スギは風によって花粉を運ぶ植物であり、風媒花といわれます。このため、風に乗って遠くまで花粉が運ばれます。花粉の飛散時期は、地域により前後しますが、主に2月から4月にかけてです。 スギ花粉の大きさは30μmで、形状は円形で先端にパピラと呼ばれる突起があります。また、水を含むと花粉は膨張して外壁が割れ、内容物は分解して放出されます。 スギ花粉を放出する雄花は、7月頃から形成され始め、11月頃には雄花の中の花粉が成熟します。その後、気温の低下や昼の時間が短くなることにより雄花は休眠状態に入りますが、冬の寒さに一定期間さらされることで覚醒し、花粉の飛散に向けた準備を始めます。花粉の飛散開始時期は、覚醒した後に暖かい日が続くと早まり、寒い日が続くと遅くなります。 これまでの調査研究によると、スギ花粉の生産量は、花粉が形成される前年夏の気象条件と密接な関係があり、日射量が多く、降水量が少ないほど、翌春