今年も、3月5日に北京で全人代(全国人民代表大会)が開幕した。私は2001年から2008年まで毎年、この中国の“国会もどき”を取材してきた。 実際に政策の方向性は前年の党の中央委員会総会や各種工作会議などで決定済みなので、この場で新たに予想に反する大ニュースが明らかになる、ということはめったにない。せいぜい国防予算の伸び率が1ケタか2ケタか、というのが日本の新聞的に見出しが立つくらいだろう。 しかし、それでも全国の指導者クラスが一堂に会し、会期中、毎日なんらかの会見やグループインタビューが行われ、普段接触できないような中央委員クラスの政治家たちにもぶら下がり取材ができるチャンスもあるので、北京に支局を置く外国の報道機関も総力を挙げて取材するのが慣例だ。 日本人記者8人含む15人以上を拘束 だが、今年は少々趣が違う。各メディアとも、むしろ全人代そのものよりその周辺の警備の厳しさの方が、ニュー