少子高齢化への社会変化の中で、急増する医療費適正化手段の1つとして、効率の良い医療インフラの形成が考えられている。その手段として日本では「医療の情報化」を目指しているが、一方で情報化に移行する際の課題も浮き彫りになってきた。「情報化」についての経緯と展望を、厚生労働省 政策統括官付社会保障担当参事官室主査 中安一幸氏にお話をうかがった。 医療の情報化における背景 ―まず業務の内容などについてお話しいただけますか? 厚生労働省 中安一幸氏 中安氏 厚生労働省医政局の医療機器・情報室を経て、現在の役職を拝命しました。これまでも医療の情報化に携わってきましたが、今の部署ではそれを含めて俯瞰的に見るような、社会保障全般の情報化を目指していきたいと思っています。医療情報に携わった経験からは、技術面のみならず法制度、規制と情報化のあり方について考える仕事ということになりますね。 ―医療の情報化における