日本大学アメリカンフットボール部員の違法薬物事件をめぐり、麻薬取締法違反の罪に問われている3年生の部員の男の初公判で、検察側は懲役1年6か月を求刑しました。中継です。 ◇ 北畠被告はアメフト部員の薬物の使用は10人程度だったとし、「多くても週に2回だった」などと、生々しく証言しました。 日本大学のアメフト部員で大学3年生の北畠成文被告は今年7月、東京・中野区のアメフト部の寮で覚醒剤を麻薬だと認識して所持したとして、麻薬取締法違反の罪に問われています。 1日の初公判で、北畠被告は起訴内容を認め、「親も含め部活、大学関係者に迷惑をかけて申し訳なく思います」と謝罪しました。 また、部内で薬物を使っていた人数については「10人程度」と答え、部屋に集まり使用する頻度は、「今年は月に1回、多くても週に2回」と述べました。 さらに、寮から薬物が見つかった際、アメフト部の監督から「澤田副学長に見つかってよ
格安航空会社(LCC)のピーチ・アビエーション機内でマスク着用を拒否した上、客室乗務員の腕をひねり運航を妨害したなどとする暴行や威力業務妨害などの罪に問われた元大学職員、奥野淳也被告(37)側が、懲役2年、執行猶予4年とした1審大阪地裁判決を支持して被告の控訴を棄却した大阪高裁判決を不服とし、最高裁に上告したことが13日、分かった。 奥野被告は暴行や職務の妨害を否定し無罪を主張していたが、10月30日の高裁判決は「乗務員は被告に対応するため、機内監視などの保安業務や他の職務ができない状態だった」などとして退けた。 判決言い渡し後、被告は「裁判官の当たりはずれで真実がゆがめられる今の司法はおかしい。法壇から降りなさい」と声を上げて裁判長に詰め寄っていた。閉廷後も記者団の取材に「無罪判決が出ると考えていた」と上告の意向を示していた。 判決によると、奥野被告は令和2年9月、釧路発関西国際空港行き
「京都アニメーション」のスタジオが放火され、社員36人が死亡した放火殺人事件の裁判で、2日目の6日、事件直後、青葉真司 被告(45)が取り押さえられた際に「小説をパクられた」などと叫んでいた音声が法廷で再生されました。 再生されたおよそ3分間の音声データの内容です。 公開された音声データの詳細 警察官「おい、名前言えるか?」 被告「青葉」 警察官「下の名前は」 被告「真司」 警察官「生年月日は?」 被告「昭和53年5月16日」 警察官「なんでやった? 言わなあかんで。頑張れ」 被告「パクられた」 警察官「なにを?」 被告「小説」 警察官「なにで火つけたんや?」 被告「ガソリン」 警察官「どこで手に入れた?」 被告「ガソリンスタンドだよ」 警察官「どこの?」 被告「覚えてない」 警察官「ここまでなにで来た?」 被告「歩き」 警察官「家は?」 被告「さいたま」 警察官「なにで火をつけた?」 被
裁判員裁判は、午前10時半すぎに始まりました。 裁判の「冒頭手続」で、青葉被告は裁判長から名前や職業などを尋ねられました。これに対し、被告は小声で答えました。 青葉被告は、起訴された内容について「間違いありません。当時はこうするしかないと思っていた。こんなにたくさんの人が亡くなるとは思っておらず、やりすぎた」と述べ、起訴された内容を認めました。 一方、被告の弁護士は「被告は精神障害により、よいことと悪いことを区別して犯行をとどまる責任能力がなかった」などとして、無罪を主張しました。 検察は、冒頭陳述でこの裁判の主な争点は責任能力だとしたうえで、「被告には完全責任能力があった。被告は、京都アニメーション側に小説のアイデアを盗まれたと一方的に思い込んだ。筋違いの恨みによる復しゅうだ」と述べました。 犯行に至ったいきさつについては、「被告は、京アニが制作したアニメに感銘を受けたことをきっかけに小
実は紛失していなかった"銃弾紛失"事件 「お前やねん」と長時間の取り調べ 音声データに残された暴言10月03日 20:45 奈良県警の銃弾紛失を巡って違法な取り調べを受けたとして、男性巡査長が県に損害賠償を求める裁判を起こしました。 関西テレビは、取り調べの音声データを入手しました。 <取り調べの録音> 【取調官】 「お前が一番、お前しかおらんねん、もう。状況、前、行動、心理。やっぱりおかしいねん」 【男性巡査長Aさん】 「どこがですか」 【取調官】 「もう全部」 拳銃の実弾がなくなった…そんな事実はなかったにもかかわらず、10日間にわたって行われたという長時間の取り調べ。訴状によると、奈良西警察署の男性巡査長Aさん(20代)は、2022年1月、宿直勤務中に実弾の数を点検しました。 その後、上司も点検し問題は見つかりませんでしたが、Aさんが帰宅した後に実弾5発の紛失が発覚。2日後、突然Aさ
入れ墨のタトゥーの彫り師をしている男性が医師の免許がないのに客にタトゥーを入れたとして医師法違反の罪に問われた裁判で、最高裁判所は検察の上告を退ける決定をし、無罪が確定することになりました。タトゥーを入れるのに医師の免許は必要ないとする判決が確定します。 平成27年までに4回、医師の免許がないのに客にタトゥーを入れたとして医師法違反の罪に問われました。 1審の大阪地方裁判所はタトゥーを入れる行為が医療行為に当たると判断して罰金の有罪判決とした一方、2審の大阪高等裁判所は医療行為ではないとして1審を取り消し、逆転で無罪を言い渡しました。 検察が上告していたのに対し、最高裁判所第2小法廷の草野耕一裁判長は、17日までに退ける決定をし、無罪が確定することになりました。 決定では「タトゥーを入れる行為は、美術的な意義がある社会的な風俗として受け止められ、医療行為とは考えられてこなかった。医学とは質
去年5月、大津市で散歩中の保育園児の列に車が突っ込み、2人が死亡した事故で、過失運転致死傷などの罪に問われた被告の女の裁判は、被告が別の罪について突然争う姿勢に転じたため、16日予定されていた判決が後日に延期される異例の事態となりました。 裁判は、16日判決が言い渡される予定でしたが、先月、すべての審理が終わったあとに新立被告が民放テレビ局の取材に応じ「不運が不運を呼んだ」とか「対向する車がブレーキを踏んでいれば」などと裁判で主張していなかった発言をしたため、検察側が審理の再開を申し立てました。 そして改めて行われた被告人質問で、被告は発言について、「言いたいことが伝わらず、裏目に出てしまった」などと話しましたが、被害者の家族は法廷で「被害者感情を踏みにじるもので、最大限の刑を受けても納得できない」と批判しました。 さらにこのあと被告が出会い系サイトで知り合った男性につきまとったとする別の
日本の司法が初めて「海賊版サイト『漫画村』は違法なのか」を判断する裁判が、10月26日、東京地裁で判決を迎える予定でしたが、想定外の理由で判決の言い渡しが延期されました。 東京地裁が4月16日に受理した訴状 漫画家のたまきちひろさん(著書に『人生リセット留学。』、ドラマ化された『Walkin' Butterfly』など)が、「漫画村」にサーバを提供していた米Cloudflareに対し、運営者情報等の開示を求めている本訴訟(関連記事)。 閉鎖状態となっている「漫画村」 たまきさんの作品が無断掲載されていたことを示す証拠など 4月16日に東京地方裁判所が訴状を受理した後は、裁判所からの正式な海外送達には時間がかかるため、たまきさんの代理人を務める東京フレックス法律事務所の中島博之弁護士からの英訳の訴状・証拠書類(アクセスログ等の漫画村の情報の保全請求も含む)が5月14日に米Cloudflare
わいせつ事件で起訴され、その後、無罪が確定した道東の中標津町の男性が、被害を届け出た女性がうその供述をしたなどとして賠償を求めた裁判で、釧路地方裁判所は男性の訴えを退けました。 この裁判は、強制わいせつ未遂の罪に問われ5年前に無罪が確定した中標津町の谷内保男さん(50歳)が、被害を届け出た女性がうその供述をしたことで精神的苦痛を受けたなどとして、700万円余りの損害賠償を求めていたものです。 25日の判決で、釧路地方裁判所の中川博文裁判長は、「当時の女性の供述には客観的な証拠と整合しない点があり、信用性に疑いを入れる余地はある」と指摘しました。 その一方で、「民事裁判で、原告は、わいせつ事件が存在しないことを証明しなければいけないが、これまでに証明されたとはいえない」と述べて谷内さんの訴えを退けました。 判決のあと谷内さんは記者会見し、「女性の証言は誰もがおかしいと思うものだったのに、きょ
大阪で1歳の娘を虐待死させた罪に問われた両親の裁判で、最高裁判所は、1審の裁判員裁判が言い渡した検察の求刑を大幅に上回る懲役15年の判決を取り消し、父親に懲役10年、母親に懲役8年を言い渡しました。 裁判員裁判の判決を最高裁が直接見直したのは初めてです。 岸本憲被告(31)と妻の美杏被告(32)は4年前、大阪・寝屋川市にあった自宅で、当時1歳の3女の頭を強くたたくなどして死なせた傷害致死の罪に問われました。 検察の懲役10年の求刑に対し、1審の裁判員裁判は大幅に上回る懲役15年を言い渡し、2審も取り消さなかったため被告側が上告していました。 24日の判決で最高裁判所第1小法廷の白木勇裁判長は「裁判員裁判といえどもほかの裁判との公平性が保持されたものでなければならず、これまでの刑の重さの大まかな傾向を共通認識としたうえで、評議を深めることが求められる。従来の傾向を変えるような場合には、具体的
パソコンの遠隔操作事件で、起訴された被告について裁判の争点や証拠を事前に整理する手続きが行われ、初公判が来年2月に開かれる見通しとなりました。 弁護団が一貫して無罪を主張しているのに対し、検察は50人を超える証人を呼ぶことを検討していて裁判は長期化が予想されます。 一連の遠隔操作事件で威力業務妨害などの罪で起訴されたインターネット関連会社の元社員、片山祐輔被告(31)について29日、東京地方裁判所で事前に争点や証拠を整理する手続きが行われ、初公判は来年2月中旬に開かれる見通しとなりました。 弁護団が「被告自身も遠隔操作された被害者だ」と一貫して無罪を主張しているのに対し、検察は有罪を立証するために50人を超える証人を呼ぶことを検討していて、裁判は長期化することが予想されます。 また、この事件では証拠の多くがデジタルデータのため、裁判所はIT技術の専門家が「特別弁護人」として弁護団に加わり、
自殺前日暴行映像30秒20発…桜宮高体罰バスケ部元顧問初公判 大阪市立桜宮高の体罰問題で、自殺したバスケットボール部主将で2年生の男子生徒(当時17歳)を殴り負傷させたとして、傷害と暴行の罪に問われた元教諭・小村基(こむら・はじめ)被告(47)は5日、大阪地裁(小野結審26日判決寺健太裁判官)の初公判で起訴内容を認め、遺族に謝罪した。検察側は、自殺前日の映像を証拠として提示。部顧問だった小村被告が男子生徒を殴る、凄惨(せいさん)な暴力の様子に、法廷が凍り付いた。検察側は懲役1年を求刑し、結審。判決は26日に言い渡される。 通常のバスケットボールの試合では絶対に聞かれないような音に、法廷内が凍り付いた。「バン、バン、バン、バン」。検察側が証拠として提出したビデオ映像がモニターに映し出されると、小村被告は体をこわばらせ、被害者参加制度で立ち会い、身を乗り出して見入っていた男子生徒の母親(45)
「競馬で儲けた28億8000万円の一時所得を申告しなかった」——。巨額の「競馬脱税事件」として注目を浴びている裁判の判決が5月23日、大阪地裁で下される。週末には、競馬の祭典・日本ダービーが予定されているが、競馬ファンはこちらの結果も気になるはずだ。 報道によると、被告人の男性(39)は100万円を元手に、当たり馬券の払戻金を次々につぎ込む形で馬券を購入。自作の予想システムを駆使し、2009年までの3年間で合計約28億7000万円分の馬券を買い、トータルで約30億1000万円の払い戻しを得た。つまり、差し引きして約1億4000万円の「黒字」となった。 単純に考えると、この黒字分の約1億4000万円が「所得」であり、税金がかかるとしたら、この部分だと思うだろう。ところが、男性が確定申告しなかったために所得税法違反で起訴された際に、検察が「所得」と主張したのは、なんと28億8000万円とい
強盗殺人などの罪に問われ、裁判員裁判で死刑を求刑された池田容之被告への判決が言い渡された横浜地裁の法廷=16日午前(代表撮影) 裁判員裁判で初の死刑判決を受けた池田容之被告(32)に対し、横浜地裁の朝山芳史裁判長は判決言い渡し後の説諭で「裁判所としては控訴を申し立てることを勧めたい」と述べた。裁判員が決定した1審判決に対して、控訴を促したことは極めて異例と言える。 池田被告は公判で「いかなる刑にも服する」と証言していた。朝山裁判長は判決言い渡し後、「あなたはいかなる刑にも服すると言っていたが、こういう重大な判断になった」としたうえで控訴を勧めた。 説諭には死刑に反対した裁判員の意向を踏まえた可能性もあるほか、控訴審もあることを示すことで死刑判決を決めた裁判員の精神的負担を和らげる配慮もあるとみられる。
大阪市平野区のマンションで2002年4月、母子が殺されて放火された事件で、殺人と現住建造物等放火の罪に問われた大阪刑務所職員(休職中)、森健充被告(52)の上告審判決が27日、あった。最高裁第三小法廷(藤田宙靖裁判長=堀籠幸男裁判長が代読)は、無期懲役とした一審・大阪地裁判決と、死刑とした二審・大阪高裁の判決をともに破棄し、審理を同地裁に差し戻した。 最高裁が死刑判決を破棄して差し戻すのは極めて異例。戦後混乱期の昭和20年代に起きた松川、八海事件などの例があるが、最近では1989年6月の山中事件以来21年ぶりとなる。 この事件では、森被告と犯行を結びつける直接的な証拠がなく、被告も犯行を一貫して否認。一審・大阪地裁、二審・大阪高裁とも「間接証拠」を総合して有罪と認定し、それぞれ無期懲役、死刑を言い渡していた。 一、二審判決は、森被告が02年4月14日午後、大阪市平野区のマンションに住
性犯罪を審理する仙台地裁(川本清巌裁判長)の裁判員裁判で、被告の男に「あなたはむかつくんです」と強い口調で発言した50代の男性裁判員経験者が20日、判決公判後に記者会見に応じ、「感情的になった部分があった。でも裁判長の制止が平常心に戻るきっかけになった。人を憎まず、罪を憎むということですね」と語った。 審理対象になっているのは、女子高生=当時(15)=に対する強姦(ごうかん)致傷罪に問われた宮城県大崎市の無職、結城一彦被告(39)。 男性は19日の被告人質問で、結城被告に「裁判が面倒くさいと思わないか」「二度と繰り返さない気持ちはどれくらいか」などと繰り返し質問。答えに窮する被告に「『反省します』とか当たり前の答えしか返ってこない」と強い口調で話し、「あなたはむかつくんです」と発言。川本裁判長に「そのへんで」と制止された。 判決公判後の記者会見では、男性の発言に質問が集中。感情的になった理
強姦(ごうかん)致傷罪に問われた被告に対し、裁判員が「むかつく」と発言した19日の仙台地裁の法廷。健全な国民の社会常識やさまざまな視点を反映することを目的に導入された裁判員制度だが、率直な思いの発露と冷静な審理のはざまで、“素人”が刑事裁判にかかわる制度の難しさを象徴するできごとだったといえる。 今回の仙台地裁のような法廷は、従来の職業裁判官と弁護人、検察官の法曹三者の法廷では起こりえなかった。しかし、裁判員裁判では最終的にくじで無作為に選ばれた裁判員が参加するだけに、制度づくりの過程で想定されていた事態でもある。裁判員法には裁判員の義務として、「品位を害するような行為をしてはならない」とある。 ほかにも「公判廷で裁判長が命じた事項に従わず、または暴言その他の不穏当な言動によって公判手続きの進行を妨げたとき」は、検察官や被告、弁護人が裁判所に解任を請求できると規定され、裁判長が職権で解任す
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