椎名裕美子と聞いてすぐに誰かわかる・百道浜と室見川というだけで空港が頭に浮かぶ・「そば・うどん・スパゲッティ麺」と言われたら「もっとはやいものぐー」・虐待と聞けばグリコゲン・御起立と聞けばジャポン・ともさかりえと聞けば少女ロボット・カラオケで「東京は愛せど」と書いてあるのに意志を持って「アイシャドー」と歌う・筆文字を見ればリンスポ・注射器型のボールペンを大切に保管し・完全に風雲ディストーションに入っていた「あなた」……つまり「私たち」にこそ読んでほしい答えについてです。 椎名林檎は98年にデビューした。 中学校の教室で友達が口ずさんでいた歌があまりにも気になり、それなに?と聞いた曲が「歌舞伎町の女王」だった。そこから伝説のファーストアルバム「無罪モラトリアム」との出会いまでは一瞬だった。かさぶたがどんどん剥がれていき、こんなに剥がれてもなお骨にたどりつく事はないのか!と戦慄に殴られつづける