スペインのバレアレス諸島州に属するイビサ島は、世界有数のリゾート地であり「パーティーピープル」が集まるナイトライフの聖地だ。世界的に有名なDJが集まる現在のイビサ島で主流となっているのは、EDMやテックハウスなど、エンターテインメント性のあるアッパーなクラブミュージック。 しかしイビサ島がクラブ文化のメッカと化したのには、1960年代から根付くヒッピーカルチャーや、1980年代に移住して来た英国人DJたちの活躍など、さまざまな時代背景がある。そして、イビサの音楽シーンを語る上で欠かせないのが「バレアリック」だ。 バレアリックと言われて思い浮かぶのは、夕暮れのビーチに鳴り響くチルサウンド。実際、バレアリックとは音楽ジャンルではなく、そのイビサ島にある自由な雰囲気や叙情的なムードのことを総じて呼んでいる。そんなバレアリックサウンドをイビサの地で25年にわたり音楽を奏でているDJ、ジョン・サ・ト