かつてはカリスマ経営者。いまは会社を経営危機に陥れた戦犯。表に裏に東芝を知り尽くしたこの男が本誌に語った、会計事件について、原発問題について、半導体売却について、東芝について……。 みんな、いい加減だ 「客観的に見ると、訴訟問題が終わっていない以上、僕は悪者として(皆さんの記憶に)残っちゃっているんです。それが何を言ったってね。犬の遠吠えに過ぎないんです」 東芝で社長、会長を歴任した西田厚聰氏を自宅にたずねると、インターフォン越しに語り出した――。 東芝で不正会計問題が発覚した2015年以降、戦犯と名指しされた西田氏は表舞台から姿を消した。東芝でドンと呼ばれ、一時は経団連会長候補と目されたこの男は、あれから何を想い、どんなことを考えているのか。 その胸の内を聞くために本誌はここ数年西田氏の自宅をたずねてきたが、その度に「話すことはない」と門前払いが続いた。 不正会計問題を調査した東芝の第三