クルマが売れない。昨年の国内新車販売台数は約460万台と、ピーク時(平成2年)の6割程度にまで縮小している。 景気低迷が一因だが、一般的には若者のクルマ離れが最大の理由とされている。日本自動車工業会の調査によると、大学生の「興味ある製品」でクルマは17位(20年度)と、40〜50歳代が大学生だった当時の7位から大きく後退している。 しかし、トヨタ自動車の豊田章男社長は「クルマから離れているのは若者ではなく、私たちメーカーなのではないかと思う」と反論する。 ■ ■ 9月3日。強い日差しの下、静岡県小山町の富士スピードウェイで、1台のスポーツカーが強烈なエンジン音を響かせていた。 12月から世界限定500台で販売が予定されている高級スポーツカー「レクサスLFA」(価格3750万円)。豊田社長率いるレーシングチームが、5月にドイツで開かれた24時間耐久レースに参戦したときの車両で、