西部邁(にしべ・すすむ)(78):評論家。北海道生まれ。吉野作造賞を受賞した『経済倫理学序説』など著書多数。現在は、雑誌「表現者」顧問/中島岳志(なかじま・たけし)(42):東京工業大学教授。大阪府生まれ。専門は南アジア地域研究、近代思想史。著書に『ナショナリズムと宗教』『「リベラル保守」宣言』など(撮影/写真部・大野洋介)この記事の写真をすべて見る 自民党の閣僚や国会議員にも「ネトウヨ」のような発言が増え、籠池問題で保守派のイメージが暴落した。「あんなのと一緒にしてくれるな」と怒る保守の論客が、沈黙を破った。 ──現代では「保守」という言葉が、さまざまに解釈されています。「保守」という言葉の定義を教えてください。 中島:政治的な保守という場合、近代合理主義に対するアンチテーゼとして生まれた近代思想の系譜を指します。イギリスの政治思想家エドマンド・バークを嚆矢とする、近代左翼の人間観に対す
日本時間の九日夕方、アメリカ大統領選挙でトランプの勝利が確実になった。この直後からさまざまな分析や見通しが語られたが、中でも興味深かったのが翌十日にBSフジ「プライムニュース」が放送した「脱“アメリカ属国”論」だった。出演者は保守思想家の西部邁(すすむ)と日本共産党の小池晃。一見すると立場が真逆に見える二人の見解は、ほとんどの点で一致していた。 二人が声をそろえて主張したのが、対米従属からの脱却と新自由主義への批判である。トランプは選挙中に、日本における駐留米軍の撤退をにおわせる発言を行ったが、二人はその方向性を歓迎する。もちろんTPPにも反対。アメリカのいびつな格差社会を問題視し、新自由主義やグローバリズムを批判する。 西部が顧問を務める『表現者』67号では、「日本共産党とは何ものか」という特集を組み、西部、小池、西田昌司(しょうじ)、富岡幸一郎による座談会「日本共産党に思想と政策を問う
2017年10月11日放送の『水曜日のダウンタウン』の衝撃から抜け出せないでいる。PUNPEEの『MODERN TIMES』発売記念バージョンのOPもグッときてしまうし、冒頭の新企画「リアルスラムドッグミリオネア」もギャラクシー賞候補間違いなし。企画の発想力もさることながら、「見ること」「聞くこと」の”不確かさ”を、重層的に問う構成に痺れた。しかし、その衝撃を吹き飛ばしたのが、「寝たら起きない王決定戦」でのクロちゃん(安田大サーカス)だ。クロちゃん回はいつも凄いが、今回はとびきりだった。あまりに観たことない映像のオンパレードである。泥酔したクロちゃんが眠りにつくまでの姿を収めたドキュメンタリーなのだけども、とにかくおぞましい。「ば、化け物・・・!」「こんな事って・・・」「大チャンス!」といちいち気の利いたコメントを残す仕掛け人小宮浩信(三四郎)の”かわい気”との対比も相まって、クロちゃんの
去る9月末、突然の衆議院解散と前後して野党第一党だった民進党が分裂し、その後も混乱が続いている。そのような状況のなか、来る22日には48回目となる衆議院議員総選挙が実施される。私たち『ele-king』はおもに音楽を扱うメディアではあるが、いまのこの政局を重要なものと捉え、初めて政治家への取材を試みることにした。以下のインタヴューは必ずしもその政治家への支持を呼びかけるものではないが、これを読んだ各々が自身の考えを深め、政治や社会に関心を寄せる契機となれば幸いである。 「僕は(自分たちを)少数派だとは思いません」──たったひとりで5日前に立憲民主党を立ち上げ、その呼びかけに応えて集まった候補者たちと選挙に臨もうとしている枝野幸男はそう言った。 9月の衆院解散後の野党第一党の崩壊劇で、小池百合子の「排除します」の一言は、その3ヶ月前に首相が放った「こんな人たち」よりもさらにストレートに私の胸
ミッツ・マングローブ/1975年、横浜市生まれ。慶應義塾大学卒業後、英国留学を経て2000年にドラァグクイーンとしてデビュー。現在「スポーツ酒場~語り亭~」「5時に夢中!」などのテレビ番組に出演中。音楽ユニット「星屑スキャット」としても活動する 今回は「保毛尾田保毛男」騒動を取り上げる(※写真はイメージ) ドラァグクイーンとしてデビューし、テレビなどで活躍中のミッツ・マングローブさんの本誌連載「アイドルを性(さが)せ」。今回は「保毛尾田保毛男」騒動を取り上げる。 * * * ここまでくると、もはや『時代錯誤なホモやオカマ』は存在自体が差別なのでしょうか? 表面的な配慮をしてくれる世間に恩義を感じながら、当事者同士も『裏切り者』にならないよう気を遣い合う。なかなか窮屈な世の中になってきました。28年ぶりにブラウン管に帰ってきた保毛尾田保毛男ちゃん騒動を目の当たりにして、ずっと悶々としてた
この件。 首相、聴衆に「法律守って」 9条改正への抗議、「選挙妨害」の声に呼応(2017年10月13日05時00分) ヤジに聴衆「選挙妨害するな!」そして拍手…「偏向報道」に抗議するプラカードも(10/14(土) 9:12配信) 二階氏、ヤジ続ける聴衆に「黙っておれ」 街頭演説中(明楽麻子2017年10月14日17時29分) 街頭演説での野次を選挙妨害だとか法律違反だとかいう指摘があるわけですが、民主党の政治家はもっとひどい野次をされても、権力で弾圧するかのような物言いはしてなかったと思うんですよね。 まあ、もちろん全部見たわけではありませんけども。 2012.11.16 民主党街頭演説 菅直人 街頭演説で"対案"について批判を浴びる民主小川敏夫 120919民主党代表選街頭演説(野田佳彦) 関連:聴衆の「帰れ」コールに逆上した安倍晋三、最後まで丁寧に演説を続けた菅直人
蓮舫さんの「2位じゃダメなんでしょうか?」発言で有名な、次世代スーパーコンピュータ開発の事業仕分け。 さて、その事業仕分けなんですが、「面白い」んですよ。コンテンツとして。こんな面白いものを楽しまないなんてもったいない。「2位じゃダメなんでしょうか?」発言を知っているだけでは、ラピュタで「バルス」のシーンだけを観たことがあるようなものです! というわけで、音声ファイルと議事録を公開しておきます。晩酌のお供に、子供の夜泣きにぜひどうぞ。流し聴きをオススメします。 知っとくとよい前提知識 事業仕分け当時(2009年)、プロジェクトの雲行きは怪しかった 総予算1,154億円のうち、仕分け当時すでに100億円の予算超過をしていた スーパーカミオカンデ1個分の予算超過 当時のアメリカでのスパコン開発状況では、仮に日本がスパコンランキングTOP500で世界一をとったとしても一瞬で終わることが予想されて
学校で習ったことはいったん忘れよう 「よし書くぞ!」 と意気込んで机の前に座ること10分── 書いては消し、書いては消しで、1行目すら書けていない……。 もし、そんな“もどかしさ”を感じたことがあるのであれば、それは、あなただけではありません。 私自身、文章が極端に苦手な学生時代を経て、いまでは、4,000人以上の方に、共感され結果につながる文章作成法 ───エンパシーライティングをお伝えしていますが、こういったお悩みを、とても多くいただきます。 *エンパシーライティングとは 「エンパシーチャート」という、1枚のシンプルなシートで、共感が結果につながる文章が書けるようになるライティング手法。WEBメディアでの文章作成が簡単になるソフトウェア『iEmpathy(アイ・エンパシー)』で、WEB上でエンパシーチャートが描ける。 読まれる文章を、スラスラと書くには、コツがあります。 私たちが学校教
ヨッピーのブログのブコメで「あれはデマだ」という意見が大前提のように語られているけど、事業仕分けもあの発言も調べたら賛否両論みたいだよ? 僕みたいな馬鹿にもわかるように、だれか総括してよ。 もし賛否両論ならば、賛否両論なことをあそこまでデマだと言い切られて叩かれるって怖くね
「自公」「希望・維新」「共産・立民・社民」の3極が争うことになった今回の選挙にあって、その話題の中心にいるのは希望の党代表の小池百合子東京都知事(65)だろう。 防衛大臣歴任時から都知事に至るまで、組織の頂点に立つやいなや、新たな「敵」に「ケンカ」をふっかけるその手法は、ヤクザのそれと比較されることも多い。はたしてそれは正しい評価と言えるのか――ネコノミクスでユリノミクスを斬ってみようではないか。 一体、ケンカとは何なのか 第48回衆議院選挙が公示された10月10日は北朝鮮の建国記念日ということで、この日を境に軍事的緊張感が高まる可能性が報じられていた。しかし選挙期間中にミサイルを発射すれば、改憲と軍備強化の世論を後押ししかねないのだから、この時期に北朝鮮があえて軍事的緊張を高める可能性については、私は否定的であった。アメリカにしても同盟国の選挙期間中に、先制攻撃を仕掛けることはないだろう
ナポリ3区の有権者のみなさま、こんにちは。新党アルデンテ代表パオロ・マッツァリーノでございます。 選挙前恒例、勝手にマニフェスト発表、のつもりで、今回はいつもの思いつきアイデアでなく、以前から調べていたベーシックインカム(長いので以下BIと略します)を提案しようと思ってたら、なんと希望の党が公約のひとつに掲げてるではありませんか。 ただ、党のサイトを見たかぎりでは、具体的なことは一切書かれてないんですよね。ホントにわかってるのかな? なんかこの党、公約のすべてが適当なんです。その証拠に、希望の党は福祉の財源をあきらかにしてません。かたや自民党はどうかというと、財源としての消費税率アップは明言してるものの、あいもかわらず場当たり的な福祉政策ばかり。旧来の福祉が限界を迎えている国難は無視ですか。 となると、合理的な選択肢はこうなります。消費税を10パーセントに上げて、その代わり月額5万円のBI
かつてリベラルといえば、理想主義的だがマルクス主義のようなギチギチの理論に縛られず、現実的な政治思想を指していたはず。なので知識人がリベラルであると表明するのはむしろ当然だった。しかしいま「リベラル」という言葉は、「反日左翼」「与党の方針に常に反対しかしないものを考えない連中」みたいなイメージで語られることが多く、リベラルであると自称する事自体ためらわれる時代になっていると感じる。 「リベラル」がそもそも「リベラリズム」=「自由主義」なのだが、これは本来啓蒙思想から起こった考えで、権力が人民を支配する原理は神によるのではなく、社会契約に基づくということ、そこから平等思想が生まれ、人間の自由がうたわれた。この自由はすなわち権力からの自由であり、権力が個人の自由を侵すことを忌避する。個人の自由を最大限に尊重することから、この考えは国家を小さくして、極力民間の自由に任せる方向に向かう。このへんは
2017年7月のTime誌にある精神科医の話が掲載されていました。 精神科医のオークランダー氏は、多忙な仕事と不規則な生活から肉体と精神の不調を感じていました。そこで、かねてから自分が患者に「運動の重要性」を説いていたように、自分もトレーナーをつけて筋トレを始めてみたのです。 筋トレを初めて1ヶ月後、オークラウンダー氏は自身の変化についてこのように述べています。 「睡眠時間が少ないにもかかわらず、ぐっすりと眠れるようになりました。そしてエネルギーに満ち溢れている自分に気づきました」 このコメントを裏付けるように、2017年7月、世界で初めてレジスタンストレーニング(筋トレ)と睡眠についてのシステマティックレビューが雑誌Sleep Medicine Reviewsに掲載されたのです。 ✻システマティックレビューとは、質の高い研究データを集め分析した、もっともエビデンスレベルの高い報告。 著者
https://anond.hatelabo.jp/20171016005522 理研「スパコンで世界一になる!それが国民の夢!だから予算ください!」 蓮舫「その夢は否定しないけど目的はそれだけ?中国やアメリカに抜かれる可能性もあるけど、1位じゃないと意味ないの?2位じゃダメなの?」 理研「絶対1位!」 文科省「うちの試算だけどマクロで3.4兆円の経済効果があります」 蓮舫「それ1位じゃなくなったらどうなるの?」 文科省「しょうじきしんどい」 蓮舫「え?じゃあ1位じゃなくなったときはどうするの?」 文科省「1位になるようがんばる」 蓮舫「1位じゃなくなったら投下した予算とか人とかは無駄になるの?」 文科省「1位になるようがんばる」 蓮舫「2位でも企業が使ったりはするんじゃないの?」 文科省「1位じゃないと意味ないので1位になるようがんばる」 蓮舫「評価者の先生方に聞きますが、1位じゃなくて
10代の主人公は10代のうちにエンディングを迎えてその先が語られても20代まで。 20代の主人公は20代のうちにエンディングを迎えてその先が語られてもほんの一部だけしか語られない。 30代以上の主人公でも基本的には同じ、老人が主人公になると作中で死んだりする。 主人公が少年の頃からスタートして10年おきぐらいに物語を描いていくような作品が見たいんだよね。 少しずつ成長して少しずつ老けていく過程をどこまでも描ききってみて欲しい。
福井県池田町で自殺したとされる中学2年の男子生徒は、担任や副担任から再三しかられ、「死にたい」と漏らしていた。町教委は15日、有識者らでつくる調査委員会の報告書を公表。生徒が逃げ場を失い、追い詰められていく状況が詳細につづられていた。 「改めて亡くなられた生徒さんのご冥福を祈りますとともに、遺族の方々におわび申し上げます」。15日夜に池田町内であった記者会見で、内藤徳博教育長や堀口修一・池田中学校長らは深々と頭を下げた。 会見では16ページの調査報告書の概要版が配られた。内藤教育長は学校の指導体制に問題があったと認め、「生徒の特性を見極めていきたい。二度と繰り返さぬようにしたい」と述べた。 調査報告書は男子生徒の自殺…
10日に公示された衆議院議員選挙において、選挙の際の公開討論会の実施や政見動画の公開に実績のある公益社団法人東京青年会議所(波多野麻美理事長、以下東京JC)が主催する「ネット型公開討論会」が、東京23区内の17選挙区において実施されます(東京11区のみ他団体主催、東京JC協力)。実施概要は以下の通り。 ■方式 公示日後のネット型公開討論会(無観客) ■実施期間 2017年10月13日(金)から同月15日(日)までの3日間 ■会場 計12カ所の会場において、1~2つの選挙区の公開討論会を実施 ■地区割り ⇒詳細(総務省) 【東京1区】千代田区、港区の一部、新宿区の一部 【東京2区】中央区、港区の一部、文京区、台東区の一部 【東京3区】品川区の一部、大田区の一部、大島町、利島村、新島村、神津島村、三宅村、御蔵島村、八丈町、青ヶ島村、小笠原村 【東京4区】大田区の一部 【東京5区】目黒区の一部、
消費者は単純に経済原則や需要・供給の原理だけで消費を決断するわけではない、そこには必ず心理的側面が影響する。 2017年のノーベル経済学賞には、シカゴ大学のリチャード・セイラー教授が選ばれた。授賞理由は「行動経済学」への貢献である。行動経済学での授賞は2人目だ。 『ヤバイ経済学』、伝統的な経済学の考え方 もう10年前になるが、シカゴ大学のスティーブン・D・レヴィット氏が著書『ヤバイ経済学』の中で、大相撲について衝撃的な調査結果を披露した。 レヴィット氏は11年間にわたり3万を超える割り(試合のこと)データを調べ上げ、その結果、「7勝7敗の力士と8勝6敗の力士が対戦すると、前者の勝率は8割に達する」との結論に達した。 勝率があまりにも偏っている、つまり人間は必ずしも合理的な判断・行動をとらないことをデータは物語っている。こうした手法も行動経済学の一つである。 アダム・スミスの「神の見えざる手
説明する中谷剛さん。写真は、ビルケナウに停車した列車から降り立つ人々。1車両あたり約70人がトランクとともに詰め込まれ、数百キロ以上も離れたところから、運ばれた=ポーランド・オシフィエンチムで2017年9月17日午後3時8分、鈴木美穂撮影 ナチス・ドイツのアウシュビッツ強制収容所の跡地にあるポーランド国立博物館(オシフィエンチム)で、唯一の日本人公式ガイドを務める中谷剛(なかたにたけし)さん(51)を訪ねた。ぜひ聞いてみたかったからだ。戦後72年。戦争の記憶が薄れ、排外主義が台頭する中、「負の歴史」を繰り返してしまう懸念があるのか、と。【鈴木美穂】 9月17日午後。アウシュビッツ強制収容所跡に降り立つと、朝から降り続く雨で視界はかすみ、赤レンガの建物群は、陰気な空気を漂わせていた。
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