たまたま買った「諸君」2003.12に西尾幹二の「江戸のダイナミズム」という連載があり、読む気もなかったのだが、読んで驚いた。ひど過ぎるのである。間違い箇所を指摘するということができないほど、抜本的に間違っている。そして、この間違いかたは、自分でも意外だったのだが、センター試験以降の世代と同じに思えた。個々の知識はむしろ正しい。偏差値は高いだろうな。…もちろん、そういう言い方は杜撰すぎるのだが、なんとも奇妙な感じだ。 西尾幹二については「国民の歴史」でずっこけてしまったことがあるので、この人はぜんぜん歴史というものがわからない人だなと思ったものだった。当然、読むのも苦痛なので読まないのだが、今回連載の一部を読んでみて、唖然としてしまった。こう言うほどたいした知識が自分にあるわけでもないだが、西尾幹二は体系性のない知識の羅列を都合よく組み立てているのだ。まるで根幹がわかっていない。儒教と儒学