『窓ぎわのトットちゃん』(黒柳徹子著)、『雪国』(川端康成著)、『白夜行』(東野圭吾著)、『火垂るの墓』(野坂昭如著)、『盲導犬クイールの一生』(石黒謙吾著)――。 言わずと知れた日本の名著、ヒット作品のタイトルである。発売時期はかなり古いものもあるが、これらの本が、今、日本の書店に並んでいたとしても、おかしいとは思わない。きっと復刻版か書店のフェアの一環だろう、くらいに思うだろう。 だが、2015年の現在、これらが書店の1階のベストセラーコーナーにズラリと並んでいる国が“日本以外”にあることをご存じだろうか。それは、韓国と並んで反日的な国だととらえられている中国である。 書店はその国の知的レベルやトレンドを表すものだと思うが、なぜ中国には日本の本があふれているのか? その秘密を探ってみると、マスコミからはうかがい知れない中国人の日本に対する深層心理が見えてくる。 上海市の繁華街、地下鉄「