預金金利が物価に追いつかない「インフレ負け」が続いている。ネット銀行が相次いで実施している定期預金の金利引き上げキャンペーンも、前年比2%超えの物価上昇率には遠く届かない水準だ。日銀が23、24日の金融政策決定会合で追加利上げを行えば定期預金の金利も多少上がる可能性はあるが、現状の「貯蓄から投資へ」の流れは止まりそうにない。(白山泉) 昨年12月、ネット専業のUI銀行がボーナス時期に合わせ、新規口座開設者を対象に1年物定期預金の金利を0.65%に引き上げるキャンペーンを発表した。これに他行が追随。SBI新生銀行は新規口座開設者を対象に「0.85%」、auじぶん銀行は条件付きのキャッシュバックを上乗せすることで「最大1%相当」をうたうなど、競争は過熱している。業界関係者は「新規の預金を獲得してはいるが、より高い金利を求めて出ていく預金も多い」と話す。