新井雄治・前東京消防庁消防総監=東京都中央区で、小泉大士撮影 昨年3月19日未明、東京電力福島第1原発3号機建屋への放水作業を成功させた東京消防庁の新井雄治前消防総監(60)が毎日新聞の単独インタビューに応じ、「部下の安全を確保できないのに命令をかけたのは許されないと今も思う。本来あってはならないことだった」と、死と隣り合わせの命令を下した苦悩を打ち明けた。そのうえで、放射線を防護できる免震重要棟の存在を知らされていなかったことを痛恨事として挙げ、「情報共有という阪神淡路大震災の教訓が生かされていなかった」と述べた。【千代崎聖史】 新井氏は昨年7月に総監を退任。震災から1年を機にインタビューに応じた。 新井氏によると、部隊派遣の発端は、3月17日午後6時ごろの意外な内容の電話だったという。知事部局からの依頼で、石原慎太郎都知事に電話すると、「(菅直人)総理が、東京消防庁があまり協力してくれ
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