだったことから、エンタメ業界の裏方の仕事に以前から興味を持っていました。なので、大学でもエンタテインメントにつながる理系分野としてITを学んでいました。
いざ就職活動をするとなったときに、エンジニアとしてのIT企業への就職の道も探っていましたが、自分の資質的にプログラミングなどの専門家ではなく、社内で要望を聞いてシステム全体の構築に要件を落とし込む社内システムエンジニア職が向いていると考えました。
その意味で、エンタテインメントを支える裏方としても携わりつつ、ITエンジニアとしてのスキルもいかせるソニーミュージックグループはとても魅力的だったので、第1志望としてエントリーしました。そもそも新卒で、しかもエンタメ業界で、社内システムエンジニアを募集している企業は本当に少なかったですが、縁に恵まれ、ソニーミュージックグループに入社しました。
ユーザーであるソニーミュージックグループ各社の社内スタッフに、どんなシステムやツールが必要か、どういう項目に対応すれば使いやすいかなどのヒアリングをしながらシステムをデザインします。そして実際の開発業務を担当していただく外部企業、もしくは社内の担当者ともコミュニケーションを取りながら、システムやツールの開発、保守運用業務を行なっています。
私自身が現在携わっているのは、ソニーミュージックグループのIPを、外部の企業にライセンスアウトする際に活用する管理ツールの開発です。こちらは、契約を交わした企業とお取引をする際、煩雑になりがちな数字の管理に加え、著作権料の支払いなどが発生した際の管理にも活用できるシステムで、社内だけでなくお取引先の企業の方々にも使っていただけるツールになります。
ちなみに、こうした自社開発システムはツールの名称やデザインも自由に作れるので、モノ作りをしている楽しさも味わえますね。
仕事的には、自分が想像していた業務にとても近かったので、仕事内容でのギャップはほとんど感じませんでした。ただ、想像していたよりも少数精鋭の部署でありながら、新人でも任される仕事がたくさんあって、やりがいがあるのと同時に責任も感じました。
意外だったのは、社内の雰囲気ですね。エンタメ業界なので、すごく個性的な人や奇抜な人、尖った人が多いんじゃないか? と勝手にイメージしていたのですが(笑)、そんなことはなく、もちろん自分の好きなことを追求し、ビジネスにつなげている人がたくさんいますが、ほかの人の好きなものも受け入れて共感してくれる寛容さがあり、皆さん接しやすく優しい人柄なのはうれしいギャップでした。
自分が携わっているシステムを実際に使っているスタッフから、感謝の言葉をもらえたときですね。年末には、私たちが開発したシステムを使っている関係部署に挨拶に行くのですが、ある部署では、皆さんが整列しながら部長号令の下で「今年もありがとうございました!」と言っていただけて。ユーザーが社内にいるからこそ、そういうありがたい気持ちを直接受け取ることができて、やりがいを感じますね。
また、システム開発は、企画からリリースまで年単位で時間がかかることが多いです。そのため、システムを使用する部署が、これからトライしていく事業計画を共有してもらいながら一緒にシステムのデザインを考えていきます。
そこでは、各社、各部署、各スタッフの未来に挑戦する熱量も感じることができるので、それに応えたいという思いも、私のやりがいにつながっています。
システム開発にしろ、保守運用にしろ、使い手である多くの人の意見を参考にしていかなければいけないので、コミュニケーション能力はすごく大事です。チームや部署間を横断して取り組むプロジェクトもあるので、自分の知らないことにも興味を持って臆せずに行動できるといいと思います。
あとは、探究心も大事だと思います。開発段階は当然ですが、日々の保守運用でも、“このシステムにはこういう機能があるけど、今はあまり使われていないのはなぜか?”と気づいたとき、それを突き詰めることで機能もよりブラッシュアップしていけます。
また、システム開発にはお金もかかりますので、いかに予算の範囲内で効率的なシステムを作れるかも重要です。“大きな改修はせず、別の機能で代用できないか?”といった柔軟な考え方ができて、何が無駄で何が必要かを見極めて創意工夫できる人は、自分の力をいかせる仕事だと思います。
もちろん新卒の状態で、そんな高いレベルが求められるわけではありません。コミュニケーション、探求心、柔軟な思考、どれかひとつでも当てはまれば十分だと思います。
プログラミング技術などが必須かと思われますが、そういうわけでもありません。もちろんIT系の知識はある程度必要ですし、業務ではAWS(Amazon Web Services)を使う機会が多く、入社後にAWS 認定試験を受けることになるので、事前に触れておくとのはいいことだと思います。
ただ、業務的には既に構築されているオリジナルシステムの保守運用からキャリアがスタートし、そこで経験を積んでから開発を担当することになるので、現場で必要なテクニカルな技術は、入社後に学ぶことのほうが多いです。実際、同じ部署の皆さんのなかには、プログラミング技術がゼロの状態で入社した文系学部出身の人や、まったく別の他業種から転職してきた人もいます。
同一部署内でのキャリアアップですと、最初は既存のシステムの保守運用から新規開発を経て、より大きなシステムにトライしてリーダーとしてチームを束ね、規模を広げて全体を見ていく立場になっていくというのがまず考えられます。
そのうえで、私個人としては、セキュリティ分野、AI分野、データ分析など自分の興味があるIT分野を広げていきたい気持ちも強いです。
特にデータ分析は、エンタメ業界でもヒットを生み出すためにニーズの高い分野なので、そのデータをシステム化することで、役立てられることもたくさんあると思うんです。幸い、システム部にいると自分の携わっている案件以外にも、さまざまな業務に触れることができるので、社内でそういったスキルをいかせる場を見つけていけたらなと思っています。
文・取材:阿部美香
撮影:干川 修
2025.02.27
2025.02.25
2025.02.14
2025.02.13
2024.12.27
2024.12.20
ソニーミュージック公式SNSをフォローして
Cocotameの最新情報をチェック!