「満蒙は日本の生命線」とは昭和6年にのちの外相、松岡洋右が初めて唱え、世に広まったスローガンである。満州(中国東北部)と内モンゴルは戦略的にも経済的にも、日本の存亡がかかった地域だという意味だ。これと並べてじつは、もうひとつ生命線論があった。▼「南洋は海の生命線」。そんなタイトルの本が出たり映画がつくられたりしている。しかしさほど知れ渡らなかったのは、やがて太平洋が戦場になるとは一般の想像が及ば
去年、2014年は安倍総理が目指す「戦後レジームからの脱却」に向けてまさに一直線となった年でした。「アベノミクス解散だ」、総理自身のそうしたかけ声のもと始まった暮れの総選挙でしたが、経済以外にも、震災復興や原発再稼働、北朝鮮拉致被害者、沖縄米軍基地、外交・安全保障問題など、争点はそれなりにあったはずでしたが、議論は深まりませんでした。投票率は戦後最低の52.66%。《日本を変えたのは「あの日」の無関心だった》と将来振り返る日が来るかもしれません。 私は選挙前から、最大の争点は「憲法改正」だと折に触れて発言してきました。安倍総理が2012年暮れに政権に返り咲いてから、日本版NSC・国家安全保障会議の創設、特定秘密保護法の制定、憲法解釈の変更による集団的自衛権容認の閣議決定、憲法改正手続きを定めた国民投票法の改正、道徳の教科化の検討など、保守色の強い政策を矢継ぎ早に打ち出してきました。靖国神社
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