長野、福島両県などで果実が腐る被害が深刻な「リンゴ輪紋病」が、より寒冷な青森県にも広がりつつある。県産業技術センターりんご研究所は、温暖化で病原菌が繁殖しやすくなったことが一因とみており「温暖化がさらに進めば果実の被害が本格化する」と警戒している。 りんご研によると、輪紋病の病原菌は25度で最も繁殖し、夏に胞子が大量に飛散する。潜伏期を経て発病した木の枝にこぶができるほか、果実の表面に褐色の斑点が同心円状に広がり、実が腐る。 菌を取り除くには数年間、枝のこぶを削り続けるしかない。感染が拡大した福島県や長野県では完全除去をあきらめ、予防効果のある殺菌剤で果実を守っているという。 青森県内では、他県からの苗木が原因とみられる感染が89年、八戸市で初めて確認され約10年前から枝のこぶの報告が相次いだ。このため、りんご研は07年に調査を実施。12市町村の果樹園21カ所のうち15カ所で平均約4割の木