ノラ博士の比ではないノラ司書の現実 高学歴ワーキングプアと比べたら、有資格ワーキングプアのほうがはるかに地獄と言いたい。もうそこは阿鼻叫喚の血の池地獄、無間地獄としか表現のしようがない。 司書の資格を持っていない人から見れば、図書館なんて極楽のように思っているかもしれない。知的で、優雅で、時間的なゆとりがあって、恋愛ごっこだって、戦争ごっこだって、、、おっと、これはフィクションの世界だ、まあ、楽そうな世界だと思っているだろう。現実はそんなものではない。公共図書館は利用者を幅広く受け入れる。組関係の人、つまり暴力団関係者だって、ホームレスだって、心に病を抱えた人だって、不平不満が心に渦巻く人だって、特に社会的弱者を受け入れる。利用者のすべてが、読書を趣味として、知的で、穏やかな人ばかりとは限らない。カウンター担当の職員は気苦労が絶えない。図書は意外と重い。業者から入荷した資料を運ぶのはかなり