この他に2007年以来変圧器の火災などのトラブルを繰り返したクリュンメル原発が、2009年から停止したままになっている。つまり合わせて8基の原発が止まっているのだ。 さらにメルケル政権はこのモラトリアムの期間中に、わずか3カ月前に施行したばかりの、原子炉の稼動年数の延長措置も凍結した。ドイツ政府は2010年12月に原子力法を改正して、原子炉の稼動年数を平均12年間延長していた。 ドイツでは1998年に社会民主党(SPD)と緑の党による初めての左派連立政権が誕生。シュレーダー政権は、原子炉の稼動年数を32年間に限る「脱原子力政策」を主要工業国として初めて実行した。全ての原子炉は2022年もしくは2023年に停止するはずだった。 だが2009年10月に発足した、保守中道連立政権(第2次メルケル内閣)は、原子力全廃に批判的な産業界と、電力業界の意見を受け入れて、シュレーダー政権の脱原子力政策を部