安倍晋三首相の長年の友人が経営する加計学園の獣医学部新設をめぐって、安倍政権が「総理のご意向」によって政府の行政を不公正に歪(ゆが)めたとの疑惑、さらに、その「ご意向」を記載した文書が文部科学省内に存在するのにその存在をなかったことにしようとしたとの疑惑が、文部科学省の現旧職員らによる内部告発で明らかになっている。政権の側は、それら内部告発者の側に対して、個人攻撃で報復し、「守秘義務に違反する可能性がある」との脅しまで繰り出している。私は2002年に、当時の小泉政権が公益通報者保護制度の検討を始めたのを契機にその取材を始め、日米英3カ国の内部告発の事例や法制度を取材してきた。その観点から今回の事態を分析してみたい。 「総理のご意向」文書の経緯は 加計学園の獣医学部新設について、「官邸の最高レベルが言っている」などと書かれた文科省の内部文書は5月16日夜、NHKで、肝心の部分「官邸の最高レベ