2010/11/107:0 TPP(環太平洋パートナーシップ協定)が投げかける「古くて新しい課題」 片岡剛士 ◇TTPをめぐる三つの試算◇ 10月27日、政府はTPP(環太平洋パートナーシップ協定)に日本が参加した場合の経済効果について、内閣府、農水省、経済産業省による試算結果を提示した。これらの試算は今後日本がTPPに参加する、もしくは参加しない場合の影響を試算したものという意味では共通しているが、試算内容や対象という点では共通しておらず、三つの試算を一律に比較することは困難である。 確かにそうした側面もあるのかもしれない。だが本来重要なのは、試算結果がバラバラであることを慨嘆するのではなく、各試算の特徴・対象を明らかにした上で、TPP等の自由貿易協定について日本が今後どのようなかたちで向きあうべきなのか、必要な政策は何なのかを判断する材料とすることだろう。 本稿および次稿の2回にわたっ