ここ数年、ロボット機械学習の領域を世界的にけん引してきた米Google(グーグル)。その中枢にいた精鋭研究者30人ほどが2024年の3月、一斉にグーグルを退職し、ロボットAIのスタートアップを立ち上げたことは、この領域の人々を驚かせた。「ロボットAIで世界最高峰の企業だったグーグルをなぜ離れるのか」「一体何があったのか」と。 彼ら精鋭達は創業後の約7カ月間、黙して語らずのステルス状態を貫いてきたが、このほどその沈黙を破り、ついに最初の成果を明らかにした。その名も「π0(パイゼロ)」。 マルチモーダル型の大規模言語モデルと、最新の連続型の生成モデルを組み合わせ、「膨大な知識を生かした汎用性」と「動きの精緻さ」を兼ね備えた基盤モデル(foundation model)を作り上げた。既存のロボットAIとは比べものにならないほど動きもスムーズになり、複雑な判断が必要な長いタスクを自動で実施できる(