この特集の第1回で書いたように、「2012 International CES」(CES2012)に参加し、これまでの開催と最も大きな違いと感じたのが、出展各社の訴求ポイントが「製品単体の性能から新しいユーザー体験の提案」に移っていることである。外形寸法やデータ処理能力などの仕様を並べてアピールする展示や発表は極端に減り、その製品を使って「何ができるか」「どれだけ便利か」を訴えるものが多くなった。 背景に中国メーカーの台頭 注目製品の一つであるスマートフォンについて言えば、機能が多いだけに分業が進むことで表示パネルやプロセッサー、メモリーといった部品は共通化し、製品全体としては大きな違いが見せにくくなっている。最新の部品を搭載した時点では一時的に優位に立てたとしても、数カ月以内に登場する機種ではキャッチアップされてしまうのが当たり前だ。 日本メーカーの得意分野とされている統合技術にしても、