スポーツバイクのフロントブレーキには、制動面のディスクと内側でホイールをマウントするハブ(インナーローターとも呼ぶ)とを連結するフローティングピンが挟まっている。 なぜディスクとハブを分離しなければならないのかというと、ブレーキの熱でライダーがレバー操作するとき、そのつど遊びの量が変わってしまわないようにするためだ。 ブレーキのディスクは当然だが制動するブレーキパッドが接するためにある程度の幅が与えられている。この幅は内側と外側で、ブレーキパッドに対し速度が違ってくる。 その結果、ブレーキをかけるとディスクの外側のほうが熱くなり、金属なので外周に近いほど熱膨張することになる。 ブレーキのディスクは、両側から挟んでいるキャリパー内のピストンが、油圧によってブレーキパッドを押し付けることで制動する。これがブレーキをかけている途中で高温になり反り返ると、ブレーキパッドを押しているピストンが、押し