「親父の小言」をご存知だろうか。と言っても酒に頬を赤らめた親父の口から「お前はなっとらん!ガミガミ」と繰り広げられる実際の小言ではない。 居酒屋に行くと壁に貼ってあったり、箸袋に印刷されてたり、はたまたおみやげ屋で手ぬぐいや湯のみになっていたりする「親父の小言」のことだ。 先日、立ち食いそば屋に入ると額入りの「親父の小言」が壁に掛かっていて、一緒にいた友人と「ああ、これよく見るよね」という話になった。「火は粗末にするな」に始まり、「人には馬鹿にされていよ」「子のいうこと八九はきくな」など、うるさいなー親父と思いながらもどこか可愛げがあって心に残る言葉の数々。それにしてもこれって誰が書いたんだろう。 青田暁知著「親父の小言―大聖寺暁仙和尚のことば」(阪急コミュニケーションズ)という本によれば、「親父の小言」はこの本の著者・青田暁知氏の父で福島県大聖寺の「暁仙和尚」によって書かれたもの。昭和3