台湾人旅行者が奥会津地域に熱い視線を注いでいる。福島空港と台湾を結ぶ定期チャーター便の運航再開と新型コロナウイルスによる行動制限緩和に加え、福島県只見町を舞台にした映画「青春18×2 君へと続く道」が台湾で大ヒットし、多くの旅行者が「聖地巡礼」に訪れているようだ。県や地元は現状を好機と捉え、冬景色などにとどまらない本県の魅力を伝えようと新たな仕掛けに乗り出した。 道の駅尾瀬街道みしま宿(三島町)前で7月下旬、停車した大型バスから台湾人観光客が次々と出てきた。向かった先はJR只見線を眼下に望む高台。一行は絶景に目を輝かせ、笑顔で撮影を楽しんでいた。 「台湾人旅行客に加え、国内の若者らの来訪も増えている」。町観光協会の担当者は、映画の誘客効果に確かな手応えを語る。 映画は、台湾に住むジミーと日本人女性のアミの淡い恋模様を描いた。出会いから18年後、36歳になったジミーはアミが生まれ育った只見町