【バンコク=岩崎健太朗】新型コロナウイルスの感染拡大が収まらないタイで、医療機関の逼迫が深刻化している。首都バンコクでは感染力の強い変異株「デルタ株」が感染の8割近くを占め、路上で倒れたまま死亡する人も出た。 地元メディアによると、バンコク旧市街で20日午前、駐車場管理人の50代男性が不調を訴えたが、医療用酸素を配備した救急隊の到着までに4時間かかり、持病があった男性はコロナ感染で死亡したとみられる。防護服や人員の不足で、遺体は午後10時ごろまで路上に放置された。感染が疑われる路上生活者らの路上死も複数報告されている。 23日発表の新規感染者は1万4500人余で連日、過去最多を更新。死者は100人前後で推移している。医療スタッフの感染や人工呼吸器不足で患者の受け入れを制限する病院が相次ぎ、警察や軍の施設などに、軽症者を受け入れる簡易病院の設置を急いでいる。 政府は都市封鎖を強化し、プラユッ