さて、昨日は前から観よう観ようと思いながら中々観れなかった清水崇が制作、麥浚龍導演、銭小豪主演『リゴル・モルティス/死後硬直』(13)を観ました。(M.Kさん、多謝です♪)ご存知のようにこの映画は80年代に一世を風靡した香港コメディ・ホラー映画の傑作『霊幻道士』(85)にオマージュを捧げた作品で、そのため『霊幻道士』シリーズや80年代香港映画ファンには懐かしい顔触れである銭小豪、陳友、恵英紅、鍾發、吳耀漢といった面子が映画の主役として続々と登場します。
物語は古びたマンションを舞台に事故で死んだ老人(吳耀漢)をキョンシー(殭屍)として甦らせようとする老妻(鮑起靜)と道士(鍾發)、母娘の女幽霊に翻弄される母親(恵英紅)と子供という2つの怪事件に、主人公にして落ちぶれた俳優の銭小豪(役名も同じ銭小豪♪)が立ち向かう、という展開です(日本語字幕無しなので物語が不正確な部分はご容赦下さい)。
で、オリジナルの『霊幻道士』とこの『リゴル・モルティス/死後硬直』の一番の相違点が、オリジナル版の大きな魅力にして長所だったコミカル・テイストを一切排除し、ひたすら恐怖と悲壮感を全面に押し出したのが『リゴル・モルティス/死後硬直』であるという点でしょう。そのため映画の序盤は銭小豪と道士(陳友)の淀んだ交流がダラダラと続くなど、今一つテンポが悪いんですが、後半になって遂にキョンシーとして甦った吳耀漢が恵英紅、銭小豪&陳友コンビらと次々と闘いを繰り広げるバトル・シーンは最新の特殊技術も盛り込み中々の見せ場となっています。
このある意味“尻出し”の印象(だけ)が強いコメディー俳優の吳耀漢が異様かつ無敵のキョンシーとして復活し、容赦なく主人公たち(に加えて子供まで餌食に!)に襲いかかる!というホラー映画の王道的シチュエーションこそ、この『リゴル・モルティス/死後硬直』の最大の売りなんですが、逆にそれだけではやはりあのコミカルで秀逸なキャラ設定&ハイ・レベルなワイヤー・アクションが見事に合致した『霊幻道士』の娯楽性溢れる作品世界には及ばなかった、と言わざるを得ません。
ただ映画の最後に『霊幻道士』の顔でもあった今は亡き林正英と許冠英の名前が掲げられているのには思わずホロリとしてしまった龍熱でした(涙)。
思えば“道士様”こと林正英こそ私がインタビューしたかった武打星でした。何故ならリーさんこと李小龍の未完成作品『死亡遊戯』が完成に向けて動き出した75年前後に、嘉禾公司が『死亡遊戯』完成プロジェクトの最初のリーダー(後にその職を洪金寶が引き継ぎます)に指名した人物こそ林正英と言われていますし、生前のリーさんから特に可愛がられていた林正英は、あのリーさんvs劉大川の“死闘”の際にも現場でリーさんの秒殺勝利を目撃していた(と同じく現場にいた染野行雄さん談)人物だからです。その林正英の代表作である『霊幻道士』を新たな時代にこのように作品スタイルを変えて再び制作された『リゴル・モルティス/死後硬直』。もしこれから日本で本作がソフト化される際は、今度は是非日本語吹き替え版でもう1度ジックリと観直してみたいですね。
なんて言いながら、この『リゴル・モルティス/死後硬直』の他にも安志杰主演『悪戦』や劉徳華主演『風暴』、さらには大量の“台湾黒電影”群、あるいは金熙羅主演の70年代激レア韓国動作片などなど・・・レビューを書きたい作品がまだまだあるんですが、そう言いながらも前から「もう1度観たい!」と探していた馬場さんvsハーリー・レイスのNWA世界王座争奪戦を観て1人喜んでいる龍熱でした(トホホ!)。
物語は古びたマンションを舞台に事故で死んだ老人(吳耀漢)をキョンシー(殭屍)として甦らせようとする老妻(鮑起靜)と道士(鍾發)、母娘の女幽霊に翻弄される母親(恵英紅)と子供という2つの怪事件に、主人公にして落ちぶれた俳優の銭小豪(役名も同じ銭小豪♪)が立ち向かう、という展開です(日本語字幕無しなので物語が不正確な部分はご容赦下さい)。
で、オリジナルの『霊幻道士』とこの『リゴル・モルティス/死後硬直』の一番の相違点が、オリジナル版の大きな魅力にして長所だったコミカル・テイストを一切排除し、ひたすら恐怖と悲壮感を全面に押し出したのが『リゴル・モルティス/死後硬直』であるという点でしょう。そのため映画の序盤は銭小豪と道士(陳友)の淀んだ交流がダラダラと続くなど、今一つテンポが悪いんですが、後半になって遂にキョンシーとして甦った吳耀漢が恵英紅、銭小豪&陳友コンビらと次々と闘いを繰り広げるバトル・シーンは最新の特殊技術も盛り込み中々の見せ場となっています。
このある意味“尻出し”の印象(だけ)が強いコメディー俳優の吳耀漢が異様かつ無敵のキョンシーとして復活し、容赦なく主人公たち(に加えて子供まで餌食に!)に襲いかかる!というホラー映画の王道的シチュエーションこそ、この『リゴル・モルティス/死後硬直』の最大の売りなんですが、逆にそれだけではやはりあのコミカルで秀逸なキャラ設定&ハイ・レベルなワイヤー・アクションが見事に合致した『霊幻道士』の娯楽性溢れる作品世界には及ばなかった、と言わざるを得ません。
ただ映画の最後に『霊幻道士』の顔でもあった今は亡き林正英と許冠英の名前が掲げられているのには思わずホロリとしてしまった龍熱でした(涙)。
思えば“道士様”こと林正英こそ私がインタビューしたかった武打星でした。何故ならリーさんこと李小龍の未完成作品『死亡遊戯』が完成に向けて動き出した75年前後に、嘉禾公司が『死亡遊戯』完成プロジェクトの最初のリーダー(後にその職を洪金寶が引き継ぎます)に指名した人物こそ林正英と言われていますし、生前のリーさんから特に可愛がられていた林正英は、あのリーさんvs劉大川の“死闘”の際にも現場でリーさんの秒殺勝利を目撃していた(と同じく現場にいた染野行雄さん談)人物だからです。その林正英の代表作である『霊幻道士』を新たな時代にこのように作品スタイルを変えて再び制作された『リゴル・モルティス/死後硬直』。もしこれから日本で本作がソフト化される際は、今度は是非日本語吹き替え版でもう1度ジックリと観直してみたいですね。
なんて言いながら、この『リゴル・モルティス/死後硬直』の他にも安志杰主演『悪戦』や劉徳華主演『風暴』、さらには大量の“台湾黒電影”群、あるいは金熙羅主演の70年代激レア韓国動作片などなど・・・レビューを書きたい作品がまだまだあるんですが、そう言いながらも前から「もう1度観たい!」と探していた馬場さんvsハーリー・レイスのNWA世界王座争奪戦を観て1人喜んでいる龍熱でした(トホホ!)。