_ イギリスのある女中の生涯という本がすさまじくおもしろかった 牛追いの10女として生まれたウィニフレッドの生涯を聞きとってまとめた作品なのだが、これはものすごくおもしろかった。 20世紀初頭(第1次大戦前)にイギリスの田舎の土豪に牛追いとして雇われている父親のところで生まれたウィニフレッド(母親は女中から専業主婦になっている)の子供時代、少女時代(女中時代でもある)、途中第一次世界大戦をはさんで恋した相手は戦死して(多分、そこから悲しい後日談も後に出てくる)、逆に相手が恋していて無事生還した男と結婚して専業主婦となり、しかし夫はおそらく戦争の後遺症で何度か廃人化したのでまた女中に復帰したりと、波瀾万丈ではないのだけど、現在の生活から見るとまるで冒険のような人生がえらく細部に凝って書かれている。 記憶の断片の再構成だからだろう。妙にリアリティとコンテキストがある細部の積み重ねによってある時