以前の記事にて、なぜ新規事業にユーザーリサーチが必要なのかを主に述べました。しかし、いざ行おうと思ってもどのように行えばいいのか悩まれる方は多いのではないでしょうか。 そこで、今回はUXデザインのリサーチ手法にはどのようなものがあるのかを分類した上で、その中でも利用頻度の高いユーザーインタビューの方法、特に質問設計にフォーカスしてお話したいと思います。 今回の記事では主に下記のポイントについて見ていきます。 どのように代表的なリサーチ手法を使い分ければいいのか? どのようにユーザーインタビューの準備を進めていけばいいのか? どのようにインタビューの質問を設計していけばいいのか? そのため、特に「ユーザーインタビューの設計方法が分からない」「何を尋ねたらいいのかわからない」「質問しようと思ってもつい誘導してしまいがち..」という方に役に立つかと思います。 逆に今回の記事では、下記のポイントに
これらを鑑みると、 アプリの画面上では乗り入れ箇所で路線色が変わり、誤って降車するリスクがある 行き先が異なる複数の乗客に対して、駅員さんは「直通運転」であることはアナウンスできても「乗換不要」という案内はできない アプリの画面を見ているのは本人のみ、かつ目的地まで目視できるので「乗換不要」と伝える方が有益 このような経緯から、あえて「乗換不要」としています。 手法は大事、ユーザー視点はもっと大事 文言はサービス内で表現のズレが起きないよう、用語辞典を作成しています。「ルート/経路」「電車/列車/鉄道」など。ただし意味が伝わりづらい箇所では、表現のズレを許容しています。注意しなければならないのは、このようなフレームワークや手法などを優先して、ユーザー視点を見失わないようにすることです。 ワイヤとビジュアルを並行して行うことでUX品質を高める 路線情報チームのデザイナーは、ワイヤフレームとビ
大阪の実家に帰った時、リビングのテレビの裏側を見たらAmazonのFire Stick TVが挿してありました。このFire Stick TVをテレビに繋ぐと、Amazonのプライムビデオを観ることができるようになります。 プライムビデオには、Amazonプライムの会員であれば、追加費用を払うことなく楽しめる映画やドラマ、アニメなどが豊富に揃っています。さらに個別に追加金額を払うとほとんどの映像コンテンツを観ることができるという、まさにTSUTAYAキラーなサービスです。 うちのおかんは月に2~3回は映画館に行くほどの映画好きなので、プライムビデオのメインターゲットといえるでしょう。本来ならプライムビデオで映画三昧の毎日を送っていてもいいはずです。 しかしながら、Fire Stick TVを挿しているにもかかわらず、プライムビデオを一度も使っていませんでした。初期設定をした私の弟が一通り使
昨年末に書いた「できる!リモートワークでのUXデザイン」という記事に引き続き、今回はUXデザイン界隈の実践者に向けて、主にスマートルアーとGoodpatch Anywhereでの業務で見つけた「Figmaを使ったリモートワークショップの可能性」について語ってみます。 ※この記事に書かれている「ワークショップ」は、基本的に「UXデザインの現場におけるワークショップ」に限ったものです。ワークショップって何?ワークショップといえば「モノづくり会」や「体験型講習会」が一般的です。新人研修や外部セミナーでの意見交換会を想像される方もいるかもしれません。 一般的な学習は、答えが定まっていたり学ぶべき事柄が明確に決まっています。一方でワークショップは定まっていない答えを自ら探す活動です。授業のように、決まった内容、決まった答えを受動的に学ぶのではなく、ワークを通じて「気づき」や「発見」を得ることを促すた
Takramさんをお呼びして開催した Cookpad Product Kitchen の登壇資料を全文公開してみます😀当日の様子は #productkitchen からどうぞ。 --- クックパッドの出口 (@dex1t) と申します。 今日はコードを書きながらデザインする意味と効果というタイトルでお話します。 本日のテーマはデザイン×エンジニアリングということで、両者を掛け合わせると何がおこるのかをテーマにお話します。 また、クックパッドではUXエンジニア、Takramさんではデザインエンジニアという肩書がありますが、じゃあこのUXエンジニアというのは何をする人なんだ、というのも話せればと思います。 クックパッドとTakramさんとの違いは、大きく事業会社とクライアントワークという違いです。僕からはクックパッドという事業会社でのサービス開発において、デザインとエンジニアリングを越境する
オブジェクトベースなUIデザインの考え方が近頃注目されてきています。デザイナーとしてこれと向き合うに当たって、私なりに解釈した事柄を記しておこうと思います。 オブジェクトベースのUIとはUIデザインにオブジェクト指向の設計論を導入したものをオブジェクトベースのUI、Object-Oriented User Interfaces= OOUI などと呼ぶようです。オブジェクト指向UI、オブジェクト指向ユーザーインターフェイスと呼ぶこともあるかもしれません。そのほかにも OOUX という表記も見られますが、ここでは一貫した呼び名を定めておきたいため、便宜上 OOUI と呼ぶことにします。 私たちが普段目にするGUIは元来OOUIの思想に基づいていると考えられるのですが、中にはとても機能指向的(タスクベース)な設計で構築されたGUIが多くみられるため、特にオブジェクト指向的であるものを強調・区別す
本質を突く5段階構成 2002 年に刊行された Jesse James Garrett 氏の著書「Elements of User Experience」には、デザイナーとしてユーザーエクスペリエンス(UX)を考える上で重要な概念図が紹介されています(日本では『ウェブ戦略としての「ユーザーエクスペリエンス」』という書名で 2005 年に発売されています)。 物を買う、記事を読む、チケットを予約する、地図見るといった様々な行動には、利用者の期待や、何気無い操作など様々な要素が含まれています。利用者の体験に影響を及ぼす要素を以下のように 5 つの段階に分類しています。 表層(Surface): 情報を示したり、操作できるものを表す視覚的なデザイン 骨格(Skelton): 利用者が理解しやすいように画面に表示される情報の優先順位や配置の設計 構造(Structure): 様々な操作を経て目的の
スマートフォンの使い方が、脳に影響を与えることがあります。ある調査によると、毎日スマートフォンを使う人は、脳の体性感覚皮質が大きいことがわかりました。体性感覚皮質は、親指のコントロールをつかさどる部位です。 また、ほかの調査では、ほとんどのユーザーがスマートフォンを片手で操作していることが明らかになりました。スマートフォンを握っているとき、ユーザーは左右どちらかの親指で画面を操作しているのです。親指はユーザーにとってマウスのようなものですが、その動きには限界もあります。 親指はマウスの代わり デスクトップデバイスでは、ユーザーは画面の操作にマウスを使用します。ナビゲーションメニューまでマウスを動かすことは簡単です。なぜなら、マウスは手首の動きを制限しないからです。 しかし、ユーザーがスマートフォンを握っているとき、親指は限られた範囲でしか動けません。画面に親指が届かない領域があるのです。こ
UX Movementの著者および設立者です。ユーザー体験のデザインスキルの開発を手助けしてよりユーザーフレンドリーな世界のために、このブログを創設しました。 フォームのどこにエラーメッセージを配置していますか? ユーザーの期待する場所にエラーメッセージが置かれていないと、ユーザーはフォーム入力を完了できなくなってしまうかもしれません。 フォーム入力を間違えたら、ユーザーはそれを修正して送信し直すために、なにが間違っていたのかを理解する必要があります。フォームを完了しようと思っていたとしても、それがあまりにも大変であればユーザーは心変わりしてしまうでしょう。 フォームの上か、フィールドのインラインか エラーメッセージの配置場所でもっとも一般的なのは、「フォームの上」と、「エラーのあるフィールドのインライン」という2箇所です。どちらの配置場所が、ユーザーにとってより直感的でしょうか? 調査に
前述したように、本体機能とはゲーム機本体に最初から内蔵されているソフトウェアのこと。任天堂の家庭用ゲーム機で初めて実装されたのは、2001年に発売された ニンテンドー ゲームキューブで、当時はセーブデータ管理などだった。以降、ニンテンドーDS、Wii、ニンテンドー3DS、WII Uとハードが進化するにつれ、さまざまなシステムやサービスが追加されていった。こうした多機能化に加え、任天堂のゲーム機以外でも多機能でゲームを遊べるデバイスがつぎつぎに出現。そうした状況の中、ニンテンドースイッチも同じ多機能化を目指すことの是非から考え直したそうだ。その結果、たどり着いた答えが“ゲーム機なので、ゲームで遊ぶに特化しよう”と、原点回帰したじつにシンプルなもの。「これがニンテンドースイッチに込められた思いです」と小野氏。つくるものを厳選し魅力を凝縮するとともに、ストレスを感じさせないことを目指した。その実
初めましての方もこんにちは、さだこえ (@sadako_a_ ) と申します。 DeNAに新卒で入社後、現在は株式会社FOLIOのデジタルプロダクトデザイナーとして、オンライン証券のUIデザインに従事しながら、スタートアップのデザイン支援を副業で行っています。 今記事では、主にアプリの機能として欠かせないPush通知に焦点を当て、記事を執筆します。 Push通知とはご存知の通りPush通知とは、アプリやwebサービスで何か変更や更新があった場合にお知らせをする機能です。一般的にこの業界で言われるPush通知は、Apple Push Notificationを指していることが多いと思われます。 その理由の1つとして、AndroidはPush通知に関してユーザーの許可を取る必要が無いからです。(ダウンロードする際にオプトインされるため、許可率は100%になる。) iOSやWeb Browser
装飾用の画像は、互い違いになったリストのレイアウトで使われていると、ページを流し読みするユーザーがつまずく原因になることが、アイトラッキング調査でわかった。一方、テキストや画像が縦に整列しているページでは、ユーザーは効率的に流し読みをしていた。 Zigzag Image–Text Layouts Make Scanning Less Efficient by Kim Flaherty on November 26, 2017 日本語版2018年6月27日公開 画像は、大きな写真であれサムネイルであれ、現在のWebデザインには欠かせないものだ。特に、トップページや「こういう仕組みです」(How it works)ページのようなストーリーを伝えるページで、企業が複雑なトピックについて書いたり、製品の説明をするときには、関連する画像を付けた説明的なテキストのかたまりがあり、次の列も同じようなテキ
ここ数年の間に、スマホは単なる電話以上に多くの機能を持つようになりました。スマホはさまざまな目的のために使用され、わたし達の日常のアシスタントをこなしています。 そんな便利なスマホアプリのユーザーインターフェイスに注目し、最近のUXデザインにおけるクリエイティブなすごいコンセプトを紹介します。 15 Creative UX Design Concepts for Everyday Needs by Tubik Studio 下記は各ポイントを意訳したものです。 ※当ブログでの翻訳記事は、元サイト様にライセンスを得て翻訳しています。 植物の水やりを管理するアプリ 安眠アプリ ハンバーガーショップのアプリ TODOアプリ 料理のレシピアプリ ベジタリアン用のレシピアプリ アラームアプリ 家電操作アプリ 家計簿アプリ 名刺管理アプリ バランスアプリ ファイナンスアプリ フィットネスアプリ カレン
Kyashが大幅の方針変更を行なった。これまでは送金アプリだったが、ウォレットアプリに進化。2018年3月にはUIも刷新。そのポイントについてサービス&プロダクトデザイナーである成澤真由美さんに解説いただいた。 目次 ・はじめに ・ウォレットアプリ進化までの道のり [1]現金チャージ機能の追加 [2]Kyash Visaカードの発行フロー変更 [3]UI変更にあたって|ユーザーヒアリング [4]UI変更にあたって|segmented controlを不採用した理由 ・おわりに はじめに はじめまして、株式会社Kyashでサービス&プロダクトデザイナーをしている成澤真由美です。 Kyashはおかげさまでリリースから約1年、これまで個人間送金の体験を提供してきました。今後はさらなる飛躍を目指し、送金だけではなく決済を入口とした利用も促進していくことに。 そして2018年3月、これまで備わってい
数年に1度出てくる「サービスの解約が面倒だった!」という話です。 過去にこんな記事を書いてます。 さて、今回解約が面倒だったのは、朝日新聞デジタルの話。朝日新聞デジタルは月300本まで記事が読めるシンプルコースが月額980円、すべてOKなデジタルコースが月額3800円だ。 この有料コースを脱会するには、かなりのクリック数が必要だった。 確かに、有料会員の離脱を防ぐのは重要だけど、ここまでしつこかったら「2度と入るか!」と思ってしまうので、逆効果だと思いますよ、朝日新聞さん! それでは見ていきましょう。 お客様のサポートページから「解約」をクリック(1回目)。私ルールで解約画面に移動する手間はスルーして、解約クリックからスタートしております。 ログインしているにも関わらず、パスワードを聞かれます。まあ、個人情報の変更や解約といった操作は、本人確認をかねて入力させるので、面倒くさいけど、納得し
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